LilyPondで1つの音を作るには、1文字だけで済みます。音域や、音が'シャープ'であるか'フラット'であるかなどの詳細を指定するためのその他の文字と記号があります。
変更は可能ですが、'シャープ'と'フラット'を指定するデフォルトで(お勧めの)方法は、ドイツ語の音名を使うことです:'-is'はシャープを、'-es'はフラットを意味します。例えば、以下のコマンドはbダブルフラット、bフラット、b、bシャープ、bダブルシャープを生成します:beses bes b bis bisisあなたはこれらの名前にすぐに慣れるでしょうし、代わりに英語で入力するのと比べると時間がかからないでしょう。さらに、これらの名前を使えば、耳のトレーニングをしているときに、音名で歌うこともできるのです!
音程の入力は絶対的に行うことも、前の音からの相対位置で行うこともできます。通常、(大きな飛びがあまりない音楽では)'相対'モードを使うほうが便利です。,と'記号(コンマとアポストロフィ)は、音域を指定するのに使われます。
絶対音程を入力するときは、音域は、ほぼヘルムホルツシステム(http://en.wikipedia.org/wiki/Helmholtz_pitch_notationのHelmholtz Pitch Notation (Wikipedia)を参照。)に従って指定されます:オクターブは'C'音程で始まり、11音高いところ、'B'音程で終わります。'middle C'の下のオクターブ(scientific pitch notationで、オクターブ3、http://en.wikipedia.org/wiki/Scientific_pitch_notation Scientific Pitch NotationのScientific Pitch Notation (Wikipedia)を参照)はコンマもアポストロフィもついていません。'middle C'から始まるオクターブ(オクターブ4)は、1つのアポストロフィがつきます。その上のオクターブ(オクターブ5)は2つのアポストロフィがつく、と続きます。通常は、LilyPondでこれをどう使うか理解したり、それを素早く使えるようになることは必要ではありません。なぜならば、ほとんどの楽譜は'相対モード'を使うからです。
前の音符に相対的に音符を入力するとき、コンマとアポストロフィで音域を指定することもできますが、通常は、どちらも使われません。この入力モードでは、それぞれの音符のオクターブは前の音符のオクターブをもとに推測されます。このように考えてください;次の音符は常に、最小の音程差になるように置かれます。例えば、Cの後でEを置くと、それは長3度、短6度、長10度、短13度、などに置くことができます。LilyPondは、相対モードでは、常に'長3度'を選びます。もしあなたが、LilyPondがEを短6度に置くことを望むなら、あなたはLilyPondに、コンマを加えて指示をします:c e,こうすれば、LilyPondはあなたの意図がわかります。同じように、c aes(Cそして、Aフラットの意味)を入力すると、AフラットはCから長3度に置かれます。もしあなたが、LilyPondにAフラットをCより短6度高く置いてほしいならアポストロフィを加えて、c aes'としてください。
この方法の唯一の曖昧な点は、トライトーンのときです。LilyPondは'トライトーン'それ自身は認識しないものとして、それらを'増4度'あるいは'減5度'として扱うことで曖昧さを解決します。LilyPondは、(コンマかアポストロフィで指示されないときは、)音程を増4度として記譜します。
シャープとフラットは、五線譜の最初の調号で指定があるときでも、常に指定しなくてはいけません。これは、最終的には、誤りの数を減らすのに役に立ちます。
音程を示すのに使われる文字は、常に小文字です。
文字に付与された数字は、LilyPondにより、その音符の音の長さを示すと解釈されます。全音符は1で、それ以外の長さは、音の占める全音符の割合を示す数字で表されます:2分音符は2('1/2 音符'ですから)。4分音符は4('1/4 音符')8分音符は8('1/8 音符')など、です。
音符に'ドット'を加える(その長さを、1/2、長くする)には、数字の後にピリオドを加えればよいです。例えば、e4.は、'Eの付点4分音符'の意味です。
1つの音符から次の音符にタイを加える(音符の長さを小節線をまたがって続けるため)には、音程と長さの後にチルド(~)を加えます。
長さを指定した後は、別の指示があるまで、すべての続く音符は同じ長さを持つものとされます。
多くの異なる記号が、LilyPondに、音符に表情記号を加えるために使われます。それは、すべて、音程と(もしあれば)長さの後に付加されます。多くは、位置の指定も持ちます。
表情記号の完全なリストはLilyPondマニュアルにあり、Frescobaldiはあなたのためにそのほとんどを記憶しています。(左側のパネルにあります。)
以下に、よく使われるいくつかの表情記号をあげます。特に指定がないときは、位置の指定も必要です。
(は、スラーを開始します。(位置の指定はありません。)
)は、スラーを終了します。(位置の指定はありません。)
~はタイを開始します。(終了は必要ありません。位置の指定はありません。)
.はスタッカートマークです。
>は、'アクセント'です。
-は'テヌート'マークです。
^は'マルカート'マークです。
_は、'ポルタート'マークです。(ドットと下線)
3つの位置指定子があります:
-は、LilyPondが妥当と判断したところにどこでも、表情記号を入れることを意味します。
_は、表情記号を音符の玉の下に入れることを意味します。
^は、表情記号を音符の玉の上に入れることを意味します。
3つの位置指定子は、ときには、このような音符になることがあります:g4--, g4__, そして g4^^。これは正しくないように見えるかもしれませんが、完全に受け付けられる表記です。訳注:ハイフン2つはテヌートの任意位置、ということ。
単純に言うと、<<と>>の間に囲まれたものはすべて、LilyPondによって、同時に起きるものと解釈されます。これはいかなる状況でも(そしていかなるコンテキスト、以下を参照、でも)使えます。LilyPondに、同じ声部において、2つの音が同時に鳴る(和音になります)ように指示したり、1つの五線譜において同時に演奏される(ポリフォニーになります)ように指示したりできます。さらに、複数の譜表からなる総譜では、<<と>>を使って、各パートが同時に始まるべきであることをLilyPondに指示するでしょう。<<と>>を創造的に使うことは、進んだ記譜のための1つの鍵となります。
最初は、同時性を理解することは重要ではありません。Frescobaldiがあなたに代わってどのように楽譜を作成するか、そして、インターネット上の例がこれらの記号をどのように使っているかを観察することで、あなたはいずれその使い方を理解するでしょう。
<<と>>で同時性を指定するというルールに従って、LilyPondは、<<と>>の間に複数の音程があると、それらを和音を構成するものだと認識します。1つの和音を1つの< >かっこで表すことは、2つの利点があります。1つは、それらが和音であって、何か他のもっと複雑なものではないということが簡単に分かることです。2つめは、情報をよりはっきりと入力できることです。
以下の例を見てください。どちらも同じ出力を得るはずです:<<g'4->-5 b d>>と<g' b d>4->-5。最初の例では、和音を構成する音、長さ、そして5の意味を見分けるのは難しいです。2つめの例では、和音はG、B、そしてDであり、4分音符であり、5は実際には指使いの指定であることが簡単に分かります。
単純な和音を書き表すのに<と>を使うもうひとつの利点があります。論理的な連続性が、'相対'モードで保たれるということです。和音に続く音は、和音が何オクターブにわたっていたとしても、常に和音の最も低い音からの相対音程で表記されます。<と>表記ではそうではありません。その場合、続く音は、<と>の中の最後の音からの相対音程で表記されます。
LilyPondでは、幅広い種類のコマンドがあります。とてもシンプルなものも、複雑なものもあります。それらはすべて、バックスラッシュで始まり、次にコマンド名、最後に'引数'、つまりあなたがコマンドにさせたいことについての詳しい情報からなります。音を指定するのに文字を使ったように、コマンドはあなたがLilyPondにあなたの楽譜をどのように展開させたいかを伝えるもうひとつの手段です。
例えば、\time 2/4と\clef bassは、とてもよく使われるだろう2つのコマンドです。それらはまさに、見たとおりの機能を持ちます:\timeは拍子記号を変え、\clefは音部記号を変えます。この2つは、異なるコンテキストに属します(\timeは楽譜全体に有効ですが、\clefはただ1つの五線譜にだけ有効です。)。
これらの基本的なコマンドとその入力をフォーマットする方法を覚えるだけでもしばらくかかるかもしれません。このときこそ、Frescobaldiの組み込みドキュメントビューアが役に立ちます。すべてのオフィシャルなLilyPondドキュメントはFrescobaldiから見ることができます。そのため、あなたは、同じアプリケーションの同じウインドウで、ドキュメントを見ながら楽譜をなおすことが簡単にできるのです。
出力がとても特別で、LilyPondの標準シンタックスでは許されないために、カスタマイズしなくてはいけないということはまれです。初心者にとっては、既存の楽譜の見た目を正確に再現しようとすると、こういうことはよく起きます。LilyPondは、内容にフォーカスした、音楽を表現する方式を提供し、それは通常は、高度なカスタマイゼーションなしでも意味のある出力を生成することを思い出してください。カスタマイズが本当に必要か、迷ったときは、それはその楽譜から演奏される音楽を変えるのか、と自分に問いかけてください。
本当になんらかの設定のカスタマイズが必要なときは、以下の2点を覚えておいてください:
LilyPondのカスタマイズは、要求に比例して複雑になります。
最終的に、カスタマイズは、コマンドの形をとります。
LilyPondのヒントとトリックをインターネットで探すのは助け舟になるかもしれませんが、同時に必要以上に複雑な解決策となることもあります。ときには、これはインターネットに投稿される貧弱な回答の結果でもありますが、多くの場合、それはLilyPond開発が常に進められており、定期的により優れた解決策が得られるようになっていくことの結果です。このため、最初にオフィシャルなLilyPondドキュメントを探し、次に'LilyPond Snippet Repository' (LSR - リンクを入れること)を探し、それから、グーグル、にすることをお勧めします。
LilyPondのもうひとつの側面で、初心者をしばしば混乱させるのは、コンテキスト、文脈の概念です。それはデフォルトの振る舞いを変えるための重要な概念です。LilyPondのすべてのものと同じく、それは完全に明らかです:'コンテキスト'は、'コンテキスト'という意味です。3つの主要なコンテキストは、'Voice'、'Staff'そして'Score'です。訳注:声部、五線譜、楽譜と訳しました。楽譜の中で起きることはすべて、コンテキストの中で起きます。実に単純なことです。すべてはコンテキストの中で起きる!楽譜の中で起きることはすべて、楽譜コンテキストで起き、五線譜の上で起きることはすべて、五線譜コンテキストで起き、そして声部で起きることはすべて、声部コンテキストで起きるのです。
少しわかりやすくするために、3つの例をあげましょう。
曲のタイトルはどこに属しますか?
楽譜でしょうか。そうです。なので、それは楽譜コンテキストに属します。
それは、五線譜に属しますか?いいえ。なので、それは五線譜コンテキストには属しません。
それは、声部に属しますか?いいえ。なぜなら、声部にあるためには、五線譜になくてはいけません。
曲のタイトルは、五線譜にも声部にも属さず、楽譜に属しますから、私たちはそれは楽譜コンテキストで起きる、と言います。
音部記号はどこに属しますか?
それは楽譜に属しますか?はい。それは音符の一部ですから。
それは五線譜に属しますか?はい。五線譜を離れて音部記号を置いても意味がありませんから。
それは声部に属しますか?いいえ。それは特定の'ライン'や声部に関係したものではありませんから。
音部記号は普通は五線譜に属し、それぞれのラインの最初にあります。なので、それは五線譜のコンテキストで起きる、と言います。
音符の玉はどこに属しますか?
それは五線譜に属しますか?はい。五線譜の加線、上や下にはみ出たところ、にあっても、音符は五線譜に置かれていなければ意味がありません。
それは声部に属しますか?はい。1つの特定の音楽ラインは主に、音符の玉で示されますから。
音符の玉は、特定の声部に属しますから、それは声部コンテキストで起きる、と言います。
さらに理解を深めるため、以下を考えてください;
本当の世界と同じように、LilyPondのオブジェクトは潜在的には、どんなコンテキストにでも現れることができます。
(ドアのとってのように)
(バスの運転席に座っているバスの運転手のように)
(スーパーマーケットで食料品を買っている人のように)
(音符の玉の隣のフラット記号のように)
... コンテキストのいくつかは普通ではありませんが、意味はあります。...
(壁についたドアのとって。もし、壁がドアのように見えるように設計されたならば)
(客席に座っているバスの運転手。もし、車庫に行くところならば。)
(角のお店で食料品を買う人。もし、スーパーマーケットが閉まっているなら。)
(文章のパラグラフについているフラット記号。もし、そのパラグラフがフラット記号のことを書いているなら。)
... そして、コンテキストのいくつかは意味を成しません。しかし、それでも起き得ます。...
(テレビについたドアのとって)
(レストランでお客さんに給仕するバスの運転手)
(政府機関のオフィスで食料品を買う人)
(ページ番号のあるべきところ、楽譜の上の角にあるフラット記号)
LilyPondの設計者は、このソフトウエアのすべての可能な使い方を考えるのは無理だと、賢明にも決定しました。このため、LilyPondはほとんどのコンテキストでほとんどの製版記号を使えるようにしました。さらに、コンテキストは他のコンテキストの中で起きることもできます。それは、もっともなことです。声部コンテキストは、五線譜に現れてこそ意味があり、五線譜は楽譜にあってこそ意味があるのです。
ですから、あるものがはたらくコンテキストを考えるとき、'これは、どのコンテキストに適用されるだろうか?'と、自身に問いかけてください。連桁と音符の旗は1つの声部に現れます。臨時記号は五線譜全体に適用されます。そして速度標語は楽譜全体に適用されます。この考えに慣れるのにはいくらかの注意深い考察が必要かもしれませんが、コンテキストはいずれは完全に意味のあるものと思えてくるでしょう。
ソースファイルはLilyPondにあなたが作成してほしい楽譜の内容を伝えるための指示が書かれたテキストファイルです。このファイルは、あなたが作成したいことの'源泉'であるので、こう呼ばれます。プログラミング言語のときと同じように、このファイルの中のテキストは、'ソースコード'と呼ばれることが多いです。LilyPondを使うためにコードを編集しないといけないというのは、ぞっとするかもしれませんが、'コード'は、それが普通の英語(あるいは、何か他の、言語)でないことを示しているだけです。
特定のフォーマット、(タブ、空白、そして改行の配置)は、LilyPondでなくて、個々のユーザによって決められます。これは、あなたが他の人のフォーマットを見るときには頭の痛いことかもしれません。しかし、これはアプリケーションの柔軟さの1つのキーです。このガイドは、特定のフォーマットスタイルを使いますが、それは1人のユーザのスタイルに過ぎないと理解されるべきです。スタイルは、その人の経験と、その人がLilyPondでよく行う作業によって影響されるのです。
あなたはいずれ、自分のやりたいことにあった、自分独自のスタイルをつくり上げるでしょう。そのとき、心においてほしいルールはただ1つです:ソースファイルの中で、一貫していること。ソースファイルが一貫した方法でプログラムされているならば、そのファイルを使いたいと思う人(未来のあなたかもしれません)は誰でも、それがどのように構成されているか簡単に判断できます。
LilyPondファイルは、コマンドの連続として作られます。良いことか悪いことか、LilyPondインタプリタは、ソースファイルの構成に関しては、とても許容範囲が広いです。これは、Frescobaldiのような自動楽譜設定ツールを使うときには特に、どこに何を置くかについて、誤解をまねくことがあります。
LilyPondソースファイルの一般的な構成は、以下です:
\version バージョン番号 \header { タイトル、作曲家、などのもの } \score { \new Staff { 音符がここに書かれます } \layout { } など }
誤解はここで生じます:柔軟性を最大にするためにLilyPondはソースファイルがそれ自身のコマンドを作成するのを許します。これを聞くと、あなたは、「オーケー。私は高度なコマンドやらなにやらはいりません。私はこれを片付けて、フィナーレを使うから。」と思うかもしれません。そうする必要はありません。コマンドは簡単です!コマンドは、あなたが書いたものでも、LilyPondに含まれるものでも、テキスト置換の方法と考えてください。
こんな風にはたらきます:
コマンドを'定義'(作成)するには、コマンド名 = { たくさんのコマンド }とします。
そこより後で、どこでも、何度でも、好きなだけ、ソースファイルに\コマンド名と書けばそのコマンドを使うことができます。LilyPondがテキストのその部分を処理するとき、あなたが定義のところに書いたものに置き換わります。
1−2のように簡単です!
Frescobaldi(そしてほとんどのLilyPondユーザ)はこの機能を利用して、よく構成され、使いやすいソースファイルを作成します。
これは、Frescobaldiがあなたのために生成したかもしれない、良いテンプレートソースファイルです:
\version '2.12.2' \header { title = '例' } something = \relative c'' { \key c \major \time 4/4 % Music follows here. ここに音楽が続く。 } \score { \new Staff \with { instrumentName = '楽器名' } something \layout { } }
このソースファイルは多くのコマンドを使い、自分で使うために'violin'を定義しています。訳注:somethingのこと?それとも、別のテンプレートのこと?この簡単な例ではわかりにくいかもしれませんが、あなたの音符を、複雑な\score セクションのフォーマットと分離しておくのは、両方のセクションの読みやすさを多いに改善します。さらに、何千行のソースファイルの中から探したいセクションを見つけるのも簡単にできるでしょう。
それでは、どこに音符が行くのでしょう。このテンプレートでは、それは、'violin'セクションに置かれます。Frescobaldiは通常、そこを、'% Music follows here.'というわかりやすいコメントで示します。それはまさにそのとおりです。あなたのほとんどの時間は、そこに続くものを仕上げるのに使われるでしょう。
最後の注意です。'score'セクションの'layout'セクションを除くのはやめたほうがよいです。'layout'セクションを除くと、LilyPondは楽譜を出力しなくなります。
LilyPondシンタックスは、音楽の誤りを避けるのを助ける2つの組み込みシンボルを持ちます。オクターブチェックシンボルは音符が意図したオクターブにあることを保証します。小節線チェックシンボルは、小節線が意図したとおりであることを保証します。
オクターブチェックシンボルは、相対音程を、その対応する絶対音程と比べます。もし音程が違うと、LilyPondは警告を表示し、絶対音程で続けます。LilyPondが警告を表示したら、相対音程を修正してください。
オクターブチェックシンボルは、=です。シンボルは、音符の後に書かれ、コンマ(,)、アポストロフィ (')が続くか、何もないか、です。それは、その音程の意図される相対オクターブによります。
以下は、オクターブチェックシンボルを使う例です:c'='''この例で、絶対音程は、c'''で、LilyPondは、左のcと、=シンボルの後の'''から、そのように判断します。
この例はどうなるでしょう:c'=4?=シンボルの後には、コンマやアポストロフィの代わりに、4があります。絶対音程はcで、LilyPondは、左のcと、=シンボルの右にコンマもアポストロフィもないことから、そのように判断します。LilyPondは、4を'4分音符'と判断します。
オクターブチェックシンボルは、必要と思うときに使ってください。新しいユーザは、経験豊かなユーザに比べて、オクターブチェックシンボルをより頻繁に使うようです。
小節線チェックシンボルは、小節線が音楽のその部分に描かれているかをテストします。小節線チェックシンボルと、楽譜の小節線が一致していないと、LilyPondは警告を表示し、ファイルの残りを処理します。LilyPondが警告を表示したら、入力の誤りを修正してください。
小節線チェックシンボルは、|です。すべての小節線の後に小節線チェックシンボルを置き、1行に1小節だけを入力するのを勧めます。その方が、誤りを見つけるのが簡単です。
この例は正しく、警告が表示されません:
\time 4/4 c4 c c c | c4 c c c |
4つの4分音符がそれぞれの小節線チェックシンボルの間にあり、正しい数の拍です。
この例は誤りで、警告が表示されます:
\time 4/4 c2 c c c | c4 c c c |
最初の小節は、4つの2分音符があり、許される拍の倍です。LilyPondは、最初の小節線チェックシンボルのところで警告を表示します。
常に、LilyPondが表示する最初の警告を修正してください。そして、ファイルを再度、処理して、残りの警告を修正してください。1つの誤りが、ときには1つ以上の小節線チェックの警告を生むことがあり、最初の警告を直せば、残りは消えることがあるからです。
これは、Fedora 14 Musicians' Guide http://docs.fedoraproject.org/en-US/Fedora/14/html/Musicians_Guide/index.html の部分を私が訳したものです。Creative Commons Attribution–Share Alike 3.0 Unported license ("CC-BY-SA")にしたがって https://sites.google.com/site/kandamotohiro で配布されます。kanda.motohiro@gmail.com