概要:

ペアやグループ単位で行うライティング活動を導入した指導について紹介する。具体的なタスクとしては，ペアで4コマの絵を記述するパラグラフライティングと，5人グループで英語の効果的な学習法を論じるエッセイライティングの2例を取り上げる。いずれの実践も，書いている段階と書き終わったあとの段階のそれぞれで，教師が何をサポートし，何を学生の自主性に任せるのがよいかという視点で論じる。

Further Readings:

• Storch, N. (2002). Patterns of interaction in ESL pair work. Language Learning, 52, 119–158. https://doi.org/10.1111/1467-9922.00179 ★協働的ライティングの草分け的な論文。協働過程の均質性と対話の相互性といった指標をもとにペアワークを4分類するモデルは，外国語教育・習得領域のみならず，テスティングの研究などにも影響を与えている。
• Swain, M., Kinnear, P., & Steinman, L. (2010). Sociocultural theory in second language education: An introduction through narratives. Bristol, UK: Multilingual Matters. https://www.amazon.co.jp/dp/B01MYE3HA2 ★社会文化理論の入門書として最適であるとともに，近年研究が盛んなLanguaging理論を豊富な対話例と厚い記述によって解説しており，協働的ライティングの研究者にも有益な論文といえる。