ミックスダウン詳細
ミックスダウンの手順
曲 をミックスダウンして、最終的なステレオミックス(訳注:ステレオ2chの完成品)を作成することができます。出力ファイルは、PCやMacといったパソ コンにNanoSyncを使って(別項で解説)WiFi転送したり、SoundCloud上に直接アップロードして共有したりすることができます。ミック スダウンの作業設定に応じ、最大で4つの手順を踏むことになります。
1.RENDER(レンダー)
曲が再生され、1つまたは2つ以上の非圧縮WAVファイルが出力される(複数のファイルは、1つの新規フォルダにまとめられる)。サウンドに歪みがある場合、NanoStudioは警告ダイアログを表示する。
2.オーディオペーストボードへのコピー
非圧縮のWAVをファイルを、オーディオペーストボードへコピーできるように。
3.圧縮フォーマットを適用
非圧縮WAVファイルはOggまたはZipフォーマットへの圧縮が可能に。
4.転送、または共有
出力されたファイルは、NanoSyncを使ってパソコンに転送するか、iOS機器から直接アップロードしてSoundCloudで共有できる。
(注意:ZipファイルはSoundCloud上で共有できない)
1個のステレオミックスファイルを作成することに縛られる必要はありません。各チャンネルや曲のパートを個別にミックスダウンすることもできます。出力ファイルは16bit、44.1KHzステレオ仕様で、WAV、Ogg、Zipフォーマットを選択できます。
ファイナルミックスを作成する場合は、1つの出力ファイルを指定します。
個別のトラックやパートをミックスダウンする場合、複数ファイルを収納するフォルダを指定します。
Zip圧縮されたWavファイルを選択する「Zipped Wav」オプションを使うと、複数のWavファイルを出力した場合、それらは1つのZipファイルとしてまとめられます。
メインメニューボタンをタップし「MANGE」を選択します。
「Project」タブを選択し「Mixdown」をタップ。以下のMixdownダイアログが表示されます。
Mixdownダイアログ
A-Output
作成したいミックスの種類を選択します。
Final Mix-1曲すべてのステレオミックスを作成し、1つのファイルとして出力します。
Mixer Channels-ミキサーの入力チャンネルがそれぞれ分割されたファイルとして出力され、新規の出力フォルダ内に保存されます。
Song Parts-曲のパートごとにそれぞれ分割したファイルとして出力され、新規の出力フォルダ内に保存されます。
B-Region
ミックスダウンされる曲の領域を指定します。
Entire Song-曲の最初から終わりまでを通してミックスダウンします。
Song Loop-ループポイントに含まれる曲の部分だけをミックスダウンします。
ループポイントはソングエディター上で設定することができます。
ループモードをオンにする必要はありません。
C-Format
最終的に出力されるファイルの種類を選択します。
Wav-1つまたはそれ以上の、16bit、44.1KHz、非圧縮ステレオWAVファイルを作成。
Ogg(64/428/256)-1つまたはそれ以上の、Kbpsでレート指定された、16bitステレオ圧縮のOggファイルを作成します。
Zipped Wav-1つまたはそれ以上の、16bit、44.1KHz、非圧縮ステレオWAVファイルを、1つにまとめたZipファイルを作成します。
D-Render tail
オンになっていると、曲の終わり部分を過ぎ、出力信号が0になるまでミックスダウン作業を継続します。
オンの場合-長く伸びる最後の音も含めてミックスダウンすることができます(ファイナルミックス作成向け)。
オフの場合-ループ作成に適した正確な長さでサンプルを作成します(パソコンのDAWソフトで使う、個別パートのミックスダウン作成向け)。
E-Add to pasteboard
オンにすると、ミックスダウンされたファイルを圧縮前(圧縮オプションを選択時)にペーストボードへ追加します。ペーストボード互換の他のアプリに、ミックスダウンファイルを転送したいときに便利です。
注意:ペーストボードが保持できるファイル数は12個までです。したがって最初の12出力までが追加されます。
F-Mixdown
他の設定に問題がなければ、OKをタップすることでミックスダウンが開始されます。
ファイナルミックス作成の場合、NanoStudioは1つの出力ファイルについての確認ダイアログを表示します。
個別トラックやパートのミックスダウン時は、出力フォルダーや、1つのZipファイル(Zipped Wav選択時)についての確認ダイアログを表示します。
ミックスダウン時にクリッピング(歪む、ディストーション)する
NanoStudio は、ミックスダウン時に顕著な歪みを検出すると、ミックスダウン後の次の段階へ進む際、警告を発します。その場合は、ミキサーの出力フェーダーを少し下 げ、再度ミックスダウンし直したほうがよいかもしれません。NanoStudioは少量の歪みについては検出できないため、警告せずに許容し、騒々しい ミックスになってしまう恐れがあります。
ミックスダウン出力ファイルの利用
サンプラーパッドやシンセには読み込み可能なサンプルファイルのサイズ制限があるため、非常に小さいサイズでない限り、ミックスダウンの出力ファイルを割り当てることはできません。
その代わり、ミックスダウンファイルをNanoSync経由でパソコンに転送したり、iOS機器から直接SoundCloudへアップロードして共有したりすることが可能です。
大量のファイル(各パートのミックスダウンファイル)をパソコンに転送する場合は、「Zipped Wav」オプションを使い、まとめて1つのファイルにしておくことをお勧めします。
ミッ クスダウンファイルをSoundCloud上で共有する場合は、アップロード時間を短縮するため、Oggフォーマットを選ぶとよいでしょう。選択するビッ トレートによりますが、同等のWavファイルと比較して約1/10以下のサイズとなるので、きわめて高速にファイルをアップロードすることができるように なります。ただしOgg圧縮は非常にプロセッサーのタスクを消費するので、古い機器上で作業する場合は、長い時間がかかることに注意してください。