日本共産党 静岡選挙区 新人 54歳
①国立大学法人の授業料について
東京大学では今年度入学者から授業料を年間10万円以上の値上げが行われました。東京大学の授業料値上げが報じられて以降、全国の国立大学法人でも授業料値上げの検討がなされているとの報道があります。国立大学法人の授業料(標準額:年間53万5,800円)について、どのようにお考えでしょうか?A: 高いので引き下げるべき
理由:
授業料が高すぎるので、8割の学生がアルバイトし、5割が貸与奨学金を借りて学生生活を送っています。バイト漬けで勉学の時間が奪われ、学費を払えず進学をあきらめざるを得ない状況は教育の機会均等が奪われているということです。学費値上げは学生生活も教育機会均等も破壊するものとなるので、引き下げるべきです。
②国立大学法人運営費交付金について
東京大学をはじめとした授業料の値上げの理由として、2004年の国立大学法人化以降、運営費交付金が減らされつづけており、大学運営に支障をきたす段階に至っていることが挙げられています。今年度予算額も前年度と同額とされましたが、昨今の物価高騰を考慮すると、実質的に前年度から200億円程度の減額に相当するとの指摘もあります。国立大学の運営費交付金について、いかがお考えでしょうか?A:増額すべき
理由:
ここ20年来、運営費交付金が減少しています。大学の基盤的経費である交付金の減少は、教員の多くを任期付き不安定雇用として、質の高い教育・研究を続けることを困難にしています。
③私学助成金に関して
国立大学法人のみならず、私立大学等でも授業料(入学金、設備維持費等を含む)の値上げがなされています。私立大学等経常費補助金(以下、私学助成金)の一般補助は減少傾向にあり、そのことが授業料値上げに転嫁されていると考えられます。私学助成金について、いかがお考えでしょうか?A:増額すべき
理由:
私立大学の初年度納付金の平均は約148万円といわれています。私学助成金は私学の教育・研究の維持向上や学生の経済的負担軽減のために補助されており、私学収入の1割となっています。これが減少傾向にあることは学生負担増に直結する、学生生活を破壊する問題です。
④高等教育費に係る公的支出について
日本の高等教育費における家計負担の比率は51%で、OECD平均(19%)の2倍以上となる一方で公的支出の割合は、日本が37%とOECD平均(68%)を大きく下回っています。高等教育費への公的支出について、いかがお考えでしょうか?A:支出を増やすべき
理由:
いま自民党政府のもとで、軍事費は年間約8兆円であり、教育費の約4兆円の約2倍となるような逆立ち政治となっています。未来を担う青年の人格完成と個性と能力を発揮させる教育、大学教育の未来を開くための公的支出を抜本的に増やす政治への切り変えが切実に求められています。
⑤高等教育無償化について
日本は国際人権規約A規約第13条において定められている中等、高等教育の漸進的無償化条項の留保を2012年に撤回し、高等教育の無償化を進めることを国際的に示しています。また、日本国憲法第26条において教育を受ける権利が保障されています。こうした教育を受ける権利を保障する手段として高等教育を無償化することについて、いかがお考えでしょうか?A:無償化すべき
理由:
教育の成果は社会全体のものです。だれもが高等教育を受ける権利を持ち、教育を受けた成果を社会に還元し、社会に貢献することは個人としても幸福追求となります。国際人権規約に高等教育無償化が規定されていることは意義深いものです。日本政府はいま逆行しています。学費値上げで大学教育の未来と教育の機会均等を閉ざすのか、それとも無償化にふみ出すのか、いま日本の未来が掛かる岐路となっています。
⑥給付型奨学金制度について
現行の就学支援制度は世帯年収380万円程度までとなっています。今年度より支援対象が拡大されましたが、多子世帯のみが対象とされています。給付型奨学金支援制度について、どのようにお考えでしょうか?A:多子世帯のみならずさらなる拡充が必要
理由:
いま貸与型奨学金を借りている学生は、一人平均約300万円の借金を背負って卒業せざるをえません。返済無しの給付制奨学金を大多数の学生が利用できるような制度を創設する必要があります。
⑦奨学金返済について
日本の大学生の過半数(55%:令和4年度日本学生支援機構調査による)が大学に進学するために奨学金を受給しています。一方、多額の「ローン」を抱えて卒業を迎えるため、奨学金返済のために若者が将来を思い描けないなどの弊害が指摘されています。奨学金返済について、いかがお考えでしょうか?A:負担軽減措置を講ずるべき
理由:
学生の学費負担の重さは深刻であり、勉学時間を削り、多額のローンを抱えるという将来不安を増幅させています。緊急に奨学金返済の半額免除措置を政府がとる必要があります。勉学に集中できるように授業料半額・入学金ゼロもセットでやりたいと思います。学費ゼロに向けて、こうした緊急の措置をおこなうために大学予算を抜本的に増やします。その財源は、大企業や富裕層への優遇税制の是正、軍事費が教育予算の2倍という歪みを正せば十分生まれます。