1711.電機メーカー

1.調査テーマ

小型二次電池の出願動向

2.調査目的

最近のニュースによれば、戦後、自動車と並んで躍進した家電製品の企業が衰退しているようである。

東芝は総合電気メーカーであるので家電以外の製品を製造しているが、やはり衰退していっているようである。

このような状況であるので、おそらく各社ともに生き残りをかけて事業の次の柱を模索し、準備していると思われる。

そこで、今回は家電メーカーを含む主要電機メーカーがどのような事業を伸ばそうとしているかを調べることとした。


3.調査対象

使用DB :SRPARTNER

対象公報:公開特許公報

対象期間:2011月1月1日〜2016月12月31日の発行

対象出願人 : 以下の出願人

株式会社東芝

三菱電機株式会社

パナソニック株式会社

シャープ株式会社

株式会社日立製作所

4.概要

家電メーカーを含む電機メーカー5社に関する公報件数は、2013年から急激に減少し続けている。

出願人別で見ても、発行件数は全ての出願人で減少している。

また、増加傾向を示しているIPCは5.5%に過ぎなかった。

増加傾向を示しているIPCを各社毎に分析した結果では、増加傾向を示しているIPCは各社毎に異なっており、以下のようにそれぞれ別の技術に注力しているようである。

東芝 : X線治療(A61N5/10)、半導体素子(H01L21/338、H01L29/778、H01L29/812、H02M7/48)

三菱電機 : 照明装置(F21S2/00)、半導体組立体(H01L25/07、H01L25/18)

パナソニック: 電解質(H01G11/62、H01M10/0568、H01M10/0569)、隔離板(H01M2/16)

シャープ :照明(F21Y115/10)、換気(F24F7/00)、電子写真(G03G15/16)、動画圧縮(H04N19/70)

日立製作所 :医療(A61B8/08)、サービス業(G06Q50/10)、パケット交換(H04L12/70)

また、新規技術として抽出したサンプル公報10件の内容を調べた結果では、以下のような傾向が見いだされた。

[株式会社東芝]

圧力センサが特に多かった。

その他としては、発光素子、照明装置、通信装置が抽出された。

[三菱電機株式会社]

ほとんどが照明装置であった。

その他としては、住宅用の自立運転可能な電力供給システムが抽出された。

また、7件は三菱電機照明株式会社との共同出願であった。

[パナソニック株式会社]

全て二次電池であった。

このうち2件は国立大学法人京都大学との共同出願であった。

製品開発が移転されたと見られるパナソニックIPマネジメント株式会社と併せて分析した結果では、当面は照明装置に注力すると思われる。

[シャープ株式会社]

抽出された新規技は以下のように多様であった。

テレビ受信装置、画像復号装置、放送システム

粉挽き機および飲料製造装置、臼および飲料製造装置

広告の配信を考慮して遠隔同時視聴環境を設定する情報提示装置

ユーザに対して抵抗感なく個人情報の入力を促すことのできる技術

画像読取装置及びこれを備えた画像形成装置

発話制御装

[株式会社日立製作所]

電力変換用半導体が特に多かった。

その他としては、取引に対する認証情報の管理方法、合金構造体、合金粉末、超電導磁石およびMRI装置、永久磁石同期モータなどが抽出された。

作成した図表は52図と16表