Rosegarden のユーザーインターフェイスは、他のDAW(Digital Audio Workstatio)に似ています。 あなたが以前にDAWを使ったことがないのであれば、 まず、sect-Musicians_Guide-DAW_User_Interface を読むことをおすすめします。
Rosegarden は JACK Audio Connection Kitを使います。 Rosegardenをインストールする前に JACKをインストールする必要があります。JACKをインストールする方法についてはsect-Musicians_Guide-Install_and_Configure_JACKを参照下さい。
Rosegardenを使用するには、オーディオインターフェイスが必要です。Rosegardenで音声を録音するにはオーディオインターフェイスに接続されたマイクが少なくても1つ必要です。FluidSynth や SuperCollider のような、JACKに対応する他のプログラムからのオーディオ信号を録音するのにマイクは必要ありません。
RosegardenをMIDIシーケンサーとして使うなら、MIDIシンセサイザーが必要です。Rosegardenとともに、ハードウエアシンセサイザーとソフトウエアシンセサイザーを使うことができます。ソフトウエアシンセサイザーである、FluidSynth MIDI シンセサイザーを使うことをおすすめします。FluidSynthについては、chap-Musicians_Guide-FluidSynth を参照下さい。
PackageKit あるいは KPackageKit を使って、 rosegarden4 パッケージをインストールして下さい。他の必要なソフトウエアは自動的にインストールされます。
JACKをコントロールするために、QjackCtl を開始してください。
FluidSynthをコントロールするために、Qsynth を開始してください。
RosegardenからMIDI入力を受けとるためには、Qsynth は、 'alsa_seq' MIDI Driverを使うように設定されなければいけません。その方法は、sect-Musicians_Guide-FluidSynth-Configuring-MIDI_Inputを参照ください。
Rosegardenで使いたいもの以外のすべてのJACK 接続を切断するのがよいでしょう。 QjackCtlの 'Connect'ウインドウを開いて、以下を確認して下さい:
'Audio' タブには:
Qsynthの出力ポートは 'system' 入力ポートにつながっている。
もしあなたが、Rosegardenで (MIDIの他に),オーディオを使うつもりなら、 その出力ポートを 'system' 入力ポートにつなぐ必要もあります。'record monitor' とラベルがついているポートは、録音の時にオーディオをモニタするために使われます。'master out' とラベルがついているポートは、普通にファイルを再生する時に使われます。あなたがMIDIだけを使うのであれば、Rosegarden は直接 system出力ポートにつながってなくてもよいです。
もしあなたが、 Rosegardenでオーディオを録音する予定なら、出力ポートを(たぶん'system'から) Rosegardenの入力ポートにつなぐ必要があります。 Rosegardenは、2つのチャネル ('L' が左 'R' が右)を持つ、2つの独立したソース、('1' と '2') から録音して、ステレオ録音を作成することができることに注意下さい。
MIDIタブには:
なにもありません。
ALSAタブには:
Rosegardenの出力ポートは 'FLUID synth' の入力ポートに接続されていなければいけません。
1:sync out (MIDI コントロールメッセージを送る)
2:external controller (セッションの最初の MIDI 機器のセットのため)
3:out 2 - General MIDI Device (セッションの2つめの MIDI機器のセットのため)
Rosegardenが、他のMIDIデバイスからコマンドを受けるためには、あなたはその出力ポートを Rosegardenの入力ポートにつながなくてはいけません。 私は、以下については詳しくありません:
0:record in
2:external controller
もし、接続が使われていないならば、それは切断されたままにしておく方が、誤りが少ないです。
'編集 > 設定'
'一般'を必要に応じて設定してください。
'振る舞い' タブで、 'JACKトランスポートを使用'にするのがよいかもしれません。
'外部アプリケーション' タブで、インストールされているものにあうようにこれらを変更するのがよいかもしれません。 (GNOME ユーザ)
'MIDI'を必要に応じて設定してください。
'MIDI 同期' タブで、 もし、Rosegardenが最終的なコントローラならば、'MIDIクロック、スタート、ストップを送信' をセットするのがよいかもしれません。あるいは、コントロールされる側であるならば、 'スタート、ストップ、コンティニューを許可' をセットするのがよいでしょう。どちらでもないときは、 'Off' が安全です。
'オーディオ'の設定を必要に応じて行ってください。
プレビュースケールは、オーディオに影響を与えません。見た目を変えるだけです。
音質を32ビットから16ビットにすると、パワーの小さいシステムでもうまくいくことがあります。
外部オーディオエディタを変えることは、あなたが外部のエディタを使うことにしたときにだけ、影響があります。
RosegardenとLilyPondはいっしょに使うことができ、あなたの生産性をおおいに上げることができます。あなたが'score' セクションに'midi'セクションを入れると、LilyPondはMIDIフォーマットのあなたの楽譜を出力します。それは、こんな風に見えるはずです:
\score { ... \midi { } }
このMIDIファイルは、次に、'ファイル > インポート > MIDIファイルをインポート'メニューから選択することで、Rosegardenにインポートすることができます。残念なことに、これは現在のセッションを消してしまうので、一度しかできません。
また、MIDIトラックをLilyPondフォーマットでエクスポートし、それをさらに編集したり、あるいは単純に楽譜にすることもできます。これをするためには、メニューから'ファイル > エクスポート > LilyPondファイルのエクスポート'を選択します.あなたがファイルをセーブする場所を選択した後、 Rosegarden は、エクスポートの際にあなたが楽譜の設定を調整することを可能とします。LilyPondファイルをエクスポートした後、それが正しいと信じる前に、あなたはそれをFrescobaldiでよく調べた方がよいでしょう。コンピュータはときどき間違いをします!
Rosegardenの楽譜エディタを使用する場合は、アプリケーションは誤って、必要以上に長く音を鳴らすことがあります。もしこれがうるさいときは、 Qsynthの'パニック'ボタンを押せばなおりなす。あなたがパニックボタンのある別のシンセサイザを使用したことがあれば、同じ機能です。
QjackCtl、Qsynthそして Rosegardenの順に、開始してください。
このチュートリアルでは、デフォルトの'Fluid R3'サウンドフォントを使いますが、あなたは任意の汎用MIDIサウンドフォントを使用することができます。
JACKで、Rosegardenを、MIDI だけを使うようにセットアップします。
Rosegardenのメニューから、 '編集 > 設定'を選択します。 'MIDI'タブ、次に'一般'タブをクリックして'おのおのの再生開始時にすべてのMIDIコントローラに送ります'を選択します。 これは、シンセサイザ(このチュートリアルの場合FluidSynth)が正しいパッチ(訳注:楽器)を使用することを保証します。
新しいセグメントを作成します。
ツールバー上の'描画'ツール(これは赤鉛筆のように見えます)をクリックするか、またはキーボードで'F3'を押してください。
最初のトラックで、最初の2小節の領域をクリック、ドラッグして選択します。
あなたがマウスボタンを離すと、'アコースティックグランドピアノ'、または似たようなことが書かれた四角形があるはずです。
四角形をダブルクリックして、デフォルトのMIDIセグメントエディタを開きます。 それは、楽譜エディタのはずです。
音部記号を変更してください。 エディタウィンドウの左側にあるツールバーのヘ音部記号をクリックしてください。次に、今の記号をクリックして、置き換えてください。
必要に応じて音符入力ツールへ切り替えてください。 それらは楽譜エディタウィンドウの左側にあるツールバーの、音部記号ツールの隣にあります。
3つのCの四分音符、CとGの2つの八分音符、2つのEフラットの四分音符、およびD, F, D, Gの4つの八分音符を入力してください。
おそらく、いくつかのミスをするでしょう。 間違いを修正する最も簡単な方法は、音符を消して正しく再入力することです。 これには消しゴムツールを使用します。 それは、楽譜編集ウィンドウの上部のツールバーにあります。大文字の'T'の左、赤鉛筆の右にあります。普通の白い消しゴムを表す赤と白の長方形のように見えます。
トランスポートウィンドウで'再生'ボタンをクリックして、あなたの作品を聞いてください。 あなたが停止するまで再生ヘッドは停止しません。目に見える再生ヘッド(縦線)は停止しますが。
楽譜エディタを閉じてください。'保存'ボタンをクリックする必要はありません。Rosegardenはあなたの変更を自動的に記憶しています。
なお、あなたはファイルを保存する必要があります。訳注:エディタを閉じても変更された楽譜は演奏されるが、プログラムを終了する時には保存しないと変更は失われる、ということか。
ツールバー上のマウスカーソルのように見える'選択と編集'ツールをクリックします。 または、キーボード上の'F2'ボタンを押して、そのツールを選択することができます。
あなたが今作成したセグメントをクリックして選択してください。
それのコピーを作成します。キーボードの'Ctrl'キーを押しながら、セグメントをクリック、ドラッグしてください。
最初のセグメントの直後に、同じトラック内でコピーを配置します。
このように、さらにいくつかのコピーを作成します。
先頭に再生ヘッドを移動するためにトランスポートを使用してください。(縦棒と、それを指す矢印のようなボタンをクリックしてください)
名前をダブルクリックして新しく作成されたトラックに名前を付けます。トラック名を変更できるように、 ウィンドウがポップアップ表示されます。 あなたがそれをどう呼ぶかわからない場合は、'ベースライン'とでもしましょう。
次のトラックを選択し、'パーカッション'(またはお望みなら他の何か)に名前を変更します。
エディタウィンドウの左側に特別パラメータツールボックスが見えないときは、メニューから'表示 > 特別パラメータ'を選択ください。インストゥルメントパラメタが見えるまでスクロールダウンください。'パーカッション'チェックボックスをチェックしてください。訳注:手順を補足しました。
トランスポートを1秒だけ再生して、 Rosegardenが、FluidSynthと、楽器などの再割り当てを同期できるようにしてください。
キーボードの'F3'を押す、または鉛筆のように見える'描画'ツールをクリックしてください。
セグメントの2番目のトラックに1小節のセグメントを作成し、右クリックし、'パーカッションマトリックスエディタで開く'を選択します。
パーカッションマトリックスエディタは、マトリックスエディタに似ていますが、各音程のかわりに、それが鳴らす楽器のラベルがついています。
さまざまな楽器と音程を実験して、各小節で繰り返す四分音符のパターンを探してください。
パターンに満足したら、エディタを閉じます。
新しく作成されたパーカッションのセグメントを選択して、 メニューから'編集 > コピー'を選択してください。
最初の小節の最後にトランスポートの再生ヘッドを移動します。 まず、それを先頭に移動します。次に'早送り'を押すと最初の小節の最後に移動します。
2番目のトラックがまだ選択されていることを確認してください。
'Ctrl + V'を押すか、メニューから、'編集 > 貼り付け' を選択して、パーカッショントラックがベースラインと同じスペースを占めるように、何回か繰り返します。
4つの四分音符は、実際のところ適切なパーカッションの伴奏ではありません。もっと面白くしましょう。
最初のパーカッションのセグメントをダブルクリックして、標準的な楽譜エディタで開きます。
メニューから '編集 > すべてのセグメントを選択'を選択します。
次に、メニューから'調整 > 音符 > 8分音符'を選択します。
これは、音符を圧縮してしまいました。望むものではありません。'編集 > アンドゥ'で変更を元に戻してください。
全体が選択されていることをもういちど確認してください。
メニューから'調整 > 音符 > 8分音符(デュレーション変更なし)'を選択します。
今オリジナルのリズムの間に8分休符があります。お望みなら、休符のあるところにオフビートのアクセントを加えることもできます。あなたは、パーカッションマトリクスエディタに切り替えることができますが、今の楽譜エディタを使用し続けることもできます - どの音程がどの楽器を表すか推測するのは面白いかもしれません。
今、あなたは変更をしたので、すべてのコピーを削除し、再度コピーする必要があります。そのかわりに、よりよい方法を使いますが、それでもセグメントのコピーをすべて削除することから始める必要があります。最初のを残すことを忘れないでください!
最初以外のすべてのセグメントを削除した後、左側のツールボックスの'セグメントのパラメータ'ボックスから、'繰り返し'チェックボックスをチェックします。
今セグメントは永遠に繰り返されます。 これは、便利ですが、いずれは、曲を停止したいと思うでしょう。 繰り返しをコピーに変更するには、メニュー'セグメント > Turn Repeats Into Copies'を選択します。
最初のトラックも、繰り替えされるように調整します。
3番目のトラックの名前を'メロディー'、またはそのようなものに変更します。
トラックのプログラムを変更します。
メインの編集ウィンドウの左側にある'特別パラメータ'ツールボックスの'インストゥルメントパラメータ'ボックスを見てください。
'メロディー'トラックが選択されていることを確認してください。
'標準MIDI'バンクを選択してください。おそらく既に選択されていることでしょう。
プログラムに、どれでもお好みのものを選択してください。 私は'シンセストリングス1'と呼ばれるプログラム51を使用することにします。これは、1980年代の音楽を思い出させます。
プログラムを設定した後、トランスポートツールバーの'再生'を押して、1秒ほど演奏します。 これによりRosegardenはFluidSynthに、プログラムチェンジメッセージを送信することができます。これは、厳密には必要ではありません。そして、後でいずれにせよ行われます。しかし、今やっておくと、後の混乱を避けるために役立ちます。
'メロディー'トラックに4小節の長さのセグメントを作成するために'選択と編集'ツールを使います。
ダブルクリックしてデフォルトのエディタでセグメントを編集します。
4小節のメロディを作成ください。 それは複雑である必要はありません。とりあえず、面白くなくてもよいです。
楽譜エディタを終了し、3つのトラックを聞いてみましょう。 セッションの先頭に再生ヘッドをリセットすることを忘れないでください!
メロディーが一番最初から入るのは少し変に聞こえるので、イントロを追加しましょう。'選択と編集'ツールを使って、(これを行うには、キーボード上の'F2'を押します)メロディセグメントを、クリック、ドラッグして数小節あるいは数ビート、後にずらします。 それが、2、3または4ビート目で開始するように移動しても、楽譜エディタのビューでは、常にセグメントは1ビート目で開始することに注意ください。
あなたは完全なMIDI作曲への途上にいます。 必要なのは続けるためのいくらかのインスピレーション、より高度な機能やツールを試そうといういくらかの意志です。 あなたが、進む方法がわからない場合は、これらのことを試してください。注意:あなたは始めたばかりなので、あなたの最初の曲は、面白いとか、特に良い必要はありません。MIDIの作曲ツールを使用する方法を学んだら、自然にそれでより良い音楽を作成する方法を学ぶことでしょう!
シンプルな三形式(ABA)を作りましょう:あなたはすでに('A'と呼ばれる)最初の部分を作成しています。変化させて、('B'と呼ばれる)第2の別の部分を作りましょう。さらに変化させて、最初の部分を繰り返してください。 それは長くする必要はありませんが、そうしてもよいです。
'バリエーション'フォームを作成します:すでに作成した部分を数回繰り返してください。ただし、それはわずかに毎回異なるようにします。それを変更するいくつかの異なる方法を試してください:今のものと一緒に流れる別のメロディを追加します。既存のメロディに別の音符を追加します。パーカッショントラックを変更します。新しいベースラインを書きます。メロディーを引き伸ばし、2倍の時間がかかるようにします。そして、これらの組み合わせ。 既存のセクションのバリエーションを作るのは、より多くの時間がかかるようにすることの一般的な方法です。
自分の直感に従ってより多くの音楽を追加して、既存の素材の拡張バージョンを作成します。
ベースラインとパーカッションのセグメントを繰り返すところに別のメロディーを作成するかわりに、 何度もメロディーを繰り返し、新しいベースラインとパーカッションのセグメントを作ってみてください。
これは、Fedora 14 Musicians' Guide http://docs.fedoraproject.org/en-US/Fedora/14/html/Musicians_Guide/index.html の部分を私が訳したものです。Creative Commons Attribution–Share Alike 3.0 Unported license ("CC-BY-SA")にしたがって https://sites.google.com/site/kandamotohiro で配布されます。
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