範囲指定による結線処理
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座標点間に直線を描き、路線図や画地を作成するには、
1.結線/結線/追加で表に結線構成点の点番を手入力する
2.プロット画面で構成点をクリックする
という作業が必要でしたが、構成点数が多いと時間がかかり面倒です。
今回追加した機能で、結線したい点をマウスのドラッグ操作で囲むだけで、多少制約はありますが短時間で結線処理ができます。下記の「代表的なエラー例」に記載しているように常に「正解」が得られる保証はありませんが、メリットは大きいと思いますので是非お試しください。
原理と制約
解析幾何学では凸包という点群に対する処理で、基礎的で有名な手法です。
ネットで「凸包」を検索すればいろいろ解説が見つかりますが、要は座標点群を平面に打たれた釘とすると、凸包はその釘に輪ゴムを掛けた時に生まれるゴムの線形のことです。
GioLine pro では厳密な解析ではなく単純に座標点間を結ぶことが目的なので、ギフト包装法を参考にした簡易な方法で結線しています。
点群を凸包するという基本的な「条件」から、凹型の画地の結線には対応できませんが、手入力で対応が可能です。
主な仕様
・マウスのドラッグで選択した範囲に含まれる座標点数は200点
・その後の処理で重複点を除外(後から登録された点)し、最終的に凸包の構成点(頂点)数が99点以下
・選択点が2点の時は直線、3点では3点が直線上にあるときは直線、そうでないときは三角形に結線
・正しく結線できない可能性があるときはメッセージを表示
注意:結線が未登録の時は機能しません。1本だけでも通常の方法で登録してください。
操作の基本
凸包による結線を実行するときは、下図のように
・メイン画面:[結線]・[結線]で連続にチェックがあり、[追加]
・プロット操作:[画面]を選択
の状態で、[×範囲取得]をクリックして[○範囲取得]に変更します。
操作例
Gioプロットで点群(2点以上)をマウスのドラッグで選択します。
ドラッグ方向は任意です(左下→右上等)
マウスの左ボタンを放すと処理選択画面が開きます。
結線がデフォルトになっています。[実行]ボタンをクリックするか[Enter]キーを押します。
選択範囲を間違ったときは[Cancel]でやり直します。
凸包処理が実行されプロット画面とメイン画面の表部分に結果(仮)が出力されます。
プロット画面の赤線は確定前の確認用です。画面の移動等で消えてしまいます。
※今回追加(下記に説明あり)した[確認]をクリックすれば仮線を再描画します。
凹型画地などで構成点が選ばれなかった時は、表部分に行を追加して構成点の点番を手入力します。
同様に、閉合させたくないときは最後の点番を削除します。
線名を入力すこともできます。
実行しないときは、[○範囲取得]クリックで選択が全て削除されます。
結線を登録するときは[連続確定]をクリックしてください。
[連続確定]ボタンをクリックすると結線が登録され、凸包処理は終了です。
[○範囲取得]ボタンは有効のままですので連続して結線作業が可能です。
終了する時は[○範囲取得]をクリックし[×範囲取得]にします。
同様に3点を選択し、
[連続確定]したときの出力。
凹結線への対応方法
下図のような凹型の画地には対応出来ませんので、修正作業が必要です。
範囲取得で点群を選びます
点番549は選択されていません。
メイン画面の表に549を追加するために、545の上に行を挿入します。
549を入力します。
[確認]ボタンで修正された結線を確認できます。
問題がなかったら[連続確定]をクリックして結線を登録します。
代表的なエラー例
選択範囲に3点以上が直線上に連続して存在していると、以下の取得例のような不具合が生じますのでご注意ください。
バグですが、今のところ対応ができないのでご了承ください。
なお、不具合が出る可能性がある時は、以下のメッセージが出ますので、その後に出力されるプロット画面の線形とメインページの表部分の座標点の順番をご確認ください。
なお、選択した点が直線に並んでいなければ、2〜4点では支障が出ることはありません。
例−1 直線上に並んだ点
下図の 217ー223 は直線を等分割した点が10m間隔で並んでいます(222-218の方向角は0度:Y座標値が同じ)。
Y座標値(X座標値)が同じ点が3点以上あると以下のように正しい解が得られません。
218ー222 の5点を選択しています。
220,221,222 の3点しか取得できていません
プロット画面でも確認できます
確定すると、222-221-220-222 と閉合で結線されるので青枠内に 220-222 の辺長 20m が表示されています。
なお、最新版では3点が直線上にある時は閉合させないので 222-221-220 と結線されます。
例−2
単曲線のセンターと左右幅杭の部分の点群を選択しています。
結線すると幅杭が選択されません。3点が直線上にあるのが原因です。
例−3
例-2と同じく単曲線部ですが、センターが選択されていません。3点が直線上にあるのが原因です。
高速結線
確認表示を等を省略し、点群選択と同時に結線登録を完了させることができます。
大量に結線するときにご利用ください。
[範囲取得]をクリックします
結線/連続 の[連続確定]ボタンの上に「高速処理」と書かれたチェックボックスが見えますが、有効化されていないのでチェックできません。
プロット画面で点群を選ぶと、「処理の選択」ウインドウが開きます。ここで[実行]をクリックするか、[Enter]キーを押すと結線が完了しますが、同時に[高速処理]のチェックボックスも有効化されチェックできるようになります。
チェックすると、次回の点群選択後に「処理の選択」ウインドウは開かず、[連続確定]ボタンもクリックせずに結線登録が完了します。