1章
日本人英語学習者に対するライティング研究・指導実践の展開
―What, How, and Whyの枠組みを援用して
山西 博之
日本人英語学習者に対するライティング研究・指導実践の展開
―What, How, and Whyの枠組みを援用して
山西 博之
本書は,外国語としての英語を学ぶ日本人英語学習者を対象としたライティング研究および指導実践を取り扱う。この分野の研究における第一人者である佐々木みゆき氏は,これまでの自らの研究の関心がWhat (能力論),How (方略論),そしてWhy (社会文化的動機づけ論) へと変化してきたと述べている(http://www.miyukisasaki.com/ja/profile/index.html)。
本章では,まず,本書全体の理論的な基盤として,佐々木氏のこれまでの研究の変遷の振り返りをおこなう。それを踏まえ,What, How, and Whyの枠組みを援用 (拡張) し,本書のテーマである「日本人英語学習者に対するライティング研究・指導実践」における各側面についての整理を試みる。そして,What, How, and Whyの3者の関連と順序を,本書の趣旨に合わせ “Why → How → What” ととらえ直すことで,本書「第2部:実践編」において,それらがどのように構成され,展開されているかについての導入をおこなう。