人車鉄道の線路の設営は、大学祭の前日から1日目にかけて敷設を行います。以前はこういった資材もすべて台車に載せ、資材置き場から数百メートル離れた敷設場所まで人力で搬入していて大変だったのですが、数年前からトラックのレンタカーを借りるようになり、大分楽になりました。
このページでは、人車鉄道の線路の敷設作業の概略をご紹介します。
①まず線路を並べて設営区間の確認をし、
②次に枕木をおおよその間隔で仮置きします。
③続いて、枕木の上にレールを載せ、車両の走行方向のずれを修正し、レールを一直線上に並べます。
④それから、枕木の高さの調整、この段階で枕木の位置を微調整し、設置位置を確定させます。
⑤高さを補正した後は、レールの締結。
⑥レールを犬釘に固定し、線路の点検。
⑦車両を線路上に載せ、試運転。さらに最終的な高さ調整等を行います。
それでは、写真とともに敷設の基本的な手順を踏まえていきましょう。
※ご紹介する写真は2009年度のものになります。2009年10月29日撮影
まず線路を仮置きして設営区間を確認してから、枕木を仮置きしていく段階です。
レール一本当たり横手方向3本、長手方向4本の7本の枕木が原則として必要になります。但し、橋の部分は地面が傾斜しているのでこの限りではありません。また、レール締結部の下には枕木を置きません。
続いて、枕木の上にレールを仮置き。車両の走行方向のずれを修正するため、レールを一直線上に並べます。写真はその前段階。枕木を均等に配置し、またレールが一直線に並ぶよう枕木の位置を修正します。
これから枕木の高さの修正に入ります。
枕木の高さの調整にはツルハシを使って枕木の一端を持ち上げ、木の薄板をかませる事で調整します。高さがきちんと調整されているかはレール踏面の高さがきちんと合うかどうかで確認しますが、右のレールと左のレールで高さが違ってしまう場合もあるので、木の薄板をかませる段階では左右の高さの違いにも気をつけましょう。
レールが一直線に並び、踏面の高さもきちんと合うようにちゃんと調整してから締結作業に入ります。
レール締結の後は、ゲージの微調整に入ります。必要であれば、その前に長手方向に置いた枕木とレールとの間に板をかませるといった高さの微調整も行います。レールを締結できた時点でゲージが大きく狂うことはないはずですが、枕木と犬釘との間にしっかりと木っ端をかませ、ゲージをきちんと600mmに調整しましょう。
締結の仕方は下の写真のとおり。レールの内側、外側から2枚のフィッシュプレートでレールを挟み、それからボルトナットを締めます。フィッシュプレート は平らな面を表に向けてください。また、この写真のとおりボルト頭がレールの内側、ナットがレール外側です。なお、ボルトナットは防腐用の薬剤に浸けてありますので、取り出す際は軍手ではなく、なるべく薬剤用のナイロンの手袋を使用するようにしております。
目視でレール高さに狂いがないか確認し、またメジャーを使ってゲージ幅にも狂いがないことを確認してから、車体をレール上に載せます。ゲージ幅は600mmが目安ですが、レールそのものが歪んでいるので1cm以内の狂いなら誤差の範囲内です。最近はやや狭すぎて走行抵抗が大きくなることも多いので、600mmよりも心持広めに取った方がいいかもしれません。
台車を使って車体を線路に横付けし、移動距離が最小になるようにしましょう。また、車体は重いので、最低でも6人、出来れば8人前後がつく必要があります。また、車体がレールにちゃんと載ったか確認のために見張りが1人立ちます。ちゃんとレールに載せたのに3点支持となっている場合枕木の高さに狂いが出ているという事なので、この場合は修正の必要があります。