2017年12月14日
第1回研究報告会
金融プラス・フォーラム
事務局
金融プラス・フォーラムの第1回研究報告会のご案内です。著書『人工知能と経済の未来:2030年雇用大崩壊』(文春新書)がベストセラーとなっている井上智洋駒澤大学准教授をお招きいたします。演題(テーマ)もズバリ「人工知能は未来の経済をどう変えるか?」となっており、わかったようでよくわからない人工知能(AI)と今後の経済を全面展開して頂きます。
著者によると、2030年頃にそれまでの「特化型AIの時代」から「汎用AIの時代」に移行することで、資本主義は第二の大分岐を迎え資本主義2.0(純粋機械化経済)に突入するという。19世紀の第一次産業革命の頃には蒸気機関などによる機械的生産を導入した欧米諸国(「マルサスの罠」の克服)と導入しなかったアジア・アフリカ諸国との間に大分岐が生じたが、汎用AIを導入する国とそうでない国で第二の大分岐が生ずることになるとしています(2045年頃に明確化)。この資本主義2.0では事務労働・肉体労働に加えて頭脳労働もAI・ロボットに代替することになり、資本家と一部の労働者(頭脳労働等)を除くと労働者は人口の10%程度にとどまるという。その上で、著者はベーシックインカムの必要性を提言しています。報告では著書『人工知能と経済の未来』の内容をベースとしますが、金融業界の今後についても触れて頂く予定です。
質疑応答を交えた活発な議論が期待されるところです。研究報告会終了後、ささやかな懇親会を催したいと思いますので、こちらの方にも是非ご参加ください(どちらかだけの参加も可です)。
記
1 テーマ:「人工知能は未来の経済をどう変えるか?」
2 報告者:井上智洋(駒澤大学経済学部准教授)
1975年生まれ。慶応大学環境情報学部卒業。IT技術者としてAIに携わった後、早稲田大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学、博士(経済学)。2015年より駒澤大学経済学部准教授。専門はマクロ経済学、貨幣経済理論、成長理論。ニューケインジアン(貨幣的ケインジャン)に分類されるものの問題意識は極めて幅広い。人工知能と経済学の関係を研究するパイオニアとして、学会での発表や政府の研究会などで幅広く活動、AI社会論研究会の共同発起人もつとめる。表記著書のほか『新しいJavaの教科書』(ソフトバンククリエイティブ、2006年)、「長期デフレ不況の理論的可能性」『リーディングス 政治経済学へのアプローチ』所収(勁草書房、2013年)、『ヘリコプター・マネー』(日本経済出版社、2016年))及びスパコン・人工知能エンジン開発者の齋藤元章氏との共著『人工知能は資本主義を終焉させるか』(PHP新書、2017年)などがある。博士論文は『経済成長と有効需要不足―長期不況の動学理論』。また、「「汎用型」実現で成長加速へ」(AIは何をもたらすか㊦)日経「経済教室」2017.8.8、河合雅司氏(『未来の年表』の著者)との対談「AIで「未来の年表」はこう変わる」『文芸春秋』2017.10などがある。
3 日時
2017年12月22日(金)16時30分~18時00分
報告(16:35-17:40)の後、質疑応答を予定しています。終了次第、近場にて懇親
会。
4 会場
東洋大学白山キャンパス(文京区白山5-28-20):1号館7階1708教室
最寄駅:地下鉄三田線白山駅A3出口から「正門・南門」徒歩5分(HP参照)
交通アクセス(白山キャンパス)
* 懇親会後の二次会(上林好一氏撮影)