20150412nakano02

2015年4月12日

教育振興基本計画[修正後期](案)に対して①【中野 恵一

平成27年4月7日(火)から4月20日(月)まで募集されて

いる、教育振興基本計画[修正後期](案)への意見を

以下のとおり提出した。

全般的に、「ふっさっ子未来会議」の「6つの未来提言」を

踏まえた、従来よりも一歩前進した計画案になっている

ものと考えます。

この計画を真に、子どもたちの未来、福生の未来のために

着実に実行し、あるべき姿を実現することができるように、

以下のとおり、意見を提言します。

意見項目1)

「関連する計画等と合わせて体系化し、それぞれの位置

付け(上下関係、包含関係)を明確化してください」

さもなければ、真の“実行計画”の所在、その責任主体が

明確にならず、PDCAサイクルが回らなくなってしまう。

前回のパブリックコメントでも述べたが、複数の計画間での

ダブりによるムダ、重複による責任主体が不明確になる、

といった不都合が見受けられる。

例えば、今回の基本計画において、「《基本方針3》 生涯

学習社会の推進」「推進事業1:あらゆる機会・場所で自ら

学び、社会参加と健康づくりができる環境の整備・充実」

では、この計画がメタな計画となり、その下で、「第2期

生涯学習推進計画」「福生市図書館基本計画」「福生市

スポーツ推進計画」が個別具体的な実行計画として機能

するように読み取れる。P.2の図でも、そのような関係が

示されている。

一方、「教科学習については、「福生市教育振興基本

計画」等の教育に関する計画で推進」と言いつつ、現に、

福生市子ども・子育て支援事業計画(案)」の「基本目標3:

子どもの健やかな育ちを支援するまちづくり」「施策の方向3:

次代を担う子どもたちの生きる力を育む教育環境等の整備」

における、「基本施策1:学力の向上、豊かな心や健やかな

体の育成」「基本施策2 地域ぐるみで子どもを育てる

学校づくり」は、本教育振興基本計画[修正後期](案)

明らかに重複している。

さらに、この「施策の方向3:次代を担う子どもたちの生きる

力を育む教育環境等の整備」の成果指標は、「保護者(親子)

対象子育て支援事業」しかない状況であるから、これらの

重複した施策群が何のために、「福生市子ども・子育て

支援事業計画(案)」に盛り込まれているのか、まったく

意味不明となってしまっている。

穿った見方をすれば、あたかも多数の施策を実行している

かのようなアリバイ作りをしているように受け止められても

仕方がないだろう。

意見項目2)

「《「放課後子ども総合プラン」に基づく学童クラブ事業

との連携》においては、適切な評価指標を設定し、

推進してください」

前回のパブリックコメントでも述べたが、「ふっさっ子の

広場事業」成果指標(P.47)が未だに「入所児童登録率」

となっており、これでは到底、《「放課後子ども総合プラン」

に基づく学童クラブ事業との連携》に向けた、効果的な

取り組みにつながるとは思えない。

現状と課題にも、「ふっさっ子の広場の登録率は、依然

高い登録率となっているが」と書かれているとおり、この

指標は「事業の充実を図っていくためには」“使えない”こと

は明確であり、実際のところ何がKPI(Key Performance

Indicators)なのか、しっかりした検討が必要と考える。

意見項目3)

「“キャリア教育”の定義(P.24)を、「推進事業の内容」に

ふさわしいものに修正してください」

確かにWikipedia等には「キャリア(経験)を活かして、

現在や将来を見据える」との記載が見られるが、この

定義は「生涯教育としてのキャリア教育」を踏まえた

ものとなっていると考えられる。

この語が登場する文脈では、主に「市内における学校

教育」を対象としていると考えられるので、それに

ふさわしい定義の記載に変更するか、せめて追記する

必要があると考える。

例えば、中央教育審議会答申に見られる「望ましい

職業観・勤労観及び職業に関する知識や技能を身に

つけさせるとともに、自己の個性を理解し、主体的に

進路を選択する能力・態度を育てる教育」がふさわしい

であろう。

市が所管する、初等教育および中等教育前半期に

おいては、活かすべき「経験」には乏しいのが当然で

あるのだから。

また、このような定義であれば、“カ”に記載されている

推進事業の内容との整合性も確保される。

以上の見解は、執筆者個人の意見であり、

特別に断り書きがある場合を除き、本会は

もちろん、執筆者が所属するいかなる団体・

組織をも代表した見解ではありません。