概要:

カリキュラムなどの事情によってはライティング指導にまとまった時間が利用できない場合がある。本章では，医学語彙の習得と医学論文の読解を目標とする医学部の授業で行った，パラグラフライティングやエッセイライティングといった体系的なライティング指導と異なる，英語で自分の考えを表現することを目標としたライティング指導について報告する。

補助プロンプト例:

“このライティングではトビックは自由とするのだが， トピックを与えられた方が書きやすいという学生が必ずいるため ，毎回異なるプロンプトも用意しておく。プロンプト（作文課題）は何でもよいが，肯定的な内容につながりやすいもので，「私の家族」などこれまでに書いたことのありそうなものは避けることにしている。”（3章, pp. 33-34）

• How has your college life been so far?
• Little things that always make you happy
• Looking back on the year 20xx
• My future dreams
• New year’s resolutions
• Things you love to do despite the fact that you are not very good at doing them

Further Readings:

• 木村博是・木村友保・氏木道人 (編) (2010). 『リーディングとライティングの理論と実践：英語を主体的に「読む」・「書く」』大修館書店. https://www.amazon.co.jp/dp/4469142409 ★この「第10章 ライティング研究でもとめられているもの」では，EFL環境である日本の英語ライティング教育の多様さの必要性が示唆されている。
• 宮田学 (2002). 『ここまで通じる日本人英語―新しいライティングのすすめ』大修館書店. https://www.amazon.co.jp/dp/4469244775 ★日本人英語学習者のライティングの「コミュニカビリティ」に関する研究を報告し，その分析に基づいた英語ライティング指導が紹介されている。
• 望月明彦 (編) (2010). 『改訂版 新学習指導要領にもとづく英語科教育法』大修館書店. https://www.amazon.co.jp/dp/4469245585 ★この「第13章ライティング」では，英語ライティングの最終目標である英語での自己表現に向けて，どのような目標やアプローチ，実際の指導があるかが紹介されている。