日本共産党 比例 新人 59歳
①国立大学法人の授業料について
東京大学では今年度入学者から授業料を年間10万円以上の値上げが行われました。東京大学の授業料値上げが報じられて以降、全国の国立大学法人でも授業料値上げの検討がなされているとの報道があります。国立大学法人の授業料(標準額:年間53万5,800円)について、どのようにお考えでしょうか?A: 高いので引き下げるべき
理由:
国立大学の授業料は、この半世紀で約50倍と異常に値上がりしています。その結果、保護者の減収と相まって多くの学生がアルバイトや貸与奨学金なしには学生生活を送れない状況です。これ以上の学費値上げは許されません。若者の学ぶ権利を脅かす高学費の値下げは急務です。〝学費値上げラッシュ〟(国公私立大学、専門学校の値上げ)ストップは年間1000億円程度で回避できます。日本共産党は〝学費値上げラッシュ〟をストップさせるとともに、高等教育無償化・「学費ゼロ」へと教育予算を増やし、ただちに授業料半額・入学金ゼロに踏み出すことを提案します。
②国立大学法人運営費交付金について
東京大学をはじめとした授業料の値上げの理由として、2004年の国立大学法人化以降、運営費交付金が減らされつづけており、大学運営に支障をきたす段階に至っていることが挙げられています。今年度予算額も前年度と同額とされましたが、昨今の物価高騰を考慮すると、実質的に前年度から200億円程度の減額に相当するとの指摘もあります。国立大学の運営費交付金について、いかがお考えでしょうか?A:増額すべき
理由:
政府は2004年の独立行政法人化以降、1600億円もの運営費交付金を削減してしまいました。これに物価高騰がのしかかり大学は財政難に追い込まれ、学費値上げの原因となっています。これらを解決するために減額された運営費交付金を直ちに回復し、増額をはかることが必要だと考えます。
③私学助成金に関して
国立大学法人のみならず、私立大学等でも授業料(入学金、設備維持費等を含む)の値上げがなされています。私立大学等経常費補助金(以下、私学助成金)の一般補助は減少傾向にあり、そのことが授業料値上げに転嫁されていると考えられます。私学助成金について、いかがお考えでしょうか?A:増額すべき
理由:
市立大学への私学助成が経常費の1割以下に抑制された現状は「私立大学の経営費の二分の一を国庫補助」という1975年国会決議に反するもので、学費値上げの原因となっています。学生の8割近くを擁する私立大学が果たす公共的役割にふさわしく、私学への国の支援を抜本的に強める必要があると考えます。
④高等教育費に係る公的支出について
日本の高等教育費における家計負担の比率は51%で、OECD平均(19%)の2倍以上となる一方で公的支出の割合は、日本が37%とOECD平均(68%)を大きく下回っています。高等教育費への公的支出について、いかがお考えでしょうか?A:支出を増やすべき
理由:
日本の高等教育費への公的支出は、OECD加盟国の中で「最低水準」にあります。その結果、私的支出・個人負担はとても重いものになっています。公的支出をOECD加盟国の平均水準に引き上げるだけで〝学費値上げラッシュ〟をストップさせることはもちろん、大学の学費を値下げすることは可能です。
⑤高等教育無償化について
日本は国際人権規約A規約第13条において定められている中等、高等教育の漸進的無償化条項の留保を2012年に撤回し、高等教育の無償化を進めることを国際的に示しています。また、日本国憲法第26条において教育を受ける権利が保障されています。こうした教育を受ける権利を保障する手段として高等教育を無償化することについて、いかがお考えでしょうか?A:無償化すべき
理由:
高等教育無償化は、教育を受ける権利を保障するうえで大変重要です。日本共産党は教育予算を増やし、直ちに授業料半額、入学金ゼロへとふみ出して高等教育無償化・「学費ゼロ」を実現することを提案します。欧州の事例を見ても高等教育を無償化し、私費負担を軽減している国は学費はゼロ、または低額です。いま日本で起きている学費値上げラッシュは、高等教育無償化への逆行です。「値上げをしても奨学金などの支援を増やせばいい」との意見もありますが、それではいつまでたっても無償化は実現できません。すべての学生を対象に学費を引き下げることこそが最大の支援です。また、高等教育無償化にむけ、国の責任で入学金もなくすべきと考えます。
⑥給付型奨学金制度について
現行の就学支援制度は世帯年収380万円程度までとなっています。今年度より支援対象が拡大されましたが、多子世帯のみが対象とされています。給付型奨学金支援制度について、どのようにお考えでしょうか?A:多子世帯のみならずさらなる拡充が必要
理由:
給付型奨学金は学生生活を支える大切なものであり、教育を受ける権利を保障するため多くの学生が受けられるような制度にすべきだと考えます。現在の就学支援制度は世帯年収をもとにした経済要件、成績要件、大学の機関要件などのきびしい要件が課せられているため学生が安心して受けられるものになっていません。そのため全学生の1割しか対象にならず、予算の4割を余らせている欠陥制度で、本来の給付奨学金とは程遠いものです。日本共産党は奨学金は給付制中心にあらためるために「自宅4万円、自宅外8万円(月額)」を75万人に支給する本格的な給付奨学金制度を創設し、対象・支給額を拡充することを提案しています。
⑦奨学金返済について
日本の大学生の過半数(55%:令和4年度日本学生支援機構調査による)が大学に進学するために奨学金を受給しています。一方、多額の「ローン」を抱えて卒業を迎えるため、奨学金返済のために若者が将来を思い描けないなどの弊害が指摘されています。奨学金返済について、いかがお考えでしょうか?A:負担軽減措置を講ずるべき
理由:
高学費のもとで若い世代が背負う貸与奨学金の返済総額は10兆円近くにもなっており、その重い負担の軽減は急務の課題と考えます。日本共産党は貸与奨学金の返済を半分に減らし、返済中を含め、すべての貸与奨学金を無利子にすることを提案します。保証料・保証人制度、延滞金は廃止します。また、返済で生活が困窮するようなことがあってはならず、減免制度、返済猶予、減額期間の所得制限の緩和とともに、期間の上限を撤廃し返済負担を大幅に軽減します。