生態学とは
生き物についての現象は,さまざまな面から考えることができます。小さいものから大きいものに順に見ていくと、
「生き物の元となるタンパク質や核酸(かくさん)といった物質」
「顕微鏡で観察するような小さな細胞のはたらき」
「一羽のクジャクや一本のブナの木のような個体の暮らしぶり」
「同じ種類に属する無数のバッタの群れ」
「多くの種類のサンゴがまじったサンゴ礁の成り立ち」
生態学は,それらのなかで主に3番目の「個体」よりもおおきなものについて理解を深めようとする学問です。具体的には、3番目の「個体」、4番目の同じ種類の個体の集まりである「個体群(こたいぐん)」,そして、5番目の、ある複数の種類のあつまりである「群集(ぐんしゅう)」、さらにはそれらと、温度・湿度などの非生物的な環境からなる「生態系」を対象としています。生態学はエコロジー、生態系はエコシステムといったりもします。