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systemd, init — systemd システムとサービスのマネージャ
systemd [オプション...]
init [オプション...] {コマンド}
systemd は、Linux オペレーティングシステムのための、システムとサービスのマネージャである。ブート時に、最初のプロセス(PID 1)として実行された場合、 init システムとしてふるまい、ユーザー空間のサービスを起動し、維持する。
SysV との互換性を保つため、systemd が init として呼ばれ、 PID が 1 でないときは、 telinit を実行し、すべてのコマンドライン引数をそのまま渡す。つまり、init とtelinit は、通常のログインセッションから呼ばれた時には、ほとんど同じということである。詳しくは、 telinit(8) を参照。
システムインスタンスとして実行されたときは、 systemd は 設定ファイルsystem.conf を解釈する。そうでないときは、user.conf を解釈する。詳しくは、 systemd-system.conf(5)を参照。
以下のオプションがある:
--test¶
開始シーケンスを決定し、それをダンプして、終了する。デバッグ専用のオプション。
--dump-configuration-items¶
解釈できたユニット設定アイテムをダンプする。ユニット定義ファイルにおいて解釈できた設定アイテムの、簡便だが完全なリストを表示する。
--unit=¶
開始時にアクティベートするデフォルトユニットを指定する。指定がなければ、default.target となる。
--system, --user¶
--system の場合、プロセス ID が1でないとき、つまり、systemd が init として動作していないとき、も、systemd はシステムインスタンスを実行する。--user は逆で、プロセス ID が1のときでも、ユーザーインスタンスを実行する。通常は、systemd は自分が開始したモードを自動的に検出するので、これらのオプションを与える必要はない。このため、これらのオプションはデバッグ以外には用途がない。systemd が --system モードで実行しているが、PID が1でないときに、フルシステムをブート、維持するのは、サポートされていないことに注意。現実的には、--system を明示的に与えるのは、--test と一緒に使うときだけ意味がある。
--dump-core¶
クラッシュ時にコアをダンプする。このスイッチは、ユーザーインスタンスとして実行するときには無効である。
--crash-shell¶
クラッシュ時にシェルを実行する。このスイッチは、ユーザーインスタンスとして実行するときには無効である。
--confirm-spawn¶
プロセスを生成する時は、確認を求める。このスイッチは、ユーザーインスタンスとして実行するときには無効である。
--show-status=¶
ブート中に、簡潔なサービス状態情報を表示する。このスイッチは、ユーザーインスタンスとして実行するときには無効である。ブール引数をとり、省略時はtrueとみなされる。
--log-target=¶
ログのターゲットを設定する。引数は、 console, journal, syslog, kmsg, journal-or-kmsg, syslog-or-kmsg, null のいずれかでなくてはいけない。
--log-level=¶
ログのレベルを設定する。引数には、数字のログレベルあるいは、よく知られたsyslog(3) のシンボリック名 (小文字): emerg, alert, crit, err, warning, notice, info, debug をとる。
--log-color=¶
重要なログメッセージをハイライトする。引数は、ブール値。省略時は、trueとみなされる。
--log-location=¶
ログメッセージに、コードの場所を含ませる。これは、主に、デバッグ用である。引数はブール値。省略時は、trueとみなされる。
--default-standard-output=, --default-standard-error=¶
すべてのサービスとソケットそれぞれの、デフォルト出力あるいは、エラー出力を設定する。つまり、 StandardOutput= と StandardError= のデフォルトを制御する。(詳しくは、systemd.exec(5) を参照。). inherit, null, tty, journal, journal+console, syslog, syslog+console, kmsg, kmsg+consoleのいずれか1つをとる。引数が省略された時は、 --default-standard-output= のデフォルトは journal となり、 --default-standard-error= は inheritとなる。
-h, --help¶
短いヘルプテキストを表示して終了する。
--version¶
短いバージョン文字列を表示して終了する。
systemd は、「ユニット」と呼ばれる12の異なるタイプのいろいろなエンティティの間の依存関係システムを提供する。ユニットは、システムブートアップと維持に関連するいろいろなオブジェクトをカプセル化する。ほとんどのユニットは、ユニット設定ファイルで設定される。ファイルのシンタックスと基本的なオプションのセットは systemd.unit(5) に記述されている。しかし、中には、他の設定から自動的に作られたり、システム状態からダイナミックに作られたり、実行時にプログラムから作られるものもある。ユニットは、「アクティブ」(つまり、開始している、バインドされている、プラグインされてる、、、、ユニットタイプによる、を意味する。後述。)あるいは、「インアクティブ」(つまり、停止している、アンバインドされている、アンプラグされている、、、)さらに、アクティベート、デアクティベートの途中(つまり、2つの状態の間、これらの状態を、「アクティベーティング」「デアクティベーティング」と呼ぶ。)のいずれかである。特別な、「failed」状態もある。それは、「インアクティブ」に似ているが、サービスがなんらかの理由で失敗した場合にそうなる。(プロセスが終了時にエラーコードを返した、クラッシュした、あるいは、操作がタイムアウトした。)この状態になるときは、原因が後の調査のためにログされる。なお、いろいろなユニットタイプによっては、これ以外の多くのサブ状態を持つこともある。それらは、前記5つの一般的なユニット状態にマップされる。
以下のユニットタイプがある:
サービスユニット。ユニットを構成するデーモンやプロセスを開始、制御する。詳しくは、 systemd.service(5) を参照。
ソケットユニット。システムのローカル IPC あるいは、ネットワークソケットをカプセル化する。ソケットベースのアクティベーションに使う。ソケットユニットについて詳しくは、 systemd.socket(5) を、ソケットベースおよび、それ以外の形態ののアクティベーションについては、 daemon(7) を参照。
ターゲットユニットは、ユニットをグループ化するためと、ブート中で既知の同期ポイントを作るために使う。 systemd.target(5)を参照。
デバイスユニットは、カーネルデバイスをsystemd に見せ、デバイスベースのアクティベーションをするのにも使われる。詳しくは、 systemd.device(5)を参照。
マウントユニットは、ファイルシステムのマウントポイントを制御する。詳しくは、systemd.mount(5)を参照。
オートマウントユニットは、オートマウント機能を提供する。ファイルシステムのオンデマンドのマウントや、並列化したブートアップに使う。 systemd.automount(5)を参照。
スナップショットユニットは、 systemd ユニットのセットの状態を一時的に退避し、後からその退避されたスナップショットユニットをアクティベートすることで回復することができる。詳しくは、 systemd.snapshot(5)を参照。
タイマーユニットは、タイマーによって他のユニットのアクティベーションをトリガーすることができる。詳しくは、 systemd.timer(5)を参照。
スワップユニットはマウントユニットと似ていて、オペレーティングシステムのメモリーのスワップパーティションあるいはファイルをカプセル化する。systemd.swap(5)を参照。
パスユニットは、ファイルシステムオブジェクトに変化があったり、それが変更された時に、他のサービスをアクティベートする。 systemd.path(5)を参照。
スライスユニットは、システムプロセス(サービスとスコープユニット)を階層ツリー状に管理して、資源管理を行う。 systemd.slice(5)を参照。
スコープユニットは、サービスユニットに似ているが、 foreign プロセスを開始せずに管理する。 systemd.scope(5)を参照。
ユニット名は、設定ファイルに従う。ユニットには、特別のセマンティクスを持つものがある。詳しいリストは、 systemd.special(7)を参照。
systemd は、いろいろな種類の依存関係を理解する。それには、正と負の要求依存関係( Requires= と Conflicts=)があり、順序の依存関係(After= と Before=)がある。注意:順序と要求の依存は直交している。2つのユニットの間に、要求の依存(例えば、foo.service requires bar.service)だけがあり、順序の依存(例えば、foo.service after bar.service)がない場合、両方が開始するように要求されたら、それらは並行して開始される。要求と順序の依存の両方が2つのユニット間に設定されるのは一般的なパターンである。また、ほとんどの依存関係は、暗黙的に systemd によって作成、維持されることに注意。多くの場合、手で追加の依存を宣言する必要はない。なお、それをしてもかまわない。
アプリケーションプログラムやユニットは、(依存関係によって)ユニットの状態変更を要求することがある。systemd は、これら要求を「ジョブ」としてカプセル化し、ジョブキューを維持する。ジョブは成功することも失敗することもあり、その実行は、元となったユニットの順序依存性に従って順序付けられる。
ブート時に、systemd はターゲットユニット default.target をアクティベートする。その役割りは、ブート時のサービスと他のブート時のユニットを、依存関係によってプルしてアクティベートすることである。普通は、そのユニット名は、 graphical.target (UI へのフル機能ブート)あるいは、multi-user.target (組み込みシステム、サーバー環境などで使われるための限定されたコンソールのみのブート。 graphical.target のサブセットである。)のどちらかへの別名(シンボリックリンク)である。ただし、管理者の判断により、それを他の任意のターゲットユニットへの別名に設定することができる。これらのターゲットユニットについて詳しくは、systemd.special(7) を参照。
systemd が起動するプロセスは、個別の Linux control group に置かれる。グループの名前は、そのプロセスが属する ユニットの systemd のプライベートな階層に従ってつけられる。(control group あるいは略して、 "cgroups" について詳しくは、 cgroups.txt を参照。 )systemd はこれによって、プロセスを効率的に追跡する。control group 情報は、カーネル内で維持され、ファイルシステム階層、(/sys/fs/cgroup/systemd/ の下)あるいは、ps(1) (ps xawf -eo pid,user,cgroup,args は、すべてのプロセスと、それらが属する systemd ユニットを表示するので、とても便利である。)のようなツールでアクセスすることができる。
systemd は、かなりのところ、 SysV init システムと互換である。SysV init スクリプトはサポートされ、単に、代替となる(制限があるが)設定ファイルフォーマットとして読み込まれる。SysV /dev/initctl インタフェースは提供され、各種の SysV クライアントツールと互換の実装も存在する。さらに、 /etc/fstab や utmp データベースのような、多数の確立された Unix 機能もサポートされる。
systemd は最低限のトランザクションシステムを持つ。ユニットの開始あるいはシャットダウンを要求された場合、systemd はそれとそのすべての依存ユニットを一時的なトランザクションに追加する。次に、トランザクションが矛盾ないか確認する。(つまり、ユニットの順序にループがないか。)おかしいときは、systemd は主要でないジョブをトランザクションから除いて、ループを除去できないか試みる。また、systemd はトランザクション内の主要でないジョブが、実行中のサービスを停止しようとするのを抑止しようとする。最後に、トランザクションのジョブが、既にキューされているものと競合しないかを確認して、その結果、オプションによってはジョブを中止する。すべてがうまくいき、トランザクションが矛盾なく、影響を最小限にされたら、トランザクションはすべての既に待っているジョブにマージされて、実行キューに加わる。これは実際のところ、要求された操作を実行する前に、systemd はその操作が妥当であることを確認し、可能なら訂正し、本当にうまく動かない時だけ失敗させるということである。
Systemd は、ブートプロセスの一部として実行される必要のある各種のタスクのネイティブな実装を含む。例えば、ホスト名を設定し、ループバックネットワークデバイスを設定する。また、 /sys や /proc などの各種の API ファイルシステムをセットアップし、マウントする。
systemd の背後にある概念とアイディアについて詳しくは、 Original Design Document を参照。
systemd が提供する、全てではないがいくつかのインタフェースは、Interface Stability Promise でカバーされることに注意。
ユニットはブート時とシステムマネージャのリロード時に、例えば他の設定ファイルあるいはカーネルコマンドラインに与えられたパラメータを元にダイナミックに生成されることがある。詳しくは、Generators Specification を参照。
コンテナあるいは、 initrd 環境で systemd を呼ぶシステムは、それぞれ、Container Interface あるいは initrd Interface を実装すること。
システムユニットディレクトリ¶
systemd システムマネージャは、ユニット設定をいろいろなディレクトリから読む。ユニットファイルをインストールしたいパッケージは、それを pkg-config systemd --variable=systemdsystemunitdir が返すディレクトリに置くこと。それ以外に、/usr/local/lib/systemd/system と /usr/lib/systemd/system もチェックされる。ユーザーの設定は常に優先される。pkg-config systemd --variable=systemdsystemconfdir は、システム設定ディレクトリのパスを返す。パケージは、これらのディレクトリの内容を変更するには、systemctl(1) ツールの enable と disable コマンドを使わなくてはいけない。ディレクトリの完全なリストは、systemd.unit(5) にある。
ユーザユニットディレクトリ¶
同様のルールが、ユーザーユニットディレクトリにもあてはまる。しかし、この場合は、ユニットを探すのに、XDG Base Directory specification が使われる。アプリケーションは、ユニットファイルを、pkg-config systemd --variable=systemduserunitdir が返すディレクトリに置くこと。グローバルな設定は、pkg-config systemd --variable=systemduserconfdir が返すディレクトリで行われる。systemctl(1) ツールの、enable と disable コマンドは、グローバル(すべてのユーザ向け)でも、プライベート(1人のユーザ向け)でも、ユニットの有効、無効化をすることができる。ディレクトリの完全なリストは、systemd.unit(5) にある。
SysV init スクリプトディレクトリ¶
SysV init スクリプトディレクトリの場所は、ディストリビューションによって異なる。systemd が要求されたサービスのネイティブなユニットファイルを見つけられない場合、同じ名前の SysV init スクリプトを探す。(.service サフィックスは除く。)
SysV ランレベルリンク置き場のディレクトリ¶
SysV init ランレベルリンク置き場の場所は、ディストリビューションによって異なる。systemd は、あるサービスを有効にするか決めるとき、リンク置き場を考慮に入れる。なお、ネイティブなユニット設定ファイルを持つサービスユニットは、SysV init ランレベルリンク置き場でアクティベートしても開始できないことに注意。
SIGTERM¶
このシグナルを受けると、 systemd システムマネージャは、自分の状態をシリアライズし、自分を再実行し、退避された状態をもう一度デシリアライズする。これはほぼ、systemctl daemon-reexec に同じである。
このシグナルを受けると、systemd ユーザーマネージャは、exit.target ユニットを開始する。これはほぼ、systemctl --user start exit.target に同じである。
SIGINT¶
このシグナルを受けると、 systemd システムマネージャは、ctrl-alt-del.target ユニットを開始する。これはほぼ、systemctl start ctl-alt-del.target に同じである。
systemd ユーザーマネージャは、このシグナルを、 SIGTERM と同じに扱う。
SIGWINCH¶
このシグナルを受けると、 systemd システムマネージャは、kbrequest.target ユニットを開始する。これはほぼ、systemctl start kbrequest.target に同じである。
systemd ユーザマネージャはこのシグナルを無視する。
SIGPWR¶
このシグナルを受けると、 systemd マネージャは、sigpwr.target ユニットを開始する。これはほぼ、systemctl start sigpwr.target に同じである。
SIGUSR1¶
このシグナルを受けると、 systemd マネージャは、 D-Bus バスに再接続しようとする。
SIGUSR2¶
このシグナルを受けると、 systemd マネージャは、人間に読める形で、自分の完全な状態をログする。ログされるデータは、 systemctl dump で表示されるものと同じである。
SIGHUP¶
完全なデーモン設定をリロードする。これはほぼ、systemctl daemon-reload に同じである。
SIGRTMIN+0¶
デフォルトモードに入る。default.target ユニットを開始する。これはほぼ、systemctl start default.target に同じである。
SIGRTMIN+1¶
レスキューモードに入る。rescue.target ユニットを開始する。これはほぼ、systemctl isolate rescue.target に同じである。
SIGRTMIN+2¶
エマージェンシーモードに入る。emergency.target ユニットを開始する。これはほぼ、systemctl isolate emergency.target に同じである。
SIGRTMIN+3¶
マシンを停止する。halt.target ユニットを開始する。これはほぼ、systemctl start halt.target に同じである。
SIGRTMIN+4¶
マシンを電源オフする。poweroff.target ユニットを開始する。これはほぼ、systemctl start poweroff.target に同じである。
SIGRTMIN+5¶
マシンをリブートする。reboot.target ユニットを開始する。これはほぼ、systemctl start reboot.target に同じである。
SIGRTMIN+6¶
マシンを kexec を使ってリブートする。kexec.target ユニットを開始する。これはほぼ、systemctl start kexec.target に同じである。
SIGRTMIN+13¶
直ちにマシンを停止する。
SIGRTMIN+14¶
直ちにマシンを電源オフする。
SIGRTMIN+15¶
直ちにマシンをリブートする。
SIGRTMIN+16¶
直ちにマシンを kexec を使ってリブートする。
SIGRTMIN+20¶
コンソールにステータスメッセージを出すようにする。これは、カーネルコマンドラインに systemd.show_status=1 を与えるのと同じである。
SIGRTMIN+21¶
コンソールにステータスメッセージを出さないようにする。これは、カーネルコマンドラインに systemd.show_status=0 を与えるのと同じである。
SIGRTMIN+22, SIGRTMIN+23¶
ログレベルを、"debug" (あるいは、SIGRTMIN+23 の場合 "info")にする。これは、カーネルコマンドラインに systemd.log_level=debug (あるいは、SIGRTMIN+23 の場合 systemd.log_level=info)を与えるのと同じである。
SIGRTMIN+24¶
直ちにマネージャを終了する。( --user インスタンスの時だけ有効。)
SIGRTMIN+26, SIGRTMIN+27, SIGRTMIN+28, SIGRTMIN+29¶
ログターゲットを、"journal-or-kmsg" (あるいは、SIGRTMIN+27 の場合 "console"、SIGRTMIN+28 の場合 "kmsg" 、SIGRTMIN+29 の場合 "syslog-or-kmsg")にする。これは、カーネルコマンドラインに systemd.log_target=journal-or-kmsg (あるいは、SIGRTMIN+27 の場合 systemd.log_target=console、SIGRTMIN+28 の場合 systemd.log_target=kmsg 、SIGRTMIN+29 の場合 systemd.log_target=syslog-or-kmsg)を与えるのと同じである。
$SYSTEMD_LOG_LEVEL¶
systemd は、この環境変数からログレベルを読む。 --log-level= でオーバライドできる。
$SYSTEMD_LOG_TARGET¶
systemd は、この環境変数からログターゲットを読む。 --log-target= でオーバライドできる。
$SYSTEMD_LOG_COLOR¶
systemd が重要なログメッセージをハイライトするかを決める。 --log-color= でオーバライドできる。
$SYSTEMD_LOG_LOCATION¶
systemd がログメッセージにコードの位置を表示するかを決める。--log-location= でオーバライドできる。
$XDG_CONFIG_HOME, $XDG_CONFIG_DIRS, $XDG_DATA_HOME, $XDG_DATA_DIRS¶
systemd は、これらの変数を、XDG Base Directory specification に従って設定ファイルを探すのに使う。
$SYSTEMD_UNIT_PATH¶
systemd がユニットファイルを探す場所を決める。
$SYSTEMD_SYSVINIT_PATH¶
systemd が SysV init スクリプトを探す場所を決める。
$SYSTEMD_SYSVRCND_PATH¶
systemd が SysV ランレベルリンク置き場を探す場所を決める。
$LISTEN_PID, $LISTEN_FDS¶
systemd が、ソケットベースのアクティベーションをするときに、監視対象プロセスのために設定する。詳しくは、sd_listen_fds(3) を参照。
$NOTIFY_SOCKET¶
監視対象プロセスのために、 systemd が設定し、状態と開始完了の通知に使う。詳しくは、sd_notify(3) を参照。
システムインスタンスとして実行された場合、systemd はいくつかのカーネルコマンドライン引数を解析する。[1]:
systemd.unit=, rd.systemd.unit=¶
ブート時にアクティベートするユニットをオーバライドする。デフォルトは、 default.target。これは、一時的に、rescue.target あるいは emergency.target などの別のブートユニットにブートするために使われれる。これらのユニットについては、systemd.special(7) を参照。"rd." でプレフィックスされた方のオプションは、initial RAM ディスク (initrd) でのみ効果があり、そうでない方はメインシステムでのみ効果がある。
systemd.dump_core=¶
ブール値の引数を取る。true の場合、systemd はクラッシュした時にコアをダンプする。そうでない場合、コアは作成されない。デフォルト値は、 true。
systemd.crash_shell=¶
ブール値の引数を取る。true の場合、systemd はクラッシュした時にシェルを開始する。そうでない場合、シェルは開始されない。デフォルト値は、 false。これは、このシェルはパスワード認証で保護されないというセキュリティの理由のため。
systemd.crash_chvt=¶
整数の引数を取る。正なら、systemd はクラッシュした時にその番号の仮想端末を開始する。デフォルト値は -1。
systemd.confirm_spawn=¶
ブール値の引数を取る。true なら、プロセスを開始する時に確認を求める。デフォルト値は false。
systemd.show_status=¶
ブール値の引数あるいは定数 auto を取る。true なら、ブート時にコンソールに簡単なサービス状態の更新を表示する。auto は、サービスが失敗したり、ブートが非常に遅れたりしない限り、false と同じである。デフォルト値は true。ただし、カーネルコマンドラインオプションに quiet が与えられた場合、デフォルト値は auto となる。
systemd.log_target=, systemd.log_level=, systemd.log_color=, systemd.log_location=¶
ログの出力を制御する。前記の環境変数、 $SYSTEMD_LOG_TARGET, $SYSTEMD_LOG_LEVEL, $SYSTEMD_LOG_COLOR, $SYSTEMD_LOG_LOCATION と同じ効果を持つ。
systemd.default_standard_output=, systemd.default_standard_error=¶
サービスのデフォルトの標準出力とエラー出力を決める。前記のコマンドライン引数、--default-standard-output= と --default-standard-error= に、それぞれ同じである。
systemd.setenv=¶
VARIABLE=VALUE という形式の文字列引数を取る。フォークした子プロセスにデフォルトの環境変数を追加するために使うことができる。複数の変数を設定するため、複数回使うことができる。
quiet¶
ブート時に状態表示をしない。これは、systemd.show_status=false に相当する。このオプションは、カーネル自身によっても読まれ、カーネルデバッグ出力を無効にする。このため、このオプションはシステムマネージャとカーネルの両方のデバッグ出力を無効にする。
debug¶
デバッグ出力を有効にする。これは、systemd.log_level=debug に同じである。このオプションは、カーネル自身によっても読まれ、カーネルデバッグ出力を有効にする。このため、このオプションはシステムマネージャとカーネルの両方のデバッグ出力を有効にする。
-b, emergency¶
エマージェンシーモードにブートする。これは、systemd.unit=emergency.target と同じで、互換性とタイプしやすさのためにある。
single, s, S, 1¶
レスキューモードにブートする。これは、systemd.unit=rescue.target と同じで、互換性とタイプしやすさのためにある。
2, 3, 4, 5¶
指定されたレガシー SysV ランレベルにブートする。これは、それぞれ、systemd.unit=runlevel2.target, systemd.unit=runlevel3.target, systemd.unit=runlevel4.target, そして systemd.unit=runlevel5.target と同じで、互換性とタイプしやすさのためにある。
locale.LANG=, locale.LANGUAGE=, locale.LC_CTYPE=, locale.LC_NUMERIC=, locale.LC_TIME=, locale.LC_COLLATE=, locale.LC_MONETARY=, locale.LC_MESSAGES=, locale.LC_PAPER=, locale.LC_NAME=, locale.LC_ADDRESS=, locale.LC_TELEPHONE=, locale.LC_MEASUREMENT=, locale.LC_IDENTIFICATION=¶
使用するシステムロケールを指定する。これは、 /etc/locale.conf の設定より優先する。詳しくは、locale.conf(5) と locale(7) を参照。
コア OS のコンポーネントが理解するこれ以外のカーネルコマンドラインパラメータについては、kernel-command-line(7) を参照。
/run/systemd/notify¶
デーモン状態通知ソケット。これは、AF_UNIX データグラムソケットであり、sd_notify(3) が実装するデーモン通知論理を実現するために使う。
/run/systemd/shutdownd¶
shutdown(8) ツールが、遅延シャットダウンを実装するために内部的に使う。これは、AF_UNIX データグラムソケットである。
/run/systemd/private¶
systemctl(1) と systemd プロセスの間の内部的なコミュニケーションチャネルである。これは、AF_UNIX ストリームソケットである。このインタフェースは systemd 専用のものであり、外部プロジェクトで使ってはいけない。
/dev/initctl¶
SysV client クライアントインタフェースの、限定された互換サポート。systemd-initctl.service ユニットで実装される。これは、ファイルシステム上の名前付きパイプである。このインタフェースは旧式であり、新しいアプリケーションで使うべきではない。
The systemd Homepage, systemd-system.conf(5), locale.conf(5), systemctl(1), journalctl(1), systemd-notify(1), daemon(7), sd-daemon(3), systemd.unit(5), systemd.special(5), pkg-config(1), kernel-command-line(7), bootup(7), systemd.directives(7)
[1] Linux コンテナの中で実行された時、これらの引数は、 systemd 自身へのコマンドライン引数として渡され、前記オプションセクションでリストしたすべてのコマンドラインオプションの次にあらわる。Linux コンテナの外で実行された時、これらの引数は、代わりに、/proc/cmdline から読まれる。