2025.6.21|SAT
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東洋大学川越キャンパスの象徴的存在であった「こもれびの道」が、キャンパスの”リデザイン”のために6月2日から工事が始まりました。今まで4m幅で林間をうねるように通っていた道が、10m幅の直線の歩道に生まれ変わります。いろいろな思いはありますが、川越キャンパスが「こもれびの森のキャンパス」として、新しい道が「こもれびの森」をよりよい人と生物多様性の触れ合いの場となることを願うばかりです。
参考記事:川越キャンパス リデザイン|TOYO COMPASS 2025 TOYO UNIVERSITY REPORT
今回は11名での活動となりました。
最初にこもれびの森の一角を開発して建設される環境イノベーション学部(設置構想中)棟の伐採予定の木から、今後、木の活用を図る木を選定し、番号を記録するとともに目印を付けました。
続いて、5月10日の里山林保全活動で移植した植物の状況を確認しました。ヤマユリがつぼみを付けていたり、イヌヌマトラノオが咲いていたりして、移植した植物はおおむね生育していました。
これらの作業の後、1年以上施業していなかった、H区と呼ばれる野球場北側の南東側の下刈りや倒木の処理を行いました。日陰の部分は比較的植生の変化は小さいものの、多数の倒木の発生など日当たりのよい部分は藪と化していて、1年の植生の変化に驚く限りでした。
今回の活動では、目を見張る瑠璃色が美しいルリボシカミキリやキマダラミヤマカミキリ、ノコギリカミキリ、エダナナフシ、コクワガタ、クロカナブン、オオスズメバチなど多くの昆虫を見ることができ、この森の生物多様性豊かな環境を実感できました。
次回の里山林保全活動は3週間後の7月12日(土)に実施します。初心者を含め、一般の方、学生・生徒の方など、活動に興味のある方の参加を歓迎します。
詳しくは「2025年7月12日(土)8:30-16:00「里山林保全活動」参加者募集 」をご覧ください。
11名の活動参加者と担当の川越事務課職員2名。景観が大きく変わった工事中のこもれびの道入口で撮影。
今までこもれびの道から校門を見通すことはできなかったのですが、見通せるようになっています。木の伐採が進められていますが、一部の木は活用のために追跡する番号を振って保存しています。
環境イノベーション学部(設置構想中)棟建設エリアにおける樹木の伐採を前に、コナラを中心に材の活用を図る樹木を選定してテープでマーキングするとともに追跡する番号を確認しました。
5月10日に移植した植物のほとんどは生育していました。周到な準備をしたわけではなかったのですが、とりあえず移植が成功してほっとしました。林の一角ではネムノキが咲いていました。
1年以上手をつけていなかった状況で、日当たりのよいところは藪となっていました。ヤマグワが著しく成長していて実がたくさんなっていました。
ナラ枯れにより倒木が発生していたのですが、それに連動して押し倒されたり折れたりした木が折り重なり、玉切りを行いましたが片付けきれませんでした。
しばらく発見していなかったルリボシカミキリですが、今回は少なくとも4匹を発見しました。鮮やかな瑠璃色に黒い星をまとった姿は目を引きます。
ルリボシカミキリとは対象的に保護色をまとったカミキリムシ。よく見ると鈍く輝いているようにも見えます。
片方の触角がなくなってしまっていますが、触覚がはっきりとした黒光りするカミキリムシです。
コナラの樹液に群がるシロテンハナムグリ。ハナムグリの仲間ですが樹液を吸う姿をよく見かけます。
ピントが合っていませんが、ボケて写っているのがエダナナフシ。そこにいると言われても気づかないぐらい枝になりきっています。
手前は比較的暗い場所のためにあまり植物が繁茂していませんでしたが、日当たりのよい場所は草木が繁茂していました。
だいぶ見通しがよくなりましたが、このエリアは、倒木の除去も含めてまだまだ活動しなければならない状況です。