Valency
Below are being gathered (in no systematic way) textual attestations for the valency of Classical Japanese verbs, adjectives and nouns.
foka 外
N no foka
名残りなく/燃ゆと知りせば/皮衣/思ひのほかに/置きて見ましを《竹取物語 5》
N / V-((u)r)u yori foka
ひぐらしの/鳴く山里の/夕暮れは/風よりほかに/とふ人もなし《古今和歌集 205》
この草子、目に見え心に思ふ事を、人やは見むとすると思ひて、つれづれなる里居のほどに、書きあつめたるを、あいなう人のために便なき言ひ過ぐしもしつべき所々もあれば、よう隠しおきたりと思ひしを、心よりほかにこそ洩り出でにけれ。《枕草子 319》
人ごころ/憂きには鶏に/たぐへつつ/なくよりほかの/声は聞かせじ《落窪物語 1》
kof/i- 恋ふ
N ni kof/i-
あしひきの/山郭公/我がごとや/君に恋ひつつ/いねがてにする《古今和歌集 499》
N wo kof/i-
駿河なる/田子の浦浪/立たぬ日は/あれども君を/恋ひぬ日ぞなき《古今和歌集 489》
koto 異
N yori koto
常よりことに聞ゆるもの 正月の車の音。また、鳥の声。暁のしはぶき。物の音はさらなり。《枕草子 115》
masar- 増さる・勝る
N ni masar-
その女、世人にはまされりけり。《伊勢物語 2》
命にも/まさりて惜く/ある物は/見はてぬ夢の/覚るなりけり《古今和歌集 609》
つれづれの/ながめにまさる/涙川/袖のみ濡れて/あふよしもなし《古今和歌集 617》
N yori masar-
いかなれや/昔思ひし/ほどよりは/今のま思ふ/ことのまさるは《落窪物語 1》
ふと心おとりとかするものは 男も女もことばの文字いやしう遣ひたるこそ、よろづのことよりまさりてわろけれ。《枕草子 195》
山桜/咲きぬる時は/常よりも/峰の白雲/立ちまさりけり《後撰和歌集 118》
その人、かたちよりは心なむまさりたりける。《伊勢物語 2》
noti 後
V-((u)r)u noti
惜しむから/恋しきものを/白雲の/たちなむのちは/なに心地せむ《古今和歌集 371》
V-(i)t/e-∅ no noti
月草に/衣はすらむ/朝露に/濡れてののちは/うつろひぬとも《古今和歌集 247》
逢ひ見ての/後こそ恋は/まさりけれ/つれなき人を/いまはうらみし《後拾遺和歌集 674》
梅の花/咲きてののちの/身なればや/すきものとのみ/人の言ふらむ《古今和歌集 1066》
東ぢの/さやの中山/なかなかに/あひみてのちぞ/侘しかりける《後撰和歌集 508》
N yori noti
きみがおもひ/ゆきとつもらば/たのまれず/はるよりのちは/あらじとおもへば《古今和歌集 978》
saki 先
N yori saki
秋の菊/匂ふかぎりは/かざしてむ/花より先と/知らぬ我が身を《古今和歌集 276》
しののめの/別れを惜しみ/我ぞまづ/鳥より先に/なきはじめつる《古今和歌集 640》
sakidat- 先立つ
N ni sakidat-
かねてより/風に先立つ/浪なれや/あふことなきに/まだき立つらむ《古今和歌集 627》
N wo sakidat-
あづまぢや/一夜がほどに/くる春を/いかでさきだつ/霞なるらん《忠度集 1》
tagaf- 違ふ
N / V-((u)r)u ni tagaf-
世の人の/けふのけさには/恋すとか/聞きしにたがふ/心地こそすれ《落窪物語 2》
taguf/e- 類ふ・比ふ
N ni taguf/e-
人ごころ/憂きには鶏に/たぐへつつ/なくよりほかの/声は聞かせじ《落窪物語 1》
tomo 共
N no tomo ni
白雪の/ともに我が身は/ふりぬれど/心は消えぬ/ものにぞありける《古今和歌集 1065》
wakar/e- 別る
N ni wakar/e-
むすぶ手の/しづくに濁る/山の井の/あかでも人に/別れぬるかな《古今和歌集 404》
郭公/今朝鳴く声に/おどろけば/君に別れし/時にぞありける《古今和歌集 849》