Post date: 2016/07/08 8:28:20
2016年8月8日(月)・9日(火)に、東京にあるお茶の水女子大学にて開催のMHB研究会2016年度研究大会初日に、大会会場内でIS部会の会合を持ちます。大会ならびに部会の会合に参加ご希望の方は以下のURLにアクセスしてオンラインによる申し込みをお願いします。
当日の会合の内容は、以下の通りです。
母語継承語バイリンガル教育(MHB)研究会
インターナショナル・スクール(IS)部会 2016年度会合のご案内
〜ISにおける教育実践と理論をつなぐために〜
日本国内でも海外でもインターナショナル・スクール(以下、IS)における教育に関心が高まりつつあります。MHBは言語教育を対象領域としていますが、IS部会のメンバーは、ISでの日本語教育について関心を持つ方がほとんどで、特に、母語・継承語としての日本語教育が関心事という方が多いようです。
ISにおける母語・継承語育成については、学校間の繋がりがないため学校の形態・提供プログラム・日本語の指導あるいは学習の実態についての情報共有が乏しいこと、実態調査や文献が少ないことが課題として挙げられています注。それに加えてIS部会メンバーからは、関連分野の研究に裏打ちされた効果的な教授法を模索する必要性、教育の現場で得られた知見を研究としてとりまとめて発信していく必要性、その両者のために研究と教育現場との連関を密にしていくことが重要であることが様々な機会に指摘されています。
そこで今年のIS部会会合では、具体的な実践について、部会メンバーにご報告いただき、そうした実践はどのような研究とつながりがあるかを参加者全員で考えたいと思います。
部会会合では、ブラッセルインターナショナルスクールの石田まりこ先生が「継承言語としてのIB Japanese Bの取り組み」(仮題)という実践報告をしてくださいます。報告時間は15分ほどを予定しております。他にも実践報告をしてくださる方がいらっしゃいましたら、小澤までお知らせください。
報告に続いて参加者全員で討議の時間を持つ予定ですが、そこでは報告された実践に限定せず、ISの教育において生徒の言語力を育成することにつながる研究理論や動向などを積極的に情報提供し合い、今後「学ぶべき研究・理論・社会的動向など」のマップを描ければと考えています。もちろん、会合に予定されている1時間だけで完全なマップを描くことは不可能ですが、今後徐々にマップを広げていくことを前提に、たたき台を作ってみようという試みです。
例えば、今夏、海外継承日本語部会が部会ウェブサイトに公開している「入門書・参考書」 https://sites.google.com/site/keishougo/resources などはIS部会の私達にとても参考になる情報です。また、これまでに対面での情報交換会やオンライン茶話会などを通じて伺っていることからは、「母語話者と非母語話者」の二項対立ではうまくいかないクラスの現実(授業における継承語話者の存在)が窺えます。また、母語・継承語としての日本語教育だけに着目するのではなく「バイリンガル(マルチリンガル)な言語力の育成」を考えたいという声もありますし、「移動する子ども達の教育のための学校を越えた教育の連続性」「国際バカロレア(IB)におけるPYP、MYP、DPの連携」なども重要であるという指摘もあります。IBについては「日本語と英語によるデュアルランゲージ・ディプロマ」の導入などの社会的動向も気になるところです。そして、そのような中、どのような教授理論や言語学の理論などに基づき、カリキュラムデザインをし、教材作成や指導をするのか、どのような評価をするのか、といった面でも他者の実践を知り、かつ、実践と理論とを結ぶ必要性も指摘されています。この数年、夏に開催されているIS部会企画のハンズオンのワークショップで津田先生がご紹介くださっている教授法・カリキュラムデザインの理論などもマップに加えるべき内容でしょう。部会のみなさまの実践も、そのマップの中のどこに位置づけられるものかということと一緒に共有していただきたいと思っています。そうすれば、他のメンバーによりよく意義が伝わるに実践報告になるに違いないと考えています。
今夏の会合で試みに作成したマップは、今後の部会の活動の中で、さらに広げたり内容を充実させていきたいですし、そうした研究・理論・動向などで参照すべき文献のリストを作成する他、部会で勉強会を企画するなどして、文献解題なども部会で共有したり外部に向けて発信したりできればと思っています。
会合の後にMLを通じて当日のことをご報告しますので、参加できなかった方からもご意見や情報などいただけますようお願いいたします。
今夏の会合にもぜひ多くの方にご参加いただきたく、お待ち申し上げます。
IS部会代表 小澤伊久美・河野あかね
注:大山全代(2013)「インターナショナルスクールを取り巻く環境の変化と課題」、2013年度母語・継承語・バイリンガル教育(MHB)研究会10周年記念大会パネルセッション、2013年8月17日、大阪大学.
2016年度 MHB研究会 IS部会会合
日時:2016年8月8日(月) 12:00-13:00
お昼休みにあたりますので、昼食を取りつつのご参加で問題ありません。(各自昼食をご持参ください。)
場所:お茶の水女子大学
〒112-8610 東京都文京区大塚2-1-1 http://www.ocha.ac.jp/help/accessmap.html
(受付は南門近くの文教1号館1階。南門は7:00-21:00開錠)
内容:
(1)部会メンバーによる実践報告
「継承言語としてのIB Japanese Bの取り組み」石田まり子(ブラッセルインターナショナルスクール)
継承言語として日本語をどのように根付かせていくのかという実践をIBの試験という目標に向かって頑張った生徒の実践記録
(2)参加者による討議
「ISにおける教育実践に関連のある理論などに関する情報共有」 ファシリテーター 小澤伊久美・河野あかね
参加申込みと受付について:
· 当日参加も歓迎いたしますが、準備の都合上、なるべく事前に参加申込みをしてください。
· 事前申込みは、2016年8月8日(月)〜9日(火)に開催される以下の3つについて一括して行っています。次のURLをクリックして必要情報をご回答ください。
(1)真嶋潤子代表科研費研究成果報告会(MHB研究会共催)」
8日(月)10時より [9:30受付 文教1号館1階]
(2)MHB研究会2016年度研究大会」
8日(月)13時より [12:30受付開始 文教1号館1階]
(3)MHB研究会 各部会の会合
MHB研究会の4つの部会の集まりが8日(月)と9日(火)にあります。
複数の部会会合に参加可能です。
· IS部会の会合に参加される方は、研究大会への参加受付を12時より前に済ませられるようMHB研究大会実行委員が手配してくださることになっています。
参加費:
· 部会会合への参加者は、MHB研究大会への参加者であるという前提になっておりますので、部会会合の参加にあたり、大会参加費(3,000円)以外に費用の支払いは生じません。大会参加費は当日、受付で現金にてお支払いください。なお、学生割引があり、学生証の提示で2,000円になります。