というツイートに返信しようと思ったが、どう考えても140字じゃ足りないし、いっぱい出典くっつけたかったのでサイトに書くことにした。
ということで、まずこちらを御覧ください(日本語字幕があります)。
私の意見は概ねこの動画の通りではあるが、この動画の趣旨は
「特定の難易度に思い入れがあるとき、簡単な難易度をどう表記すべきか」
という話でゲーム一般の難易度設定についていえることではない。
ということでできるだけ自分の言えるだけ広く意見を書いていきたい。
ただし大筋は変わらない。
私、ヒャッホイ太郎はバカである。
アホであると適宜読み替えてもよい。
難易度があるととりあえず一番下、つまりは一番むずかしいものを選ぶ。
だから、発端の文章の
>操作に自信がない
とか、
>一番下の難易度に
ということにまずならない。
しかし、その出鼻は頻繁にくじかれる。インディーゲームって極端に難しいの多いのよ。
結局途中で挫折して「クソゲー!」と言ったりする。バカですね。
ただし、オワタ式って書いてあったらその難易度は選ばない。なぜなのか。理由は下のほうで。
3つの難易度から選んでね、というのは本当によくあるパターンだ。
こんなとき、プレイヤーはどう難易度を選ぶだろうか。
ゲームに不慣れなAさんはEasyを選ぶだろう。だって初心者だし。
しかしこれが戦略シミュレーションゲームだったらどうか。
実は操作精度なんか関係なく、Aさんは将棋が得意なのでめっちゃ簡単、手応えがないゲームプレイになってしまう。
ゲームはそこそこ触っているBさんはNormalを選ぶだろう。だって中級者だし。
しかしこれがマニア向けゲームだったらどうか。
実はEasyでもクリアできないほどなのに、ボロカスにされて挫折してしまう。
ゲームが得意なつもりのヒャさんはHardを選ぶだろう。だってバカだし。
しかしこれがbeatmania IIDX 29 CastHourだったらどうか。
操作方法もまだ手になじんでないので爆死してしまう(経験談)。
製作者の想定している難易度は難易度(当社比)だが、プレイヤーはその難易度を詳しく知らないのだ。
だから製作者が詳しく説明する必要がある。
Aさんには「Easyはあまり考えずにプレイできます」
Bさんには「〇〇に慣れている人にちょうどいいムズさ」
ヒャさんには「難易度4からは複雑な同時押しが出てきます」
くらいに言っておくと誤解がなくて済むだろう。
(引用元:https://www16.big.or.jp/~zun/html/th06man/html/select.html)
これは東方紅魔郷というシューティングゲームの難易度選択画面。難易度の近くに説明文が書いてある。
ターゲットを正確に書いており、なおかつ難易度が高いとよいという雰囲気もない。
バカな私でもこれだとHardを選んで少し火傷するくらいで済む。(逆に言うとバカがちょっと難しめを選ぶのは防げない)
理想をいうと、STGをよくしらない人にも伝わる難易度設定ができればいいのだが、あまり詳しく書くとくどくなる。難しい。
しかし書くべきことは難易度の説明だけではない。
難易度設定で設定するのは難易度……当たり前のことを書いてしまったが、では製作者はプレイヤーに難易度を設定してほしいのかというと少し違う。
実際のところプレイヤーに聞きたいのはどれくらいの難易度だと一番楽しんでくれるかということだと思うのだ。
Easyであれば一通り操作を覚えれば難なく進める。これはつまり難なく進みたい、もしくは難なんかまだ早いという人向け。
Normalであれば操作を覚えたうえで少しの困難が待ち受ける。これは製作者が想定するふつうの遊び方。普通の人向け。
Hardであれば操作を覚えている前提で熟達した操作を求める。困難を乗り越えることが楽しい人向け。
こう読むと、別に難易度としての表記もいらないことがわかる。
カジュアル、というのはいい表記だ。実質的にEasyと解釈されるが上級者が気楽に遊ぶならカジュアルにあてはまる。
具体的に書いてもいいだろう。
ピースフルはいい表記だ。敵がいない平和なゲームプレイが期待できる。
オワタ式(ライフ1)もとてもいい表記だ。どう難しいのかがわかる。
ヒャッホイ太郎は難しいゲームが好きだが、完璧を求めるゲームプレイは好きではない。よってオワタ式と書かれていたらさすがに選ばない。
どのゲームで見たか完全に忘れたが、簡単なほうを「爽快モード」難しいほうを「試練モード」みたいに表記しているものがあった。
この表記だとヒャッホイ太郎は爽快モードを選ぶ。簡単であれば得られるゲーム体験のほうを表記してくれているので実際求めていたものによく合う。
難易度はその内容に詳しい製作者がプレイヤーに伝わるように書くべきだ。
それぞれの難易度はどう楽しいのかを紹介し、どの楽しさを求めるのかユーザーに聞くのがよい。
なんなら難易度という表記をやめたほうがいい。
そもそも難易度設定は必要なんだろうか。
実際のところ難易度はどうやっても完璧な設定はできない。
製作者がプレイヤーの隣にやってきて、
「あ、そんなに簡単に越えちゃうんだ。ちょっち待ってね~」
といって調整する、なんてことはできないしゲーム側に自動調整させるのも難しい。
難易度を上げたら難しすぎて、でも下げたら物足りない。
ではプレイヤーに難易度ではなくパラメータを設定させるのはどうか。
たとえば対人ゲームのスマブラではハンデダメージというものが設定できる。
上の動画でも出てきたCelesteはゲームスピードを調整できる。
FNAFはカスタムレベルがあり、超上級者は最大レベルのクリアに挑む。
RPGはクリアできなければレベリングをする。
音ゲーは曲の難易度を選べる。数字で細かく定まっている。
これらはパラメータをいじることで難易度を自由に細かく上げ下げできる。
製作者の理解の外にいるような天才もいれば、製作者が気にもとめない初心者・幼児もいるだろう。
それら全てに対応できるような広い範囲のパラメータ調整は限られた選択肢である難易度設定よりも優れているように思う。
当然設定の目安はいる。これぐらいならこの数値がおすすめです、と。
ここは外せない、という難易度があるのならそこから自由に上げていけるしくみでもいい。
SlayTheSpireは周回クリアするごとに難しくなるチャレンジに挑戦できる。
しかしパラメータに種類があって、調整がめんどくさい、どれを変えてもそんなに変わらない。
そして、難易度を一つに絞るには楽しめるかに個人差がありすぎる。
そんなときは難易度を選択肢として与えてもいいかもしれない。
もし難易度の数が離散値なら下記リンクの工夫を使ってそれぞれがカバーするターゲット層を広くしたいところだ。
ここには様々なゲームの試みがまとめられている。