2025.5.10|SAT
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東洋大学川越キャンパスは、2027年4月に設置構想中の(仮称)環境イノベーション学部の新設に向けて”リデザイン”が始動します。
1991年に川越キャンパス開設30周年を記念して、鶴ヶ島駅から最短の経路で校舎エリアに入れるよう学内の林の中に「こもれびの道」を作りました。開設から20年後の2011年に舗装と周囲の樹木の一部伐採を行いましたが、34年が経過したこの6月から全面改修工事に入ります。
道幅が4mから10mに広がり、道の形状も直線的に改められること、また、新学部設置に向けて新校舎を「こもれびの森」の一角を開発して設置することから、開発エリアに生育する希少な植物などを移植することにして作業を行いました。
移植先については、2015年にグラウンドから植樹して自然の状態に戻した自然再生エリアを主に選びました。
移植した植物は、木本のコナラ、コアジサイ、シモツケ、アジサイ、草本のイヌヌマトラノオ、シラヤマギク、ヤマユリ、ホウチャクソウの8種でした。また、外来種のタカサゴユリを除去しました。
植物が自生している場所は、特定の環境条件があります。そのため、移植は植物にとってはかなり厳しい条件であるわけですが、何もせずに開発してしまうより、もし移植に成功したらよいなという気持ちで取り組みました。
今後、改修工事において開発エリアの表土の敷き均しが行われますので、埋土種子の発芽などによる自然再生にも期待したいところです。
次回の里山林保全活動は6月21日(土)に実施します。今回の移植結果を確認しながら、本格的な夏に備えて林床の下刈りなどを進めます。
初心者を含め、一般の方、学生・生徒の方など、活動に興味のある方の参加を歓迎します。
詳しくは「2025年6月21日(土)8:30-16:00「里山林保全活動」参加者募集 」をご覧ください。
18名の活動参加者と担当の川越事務課職員2名。午前は小雨の降る中で、午後は雨が止みましたが曇りの中での実施となりました。
主にこもれびの道沿いを歩き、改修工事の図面を見ながら保護・移植すべき植物を把握し、棒などでマーキングしました。
2014年6月14日のこもれびの森・里山支援隊発足時に実生(みしょう)を移植して、2018年3月に再度林内に移植して生育していたコナラの一部を掘り返して移植しました。これだけ成長していると根は深くまで入り込み、作業はけっこうたいへんでした。
コアジサイの生育地は、新たな道路にかからない部分が大半なのですが、一部は新たな道路にかかる見込みのために移植を行いました。学内の林内のあちこちで生育していますが、自然再生エリアにはない植物なので、この機会に定着を期待して移植しました。
この写真では右側の見えている部分の大半が道路になります。すべての植物を保護するのは難しいところですが、道路となる表土部分は周囲に敷き均しされます。そうすると、現在ある植物にも影響するため、道路にならない部分でも希少な植物などはマーキングして保護する必要があることを明確にする作業も行いました。
植物の生育のためにはある程度の間隔や適度な日照が必要であるため、植樹から10年が経過した自然再生エリアは意外と適地が少ない状況でしたが、移植可能なところを探して掘り返した植物を植え直しました。