分科会15
実践! ひとりから始める
LGBTQsフレンドリーな医療機関
まるっとインクルーシブ病院の実装プロジェクト
(まるクル)
2月10日(土) 16:30~19:00
現地開催のみ(オンラインなし)
対象: 医療従事者(医療機関で働いている人、医療系学生を含む)
対象: 医療従事者(医療機関で働いている人、医療系学生を含む)
定員: 30人
※フリーパスを購入された方も事前の参加お申し込みが必要です。
手話通訳/日本語字幕(この分科会はアーカイブがありません)
※フリーパスを購入された方も事前の参加お申し込みが必要です。
手話通訳/日本語字幕(この分科会はアーカイブがありません)
内容
この分科会は「まるっとインクルーシブ病院の実装プロジェクト」のメンバーらによる、医療従事者向けの「知識から実践への一歩を踏み出す」ワークショップです。「LGBTQsの人たちが抱きやすい困りごとは分かった、じゃどうしたらいいいの?」「何かしたいけど、何をしていいか分からない」と感じている方、また医療機関で自分ひとりだとか、ひとりで何もできない、と感じている方、ぜひお越しください。いまさら聞きにくい?と思われる基本的な知識から、一般的な対応についてレクチャーを行うとともに、医療機関でどのようなことができるか、を一緒に考えるワークを用意しています。だれもが安心して過ごせる医療機関を増やすために、共に一歩を踏み出しましょう。
まるクルが作成した実装支援ツールの5トピックのうち、「5.病状説明」を除く4つのトピックを扱ったワークショップを行います。
実装支援ツールの5つのトピックは以下の通りです。
性的少数者に対する 場面別対応例[初診受付・外来編]
ジェンダーニュートラルな対応
カミングアウトへの対応
アウティングの危険性と予防
SOGIに配慮した本人以外への病状説明
ワークは、グループに分かれて行います。気付きや現状を付箋に書き出したり、ロールプレイを体験したり、参加者が関わる現場でどのようなことができるか等を一緒に考える計画をしています。
※この分科会は2023年9月に開催の「日本プライマリ・ケア連合学会の秋季生涯教育セミナー」でのワークショップと同様の目的で行います。
講師
金弘子(医師)まるっとインクルーシブ病院の実装プロジェクト発起人 まるクルnote
麻生佳織(看護師)
岩﨑德子(キャリアコンサルタント・公認心理師、NPO法人共生ネット相談員)
宇野裕明(弁護士)
石田恵梨(医師)
佐藤みどり(コーチ、講師)島根レインボーパレード実行委員長 島根レインボーパレードHP
荒木晃子(生殖医療施設心理士)
参考資料、参考サイト
現在、ノバルティス ファーマ株式会社が管理するサイト(DR's NET)で、まるクルの監修したコンテンツが公開されています。医療関係者は、サイトへ無料登録し無料でみることができます。
「DR's NET」 ウェブサイトへ行くまた一般の皆さん向けのサイト(ノバルティス ヘルスケア)には、「Ally表明医師マップ」が公開されています。
「Ally表明医師マップ」ウェブサイトへ行く
企画者からひとこと
すべての医療機関で働いている人に参加してほしい!そうすれば、病院での嫌な経験のせいで限界まで病院に行くのを我慢するとか、手遅れになってしまうケースをもっと防ぐことができます。LGBTQであることで医療から遠ざかってしまっている人たちがいることを知ってほしい!そして、ちょっとした配慮で、すごく病院に行きやすくなるから実践してほしい!まるクルメンバーの内、7人が全国から集まってファシリテーターをしてくれます。
本ワークショップは、依頼を受けた医療機関、医療系学会のセミナーでしか行っていないものです。広くご参加いただける貴重なきかいですので、ぜひともお越しください♬
まるクルは、医療機関に関わるひとりひとりを ‘まるっと’ 受け入れ包み込むような 場、インクルーシブ病院・診療所をつくっていくプロジェクトです。現在メインで取り組んでいるLGBTQsの人々が抱きやすい困難をなくしていくためにも、性的指向や性自認(SOGI)も多様なひとたちと活動しています。
「何かできないか」と思っているけれど、「何していいか分からない」と感じている方、また医療機関で自分ひとりだとか、ひとりで何もできない、と感じている方、ぜひお越しください。そして、もうすでに実践しはじめているよ、という方も歓迎します。ご一緒いただくことで、気づきが増え、実践に向けた具体化する案も増えると考えるからです。知らない間に知らないことで悪気なく傷つけてしまっているかもしれないままではなく、一歩踏み出すことで対象者にまで届けたいと思っています。実際に少しずつ使ってみることで、医療を届ける前段階として必要な情報を得る、そのための根幹となる関係性を構築することに活かされると感じています。
下記、2/2(金)と2/9(金)にも医療関連のパネルセッションがあります!是非合わせてご参加ください。
2/2(金)発表1「電子カルテにSOGI情報を:すべての人が安心安全に受けられる医療システムを作るために」中嶋由起子
2/2(金)発表2「LGBTQ+患者への医療的配慮とは?」VISION!~for Transgender 岩井紀穂
2/9(金)発表6「医療機関でのLGBTQとしての体験に関するアンケート結果報告」新設Cチーム企画(LGBTQ+フレンドリー医療機関リスト作成プロジェクト)
報告文
セクマイ大会でこそ是非やってほしい!ということでお願いした「まるっとインクルーシブ病院の実装プロジェクト」さんによるワークショップ。約10人の医療従事者の方々がご参加くださいました。
医療における性別の基本的なところ(母子手帳や健康保険証)、LGBTQ+についての知識のおさららいなどもあり、丁寧に話が進められました。それぞれのトピックで困難事例が説明される際には、既にテーブル毎に配られている模造紙に、参加者が気づきをどんどん付箋で貼りだしていきました。「既にやっている」「これならできるかも」「こういう対応はどうだろう」などなど。保険証と見た目の性別が異なる場合にどのように確認するか、同行者との関係性をどのように確認するか、トイレを案内する時どう言うか、などなど医療機関で当事者がつまずく困難を取り上げて考えていきました。また、カミングアウトを受けた際にも、対応はもちろん、それをどこまで他の医療者と共有するのか、そのメリット、デメリットの患者への説明など具体的に考えるとともに、ロールプレイも行いました。アウティングの防止についても、例えば個人、職場、病院全体などのレベル分けでの対応策が提案されました。
様々な内容で盛沢山の2時間30分のワークショップは大変盛り上がり、良い雰囲気で終わりました。とても実践的で、どうしたらいいんだろうと気になっていたことへの考え方や、対応の良い例、悪い例が具体的に提示されたことでわかりやすかった、モヤモヤが晴れたといった声もありました。
大会の運営スタッフ・ボランティア用にもワークを考えて用意してくださっていて、感謝です。参加したスタッフからは、こういう安全が保たれた状況で、仲間同士で医療場面での嫌なこと、困りごとをシェアできたのが良かった、普段はどうせ誰もわかってくれないからと話すこともないから、と言っていました。人は、嫌なことは早く忘れたいし、わざわざ他人に前提知識を説明してまで言うという人は多くはありません。それぞれの体験に共感したり、そういうことあるね、と言い合いながらワークができたことは大変良い時間だったようです。当事者向けのワークショップもやりたいですね!
【参加者の感想】
大変勉強になりました。
2時間半は長いかもしれないと思いつつ参加しましたが、気づいたら終わっていました。逆に、もっと時間をかけてじっくり学びたいくらいでした。ありがとうございました。
初めて参加しました。自分の医療機関においてセクシャルマイノリティの方々含め、社会的な困難を抱えざるを得ない方たちにとって、受診しやすい医療機関にしたいという思いから、組織内で活動を開始しましたが、何から手を付けていいのか、と悩んでいたところに、ご案内をいただき、飛びついた次第です。新たな知見を得られましたし、今後何をしていくのか、見えた気がします。人の意識を変えていく事はとても大変なことですが、何かを始めなければ進まないので、自分の立場で頑張ろうと思いました。当事者の方の声を聞くことがなかなかできないので、今回現地で参加して、講演後のグループディスカッションを通して学ぶことができました。大変感謝しております。ありがとうございました。