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2015年4月11日

福生市子ども・子育て支援事業計画(案)に対して①【中野 恵一

平成27年1月7日(水)から平成27年1月21日(水)まで

募集されていた、福生市子ども・子育て支援事業計画

(案)に対するパブリックコメントを以下のとおり提出した。

全般的に総花的であり、限られた予算・リソースで実施

する中で、どこまで効果が期待できるか疑問がある。

他の関連する計画等(P.5)とダブり感のある取り組み、

あるいは計画は、シンプルにすることで最大の費用対効果

が得られるよう、極力整理すべきである。

整合(P.5)と言うからには、ダブりを放置して、二重、

三重の報告(報告書作成等)をするような無駄をなくす

ためにも、関連する計画を、順次、統合整理すべきである。

国レベルでの、省庁間の縦割り行政の影響を受けている

準拠法のスコープに準じている事情は分かるが、現場に

接する基礎自治体だからこそ、それらを無批判に受け入れて

展開するのではなく、実態に合った、真に価値のある施策の

策定に向けた創意工夫があってしかるべきである。

以下、3点につき、より具体的、詳細に意見を述べる。

1)

特に、教育振興基本計画との関係(棲み分け、スコープの

違い)が不明でダブり感がある(他の計画との関係含めて、

MECE【Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive】

になっていない=論理性に欠け、そのため説得力に乏しい)。

例えば、「子育てするなら ふっさ総合トップページ」では、

「乳幼児編」と「学校教育編」とに分けられており、その分類

によれば、本「福生市子ども・子育て支援事業計画(案)」は、

「乳幼児編」の中の、「子ども・子育て支援新制度に向けた

取り組みについて」の中に位置づけられるものと思われる。

しかしながら、本「福生市子ども・子育て支援事業計画(案)」

には、「学校教育編」に位置づけるのが適切と思われる

「英語教育推進委員会の設置(P.88)」等が含まれている。

逆に、「子どもの教育環境」へのニーズが高い(P.48)にも

関わらず、学校教育に関する特に教科学習的な施策が、

この「英語教育推進委員会の設置(P.88)」のみ、ということ

であるとすると、非常に不足感が強く、バランスも悪い。

2)

年代別転入出(P.15)における20代の状況(15~19は差が

ほとんどないので)および、就学前児童数に対する保育所

在籍者数(P.27)を見ると、仮説として、待機児童が少ない

(P.28)状況により幼少期の子育て期間は福生在住を選択する

ものの、その後の学校教育期間になると市外に転出する、

という動向が想定される。

すなわち、小中の義務教育期間における、福生市の教育

レベルの充実とその認知確保の取り組みが十分でない、

という状況が示唆されているのではないかと思う。

ゆえに、本「福生市子ども・子育て支援事業計画(案)」においても、

「子どもの教育環境」へのニーズ(P.48)に応えた施策の充実

(あるいは他の計画で実施するのであれば、それとの対応付けの

明確化)が望まれる。

さもなければ、「子育てするならふっさ」と言うには道半ばであり

「住み続けたい」とは思われていない状況は改善されることはない、

と言わざるを得ない。

3)

「学童クラブ事業とふっさっ子の広場事業との連携を推進」の

具体的な内容が不明である。

これこそ、管轄省庁の縦割りの弊害による、地域リソースの

無駄遣いとなっているので、それを改め、基礎自治体として

真のニーズと目的に適った最適な事業へと昇華させる工夫が

期待されるところである。

また、「ふっさっ子の広場事業」成果指標(P.76)が未だに

「入所児童登録率」となっていることには違和感がある。

開設当初においてはこれも意味があったと思われるが、

実際の利用状況(P.35)が把握できている現状において、

この数値指標がどのような改善につながるものであるか、

意味不明である。

以上の見解は、執筆者個人の意見であり、

特別に断り書きがある場合を除き、本会は

もちろん、執筆者が所属するいかなる団体・

組織をも代表した見解ではありません。