このアンケートは、私たちが強く求める「高等教育予算の拡充」の重要性を訴えるために実施しました。参議院選挙の立候補者の皆さんに、学費や教育に関する具体的な考えを尋ねることで、有権者の皆さんが投票する際の参考になる情報を提供することを目指します。
学費・奨学金問題は、非常に複雑に問題が交差しています。今まさに困窮している学生だけでなく、保護者、進学を目指す高校生、増え続ける非正規雇用者、障害をお持ちの方々、外国ルーツをもつ方々や、セクシュアル・マイノリティ、そして、大学を卒業した後も「貸与型奨学金」という名の「借金」を返済している方々、そしてその周囲の皆さまが当事者であり、社会全体の問題です。
私たちは、高等教育予算の拡充を政府に強く求めます。こうした課題を訴える候補者の姿に、ぜひ注目してください。学費をめぐる政策や、学校の自治をめぐる政策など、学生の声がかき消されているのは政治の場においても同じです。今回のアンケートを通じて、私たちは政治に対して、声を聞くのかどうか問い掛けました。今回は選挙です。立候補者の立場を明確にし、有権者の投票行動の重要な指針の一つになります。皆さまの投票行動の参考にしていただければ幸いです。
2025年5月26日~現在も受付中。
第1締め切り:2025年6月10日(6月13日の記者会見にて結果発表済み)
第2締め切り:2025年6月30日(7月1日のウェブサイト公開にて結果発表)
第3締め切り:2025年7月9日 現在も引き続き回答を受け付けています。
2025年参議院選挙立候補者 全員
各候補者のウェブサイト、メールアドレス、電話番号、FAX番号、SNSアカウントを調査しました。
調査の結果、ウェブサイトのフォーム、有効であったメールアドレス、FAX番号、SNSの公開されたDMのいずれかの手段にてGoogleフォームを送付しました。
回答がない場合には、電話等でリマインドを行いました。
高等教育の定義
大学(短期大学を含む)、大学院、高等専門学校、専門学校
私たちのスタンス
人種、民族、国籍、ジェンダー、セクシュアリティ、身体的特徴などあらゆる個人の属性を口実としたすべての差別的言動・ハラスメント行為に反対しています。
本アンケートでは以下の設問を設定し、すべて必須回答としました。また、各設問で選んだ選択肢の理由についても、記述を必須としています。
氏名
選出方法(比例/選挙区)
(選挙区の場合はその地域)
メールアドレス
各設問では、学費に関する主要な制度や政策を取り上げ、それぞれの今後の方向性について尋ねました。回答形式は、提示した3つの選択肢から、最もご自身の考えに近いものを1つだけ選んでいただく単一選択方式としました。
東京大学では今年度入学者から授業料を年間10万円以上の値上げが行われました。東京大学の授業料値上げが報じられて以降、全国の国立大学法人でも授業料値上げの検討がなされているとの報道があります。国立大学法人の授業料(標準額:年間53万5,800円)について、どのようにお考えでしょうか?
高いので引き下げるべき/適正である/安いので引き上げるべき
東京大学をはじめとした授業料の値上げの理由として、2004年の国立大学法人化以降、運営費交付金が減らされつづけており、大学運営に支障をきたす段階に至っていることが挙げられています。今年度予算額も前年度と同額とされましたが、昨今の物価高騰を考慮すると、実質的に前年度から200億円程度の減額に相当するとの指摘もあります。国立大学の運営費交付金について、いかがお考えでしょうか?
増額すべき/適正である/減額すべき
国立大学法人のみならず、私立大学等でも授業料(入学金、設備維持費等を含む)の値上げがなされています。私立大学等経常費補助金(以下、私学助成金)の一般補助は減少傾向にあり、そのことが授業料値上げに転嫁されていると考えられます。私学助成金について、いかがお考えでしょうか?
増額すべき/適正である/減額すべき
日本の高等教育費における家計負担の比率は51%で、OECD平均(19%)の2倍以上となる一方で公的支出の割合は、日本が37%とOECD平均(68%)を大きく下回っています。高等教育費への公的支出について、いかがお考えでしょうか?
支出を増やすべき/適正である/支出を減らすべき
日本は国際人権規約A規約第13条において定められている中等、高等教育の漸進的無償化条項の留保を2012年に撤回し、高等教育の無償化を進めることを国際的に示しています。また、日本国憲法第26条において教育を受ける権利が保障されています。こうした教育を受ける権利を保障する手段として高等教育を無償化することについて、いかがお考えでしょうか?
無償化すべき/無償化すべきではない/どちらとも言えない
現行の就学支援制度は世帯年収380万円程度までとなっています。今年度より支援対象が拡大されましたが、多子世帯のみが対象とされています。給付型奨学金支援制度について、どのようにお考えでしょうか?
多子世帯のみならずさらなる拡充が必要/十分である/支援を減らすべき
日本の大学生の過半数(55%:令和4年度日本学生支援機構調査による)が大学に進学するために奨学金を受給しています。一方、多額の「ローン」を抱えて卒業を迎えるため、奨学金返済のために若者が将来を思い描けないなどの弊害が指摘されています。奨学金返済について、いかがお考えでしょうか?
負担軽減措置を講ずるべき/負担軽減措置を講ずる必要はない/どちらとも言えない
現在、東京大学をはじめとして学費値上げの動きが全国の国公私立大学に広まっています。しかし、既存の学費ですら、親の支援無しにはまかなえないほど高く、親の安定した収入と良好な家族関係無しには、大学にまともに通えない状況です。まずはじめに、現状に対して、この学費値上げの実態をどう捉えているのかを伺いました。
2004年の国立大学法人化以降、国立大学法人の運営費交付金は年間1%ほどずつ減らされています。私学助成金も同様に減少傾向です。学費値上げの動きには、この運営費交付金、私学助成金の減額も影響しているでしょう。日本の高等教育費における家計負担の比率は51%で、OECD平均19%の2倍以上となる一方で公的支出の割合は、日本が37%とOECD平均68%を大きく下回っています。教育の機会均等のためには国による公的資金の投入が必要であると我々は考えていますが、候補者がどのようにお考えなのかを伺いました。
日本は、日本国憲法で「教育を受ける権利」を保障し、国際人権規約に基づき高等教育を段階的に無償化することを国際的にも約束しています。我々は、教育は単なるサービスではなく、誰もがアクセスできるべき基本的な権利であると考えています。そこで本設問では、目先の財源論だけでなく、こうした理念に基づいた高等教育の最終的なあり方として「無償化」という大きな方向性について、どのようにお考えか伺いました。
公的支出が少ない現状は、学生個人にも大きな影響を及ぼしています。経済的な理由で進学を断念する学生がいる一方で、貸与型奨学金を利用して卒業した多くの若者が、その返済に苦しんでいる実態があります。我々は、意欲ある学生が安心して学べる環境(入口支援)と、卒業生が過度な負担なく社会へ羽ばたける環境(出口支援)の両方を、国が責任を持って整備すべきだと考えています。そこでこの2つの設問では、給付型奨学金の拡充と、返済負担の軽減という、直接的な支援策についてどのようにお考えか伺いました。