日本共産党 東京選挙区 現職2期目 42歳
①国立大学法人の授業料について
東京大学では今年度入学者から授業料を年間10万円以上の値上げが行われました。東京大学の授業料値上げが報じられて以降、全国の国立大学法人でも授業料値上げの検討がなされているとの報道があります。国立大学法人の授業料(標準額:年間53万5,800円)について、どのようにお考えでしょうか?A: 高いので引き下げるべき
理由:
55年前の1971年、国立大学の授業料は1万2千円でした。それが「受益者負担」の名で50倍にまで値上げされ、学生のみなさんとその家庭を苦しめています。そのうえ、今年度も、学生と国民の反対の声をよそに、東大などが値上げを強行したことは許せません。
国立大学の学費は、国の責任でただちに半額にし、無償化をめざす、入学金は廃止することを求めます。国が100億円を大学に緊急支援し、これ以上の学費値上げは中止させるべきです。
私は、全国120大学の学生のみなさんが国会内で開いた集会に参加し、「バイト漬けの毎日」など痛切な訴えを聞き、3月14日の予算委員会で、「学費値上げは学問の機会を奪うものだ」と政府の姿勢を批判し、教育予算を抜本的に増額して学費値上げストップ、学費ゼロを目指すよう求めました。これからも、みなさんの声を国会に届け、政治を前に動かすために全力を尽くします。
②国立大学法人運営費交付金について
東京大学をはじめとした授業料の値上げの理由として、2004年の国立大学法人化以降、運営費交付金が減らされつづけており、大学運営に支障をきたす段階に至っていることが挙げられています。今年度予算額も前年度と同額とされましたが、昨今の物価高騰を考慮すると、実質的に前年度から200億円程度の減額に相当するとの指摘もあります。国立大学の運営費交付金について、いかがお考えでしょうか?A:増額すべき
理由:
04年に国立大学が法人化されて以来、国立大学の運営費交付金は1630億円も削減されました。各大学は“財政難”にあえぎ、教育研究費を削り、教職員は正規から非正規雇用へ置き換えざるを得なくなり、教育研究力も低下しました。高等教育をないがしろにする政治は許せません。国立大学運営費交付金をただちに回復し、増額をはかります。
同時に、運営費交付金削減のツケを学生に転嫁するのは、まったく道理がありません。自民・公明政権は、大学予算を削る一方で、5年間で43兆円もの大軍拡に突き進んでいます。軍事費は3年間で3兆円もふえ、今年度予算では9兆円近くに膨れ上がっています。
教育には冷たく、軍事費には大盤振る舞いの逆立ちした政治を切りかえることが、今こそ必要です。学生と大学人、国民が力を合わせ、政治をともに変えていくことを心から呼びかけます。
③私学助成金に関して
国立大学法人のみならず、私立大学等でも授業料(入学金、設備維持費等を含む)の値上げがなされています。私立大学等経常費補助金(以下、私学助成金)の一般補助は減少傾向にあり、そのことが授業料値上げに転嫁されていると考えられます。私学助成金について、いかがお考えでしょうか?A:増額すべき
理由:
国は、私立大学の「経常費の2分の1助成の速やかな達成を目指す」とした国会決議(1975年)をないがしろにして、経常費の1割以下しか補助していません。そのために、私立大学は、経常費の7割を学費収入に頼り、異常な高学費になっています。
学生の学ぶ権利を保障する高等教育機関としては、国立と私立に差異はありません。大学生の8割近くが学ぶ私立大学がはたす公共的役割にふさわしく、私学への国の支援を抜本的に強めるべきです。私立大学にも国公立大学と同様に公費を支出する「公費負担」の原則を確立し、その第一歩として、緊急支援で私学の学費値上げをストップするとともに、公費負担によって入学金を廃止し、授業料を半額化します。
さらに「私立大学の経常費の2分の1を国庫補助」をすみやかに実現します。軍事費などの予算のムダをけずれば十分実現できます。
④高等教育費に係る公的支出について
日本の高等教育費における家計負担の比率は51%で、OECD平均(19%)の2倍以上となる一方で公的支出の割合は、日本が37%とOECD平均(68%)を大きく下回っています。高等教育費への公的支出について、いかがお考えでしょうか?A:支出を増やすべき
理由:
ご指摘のように、日本は、OECD諸国の中で高等教育への公的負担割合がもっとも低い国の一つになっています。その穴埋めが家計に転嫁され、異常な高学費となって学生と家庭を苦しめています。このことは、日本の大学がかかえる根本問題であり、日本の未来にもかかわる問題です。
教育研究条件の整備をはかることは国の責任であり、欧米並みの大学予算を確保するために力をつくします。日本共産党は、大企業・富裕層優遇の不公正税制を見直すなど税財政の改革、文教予算の2倍に膨れ上がった軍事費などムダを削って20兆円規模の財源を生み出す「経済再生プラン」を提案しています。その一部を活用して大学予算を抜本的に拡充します。
⑤高等教育無償化について
日本は国際人権規約A規約第13条において定められている中等、高等教育の漸進的無償化条項の留保を2012年に撤回し、高等教育の無償化を進めることを国際的に示しています。また、日本国憲法第26条において教育を受ける権利が保障されています。こうした教育を受ける権利を保障する手段として高等教育を無償化することについて、いかがお考えでしょうか?A:無償化すべき
理由:
日本共産党は1981年、志位委員長(当時)が衆議院の代表質問で、国際人権規約の高等教育無償化条項の留保撤回を迫るなど、長年にわたりこの問題を追及してきました。そのなかで、日本政府は2012年に留保を撤回し、高等教育を無償化することを国民と国際社会に公約しました。しかし、自民党が政権に復帰したもと、無償化が事実上「反故(ほご)」にされ、むしろ、大学の学費は2012年以降、それ以前にまして高騰しています。
教育の成果は個人でなく社会全体のものです。ヨーロッパでは、教育無償化をめぐる長い国民的な運動のなかで、高等教育についても60年代後半から無償化にふみ出し、維持している国が少なくありません。日本も国際人権規約の精神で無償化にふみ出すべきです。
⑥給付型奨学金制度について
現行の就学支援制度は世帯年収380万円程度までとなっています。今年度より支援対象が拡大されましたが、多子世帯のみが対象とされています。給付型奨学金支援制度について、どのようにお考えでしょうか?A:多子世帯のみならずさらなる拡充が必要
理由:
政府が2020年度から導入した修学支援制度(授業料免除と給付奨学金)は、条件が厳しく、実情にも合わないために全学生の1割しか対象にならず、予算の4割も余らせている欠陥制度で、本来の給付奨学金とは程遠いものです。支給額と家計要件、成績要件等の見直しを求めます。
同時に、教育の機会均等を保障するにふさわしい奨学金制度への抜本改革に力をつくします。
そもそも現在の奨学金は、将来の借金となる貸与制、有利子制が中心で、事実上の教育ローンとなっています。「自宅4万円、自宅外8万円(月額)」を75万人に支給する本格的な給付奨学金制度を創設し、対象・支給額を拡充していきます。新規に貸与する奨学金を無利子にするとともに、在学中の学生の有利子奨学金を無利子奨学金へと「借り換える」制度をつくり、国が利子補給を行って全員に無利子化を実現します。
⑦奨学金返済について
日本の大学生の過半数(55%:令和4年度日本学生支援機構調査による)が大学に進学するために奨学金を受給しています。一方、多額の「ローン」を抱えて卒業を迎えるため、奨学金返済のために若者が将来を思い描けないなどの弊害が指摘されています。奨学金返済について、いかがお考えでしょうか?A:負担軽減措置を講ずるべき
理由:
学生や大学院生が、卒業と同時に何百万円もの借金を背負い、生涯にわたって返済し続けなければならない事態は、本当に異常です。私も「奨学金返済+子どもの学費で正直かなりキツイ」など切実な声をたくさん聴いてきました。そして、現在返済中の奨学金は政府の責任で半額を免除する制度をつくるよう、国会で求めました。生活が困窮する場合の救済措置の充実、延滞金、連帯保証人・保証料を廃止し、返済困難者への相談窓口を充実することを含め、奨学金返済の不安と負担を軽減するために、引き続きがんばります。