外部MIDI入力
NanoStudioはMIDI入力だけをサポートしています。MIDI機器を使ってシーケンサーに演奏内容を記録することができる一方、シーケンサーによって再生されるイベントは、MIDI出力されないということになります。
NanoStudioは以下のMIDI入力イベントをサポートします:
-ノートオン/オフ(ベロシティ付き)
-コントローラー
-ピッチベンド
-プログラム/バンクチェンジ
MIDIクロックやソングポジションポインター、さらにシーケンサーの再生・停止は現在のところサポートしていません。
接続方法
NanoStudioは外部MIDI機器とのいくつかの接続手段をサポートしています。それぞれの手段によって長所と短所があります。以下でまとめたポイントを参考に、自分に最もあった方法を選んでみてください。
Line 6 MIDI Moilizer
Line 6が提供する小型のアクセサリーで、すべてのiOS機器と互換性があります。また5ピンDINコネクターのすべてのMIDI機器(キーボード、ドラム、コ ントロールサーフェスなど)とも互換性があります。USB MIDIポートのみを備えている機器とはMIDI Moilizerを使って接続することはできません。MIDI Moilizerはアクセサリーポートを使って接続するので、MIDI Moilizerを接続するとiOS機器を充電することはできなくなります。
Akai SynthStation 25
小型(ラップトップサイズ)で、ベロシティにも対応した2オクターブ鍵盤のMIDIキーボードです。(訳注:Dockコネクタ延長ケーブルや変換プラグを使用することで、すべてのiOS機器に対応するようです)電池またはACアダプターを使用することで動作します(アダプターの場合は iOS機器の充電も可能)。SynthStation 25にはUSBポートもあるので、一般的なUSB MIDIコントローラーとしても利用できます。詳細は別項(Akai SynthStation 25を使う)を参照ください。
Core MIDI (カメラコネクションキットを使ったUSB接続)
iOS4.2以上を搭載するiPadのみ対応します。接続する外部MIDI機器はMIDIの5ピンDINコネクターではな く、USB MIDIポートを備えていなければなりません。カメラコネクションキットによる接続では、わずかな電力で動作するUSB機器のみに対応しているので、バス パワーによる外部MIDI機器の場合では動作しないことがあります。セルフパワータイプ(電池やACアダプター経由)の機器であれば、動作する確率は高く なります。この方法による接続にはまったく保証がないので、自分と同じ組み合わせで動作している人たちがいるかどうかを、ネット上で検索してみたほうがよ いでしょう。
サウンドカードまたは外部オーディオインターフェース(パソコン版のみ)
WindowsまたはMac OS X用NanoStudioを使用していれば、接続可能なMIDI機器を自動的に検出します。
Virtual MIDI
これは他のハードウェアとではなく、他のソフトウェアアプリと接続するという点で、少々特殊な手段です。Virtual MIDI出力に対応し、かつバックグラウンドで起動できる別のアプリをインストールしている場合、そのアプリからNanoStudioのインストルメントを演奏することができます。Virtual MIDIの入力は、NanoStudioからは他のMIDI入力と同じように扱えます。
MIDI設定
MIDI設定は、MIDIインターフェースの操作に影響し、さらにはソングエディター内でのMIDIファイルのインポート・エクスポートでも使われます。
MIDI設定はすべてのプロジェクトで共通です。
メインメニューボタンをタップし、「MANAGE」を選択、MIDI設定は、「MIDI」タブの下にあります。
PANIC(パニック)ボタン
ある状況では、MIDI入力した音が鳴りっぱなしになってしまうことがあります。通常は、音が鳴っているときにMIDIケーブルが外れると発生します。このような場合、PANICボタンをタップすることで、鳴り続けている音を止めることができます。
MIDI入力
使用可能なMIDI入力機器を確認するため、Inputsカテゴリーを選択してください。使用できるようにするには、各機器のENABLEボタンをタップします。
入力機器をリストから選択し、画面下部の16チャンネルボタンを使うことで、個別にMIDIチャンネルのオン・オフを切り替えることができます。各チャンネルのボタンにはMIDIメッセージの受信を示すインジケーターが備わっており、問題発生時の診断にも役立ちます。
OMNIモードがオンの場合、入力されるすべてのMIDIイベントは、(チャンネルに関係なく)現在表示されているインストルメントへと送られます。これ は使用しているMIDI機器のチャンネルが1つに固定されている場合や、NanoStudioのユーザーインターフェースから、演奏するインストルメント を決定したい場合に便利です。
OMNIモードがオフの場合、NanoStudioは入力MIDIイベントのチャンネルとトラックマッピング(以下のMIDIコントローラーマッピングの 項を参照のこと)に基づき、入力されるMIDIイベントを、インストルメントに対して送ります。これは使用しているMIDI機器が複数チャンネルの出力に 対応している場合や、画面に呼び出しているかに関わらず、あらゆるインストルメントを演奏させたい場合などに便利です。
Virtual MIDI接続
アプリ間で標準仕様が定まっていないため、Virtual MIDI接続の設定には戸惑うかもしれません。設定方法は2つありますが、設定できるかは使用するアプリ次第となります。
方法1 – NanoStudioの入力に別のアプリの出力を持ってくるように接続します。NanoStudioの入力リストにそのアプリ(例:ThumbJam)が表示され、使用できるかどうか確認します。この場合、他のアプリ側でそのMIDIデータを出力するように設定変更する必要があるかもしれません。
方法2 – 別のアプリの出力にNanoStudioの入力を持ってくるように接続します。たとえば「NanoStudio」自体も入力機器としてリストに表示されます。これは他のアプリが接続できるようにNanoStudioが用意する特別な入力です。「NanoStudio」入力をENABLEにした後、別のアプリ側の出力リストから「NanoStudio」を選びましょう。この場合、NanoStudioの入力側にMIDIデータが送られるように設定変更する必要があるかもしれません。
注意:どのようなアプリであっても、上の2つの方法のうち、使えるのはどちらか1つだけであることに注意してください。両方使ってしまった場合、他のアプリが「二重」にMIDIノートを送ることになります(例:同じMIDIデータが2回送られてくる)。
MIDIコントローラーマッピングの設定
MIDI コントローラーマッピングは、NanoStudio のインストルメントが、どのMIDI コントローラーに対応するかを設定します。以下の例では、MIDI コントローラーの70 番は、ミキサーのセンド1 ボリュームの操作に設定されています。
コントローラーマッピングは、ソングエディター内でのMIDIファイルのインポート・エクスポートでも使われます。
コントローラーマッピングの設定
+-ボタンを使い、手作業でMIDIマッピングを設定する場合、接続しているMIDI機器が、どのコントローラー値を使うかはっきりしないことが多いはずです。
これは通常、MIDI機器のマニュアルで調べることができますが、NanoStudioでは「Teach」ボタンを使い、簡単な方法で目的の値を見つけ出すことができます。
1.MIDI機器がiOS機器にしっかり接続されているか確認
2.「Teach」ボタンをタップし「Teach Mode」に入る
3.変更したいMIDIマッピングを選択
4.MIDI機器上のMIDIコントローラー(ノブ、パッド、リボン、ホイール)を操作する
インストルメントのMIDIチャンネル設定
メインメニュー上でインストルメントのボタンをホールドすると、インストルメントのMIDIチャンネルを設定することができます。詳細は「インストルメントの追加、削除、名前の変更」をご覧ください。
Akai SynthStation 25を使う
iOS機器をSynthStation 25のドッキングベイに接続すると、すぐにNanoStudioはSynthStation 25を認識します。もし認識できない場合は:
-iOS機器がしっかりと接続されているかを確認
-SynthStation 25の電源ボタンが入っているか、電池が切れていないかを確認
モジュレーションコントローラーを使う前に、NanoStudioにコントローラのマッピングを設定しなければなりません(コントローラーマッピングの設定を参照のこと)。
OMNIモードの設定により、SynthStation 25モードの2つある設定のうち、どちらか1つに決定することができます。
OMNIオフ-SynthStation 25は16あるMDIチャンネルのすべてにMIDIイベントを送信します。NanoStudioの各インストルメントは受信設定されているMIDIチャン ネルに対し反応します。2つ以上の対応インストルメントを同じMIDIチャンネルに対して設定することで、複数のインストルメントを同時に鳴らすことがで きます。
Omniオフ-SynthStation 25は、表示されているインストルメントに対して常にMIDIイベントを送信します。1度に1つのインストルメントだけを演奏することができます。
SynthStation 25の上段ボタン
SynthStation 25の上段ボタン(DRUMS、SYNTH1/2/3)を押したときの動作は、MIDIのOMNIモードに依存します。SynthStation 25のボタンのラベル表示は、NanoStudioには当てはまらないので無視してください。実際の動作は以下のようになります:
OMNIオフの場合:
*現在のMIDIチャンネルに対応するよう設定されたインストルメントが表示されます。複数のインストルメントが設定されている場合、ボタンを押すごとにそれらのインストルメントが繰り返し切り替わります。
OMNIオンの場合:
SynthStation 25の下段ボタン
SynthStation 25の下段ボタン(PROGRAM PREV/NEXT、OCTAVE UP/DOWN)を押したときの動作は、常に決まっています。
PROGRAM PREV/NEXTをタップすると現在のプリセットを切り替えます。ボタンをホールドすると、プリセットが順番にすばやく切り替わります。
OCTAVE UP/DOWNボタンをタップすると、現在のオクターブを切り替えます。中央のオクターブ(中央のC)が選択されている場合は、どちらのボタンも消灯します。