総合論評とは
例会全体に関する論評を行います。論評者がスピーチの論評を担当する場合と同じく、最終的な目的は、例会全体を総括し、例会に関わった担当者の全てが次のような気持ちになってくれることを手助けするものです。
総合論評を行う上で大切なポイント
総合論評が終わった後、全ての例会参加者が、以下のような気持ちになってくれていれば、あなたの総合論評は成功です。
自らの良い点に気付き、モチベーションをアップする
次の機会に向けた前向きな改善点を、自らが見出すことの手助けをする
各参加者が良い点に気付き、スピーチやリーダーシップに対してモチベーションを持って貰う事が論評の一番の目標です。しかし、同時に、向上するためには、適切な批判も必要です。
向上するための適切な姿勢が欠けており、改善のための批判を受け入れないような、馴れ合いの雰囲気が支配するような場になってしまっては、例会が持つ可能性を十分に引き出しているとは言えないでしょう。
そのような場合、総合論評は例会に適切な緊張感を与える最後の砦です(あえて、会長とはいいません)。
適切な改善点を述べる際に気を付けることは、下記のような事でしょう。
愛を持って改善点を指摘する(批判のための批判はしない)
具体的な改善点を述べる
自分の足元も見る(必ずしも言及する必要はありませんが、自分を含んでの改善という観点を持つと、トーンも自ずと変わってきます)
勇気を持って、そしてもう一度愛を持って
幸運を祈ります!
例会中に見るべきポイント
とはいえ総合論評の経験が少ない方は、総合論評をどのように進めてよいのか具体的にどうすればよいのか分からない、もっと詳細に、それぞれの論評対象項目に対して、イメージを持って臨みたい、と考える方もいらっしゃるでしょう。そんなあたなのために、総合論評のもう少し詳細なポイントを列挙します。
1.例会前から総合論評は始まっている!
TMOEが例会前にどのような準備をしているのか、気を配りましょう。例会以前の準備もTMOEが例会を成功させる上で重要です。
TMOEが各担当者をどのようにサポートしているか、また、例えば例会を盛り上げるため、例会のコンセプトを設定し、事前に参加者にコメントを準備して貰うなど、工夫しているか、もしそのような工夫が見られたら、素晴らしい準備という事で、総合論評で触れましょう。
2.会場に着いたら
会場の準備が出来ているか、プログラムやコメントシートなどの配布物はきちんと用意されているか、これらの項目の中には、いつもTMOEが直接フォローしている訳ではないものも含まれますが、役員の方々の準備についても、とりわけ素晴らしいと気が付いたら、褒める、また改善点に気が付けば、改善を促すことを行っても構いません。例会のスムーズな開催そのものについての視点を持ちましょう。
3.ヘルパーの方達への論評
ヘルパーの皆さんがどのように自分の役割を説明しているのか、聞いておきましょう。
トーストマスターズクラブは、ゲストの方々を暖かく迎え、例会がどのように運用されているのか、例会への参加が初めての方でも理解できるよう、平易に説明するべきです。
また、例えばゲストがいない際、ヘルパーが、クラブに長くいる方々に対しても、自分のフィードバックの使い道に対する、新たな示唆を与えるポイントを、述べるかも知れません。適切に、初心者でも分かりやすいか?、自分の言葉で工夫が見られるか?、これらの観点で、ヘルパーの方々の説明に対する良い点を見つけましょう。
4.テーブルトピックへの論評
テーブルトピックマスターがどのようにテーブルトピックをコントロールしているか?見ておきましょう。
テーブルトピックのテーマが、理解しやすく、魅力的でスピーカーの素晴らしいスピーチを引き出せるようなものであったか?また、クラブのレベルや参加者によっては、あえて挑戦的で、難しい、考えさせるようなトピックを出してくるかも知れません。
どのようなトピックが絶対的に正解、という事はありませんが、どのような観点でも、テーブルトピックマスターが、テーブルトピックで当てるスピーカーや、クラブの事を考え、
彼らに機会を与え、成長を促すものであるならば、その観点をほめてあげてください。
また、逆に総合論評のあなたから見て、上記の観点にそぐわない点や、もう少し工夫すれば、よりテーブルトピックマスターの戦略が達成される点が発見されれば、次回の改善点として、指摘しましょう。また、例会運営のテクニカルな側面として、テーブルトピックのスピーカーは、準備スピーチや論評などの役割がアサインされている方以外の方を主体にすべきです。
ノンスピーカーになる可能性が高い出席者やヘルパーの方を主体にスピーカーを選んでいるか、また場合によってはゲストに機会を与えているか(トーストマスターの会員ではない方にも機会を与えられますし、その際は拒否権について説明することが親切でしょう)、このような点についても注意を配り、良い点・改善点で挙げましょう。
5.全ての人に論評を!
TMOEのコントロールや、各参加者が時間配分を守れるかによっても異なってしまいますが、総合論評は、往々にして予め決められている時間が使えず、時間の不足に悩まされるケースも多々起こります。
しかし、出来るだけ、各ヘルパー、TMOE、論評者、もし通常プログラム以外で、クラブ内外からプログラムにレクチャー/ワークショップが入る場合は、その方々に対しても、出来るだけ何等かコメントを与えるようにしてください。
準備スピーカーの論評のみならず、論評はトーストマスターズクラブの大きな特徴です。
6.文法係、えーとカウンター、今夜の言葉への論評
文法係、えーとカウンター、今夜の言葉のフィードバックが、行われるよう、論評の部の司会として、各担当者へ発表を促しましょう。
7.論評者への論評
各論評者が、どのように各準備スピーカーのよい点を引き出したのか、また次に繋がる改善点を指摘したのか、よく聞いておきましょう。
また、原則、論評者が準備スピーカーに論評する観点は、プロジェクトの目標をどのように準備スピーカーが達成したか、プロジェクトの達成に対して、何をやればもっとよかったか、改善点を挙げることです。
上記の事が達成されていたとすれば、論評者の論評が、準備スピーカーがきちんとプロジェクトを達成していた、という事に気付かせ、モチベーションを上げることに貢献した、という事柄を指摘しましょう。
逆に、論評者が上記の事に成功していないと考えれば、改善のための指摘をしましょう。
指摘の仕方は様々ですが、総合論評者は、スピーカーへの論評を繰り返し行う事が目的ではありませんので、基本的には論評者の視点を尊重するようにしましょう。
その際、特に総合論評に慣れていらっしゃらない場合、全ての準備スピーカーに対し、論評時とほぼ変わらない論点整理を、各準備スピーチを聞く際に行っておくとよいでしょう。総合論評の際、自分の考えをまとめる良い参考資料となります。
8.TMOEへの論評
TMOEの準備については前述の項目の中で触れましたが、その他にも下記のような項目に注目するとよいでしょう。
・進行はスムーズだったか
・例会中の時間コントロールは適切だったか
・各スピーカーやヘルパーの紹介は適切だったか
・各準備スピーカーのスピーチのタイトル、プロジェクトを説明し、投票を行う聴衆への意識付を適切に行ったか?
・例会を盛り上げるための、イントロダクション、各スピーカーの紹介、スピーチへのコメントなど工夫を行っていたか
・ゲストへの説明は適切だったか
例会終了後に
例会後に、Webサイト用のレポートを書きましょう。役員の方が用意してくれたテンプレートがありますので、なるべく早くあげて、送りましょう。あなたのレポートが、飯田橋TMCへの入会を考えている明日のメンバーへのよき参考となるはずです。
総合論評シート