1714.ロボット関連技術
1.調査テーマ
ロボット関連技術の出願動向
2.調査目的
農業分野では後継者不足が深刻な問題になっている。
これは、重労働の割に農家の収入は必ずしも高くない、将来に期待が持てないなどの理由があるようである。
しかし、日本の農産物は高品質であるので高価格でも海外に輸出可能であり、栽培、流通、販売などの方法を見直すことにより価格も下げられるかもしれない。
最近、農業以外の分野から農業分野へ進出するようになってきているのは、このような期待があるためと思われる。
そこで、今回は農業関連技術の出願動向を分析することにより、農業関連の全体的な技術開発状況、主要メーカーの注力技術、今後重要となりそうな新規技術などを調べることとした。
3.調査対象
使用DB :SRPARTNER
対象公報:公開特許公報
対象期間:2011月1月1日〜2016月12月31日の発行
対象技術 : 農業関連技術
4.概要
ロボット関連の全体的な技術開発状況、主要メーカーの注力技術、今後重要となりそうな新規技術などを調べた。
まず、公報の発行件数は全体的には足踏み状態である。
しかし、個別に見ると、次のIPCサブクラスは増加傾向が顕著であった。
A47L:家庭の洗浄または清浄 ;吸引掃除機一般
B23P:金属の他の加工;複合作業;万能工作機械
B25J:マニプレータ;マニプレータ装置を持つ小室
F16H:伝動装置
G05D:非電気的変量の制御または調整系
H02N:他類に属しない電機
ロボット技術がどの分野に出願されているかも分析したが、工業用は減少傾向であり、工業用以外は増加している。
その中でも、特に多かったのは外科用と掃除用である。
その他の分野として原子炉作業用とか飛行ロボットなど種々のものが出願されていたが、まだ種類は少なかった。
工業用以外の分野の出願人としては、シャープ、アイロボットコーポレイション、インテュイティブサージカルオペレーションズ,インコーポレイテッド、セイコーエプソン、インテュイティブサージカルインコーポレイテッド、東芝ライフスタイル、オリンパス、安川電機、三星電子、トヨタ自動車などが上位を占めていた。
総括すると、ロボット技術はようやく一部が実用化に達した段階であり、今後はさらに多くの種類のロボットが開発されることが期待される。
実用化に達した医療分野や掃除用は既に外国からの出願が多いので、この分野で国内企業が中心となることは困難かも知れないが、その他の分野はこれからという状況である。
高齢化対策や人手不足解消なども考慮するとニーズはあると思われるので、まだ出願が少ない分野に注力することにより、他社に先がけて優位なポジションを確保する得ることは可能と思われる。
作成した図表は73図と7表