サウンドフォント技術は、1990年代初頭に開発され、アコースティック楽器のような音が出せるMIDI機器の作成を可能にするように設計された、ファイル形式およびある種のハードウェア技術からなるものです。アコースティック楽器と全く同じに聞こえる、電子的に合成された楽器を作るのはほとんど不可能であるものの、サウンドフォント技術はそのギャップをかなり縮小することができます。適切な状況で聞かれたときに、ほとんどの人は、音楽がサウンドフォント対応のMIDIシンセサイザによって録音されたことに気づかないでしょう。なお、結果は大きく異なる場合があります。
FluidSynthがユーザに可能とするのは、サウンドフォントを使う際のハードウエアコンポーネントを不要とすることです。これにより、どんなコンピュータでもサウンドフォントファイル、多くの場合、単に'サウンドフォント'と呼ばれます、を使ったシンセサイザになることができます。フォントがテキスト文字の見た目を変更するように、サウンドフォントは、MIDIノートのサウンドを変更します。-全体的な意味というものは、任意のフォント(またはサウンドフォント)を使っても同じです。ただ、特定のニュアンスが変更されます。
Fedoraはデフォルトのリポジトリ内にいくつかのサウンドフォントを提供しています。デフォルトでは、FluidSynthはFluidR3 General MIDI ('GM')サウンドフォントをインストールします。それは、幅広い一般的な(そして、いくつかは一般的でない)'パッチ'を含みます。入手可能な他のオプションを見るには、PackageKit、KPackageKit あるいはyumを使い、'soundfont'を検索してください。
インターネット上には、無料で利用できるたくさんのサウンドフォントがありますし、購入が可能なものもいくつかあります。その中には、非常に高品質のサウンドフォントもあります。 次の3つのウェブサイトはサウンドフォントのリソースへのリンクおよびいくつかの有料または無料でダウンロードできるサウンドフォントへのリンクを持ちます。そこで提供されるものの品質あるいは、そのウェブサイトの品質とセキュリティについては、何も保証されません。
http://www.schristiancollins.com/generaluser.phpで利用可能な、S. Christian Collins' 'General User' SoundFont
http://www.hammersound.net/cgi-bin/soundlink.plで利用可能なHammerSound SoundFont Library
http://soundfonts.homemusician.net/で利用可能な、homemusician.net SoundFont Library
http://www.synthzone.com/soundfont.htmで利用可能なSynth Zone
インストール手順については、下記の'オプションのインストール:サウンドフォント...'を参照してください 。
'MIDIインストゥルメント'はシンセサイザそのものです。 シンセサイザがサウンドフォントを使用する場合は、サウンドフォントもインストゥルメントの一部を構成しています。 各インストゥルメントは、本が置いてある図書館と考えることができます。
それぞれのインストゥルメントは、少なくとも1つ、たぶんいくつかの'バンク'を提供し、それはプログラムを格納しています。 MIDIインストゥルメントが、図書館とすると、バンクは特定の棚のようなものです。 あなたはまず、本を選ぶ前に、棚を選ぶ必要があります。
各バンクは、('パッチ'とも呼ばれる)1から127の'プログラム'を提供しています。それらは、音そのものです。MIDIインストゥルメントが図書館でバンクが棚なら、プログラムは本です。各プログラムは、必ずしも関連する必要はありませんが、('汎用MIDI'バンクのように)多数のプログラムを持つバンクは、通常、規則的な並び方をしています。 合成されるオーディオの音を決めるのはプログラムだけであり、バンクとインストゥルメントは可能なプログラムの選択を制限するだけです。
MIDIシンセサイザは、複数のチャンネルの入力を受け入れます。シンセサイザの各'インスタンス'には、MIDIインストゥルメントを1つしか割り当てられませんが、各チャネルには別々にプログラムを割り当てることができます。これにより仮想的な楽器のアンサンブルの合成をすることができます。
デフォルトのFluidR3サウンドフォントと、FluidSynthそのものによって部分的に使われている、汎用MIDI('GM')標準は、16チャネルがあること、チャネル10は、(多くが音階のない)打楽器に使われることを定めます。チャネル10に送られるプログラムチェンジメッセージは、無視されます。FluidSynthの設定により、チャネル10に、打楽器以外のプログラムを使うことはできますが、おすすめしません。
FluidSynthが汎用MIDI標準に従わない場合、それは機能を削除するのでなく、追加しています.
FluidSynthはJACK Audio Connection Kitを必要とします。もしあなたがJACKパッケージをインストールしていないなら、FluidSynthをインストールする前にそうしてください。手順はsect-Musicians_Guide-Install_and_Configure_JACKを参照してください。
FluidSynthをインストールするには2つの方法があります。第1、FluidSynthを Qsynthといっしょにインストールする方法は、 FluidSynthを Qsynthグラフィカルユーザインタフェースとともに使うことができます。デフォルトサウンドフォントもインストールされ、(timidity++のような)サウンドフォント対応の任意のアプリケーションから使うことができます。このインストール方法は、デフォルトでは、FluidSynthをターミナルから使うことはできません。しかし、それは後から簡単に追加できます。これが、ほとんどのユーザにすすめられるインストール方法です。
第2のFluidSynthをインストールする方法は、Qsynthグラフィカルインタフェースを含めないで行うことです。この方法だと、FluidSynthを、ターミナルから実行することができ、デフォルトのサウンドフォントはインストールされません。このインストール方法は、高度なユーザーにのみすすめられます。
このインストール方法は、ほとんどのユーザーにとっておすすめです。FluidSynth.を使い始めるために必要なすべてをインストールします。
'qsynth'パッケージをインストールするために、'PackageKit'または'KPackageKit'を使用します。
提案されたインストールをよく見て,承認します:
インストールは非常に大きい'fluid - soundfont - gm'パッケージを含むことがあります。
もしあなたが、FluidSynthを、Qsynthグラフィカルインタフェースでなく、ターミナルから使いたいときは、fluidsynthパッケージをインストールすればよいです。このパッケージは、あなたがFluidSynthを、Qsynthからしか実行しないならば不要です。なぜなら、Qsynthは、fluidsynth-libsパッケージにあるファイルだけを使い、それはQsynthとともに自動でインストールされるからです。もしあなたがfluidsynthパッケージをインストールするべきかわからないなら、それをインストールしてもかまいません。まるで使うことがなくてもよいです。ハードディスクのわずかなスペースを使うだけですから。
このインストール方法は、高度なユーザーにのみおすすめします。あなたはFluidSynthをターミナルから使う必要があります。FluidSynthを使う前に、サウンドフォントファイルをインストールする必要もあります。
PackageKitまたはKPackageKitを使って、fluidsynthパッケージをインストールします.
Qsynthは、FluidSynthが使用するサウンドフォントを自動的にインストールします。しかし、もしあなたがQsynthをインストールなかった場合、または別のプログラムといっしょに別のサウンドフォントファイルを入れたい場合、あなたはそれらを個別にインストールする必要があります。Fedoraのパッケージのリポジトリは、少数のサウンドフォントファイルを提供しており、あなたはそれらをyum、KPackageKit、PackageKitで、'soundfont'を検索して見つけることができます。これらのファイルは自動的に正しくインストールされるはずです。あなたがさらに別のサウンドフォントファイルをインストールしたい場合、それらを、Fedoraのリポジトリからのものと同じ場所,同じセキュリティの設定でインストールするのをおすすめします。そうすれば、そのコンピュータシステムのすべてのユーザがそのファイルをアクセスできますし、それがどこに格納されているか忘れてもそれを'失う'ことはないですし、インターネットでダウンロードしたソフトウエアを使うことによる潜在的なセキュリティリスクを最小限にすることができます。
次の手順では、myFont.sf2と呼ばれるサウンドフォントファイルを、デフォルトのフォルダ(/usr/share/soundfonts )に移動して、正しくセキュリティ設定を行います。この操作を完了するには、システム管理者のパスワード('root'アカウントに所属する)が必要なことに注意ください。あなたがそのパスワードを持っていない場合は、システム管理者にあなたのためにファイルをインストールしてくれるように頼むのが一番です。あるいは、単純に、あなたのホームフォルダ内のサブフォルダに置いたサウンドフォントファイルを使うという手段もあります。
シェルまたはターミナルを起動し、サウンドフォントファイルが現在格納されているフォルダに移動します。
su -c 'cp myFont.sf2 /usr/share/soundfonts'を実行します.
必要に応じて、myFont.sf2でなく、あなたのサウンドフォントファイルをコピーするようにコマンドを変更ください。
あなたは、rootアカウントのパスワードを要求されます。
cd /usr/share/soundfontsを実行して、サウンドフォントのディレクトリに移動ください。
su -c 'chmod 644 myFont.sf2'を実行します.
必要に応じて、myFont.sf2でなくてあなたのサウンドフォントファイルを指定するようにコマンドを変更ください。
これにより、ファイルシステムのアクセス許可は、所有者(この場合は'root'ユーザ)に、'読み書き可能'に設定され、他のすべてのユーザーに'読み取り専用'となります。これで、システム管理者だけが、ファイルを変更することができ、すべてのユーザーがそれを使用できるようになります。
ll myFont.sf2を実行して、アクセス許可が正しく設定されていることを確認ください。
出力は、こんなふうになるはずです:
-rw-r--r--. 1 root root 9 2010-06-23 02:28 myFont.sf2
ただし、日付、時刻、ファイル名は異なります。
注意深いユーザーは、新しいファイルのSELinuxのコンテキストは、Fedoraでインストールされている他のサウンドフォントファイルと異なることに気がつくかもしれません。タイプがデフォルトのusr_tである限りは、このファイルとFedoraでインストールされたサウンドフォントファイルとで、実用的な違い(エンフォースメントにおいての違い)はありません。あなたがこれがなんのことだかわからない時や、それに気がつかなかったときは、この新しいサウンドフォントファイルは新たな潜在的なセキュリティ上の問題は生み出さないということです。
これは、FluidSynthを使用する方法としてはおすすめできません。Qsynthグラフィカルインターフェイスはずっと使いやすいです。Qsynthは、 自動的にほとんどのFluidSynthの設定をデフォルトで構成します。あなたがFluidSynthでやりたいことに集中することを助けます。どのように FluidSynthを使うか、ではなく。
FluidSynthをターミナルで使用するには、fluidsynthコマンドを使います。 デフォルトのサンプルレートは、44.1kHzです。もしあなたが JACKを別のサンプルレートで使いたいときは、 -r フラグをつけて、この様にする必要があります:fluidsynth -r 48000
FluidSynthをターミナルから起動すると、それは普通、自分のシェルを起動します。どのようにこのシェルを使用するかは、このミュージシャンのガイドの範囲を越えています。しかし、あなたはFluidSynthのコマンドライン(訳注:シェルのプロンプト)で 'help' と打つことで、基本的なヘルプを得ることができます。
あなたがQsynthを終了するとき、すべての設定は保存されます。そして、Qsynthが再開始するとき、ふたたび使われます。これは、他のQsynthのインスタンス、(以下で説明します)の設定も含み、それらインスタンスはQsynthが再開始するとき、同じように再生成されます。
アプリケーションメニューあるいは K Menu からQsynthを開始してください。
FluidSynthエンジンは自動的に開始します.
Qsynthウインドウの右にある一列のボタンが、Qsynthを制御します.そのほかの設定は、FluidSynthを制御します.
'Messages'ボタンで、FluidSynthの出力を示すウインドウを表示できます。 FluidSynthが期待どおりに動作しない場合、このウインドウで生成されているかもしれないエラーメッセージを表示してください。
Qsynthといっしょにインストールされたデフォルトの 'FluidR3' サウンドフォントは、自動的に構成されます。
別のサウンドフォントを構成するには:
'Setup'ボタンをクリック、'Soundfonts'タブを選択し、'Open'ボタンをクリックして、追加したいサウンドフォントのパスへ移動します。 これは、sect-Musicians_Guide-FluidSynth-Req_and_Instで指定した標準の場所にインストールされている場合、/usr/share/soundfontsです。
追加のサウンドフォントを選択して、'Open'ボタンをクリックください。
サウンドフォントID(SFID)を変更するには、 'Up' と'Down'ボタンを使って、望みの位置にサウンドフォントを移動ください。 これはFluidSynthの機能を直接変更することはありません。すべてのサウンドフォントは、任意のサウンドフォントID番号で動くはずです。
FluidSynthが、合成された音声をJACKに出力するようにも、ALSAにするようにも、構成することが可能です。デフォルトで、おすすめの方法は、合成された音声をJACKに出力することです。これは、オーディオ品質を最大限に制御することができ、ルーティングと多重化(定義 はsect-Musicians_Guide-Vocabulary-Routing_and_Multiplexingを参照ください。)を最も柔軟にできます.あなたは、合成されたオーディオ信号を聞きながら、同時に録音することができます。
問題がある場合は、Qsynthが JACKを使うように正しく構成されているか確認するとよいです。
Qsynthの 'Setup'ウインドウを開きます。
'Audio' タブを選択して、 'Audio Driver'が 'jack'になっているのを確認ください。
他の設定が正しいことも確認ください。特に、'sample rate' が、JACKと同じサンプルレートになっていることを(QjackCtlによって)。
ほとんどの場合、デフォルト設定がうまくいくはずです。もしあなたがデフォルト設定を変更したならば、以下がそれです:
Buffer Size: 1024
Buffer Count: 2
Audio Channels: 1
Audio Groups: 1
Polyphony: 256
オーディオカットアウトで問題がある場合は、バッファの設定値を大きくしてください。サイズは、1024の倍数で増加させてください。バッファの数は大幅に増加する必要はありません。デフォルトの設定、または1つの'オーディオチャンネル'は、ステレオ出力を提供します。追加の各チャンネルは、ステレオ出力の別のセットを生成します。 'polyphony'の設定を増やせば、同時に鳴る音(実は、'MIDIイベント')の数を増やすことができ、複雑な状況では役に立つでしょう。
FluidSynthは、接続された(ソフトウェアもしくはハードウェアベースの)MIDIデバイスの指示にしたがって音を出すことしかできません。 FluidSynthがMIDI入力を受け付けるようにする設定で問題があるときは、以下のオプションを確認してください。
'Enable MIDI Input'設定は有効であること。
'MIDI Driver'の設定は、以下の2つがよくあります。
'alsa_seq'と設定すると、入力は、QjackCtlの'Connect'ウィンドウの'ALSA'タブに表示されます。これはあなたがお使いのMIDI対応のキーボードなどのMIDIジェネレータデバイスが、直接ALSAにつながっているときには便利です。
'jack'と設定すると、入力は、QjackCtlの'Connect'ウィンドウの'MIDI'タブに表示されます。これはあなたがお使いのRosegardenなどのMIDIジェネレータデバイスが、直接JACKにつながっているときには便利です。訳注:9.2.1. Setup JACK and Qsynth によれば、Rosegardenのときも、'alsa_seq'にするべきだそうです。
FluidSynthが提供するMIDI入力チャネルの数を設定できます。以下のsect-Musicians_Guide-FluidSynth-Changing_Number_of_Input_Channelsを参照ください。
'Setup'ウインドウを開いてください。
'Settings'タブを選択ください。
あなたが見たい設定まで、リストをスクロールください。
このタブの設定は、このタブからは編集できません。
これを行う最もよい方法は、Qtractorあるいは RosegardenなどのMIDIシーケンサーからすることです。もしあなたが、プログラムチェンジメッセージを送ることができないアプリケーションをお使いであるか、あるいは別の理由でプログラムの設定をしたいならば、以下の手順にしたがってください。
Qsynthのメインウインドウで、'Channels'をクリックして、'Channels'ウインドウを開きます。
チャネルウインドウで、それぞれのチャネルは、デフォルトで、こんなふうに見えます。
1 - - -
プログラムをチャネルに割り当てるには、割り当てたいチャネルの行をクリックします.
お望みのバンクとプログラム番号を選択します.名前、 SFID, サウンドフォントの列を参考にしてください。
割り当てたいすべてのチャネルについて、このプロセスを繰り替えします.
あなたがチャネルを使用する予定がない場合は、それにプログラムを割り当てても害はありません。 しかし、使用しないチャネルにプログラムを割り当てると、後で、あなたがそのチャネルを使用しないつもりだったことを忘れたときなど特に、混乱を招くことがあります。
チャネル10は打楽器に予約されており、汎用MIDI打楽器プログラムから変更してはいけないことに注意ください.
FluidSynthが提供するMIDI入力チャネルの数を増やすことができます.QSynthでは1から256までの任意の数を設定することができますが、チャネルは、16単位でしか、追加、削除できません.Qsynthは、自動的に、あなたが望むチャネル数に必要な最小のチャネル数を生成します.それぞれの16チャネルのセットは、JACKにおいて、追加のMIDI入力デバイスとして表示されます.デバイスの名前は、どのチャネルがそれを受信しているかを示します。チャネル1から16は0で終わるデバイスを受信します.チャネル17から32は、1で終わるデバイスを受信します.チャネル33から58は、2で終わるデバイス、などです。
MIDI入力チャネル数を変更するには、以下の手順にしたがってください.
Qsynthの 'Setup'ウインドウを開いてください.
1から256までの間の、使いたいチャネル数を入力ください.
QSynthでは、複数のプログラム割り当てを保存して、後に回復することができます。つまり、あなたは、変えたい時に毎回、すべてのチャネルを再構成する必要はないということです。
後のために設定を保存するには:
Qsynthが正しく構成され、期待するプログラム割り当てで動いていることを確認ください.
Qsynthの'Channels'ウインドウで、'Preset Name'テキストフィールドの内容を削除して、あなたの好きな名前に入れ替えてください.
'Save'をクリックしてその名前で設定を保存します.
以前の設定を回復するには:
Qsynthの'Channels'ウインドウを開きます.
'Preset Name'のドロップダウンボックスから、あなたが回復したいプリセットの名前を探します.
それを選択し、正しいチャネル割り当てが回復されたのを確認ください。
'reverb' ('残響'の意味)と'chorus'エフェクトは、汎用MIDI標準に含まれませんが、それらはほとんどのMIDIシンセサイザで提供されます.FluidSynthも例外ではなく、Qsynthインタフェースは、リバーブとコーラスエフェクトのジェネレータの設定を調整する便利で簡単な方法を提供します.あなたが正しい設定を選んだかを知る唯一の方法は実験であり、それはたぶん、あなたがどんな音楽に取り組んでいるかにより違うでしょう.1つの作品の中でも、違うかもしれません.ほとんどのMIDIシーケンサとプレイヤ(QtractorとRosegardenを含む、)は、セッションを演奏中に、リバーブとコーラスの設定を変更するMIDIメッセージを送ることができます.
あなたがそれを使う予定がないなら、リバーブとコーラスエフェクトは、一時的に無効にすることができます.Qsynthでこれをするには、それぞれのジェネレータの設定ダイアルの下の'Active'チェックボックスのチェックを外します.
reverbエフェクトジェネレータは、人工的な残響('こだま'のようなものですが、もっと複雑です)を作り出します.それは、ほとんどすべての演奏環境で自然に発生するものです.エフェクトジェネレータは、仮想的な部屋を作り、ユーザがその中で聞いているかのようにするはたらきをします。以下は、Qsynthが提供する設定です:
Room: 仮想的な部屋の大きさを調整します.100より大きい設定は、 'level'設定を最小にしたときでも、危険なレベルまで音量が大きくなる状況を作り出すことがあります。これは面白いエフェクトですが、リスナーが聴覚障害事故を起こさないように、注意が必要です.また、リバーブエフェクトは、時間とともに蓄積されるので、設定によっては、音量が危険な高レベルになるのに何分もかかることがあることを覚えておいてください.
Damp: 仮想的な部屋での'音の減衰'量を調整します.音が消えるまでの時間の外に,最も影響される周波数を変えます.減衰が大きければ大きいほど、高い周波数は短時間しか続きません.
Width: 仮想的な部屋のステレオイメージで知覚される '広さ'を調整します.ボリュームレベルにも大きな影響があります.
Level:残響のボリュームレベルを調整します.
すべての設定は相互作用するので、推奨されるなんらかの設定を示すことはむつかしいです。ユーザは、自分の要求に合う設定を探すために、いろいろな設定を実験することを強くおすすめします.幅広い聴取環境をシミュレートすることができ、必要な設定は最も論理的な選択を反映するとは限らないことがあります.例えば、比較的小さな 'room'設定で、コンサートホールをエミュレートすることができます。リバーブエフェクトの効果的な使用は、MIDI聴取経験をとても優れたものにすることができます.
chorusエフェクトジェネレータは、それぞれのMIDIラインを、1つ以上の実際の楽器が演奏しているかのような印象を作り出します.エフェクトジェネレータは、それぞれのMIDIノートに、かすかに、複数回、応答することで動作します.そのとき、それぞれの応答で、音程と時間を微妙にずらします。このように言うのは、ずいぶんネガティブに聞こえるかもしれませんが、人間の直感は、この不正確さが、実世界のアコースティック音楽の一部であると認識するので、コーラスエフェクトは、演奏によっては、リアルな感じを加えるのに役に立ちます。以下が、Qsynthが提供する設定です:
N:エフェクトの'stages,'の数を調整します.知覚される個々の楽器のだいたいの数をコントロールできます.
Level: エフェクトのボリュームレベルを調整します.
Speed:コーラスの速度を調整します.音が拡散される時間の範囲を変えます.
Depth: ステレオイメージで知覚される'depth'を調整します.
FluidSynthの1つ以上のインスタンスを必要とすることはまれでしょう。なぜなら、QSynth/FluidSynthの組み合わせは、256までの独立した入力チャネルを提供し、リバーブとコーラスエフェクトをチャネルごとに独立してコントロールできるからです.最も一般的な、複数のFluidSynthインスタンスの使い方は、あなたが複数のMIDI楽器を使いたいときでしょう.別の言葉で言うと、もしあなたが複数のサウンドフォントを同時に使いたいときは、それぞれのサウンドフォントに1つずつFluidSynthインスタンスが必要です.
ありがたいことに、Qsynthではこれをほとんど努力なしにすることができます! FluidSynthの'インスタンス'は、実際、FluidSynth合成アプリケーションを複数回実行することで、生成され、制御されます.現実はこうです。QsynthはFluidSynthエンジンを直接制御するので、それは合成エンジンを単に直接開始し、エンジンの複数のインスタンスを作るのです.これは、Qsynthを実際に複数回実行することや、FluidSynthを直接ターミナルから実行することよりもずっと効率がよいです.それらのインスタンスは、Qsynthの 'タブ'、Qsynthウインドウの下のところに表示される、によって表されます.
FluidSynthの追加のインスタンスを生成するには:
Qsynthのメインウインドウの左下にある緑の '+'ボタンを押してください.
ポップアップするセットアップウインドウを使って、希望するように設定を調整します.
'OK'を押して、追加のインスタンスを開始します.
追加のインスタンスを閉じるには、右下すみの赤い'X'ボタンを使います.
FluidSynthエンジンのそれぞれのインスタンスは、'Setup'ウインドウに、自分の設定を持ちます.Qsynthは、理論的には無限の数のFluidSynthインスタンスをサポートしますが、お使いのコンピュータのメモリの制限のため、おそらく、使われるサウンドフォントにもよりますが、10よりそんなに多くはできないでしょう。
これは、Fedora 14 Musicians' Guide http://docs.fedoraproject.org/en-US/Fedora/14/html/Musicians_Guide/index.html の部分を私が訳したものです。Creative Commons Attribution–Share Alike 3.0 Unported license ("CC-BY-SA")にしたがって https://sites.google.com/site/kandamotohiro で配布されます。kanda.motohiro@gmail.com