自由民主党 比例 新人 47歳
①国立大学法人の授業料について
東京大学では今年度入学者から授業料を年間10万円以上の値上げが行われました。東京大学の授業料値上げが報じられて以降、全国の国立大学法人でも授業料値上げの検討がなされているとの報道があります。国立大学法人の授業料(標準額:年間53万5,800円)について、どのようにお考えでしょうか?A:適正である
理由:
国が定める標準額の設定にあたっては、日本の社会経済状況を幅広く考慮して検討されるべきだと考えています。これは、単に大学運営のコストだけでなく、国の財政状況や国民の所得水準なども踏まえて、総合的に判断されるべきだと考えます。
同時に経済的な理由で学生が進学を諦めることがないように、支援制度の拡充が重要です。具体的には、授業料の減免制度と、返済の必要がない給付型奨学金からなる「修学支援新制度」による支援を、今後さらに手厚くしていく必要があります。
②国立大学法人運営費交付金について
東京大学をはじめとした授業料の値上げの理由として、2004年の国立大学法人化以降、運営費交付金が減らされつづけており、大学運営に支障をきたす段階に至っていることが挙げられています。今年度予算額も前年度と同額とされましたが、昨今の物価高騰を考慮すると、実質的に前年度から200億円程度の減額に相当するとの指摘もあります。国立大学の運営費交付金について、いかがお考えでしょうか?A: 増額すべき
理由:
大学は、科学の最先端を切り拓く極めて重要な拠点です。しかし、現状では物価や人件費の高騰により、大学の運営費や研究費が危機的なほど逼迫しています。
この状況を改善するためには、研究費の使途や運用方法の柔軟な見直しや研究時間の確保と研究環境の改善するための組織運営改革や人事給与制度の改革の実施が必要です。
これらの改革と並行して、物価や人件費の上昇を考慮した上で、国立大学法人運営費交付金および研究費の確保に取り組むべきです。
③私学助成金に関して
国立大学法人のみならず、私立大学等でも授業料(入学金、設備維持費等を含む)の値上げがなされています。私立大学等経常費補助金(以下、私学助成金)の一般補助は減少傾向にあり、そのことが授業料値上げに転嫁されていると考えられます。私学助成金について、いかがお考えでしょうか?A: 増額すべき
理由:
私立大学の学費は多くの要因によって決まりますが、私立大学の運営費の少なくとも半分を助成金でまかなうよう努力すべきとされている「私立学校振興助成法」が制定された当時の委員会附帯決議の趣旨も踏まえて、毎年の予算編成において必要な財源を確保しつつ、私学助成金を着実に増やしていくべきだと考えます。
④高等教育費に係る公的支出について
日本の高等教育費における家計負担の比率は51%で、OECD平均(19%)の2倍以上となる一方で公的支出の割合は、日本が37%とOECD平均(68%)を大きく下回っています。高等教育費への公的支出について、いかがお考えでしょうか?A: 支出を増やすべき
理由:
OECDのデータが示す通り、日本の高等教育機関への公費負担割合が、OECD平均と比べて低いという現状を認識しています。
高等教育は、国の力の源です。なぜなら、多様な人材を育成し、学術研究を通じて新しい知識を生み出し、さらにはイノベーションを促進するなど、非常に重要な役割を担っているからです。高等教育への投資は、将来に向けた先行投資にほかなりません。必要な財源を確保しながら、高等教育への公的な投資を充実させるよう努めるべきだと考えます。
⑤高等教育無償化について
日本は国際人権規約A規約第13条において定められている中等、高等教育の漸進的無償化条項の留保を2012年に撤回し、高等教育の無償化を進めることを国際的に示しています。また、日本国憲法第26条において教育を受ける権利が保障されています。こうした教育を受ける権利を保障する手段として高等教育を無償化することについて、いかがお考えでしょうか?A: 無償化すべき
理由:
家庭の経済状況にかかわらず、すべての子どもたちが質の高い教育を受ける機会を平等に得られるようにすることは極めて重要です。少子化対策の観点からも、子育て世代の経済的負担を減らすことで、安心して子どもを産み育てられる環境を整えることができます。
教育費の負担軽減に向けた取り組みを一層充実させていこうと考えております。
⑥給付型奨学金制度について
現行の就学支援制度は世帯年収380万円程度までとなっています。今年度より支援対象が拡大されましたが、多子世帯のみが対象とされています。給付型奨学金支援制度について、どのようにお考えでしょうか?A: 多子世帯のみならずさらなる拡充が必要
理由:
大学等で学ぶには、授業料だけでなく、教材費、食費、居住費といった生活費も必要になります。令和2年度に始まった「高等教育の修学支援新制度」では、低所得世帯を対象に、授業料の減免と給付型奨学金を支給してきました。そして、令和6年度からは、多子世帯などの中間層にも対象が拡大されています。
しかし、家庭の経済状況に関わらず、すべての子どもたちが質の高い教育を平等に受け、それぞれの個性や能力を最大限に伸ばせる機会を得ることが重要だと考えています。高等教育にかかる経済的負担をさらに軽減するための支援拡充は不可欠です。
⑦奨学金返済について
日本の大学生の過半数(55%:令和4年度日本学生支援機構調査による)が大学に進学するために奨学金を受給しています。一方、多額の「ローン」を抱えて卒業を迎えるため、奨学金返済のために若者が将来を思い描けないなどの弊害が指摘されています。奨学金返済について、いかがお考えでしょうか?A: 負担軽減措置を講ずるべき
理由:
奨学金の返済が日々の生活やライフイベントに影響を及ぼし、大きな負担になっているという多くの声があることは認識しています。
日本学生支援機構の貸与型奨学金は、借りた総額が多くても、毎月の返済額が過度にならないよう、返済期間を考慮して設定されています。
一方で、経済的に厳しい状況などで返済が困難な方に対しては、返還の猶予や毎月の返還額を減額する減額返還制度などにより支援策が講じられてきました。更なる奨学金返済の負担軽減に向けて努力してまいります。