2026.4.2|THU
2026.4.2|THU
東洋大学川越キャンパス「こもれびの森」では、2001年度、2008年度、2013年度、2016年度に胸高直径3cm以上の樹木のすべての樹種と直径を測り、ナンバーテープを貼付し、エリアごとの本数と樹種別の本数の記録を取る「毎木調査」を実施しています。今年度、9年ぶりの調査を12月から3月にかけて行いました。
2016年度の前回調査では、2014年に里山林保全活動を行ったことによる森林環境の変化を把握するために行いましたが、今回の調査では、こもれびの道や新校舎の開発により林況が大きく変化した後の状況把握とともに、2025年度から2027年度までの予定で実施している東洋大学重点研究推進プログラム「地域未利用資源の活用による地域・自然共生型脱炭素社会システムの設計」の一環で行っています。毎木調査によって、川越キャンパスの樹木由来の資源賦存量を把握するとともに、林況の遷移や保全活動の基礎資料、森づくりに関心を持ってもらうための資料として活用することを考えています。
参加者は12月6日(土)は10名、1月10日(土)は12名、2月7日(土)は10名、3月1日(日)は10名で、各回3組に分かれてキャリパーやダイアメーターを用いた胸高直径(地面からの高さが約1.2〜1.3mの幹の直径)の計測、ナンバーテープの貼付、樹種や生死など樹木の状態と帳簿への記録を行い、延べ40名で胸高直径3cm以上の毎木調査を終えました。
日ごろの活動では枯死している樹木が目立っていて、だいぶ数を減らしたのではないかと考えていましたが、敷地の境界など林縁部など、下刈りなどを行っていない未施業エリアや、こもれびの森・里山支援隊の活動開始後に広葉樹などを意図的に残している部分もあり、エリアによっては大幅に樹木数を増やしているエリアもある状況です。それでも、こもれびの道や新校舎による森林の開発によって、エリアごと樹木がなくなってしまった場所もあり、前回調査のエリアでは3,815本から3,399本と全回比89.1%の本数となりましたが、今回、新たに2015年に植樹した自然再生エリアとその周囲の前回未調査エリアを加え、そのエリアで542本の樹木を記録したことにより、総計は3,943本となり、前回比103.4%の本数となりました。
今後は、不明な樹種の特定とデータ入力による樹種別の本数や直径分布の把握、エリアごとの傾向の把握、さらに3D森林計測システムを用いた立体的なデータ取得と毎木調査との照合、さらにバイオマス資源賦存量の把握と資源活用の可能性の検討を行っていきます。
(2025年11月30日に12月6日の報告記事を公開していましたが、4回分の報告をまとめて行うことにして情報を修正、追記しています。)
C区とD区は新学部棟建設のために2025年6月に樹林が消滅
I区の一部は2015年3月にグラウンドへ植樹したために樹林が回復
A区は林縁部などの未施業エリアの存在により小径木が増加、こもれびの道の拡幅によりエリアが縮小
B区はこもれびの道の拡幅によりエリアが縮小、ナラ枯れの影響が大きい
E区は新校舎の開発によりエリアが縮小
F区は体育館の改築やこもれびの道の拡幅によりエリアが縮小
G・H区は合宿所の新築やこもれびの道の拡幅によりエリアが減少、林縁部の未施業エリアの存在により小径木が増加
I区は2016〜2017年は調査対象外であり、今回、新規に調査対象とした
*今後の精査により結果が変わる可能性があります
10名の参加者と1名の川越事務課担当職員の集合写真。最低気温がは氷点下と寒くなりましたが、日差しのあるおだやかな陽気の中での調査となりました。
この日は、A・B・E・F区の調査を行い、3グループ合計で972本を記録しました。
右の人はキャリパー(輪尺:大きなノギス)で胸の高さ(1.2〜1.3m)の直径を測っています。右の人はナンバーテープ(今回は青)をタッカー(ホチキスで代用)で貼り付けています。この木は枯死していますが、枯死した木も含めて調査を行っています。
胸高直径が50cm以上の樹木は、巻尺を使って周長を測って直径に換算して記録します。次の回からは「ダイヤメーター」という直径の目盛りが振られている巻尺を導入して作業の効率化を図りました。
アオキ、イヌツゲ、シラカシなどの常緑広葉樹やニワウルシなどが林縁部の未施業エリアでかなり成長していて、入りにくさもあり調査は難航しました。
今回の調査は青、2016年度調査は黄、2013年度調査は緑、更に前の調査は白など、継続して調査が行われていますが、木は成長するため、ナンバーシールが飲み込まれていたり剥がれていたりしているものもあって、過去の調査と必ずしも比較できるわけではありません。
10名の参加者と2名の川越事務課担当職員の集合写真。構成員のみでは人員が不足する可能性が高かったので、一般参加者の応援を依頼しました。長時間の調査はたいへんだったようです。
この日は、A・E・G区の調査を行い、3グループ合計で1,036本を記録しました。
A区と呼んでいる新西門を入って左側(北側)のエリアは、一部未施業のエリアを含んでいるのと学外との林縁部も未施業で残していること、さらに広葉樹の幼木を保護して成長させていたことから、小径木がたくさんあり、2016〜2017年調査の966本から、今回は1,200本(+24.2%)と大幅な増加となっています。
広葉樹林の中低木として多く存在するアオハダは、株立ちすることが多く、このように10本以上の測定を行わなければならないケースもありました。
こもれびの森の一部が開発され、新校舎の建設が進んでいます。建設の初期からカメラが設置されていて、時系列で建設の様子をモニターで映し出しています。
樹木種の判別は、常緑樹の場合は容易ですが、冬の広葉樹は葉がついていないので樹皮や枝ぶり、冬芽などで総合的に判断しますが、なかなか難しいです。AIの発達により写真で樹木種を推定できますが、断片的な情報ではなかなか難しく、経験による判断が求められます。
10名の参加者と1名の川越事務課担当職員の集合写真。
この日は、A・H区の調査を行い、3グループ合計で989本を記録しました。
ダイアメーターは巻尺に直径が記されていて、周長/3.14の計算をする必要がなく効率的な調査を行うことができます。
緑は2013年、黄は2016〜2017年、そして今回の調査は青色のナンバーテープを貼付しました。テープの伸び具合で木の成長がわかりますが、成長が著しいと「食べて」しまって樹皮の中に入り込んでしまいます。このコナラはあまり成長していないことがわかります。
9名の参加者の集合写真(1名は遅刻)。この日は日曜日のため職員が不在でした。このページの集合写真4枚で新校舎の建設が進んでいることもわかります。
この日は、H区と2015年に元グラウンドに植樹した自然再生エリアを含む区(「I区」としました)の調査を行い、3グループ合計で944本を記録しました。
4回で3,941本、各回おおよそ1,000本前後の記録を行いました。各回は3グループで5時間の作業時間であったので、だいたい1分1本ペースで記録したことになります。
アオハダは「青肌」と書き、樹皮は白っぽいのですが、少しひっかくと緑色が見えてくることから比較的判別しやすい木です。この木の直径は14cmで大きな方ですが、これがアオハダ?と思える太い木もあります。
ナンバーテープは記号+番号で1〜1000までの番号が振られていてちぎって使います。のりはついていないのでホチキスで本体を開いた状態でタッカーのように木に打ち付けます。
前回(2016〜2017年)の調査では34cm(2方向で37cmと31cmの平均)、今回は41cmとなっていました。なお、このあたりは現在建設されている校舎とは別の新校舎が建設予定となっていて、伐採されることになります。
スズメバチは女王バチだけが越冬して春に新たな巣を作って繁殖します。単独で越冬しているのはよく見るのですが、複数のハチが一緒にいるのは初めて見ました。