様々な環境問題
環境に関わる基礎知識
環境に関わる基礎知識
~君はどれだけ知っているかな?~
ここではまず、君たち自身がどのくらい環境問題に関わる言葉を知っているのか確かめてみましょう。
環境問題が論じられる時には、様々な言葉が登場します。下にあげたのは、その例です。できれば、それぞれのキーワードについて詳しく調べてみましょう。
(1)地球の温暖化
二酸化炭素などの温室効果ガスの濃度上昇による気温の上昇やそれに伴う海面の上昇などが問題となっている。これらに関しては、一つの国だけの努力だけでは成果を上げることが難しく、地球全体で考えなければならない問題である。
キーワード
温室効果
気温の上昇
海面上昇
(2)オゾン層の破壊
大気中の地表上約30~50kmの範囲には、厚さ20km程度のオゾン(O3)を多く含む層があり、これをオゾン層という。このオゾン層が、年々減少し、宇宙から、地球上に有害な紫外線が直接降り注ぎ、地球上のすべての生物に深刻な影響があらわれてくるのではないかと危惧されている。
特に、近年南極における観測で、南極上空のオゾンの量が春期(9~10月)に相当減少することが判明し、これをオゾンホールと呼ぶようになった。
オゾンホールが発生する原因の一つとして、冷蔵庫やクーラーなど、私たちの身近なところで使われているフロンガスが、今、問題になっている。
キーワード
オゾンホール
フロンガス
(3)森林の減少
熱帯雨林には多くの生物が生存している。また、森林は二酸化炭素を吸収し、生物にとって欠くことの出来ない多量の酸素を放出してくれている。ところが、近年、焼畑耕作や伐採が熱帯地方の各地で進行している。
こうした伐採が限度を超え、植林がなおざりにされると森林は荒れ地になり、容易なことではもとの緑豊かな森林には戻らないとされている。
キーワード
熱帯雨林
生態系の保存と開発
木材資源の活用
(4)海洋汚染
海洋汚染では、油による汚染や化学物質、重金属による汚染等が大きな問題となっている。油による汚染は、漁業被害や野生生物に大きな影響を与えることがある。また、産業活動で使用されている多くの化学物質の中には、PCB、DDT、HCBなどのように、ほとんど分解されることなく最終的には海洋に搬出され、海洋汚染をもたらしているものもある。これらの物質が食物連鎖の中で生物の体の中で蓄積され、それらを食べた人間にも、また、母乳を通して乳児にも影響があらわれてくる可能性があるといわれている。
キーワード
海洋汚染を引き起こす物質 (PCB・DDT・HCB)
(5)都市・生活型公害
都市化に伴う土地利用の変化や超過密現象によって、身近な緑や水辺などの自然環境が失われてきている。さらに、ここには、ゴミの量的増加や質的多様化がもたらす問題、家庭雑排水による河川や海洋の水質汚濁、自動車の排気ガスに含まれる窒素酸化物、浮遊粒子状物質、二酸化炭素の空気中への放出がもたらす大気汚染や騒音問題等、都市・生活型公害といわれる環境問題が含まれる。
キーワード
緑や水辺などの自然環境の減少
河川や海洋の水質汚濁
大気汚染
騒音問題
ゴミ問題
(6)野生生物種の減少
野生生物が有史以来かつてないスピードで次々と絶滅している。これは人間の活動による生息環境の悪化、乱獲等によるものであるといわれている。
キーワード
絶滅危惧種
レッドデータブック
(7)砂漠化
世界の乾燥地帯を中心に、元に戻らないほどの土壌の荒廃、すなわち砂漠化が進んでいる。毎年、世界中で四国と九州を合わせた面積にあたる約600万haの土地が砂漠化しているといわれている。(UNEP資料1984年)
(8)開発途上国の環境問題
多くの開発途上国では、工業化・都市化の進展等によって大気汚染、水質汚濁等先進国型の公害問題が深刻化している地域が見られる。そうした国々に対してどのような国際協力が出来うるのかが課題とされている。
(9)有害廃棄物の越境移動
有害な廃棄物が、地理的・経済的などの理由から、処分費用の高い国から安い国へ、また、規制の厳しい国から緩い国へと移動されやすく、そのために有害廃棄物を適正に処理する能力を持たない国で処分され、環境へ深刻な影響をもたらしているといわれている。