7月30日に「国籍に基づく不当な措置の撤回を求める駒場学生の会(AUTUMN)」と「JST-SPRING国籍要件反対アクション」が文部科学省前にて共催いたしました、「【緊急開催】SPRING改悪反対緊急集会@文科省前」におけるスピーチ内容です。
※一部、音声認識の不調により抜け落ちや不正確な部分がございます。お詫び申し上げます。
※所属・肩書等は当時のものです。
皆さま、こんにちは。本日、司会を務めさせていただきますヤンユと申します。
本日は、ご多忙のなか、そして猛暑日になりそうな厳しい暑さの中、急な呼びかけにもかかわらず、「SPRING改悪反対・緊急集会」にご参加いただき、誠にありがとうございます。
今回の集会は0730SPRING改悪反対集会実行委員会によって主催し、国籍に基づく不当な措置の撤回を求める駒場学生の会 (AUTUMN)とJST-SPRING国籍要件反対アクション(SPRING for Everyone Protest)が共催するものです。また、全国学生行動連絡会, 学費値上げ反対緊急アクション, 一般社団法人反貧困ネットワークといった団体からも、賛同をいただいています。
今回の集会は、16時までの開催を予定しており、進行は主に日本語で行われます。
情報保障の一環として、日本語でのスピーチのUDトークによる文字起こしに加え、日本語以外の言語でのスピーチには日本語への自動翻訳もご利用いただけます。今、UDトークのQRコードを読み込んでいただけると幸いです。
また、日本語・英語・中国語のフライヤーもご用意しており、今回の集会の趣旨や、主催・共催団体の情報、そして裏面には後ほど行うコールの内容も記載されていますので、どうぞお手に取ってご覧ください。We have flyers available in Japanese, English and Chinese, please feel free to take a copy. 我们准备了日文、英文和中文版本的宣传单,欢迎大家取阅。
会場内には、撮影可能エリアと撮影禁止エリアを設けております。必要に応じて、エリアの移動をお願いいたします。撮影可能エリアにおいては、参加者個人や、本集会の主催・共催団体および取材を目的とした一部メディアが、写真撮影および公開を行う場合がありますので、あらかじめご了承ください。また、撮影禁止エリアでの撮影、および撮影禁止エリアにいる参加者を特定できるような遠くからの撮影は、一切禁止されています。絶対にお控えいただきますよう、お願いいたします。
私たちは、あらゆる差別や暴力に断固として反対します。 差別的な言動や暴力的な行為が繰り返される場合、参加をお断りすることがあります。あらかじめご了承ください。
熱中症対策等、参加者の皆様に徹底をお願いいたします。気分が悪くなったら、すぐにその場を離れ、涼しいところに向かうか、スタッフにお声がけください。
すでにご存じの方も多いかと思いますが、今年4月より、文部科学省の科学技術・学術審議会 人材委員会のもとに「次世代人材育成ワーキング・グループ」が設置され、科学技術人材に対する投資拡充の方針のもと、博士課程支援制度の見直しが議論されてきました。
6月26日に開催された第4回ワーキング・グループ会議では、「今後の科学技術人材政策の方向性(中間まとめ)」の案が出て、その中で、今後、SPRING事業による研究奨励費の支援対象から留学生を除外するという方針が盛り込まれました。
本日15時より、人材委員会の第111回会議が開催され、この「中間まとめ案」が正式に議論される見込みです。これは、今後のSPRING制度や留学生支援の方向性に大きな影響を及ぼすものであり、多くの皆さまが、不安・怒り・戸惑い、あるいは黙っていられないという思いを抱えて、ここに足を運ばれたのではないかと思います。
本集会では、当事者の学生の声、教職員・研究者それから一般市民の声を通じて、この問題の深刻さを共有していきたいと思います。そのため、今回の集会ではオープンマイクの時間を設けます。お名前を伏せて発言いただくことも歓迎します。なお、発言者が自ら名乗った場合であっても、その名前以外の情報(本名など)を個人的に知っている場合は、ご本人の許可なくそれを公開・共有しないようご注意ください。
オープンマイクのスピーチにおいては、参加者の皆さまご自身が使いたい言語で自由に発言していただければと思います。発言される際、冒頭にスピーチ言語をお伝えください。日本語以外の言語でスピーチされる場合、日本語への翻訳は提供しておりますが、UDトークの自動翻訳を使用するため、翻訳の正確性や即時性については十分な保証ができないことを、あらかじめご理解いただけますと幸いです。
スピーチする際に写真を撮られたくない場合、その旨もスピーチ冒頭にお伝えください。報道機関の皆さま及び参加者の皆さまは、スピーチされる方より、「撮影をやめて欲しい」という発言があれば尊重をお願いします。すでに撮影していたとしても使用しないでください。
現段階でスピーチを希望される方は、近くのスタッフにお声がけください。
後ほど、JST-SPRING国籍要件反対アクションが、国籍要件の撤回を求める署名を文科省に手交する予定です。どうか皆さま、お気持ちを込めて送り出していただければ幸いです。
それではまず、JST-SPRING国籍要件反対アクションのメンバー、金澤伶さんにご発言いただきます。よろしくお願いいたします。
JST-SPRING国籍要件反対アクションの金澤伶です!!!
ただいま、署名賛同数「19,300名」を超えました!署名のこの厚みを見てください。これから、文部科学省のJST-SPRING事業の担当部署の職員に、私たちの意思の結晶である、この署名を提出しに行きます!
「学術に国境はない。博士課程の学生を国籍で差別するな!」「SPRING制度はみんなのもの。国籍要件を付与して『日本人以外』を排除するな」「生活費支給という命綱を奪うな」
署名提出の場には、私たち学生・院生の他、社民党や共産党の国会議員も駆けつけてくれて、一緒に声をあげてくれます。
先月26日の衝撃の報道の後、すぐさま、学費値上げ反対の声を上げていた全国の学生を中心に、反対アクションが立ち上がり、28日に署名がスタートしました。まだ続いています。今日は紙でも集めています。どうかご協力をお願いします!今月2日と25日にスタンディングデモを企画してくれた大室さんをはじめ、日本国籍保持者かどうかなど関係なく、自分ごととして「国籍差別するな」と声を上げ続けてきました。
文科省は、当事者の声を聞かずに、国会にすら通さずに、この重要な決定を会議室で決めようとしています。おそらくきっかけは、自民党の有村治子の「国益のため、対象を日本人にしぼるべきだ」という国会質疑です。しかし、実際のところ、研究に関わる学生・院生はもちろん、大学教員や、SPRING選考に関わる教員ですら反対しています。研究そのものが成り立たないと悲鳴をあげています。
この改悪は、誰が望んでいるのでしょうか?文科省は誰の声を聞いているのでしょうか?
私たち学生は、ずっと学費が高すぎて学びたい人が学べない、奨学金という借金を背負って苦労している、もしくはバイト詰めになる、博士に進学したくても金銭的に不可能、進学してもお金に生活がままならず、就職できるかも不安という学生たちの声を訴えてきました。
そういった声には耳を傾けず、よもや学生の苦境が留学生や外国人のせいだと、「外国人優遇など」というデマを流され続けました。参議院選挙でも、学生の苦境とデマを利用して議席を伸ばした党があります。そして今回の激化する排外主義に乗っかっての改悪です。
「国民の理解が得られない」というとき、その国民には私たちは差別に回収されてはいけません。
いま、文科省の科学技術・学術審議会 人材委員会「次世代人材育成ワーキング・グループ」が進めようとしているSPRING制度改正は、その必要性も合理性も、まだ十分に検証されていません。
JST(科学技術振興機構)の橋本和仁(かずひと)理事長は、7月9日に公式サイト上で声明を発表し、SPRING制度について「日本の将来を担う博士後期課程学生を力強く支援することを目的に構想された」と述べました。
さらに、制度化の過程でその趣旨が十分に明示されなかったため、事業開始後は日本人以外の学生にも支援資金が広く配分される運用となっていたと説明し、今回の見直しは「制度本来の目的に立ち返り、運用を当初の趣旨に即した形に是正するものである」としています。
しかし、この制度はすでに4年間にわたり運用されてきており、「もともとその意図ではなかった」との理由だけで留学生を排除するのは、極めて説得力に欠けると言わざるを得ません。文部科学省は、SPRING制度が当初から外国人学生を対象としていなかったという主張を裏付ける構想当時の政策文書を示しておらず、制度の見直しが留学生の来日意欲にどのような影響を与えるのか、あるいは現在すでに日本で学んでいる留学生にどのような影響が及ぶのかについても、また、多様な国籍や出自を持つ人々が学び合い、刺激し合う教育・研究現場にどのような影響が出るのかについても、実質的かつ信頼性のある分析は一切示されていません。
実際のところ、「次世代人材育成ワーキング・グループ」では、今後の科学技術・人材政策の基本的な方向性について、関係者へのヒアリングが行われています。その結果をまとめた資料の抜粋の中には、留学生に関する意見も含まれており、いくつかご紹介させていただきます。
Dr支援について、日本人学生と留学生への支援、支援内容を変えてもいいと思っている。貧しい国にも優秀な学生は揺れるので、そういった留学生には手厚く支援の状況に応じて、変える仕組みがあってもいいのではと思っている。
あるいは、授業料について国内学生と留学生と、どう対応するかを検討してしていく必要がある。可能であれば、大学生と大学院生の授業料はゼロが理想。
ちなみにこちらのヒアリングの対象としては、大学の関係者だとか、企業の関係者だとか、数十名の方がヒアリングされているという内容はこの資料に示されてはいます。
それから他の意見としては、SPRINGについて、日本人と外国人の支援が一緒なことは、学内では特に異論はない。
日本に定住してもらうことを求め、外国人にも、同じく払っている。ただ、日本人で博士に行く数が減っている。企業に行ってしまうため、240万ではなく、400万、500万が必要ではないか。そういった学生よりも日本人により多く払うというのはいいと思う。
といった意見はあります。
お聞きいただければお分かりになるように、この中には、「SPRING制度で留学生に研究奨励費を支給するのは不適切だ」と言っている意見は一つもありません。むしろ、「日本学生への支援をいかに手厚くし、博士進学を促すか」「グローバルな人材をいかに日本に定着させ、日本社会に貢献してもらうか」といった方向性が重視されています。では、SPRING制度の国籍要件に関する改正案は、いったいどこから出てきたのでしょうか?
たしかに、「グローバルな人材をいかに日本に定着させ、貢献してもらうか」という問いには、ある程度合理的な動機があるのかもしれません。けれども、留学生の“滞在期間中”にすでに果たしている役割や可能性が、過小評価されてはいないでしょうか。
留学生一人ひとりが、それぞれ異なる背景や経験を持ち、学びと研究の現場で、学生同士・研究者同士として深く交流し、相互に影響し合っています。男性も女性もノンバイナリーもジェンダーとはなんぞやとおもう人々も含めて、カタカナのかれらはすでに、消費者として、納税者として、労働者として、日本に関心と愛着を抱く人間として、すでに日本社会の一部として、周囲と関わり、社会に活力をもたらしています。これを「貢献」と呼ばずして、何と呼べばよいのでしょうか。
「どうせ日本を去っていくのだから」という見方は、実際に長年日本に暮らし、根を下ろして生活を築いている人々、またはそうしようとしている人々の存在を無視するものです。たとえ一部の留学生が将来的に出身国や第三国に戻ったとしても、彼らは、日本人学生の海外留学、日本企業の国際展開、日本政府の国際関係構築において、橋渡しとなる存在であり、新たな機会を生み出す人々かもしれません。それもまた、立派な貢献ではないでしょうか。
今回のSPRING制度の改正案は、留学生に対して一切の支援を打ち切るというものではありません。支援のうち全体の約80%を占める生活費を補う研究奨励費をやめ、研究経費のみを提供する内容となっています。包摂的な環境を整えることなく、貢献だけを求めること。生活支援を十分に行わず、研究成果だけを期待することは、果たして公正と言えるでしょうか?
去年から、東京は、私がこれまでで一番長く住んでいる街になりました。日本国籍を持たない者として、誰に何を言われようと、排外的な言説に傷つけられようと、作り話で中傷されようと、東京は私の「家」です。私は、留学生として、低賃金で働く外国人労働者の一人として、そして一外国人として、日本社会に特別な優遇を求めているわけではありません。ただただ「等身大の人間」として受け止められる社会であってほしいと願います。人間は、国籍はどうであれ、出自はどうであれ、ただの労働力や知的生産装置ではありません。医療、妊娠、出産、死といった身体的ニーズ、帰属感、達成感、存在価値といった社会的ニーズを持つ、笑ったり泣いたり、頑張ったりさぼったり、自分自身の世界を認識しながら変化していく存在です。これらのニーズを答えて、個人の不安や怒りを煽るのではなく、真に解決すべき課題を見極め、多様な声に耳を傾けながら、権利を適切に保障し、誰もが安心して暮らせる包摂的かつ安全な制度を整えていくこと。それこそが、健全な社会の土台であり、そして「グローバルな人材をいかに日本に定着させ、日本社会に貢献してもらう」への第一歩となるのではないでしょうか。
私からは以上です。ありがとうございました。
皆さんお疲れ様です。
東京大学の金澤伶と申します、JST-SPRING国籍要件反対アクションからきました。先ほど、署名を、人材委員会ですね。今回JST-SPRINGの方針を話し合う、担当部署の職員に署名を提出して参りました。
1万9300名超えということで、この声を確実にこの後15時からの人財委員会の会議にて、共有をしてほしいと最後に念押しも行いました。その場ではですね、なかなかアンサーとしては返せないという返答でしたが、まずはちゃんと受け止める。この声を読むということで、受け取っていただきました。
そして、署名の趣旨と、皆さんの思いと、大学教員の皆さんの声であるとか、そしてそれに賛同した皆さんの1人1人のお名前であるとかそういうものですね、お渡しさせていただきました。
お茶の水女子大学博士後期課程の大室恵美です。
先ほど金澤さんや議員さんの皆さん、そして学生の皆さんと一緒に署名を文科省の職員の方に手渡してきました。
私は文科省の人にいろんなことを言いたかったんですけど、 最低限一言だけ伝えたかったこととして、こんな風にお話ししてきました。
私はこの国の主権者の1人として、博士課程の当事者として、抗議メンバーの1人として、文科省に適正な意思決定と運営をお願いしたい、制度の運営をお願いしたいということを伝えてきました。
というのはこのSPRINGの根拠法である「科学技術イノベーション創出の活性化に関する法律」なんですけれども、この中には文科省の職員や有識者といわれる人たちが主張している「この制度は元々日本人のもの」ということは一言も書いてないんですよ。
逆に、外国人を含めた研究者の雇用をする、そしてそれが難しい場合には、その障壁を除去するとまで書いてあるんです。
ちょっと読みますね。「第13条、国はアジア地域その他の地域の経済の発展等により、卓越した研究者等の確保の重要性が著しく増大していることを鑑み、海外の地域からの卓越した研究者等の円滑な招聘を不当に阻害する要因の解消、その他の卓越した研究者等の確保に必要な施策を講ずるものとする」ってあるんですよね。
この研究者等っていうのはSPRINGも、そうなんですけども博士課程の院生も入ってます。
こんなふうに言ってるんですよ。「外国からの研究者を招聘する」。
そして、そこが難しいことがあったらそれを取り除くと言っている。
日本人中心どころか、逆のですね、素晴らしい理念を語った法律なんですよ。
この法律を無視してですね、法改正などの手続きも取らずに、国会での審議も経ずに勝手にですね、違反して行政事務を執行するっていうことはですね、国民や国民に準ずる人たち、日本社会に住んでる1人1人の意思に反してるってこと、行政手続き的にも法的にも非常に問題がある方針決定だと、そういうことをお伝えしてきました。
皆さんもこの事実を広く共有して、ぜひ一緒に、この決定は法律違反であるということを日本社会を構成する、1人の人間として一緒に声を上げていきましょう。
ありがとうございます。
東京大学農学部の八十島と申します。
ちょっと簡単に一言だけですけど、僕からは自分の周りの研究室の話として、留学生の皆さんが、お米の品種改良の研究をしてるんですよっていうのをお伝えしました。
こんな今、お米が穫れなくて困ってると。困ってるんじゃないんですかって。それを研究してくれている留学生の皆さんに対して、あまりにも酷い仕打ちなんじゃないですかっていうことを簡単にお伝えしました。
以上です。