分科会16
性に関する法や判例の変化
「法教育×性教育」の視点から

鈴木愛子

2月11日(日) 10:30~12:00

オンライン
ライブビューイングあり
手話通訳/日本語字幕/アーカイブあり

オンライン録画+ライブQA

内容

法教育は、法律の専門家ではない一般の方に、個人を尊重する自由で公正な民主主義社会の担い手として、法や司法制度の基礎にある考え方を理解してもらい、法的なものの見方や考え方を身につけるための教育です(細かい法律の知識を勉強してもらうものではありません。)。
それぞれ一人ひとり、異なる価値観や個性を持った人々が共存する社会では、意見や利害が対立することが、当然に想定されます。
意見や利害の対立は当然に起こる社会において、それぞれが尊重され、違いを共に生きることができる社会であるためには、何が必要でしょうか。
市民が、人権、自由、立憲主義といった法の基礎となる価値を理解して自己と他者を尊重しつつ、他者との利害対立の調整を図るために自ら主体的に考え、判断し、行動できる力を持つことが必要です。

異なる価値観や個性を持った人々が共存できる社会は、多様な性の人々が共存できる社会でもあります。
その人の性のあり方は、その人らしさの根幹であり、まさに、個人の尊厳に関わる問題だからです。

そして、包括的性教育、セクシュアリティ教育では、生殖の仕組みや二次性徴といった身体的な性の知識の教育(sex education)にとどまらず、人権教育を基盤に、人間関係も含めた性に関する幅広い内容を学ぶものであって、性と生殖に関する健康に影響を与える人権についての学びも含むものです。その意味で、法教育と包括的性教育には交錯する部分があると考えています。

この分科会では、近時の性的少数者の人権に関する重要な判例等を題材に、法教育に触れて頂く予定です。

登壇者情報

鈴木愛子の写真

鈴木愛子すずき あいこ

弁護士・社会福祉士・放課後児童支援員。NPO法人風テラス理事。

債務整理分野での司法と福祉の協働の必要性や、学童保育の制度的課題について発信する活動もしています。X(旧Twitter)@ponikitiai

企画者の推し!ポイント


こんにちは、実行委員のいのもとです。

わたしが「法教育」に出会ったのは、2021年11月に開催された「子どもの権利条約フォーラム2021inかわさき」の中の分科会「LGBTQの子どもと学校の生活」で鈴木愛子さんのお話を聞いたときでした。

昨今、法律を守ることが全体で、法律に違反しているひとは「悪人」だと考えてしまう風潮があるように感じます。「法」とは誰のためにあるのか、それはどのように作られ、どのように運用されるのか、わたしたちはどのように「法」と関わっているのか、関われるのか? 「法」とわたしたちの関係を小学校から学ぶ法教育が実践されていることを知らずいました。

鈴木さんのお話は、法教育×性教育という講座を多くの学校で実践しているとのことで、セクシュアルマイノリティをめぐる法律や判例にも言及されていて、ぜひ、大会の中で、お話しいただければと思い、登壇を依頼しました。

わたしと同じように法教育って言葉を初めて聞いた皆様、学校でがっつり学んできたよという皆様、ぜひぜひ、ご参加ください!

報告文

こんにちは、実行委員のいのもとです。 

わたしが「法教育」に出会ったのは、2021年11月に開催された「子どもの権利条約フォーラム2021inかわさき」の中の分科会「LGBTQの子どもと学校の生活」で鈴木さんのお話を聞いたときでした。 

SNSなどから見える昨今の日本社会は、すべての法を無検証に受け入れ、それを犯すひとを悪人と断罪して、躊躇なく攻撃する社会のように見えます。

だからこそ、いま、法とは何かを問う「法教育」が大事だと思い分科会を企画しました。


分科会では、法教育とは何か、というお話から、鈴木さんが行われている法教育×性教育の講座こと、セクシュアルマイノリティをめぐる法律や判例の変化のお話など、法をめぐる大事なトピックをわかりやすく解説していただきました。

また、Q&Aでも、参加者の皆様からたくさんの質問をいただき、時間の許す限りお答えいただきました。 

 分科会後の交流会では、多くの参加者が交流するとともに、鈴木さんにもご参加いただき、参加者からの質問にお答えいただきました。


【参加者の感想】