2021年3月14日
第11回研究報告会
金融プラス・フォーラム
事務局
2021年は昨年に引き続くコロナ禍のなか緊急事態宣言が発令される波乱のスタートとなりました。金融プラス・フォーラムは昨秋からオンラインではありますが本格的に再開しています。その中心事業である研究報告会も今回で第11回目を迎えることになりました。今回は銀行アナリストとしても著名な野崎浩成教授(東洋大学国際学部)をお招きし「地銀と持続可能性」と題して報告頂きます。
報告内容は旬の話題である地銀の再編ですが、「再編は生存権維持への解ではない。また、政策的視点では、地銀の持続可能性を再編等で確保するのが目的ではなく、地域に必要な金融機能を維持することが重要である」との見解を示しています。また、「地銀が地域における金融機能の担い手として安定的に経営を行っていくうえで、いかなる経営課題を抱えているかを詳らかに」し、その際「金融審議会銀行制度等ワーキング・グループ報告」(12月公表)で提起された法令改正を含む制度の見直しとその効果についても触れて頂く予定です(以上、野崎教授よりの「概要」)。具体的には、昨年9月発売の『消える地銀 生き残る地銀』(日本経済新聞出版)に明快に書かれていますので一読をお薦めいたします。著書の中では「向こう10年程度を、銀行が不要になるのではなく、不要になる銀行があぶり出される期間だと私は予想します。そしてその次の10~15年で、場合によっては銀行の概念がなくなる、あるいはもっと過激に述べれば「銀行法」がなくなる可能性もないわけではないと思います」と大胆な予測も指摘されています。なお、地銀の再編が中心ですが、メガバンクなどその他金融機関やフィンテックなどにも触れていただくことになっています。また、金融審議会専門委員を務めておられ旬な話題も、・・・、期待されます。
今回もオンラインとなりますが、質疑応答を交えた活発な議論が期待されます。研究報告会終了後にオンラインでの懇親会(数グループに分け、一定時間経過後に入替あり。ビールで乾杯予定)に入りますが、こちらの方にも是非ご参加ください(どちらかだけの参加でも可です)。
1 日時
2021年3月14日(日)16時30分~18時00分
報告(16:30-17:35)の後、質疑応答を予定しています。終了次第、懇親会。
2 懇親会(オンライン(zoom):18時開始~19時
3 会費
無料。
4 主催者
金融プラス・フォーラム(会長:唐木宏一)
5 テーマ:「地銀と持続可能性」
6 報告者:野崎浩成(東洋大学国際学部グローバル・イノベーション学科教授)
1986年慶應義塾大学経済学部卒、1991年エール大学経営大学院修了(経営学修士)、2008年千葉商科大学大学院修了(博士)。埼玉銀行(企画部、現りそな銀行)入行ののちエービーエヌ・アムロ証券会社(シニアアナリスト)、HSBC証券会社(株式調査部長兼シニアアナリスト)、シティグループ証券株式会社(マネジングディレクター)などを歴任。千葉商科大学大学院客員教授(2014年~)、京都文教大学総合社会学部教授(2015年~)、2018年より東洋大学国際学部教授。CFA(米国CFA協会認定証券アナリスト)、CMA(日本証券アナリスト協会検定会員)。日経アナリストランキング1位(銀行部門、2015年まで11年連続)、米国インスティテューショナルインベスター誌1位(銀行部門、2013年まで10年連続+2015年)。金融審議会専門委員(2015年、2020年)。
著書に、「銀行」(日本経済新聞社)、「銀行の罪と罰―規制とガバナンスのバランスを求めて」(蒼天社出版)、「バーゼルⅢは日本の金融機関をどう変えるか」(日本経済新聞社)、「グローバル金融システムの苦悩と挑戦-新規制は危機を抑止できるか 」(金融財政事情研究会)、「すべてがわかる経済理論」(税務経理協会)、「トップアナリストがナビする金融のしくみと理論」(同文館出版)、「銀行グループ経営」(金融財政事情研究会)、「超一流アナリストの技法」(日本実業出版社)、「成長神話という煩悩からいかにして金融は解脱すべきか」(ディスカヴァートゥエンティワン)、「消える地銀 生き残る地銀」(日本経済新聞出版社)などがある。
7 過去の研究報告
<2017年>
第1回(12月):井上智洋(駒澤大学准教授)『人工知能は未来の経済をどう変えるか?』
<2018年>
第2回(3月):瀧俊雄(マネーフォワード取締役Fintech研究所長)『フィンテックのインパクト』
第3回(7月):宮村健一郎(東洋大学経営学研究科研究科長)『 アメリカ銀行業のP2Pレンディング戦略』
第4回(9月):駒井隼人(株式会社Delta Valuesチーフデータサイエンティスト)『ビッグデータから見た個人投資家行動』
第5回(12月):中村淳一郎 (株式会社IICパートナーズ代表取締役社長)『企業年金・退職金のエッセンスと企業経営に活かす視点』
<2019年>
第6回(3月):畔上秀人(東洋学園大学現代経営学部教授)『リスク評価の世代間継承-生命保険について-』、江口政宏(商工総合研究所主任研究員)『ブロックチェーンは次世代プラットフォームとなりうるか』、冨田洋介(共栄大学国際経営学部専任講師)『金融市場と経済格差に影響を及ぼす法的環境の実効性について-制定法と慣習法の相違を中心に-』
第7回(7月):牧野知弘(オラガ総研株式会社 代表取締役 / 不動産事業プロデューサー)『不動産価値革命と住宅―人生100年時代を迎えて―』
第8回(9月):武田泰弘(TRENDE株式会社テクノロジーディレクター)『電力流通とP2P電力システム』
第9回(12月)濱口桂一郎(労働政策研究・研修機構研究所長)『人生100年時代の雇用と労働』
<2020年>
第10回(12月):駒井隼人(一橋大学経営管理研究科博士後期課程、株式会社Delta Values)・古谷野良太(株式会社Delta Values)『個人投資家は何を基準に投資の意思決定をしているか? ―株価からの一考察』