睡眠導入剤という名称は、睡眠薬のなかでも作用時間が短いタイプの薬剤の総称として便宜的に付けられたものです。
睡眠薬の作用時間(効果の持続時間、体から消えてゆく時間)はさまざまで、症状の強さや特徴により使い分けられます。
睡眠薬にはベンゾジアゼピン系睡眠薬、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬、メラトニン受容体作動薬などがあります。
精神安定剤は、不安を和らげる作用を持つ薬です。
「安定剤」と呼ばれることもありますが、正式な名称は「抗不安薬」です。
しかし、実際には、似たような薬が、用途によって、呼ばれ方が違ってきます。
睡眠薬も抗不安薬も、ベンゾジアゼピン系と呼ばれる薬が主役でしたが、依存形成・耐性が起きやすいという問題が大きく、徐々に非ベンゾジアゼピン系の薬がクローズアップされてきています。
別々に分類されていますが、ベンゾジアゼピン系薬物の中でも催眠作用が強いものが睡眠薬として、催眠作用が比較的少なくて不安や緊張の緩和作用が強いものが抗不安薬として使用されています。
薬の力を車のブレーキに例えると~高力価と低力価
車のブレーキを踏んで
抗不安薬は就寝前の緊張をほぐして眠りやすくするために睡眠薬代わりに用いられることもあります。
低力価であっても量を多くとれば車は止まってしまうわけです。
睡眠薬と不安薬は、一般的には「精神安定剤」とか単に「安定剤」などと呼ばれています。
精神安定剤の中で、薬の作用が強いものと弱いものとでグループが分かれます。
「安定剤(抗不安薬)・睡眠薬」=「マイナートランキライザー」
ということになります。