投稿日: Apr 03, 2015 9:47:53 AM
ジャフィージャーナル特集号論文募集案内
※締切を7月31日(金)に延長しました。
特集号テーマ:ファイナンスにおける数値計算手法の新展開
情報技術の飛躍的な発展は,金融産業のみならず多くの企業活動に大きな影響を及ぼしています.ムーアの法則として知られているとおりハードウェアの性能は激しいスピードで向上していますし,ソフトウェアの向上により,かつては専門家のみに利用が限られていたパラレルコンピューティングも以前に比べると容易に利用可能となりました.
このような情報技術の発展は,ファイナンス研究において計算機の利用を前提とした数値計算手法の重要性をかつてないほど高めています.もちろん,その他多くの学問分野と同じく,ファイナンス分野においても解析的アプローチが重要であることはいうまでもありません.しかし,解析的アプローチが,しばしば本質的な現象を捉えるためにモデルを単純化するのに対し,数値的なアプローチでは現実の複雑で多元的な現象をありのまま受け入れ,解析解が存在しない問題の分析が可能となります.数値計算的なアプローチを用いることで,例えば,リターンの非正規性や,複数資産の非線形な依存性を取り入れた金融モデルなどを効率的に取り扱うことが出来ます.また,ベイジアンアプローチの実務への普及は,情報技術の発展と密接な関係があることが知られています.
ただし,数値計算を行うときには,解析的な分析と異なり,計算時間や計算結果の精度の検証など,数値計算特有の問題を扱う必要があります.特に,新しいテーマにおいて数値計算的なアプローチを採用する場合には,正しく利用するためにその利点とともに限界点の分析をすることが欠かせません.
次回発行予定のジャフィージャーナルでは,このような問題意識のもと「ファイナンスにおける数値計算手法の新展開」をテーマとして特集を組むことを企画しました.特集では,(1) ファイナンス研究において,評価,分析,計算,推定などを行うにあたり何らかの技術的な工夫を提案する研究,(2) ファイナンス分野で用いられる標準的手法とは異なる計量的なアプローチを用いることで,新たな結論や,実証分析結果,実験結果を導出する研究,を中心に広く数値計算手法に関連する研究の論文を募集致します.
投稿される論文としては,例えば次のようなタイプの研究が想定されています.
(A) コンピューテーショナル・ファイナンス分野の研究
非標準的なデリバティブの評価,ヘッジ戦略の構築
格子法,モンテカルロ法,偏微分方程式の数値解法などについて技法の研究
数理計画法を用いた最適投資問題
(B) モデル選択,パラメータ推定,キャリブレーションなどの手法に関連する研究
時系列解析,ベイジアンアプローチ,マルコフ連鎖モンテカルロ法,EMアルゴリズムなど
(C) 計算機を利用した判別分析や機械学習を用いた金融問題の研究
ニューラルネットワーク,サポートベクターマシーン,遺伝的アルゴリズム,進化的計算など
(D) エージェント・ベースド・コンピューテーション
人工市場,マーケットマイクロストラクチャーの分析など
(E) 非標準的な数値計算手法を用いることによって可能となった実証分析
もちろん,ここで挙げた例以外の手法やアプローチに関連する論文も幅広く募集しておりますので,奮ってご応募下さい。
なお、論文投稿の締切日は、2015年7月31日(延長しました)です。
論文投稿先:
ジャフィージャーナル編集委員会宛メールアドレス jafee.editor@gmail.com まで
※ジャフィージャーナル編集委員会まで「氏名を記載した論文ファイル」と「無記名の論文ファイル」の2編をメール添付で送付してください。
掲載予定:2016年春刊行予定のジャフィージャーナル第15巻
※ すべての論文は審査されます。
※※ 上記の特集論文以外にも,一般論文の募集もこれまで通り行っておりますので,上記投稿先まで論文の投稿を宜しくお願い致します.
【ジャフィージャーナル編集委員:中妻 照雄,山田 雄二,今井 潤一】