レム睡眠について
レム睡眠(REM-sleep)
R=Rapid=急速な
E=Eye=眼球の
M=Movement=運動
「REM:レム」とは「急速眼球運動」を意味する「rapid eye movement」の頭文字をとったものです。
REM睡眠の状態になると、眼球は眠っているのに起きている時のような素早い運動をすることから、「レム睡眠(rapid eye movement sleep)」と名付けられたのです。
レム睡眠は、最も浅い睡眠の段階であり、この間は容易に目覚めることができます。
レム睡眠の間は、まぶたが閉じられた状態のままで、眼球が急速に運動しており、寝ている人は夢を見ています。
レム睡眠は5段階ある睡眠状態の内の一つです
レム睡眠は、5つある睡眠状態のうちのひとつです。
人間の正常な睡眠では、レム睡眠と4段階のノンレム睡眠(浅いノンレム状態から深いノンレム状態へと続く)から成るサイクルが数回繰り返されています。
- レム睡眠⇒身体を休める眠り
- ノンレム睡眠⇒脳を休める眠り
眠りにつくと、はじめに浅いノンレム睡眠があらわれ、時間とともに眠りが段々と深くなり、深い睡眠状態がしばらく続きます。
その後、再び浅いノンレム睡眠状態になり、レム睡眠へと移ります。
最初のレム睡眠が現れるまでの時間は、深い睡眠の量によって左右され、平均で90分です。
レム睡眠は、およそ90分~120分の周期でノンレム睡眠と交替しながら現れます。
平常時の睡眠の場合、深い睡眠(ノンレム睡眠)は一晩の前半に多く出現し、レム睡眠は、睡眠の後半に多く出現し、朝方になるにしたがってレム睡眠の持続が長くなります。
レム睡眠と年齢
乳児期までは睡眠の約50%がレム睡眠です。
レム睡眠は、成長・発達とともに減少します。
成人では、全体の睡眠時間の約20%がレム睡眠です。
年齢が上がるほどレム睡眠期は減少し、高齢者では15%前後になります。
レム睡眠とノンレム睡眠の違い
レム睡眠は、急速眼球運動と骨格筋(抗重力筋)の筋活動の低下を特徴とし、通常は総睡眠時間の20~25%を占めます。
筋肉の緊張や反射活動は強く抑えられているため、一般的にはレム睡眠は体の睡眠と考えられています。
レム睡眠になると、眼球ばかりでなく呼吸や脈拍も増加し、血圧はノンレム睡眠の時に比べて少し高くなります。
また、神経活動が活発になり、複雑な内容の鮮明な夢を見ます。
心拍・呼吸が乱れるなど自律神経系が不安定になり、陰茎・陰核の勃起がみられます。
レム睡眠が関係する睡眠障害としては、ナルコレプシー、レム睡眠行動障害などがあります。