㈱実用技術研究室
超短パルスレーザー応用、レーザー微細加工、技術コンサルティング
超短パルスレーザー応用、レーザー微細加工、技術コンサルティング
(Sep. 2, 2025)
2025年度下期の技術セミナー&ウェビナー開催カレンダー
「レーザー安全講習」「レーザー機器管理者の実務」は、これまで通りウェビナーを定期開催します。「レーザー安全講習」は新たにレーザー業務に就かれる方への雇い入れ時等教育としてご利用頂けます。また「レーザー機器管理者の実務」は管理者に求められるレーザー安全に関する知識等に不足を自覚されている方向けのウェビナーです。
技術講座は、「オンデマンド技術セミナー・ウェビナー」として、ご要望(日時、内容等)に応じて開催します。公開ではなく、個人あるいは組織向けのセミナー・ウェビナーですので、情報の漏洩を気にすることなく、納得がいくまで議論頂けます。
(Sep. 9, 2025)
「実用技術塾・改」 11 「光電場の振幅,偏光,ビーム断面のエネルギー密度」
時空間における光電場を, A・cos(k・x-ω・t+φ0) と表すことができることを理解した.
「殆どの場合 A は光電場と考えて良い」 光は電磁波であり,電場と磁場を持っている.透磁率が大きな材料であるか,或いは光電場の作用によって空間を運動している荷電粒子は,光磁場から作用を受ける.一方でそうでない場合は,光磁場の作用は殆ど無視できる.従って,レーザー加工を含む多くの場合,光電場のみを考える.
「光電場の(最大)振幅 A をベクトル A として取扱い,偏光を表す」 光磁場の作用が殆ど無視できるならば,光の物質への作用は光電場によるものとみなせる.作用や現象の方向依存は,光電場の振動方向に原因がある.このために,光電場の(最大)振幅をベクトル化し,偏光を表す.光(ビーム)の伝播方向が z であるとき,偏光(光電場の振動方向)は,伝播方向 z と直交する x-y 平面内にある.伝播方向,光電場の振動方向,光磁場の振動方向の三つは,互いに直交している.
「光電場の(最大)振幅の自乗は,光の持つエネルギーに比例する」 光波 (電磁波) の持つエネルギーは,光電場の(最大)振幅をAe,光磁場の(最大)振幅をAhとして,(1/2) (ε0・Ae^2+μ0・Ah^2) = ε0・Ae^2 = μ0・Ah^2 = (1/c) Ae・Ah で.また光波の運ぶパワーは,c・ε0・Ae^2 で表される (c: 光速度,ε0: 真空の誘電率,μ0: 真空の透磁率).これらの式の解説は割愛する.光波の持つエネルギーや運ぶパワーが,光電場にではなく,光電場の振幅の自乗に比例することを覚えておくと,後々役に立つ.
発振器からのビーム出力をパワーメーターで計測する.出力はトップハットビームであり,パワーメータヘッド位置でのビーム直径を5 mm (面積は,0.196 cm2),また出力の繰り返し周波数は10 kHzであったとする.計測されたパワーが1 Wであるとき,パルスエネルギーは0.1 mJ.直径5 mmのトップハットビームの一パルス照射時のエネルギー密度は, ε0・Ae^2 = 0.0001 J / 0.196 cm2 = 0.000510 J/cm2.また10 kHzで繰返し照射した場合のパワー密度は, c・ε0・Ae^2 = 1 W / 0.196 cm2 = 5.10 W/cm2 になる.
次回は断面内で一様なエネルギー密度ではなく,分布を持つ場合について拡張する.
・ 「実用技術塾・改」へのご意見、ご要望をお聞かせください.
・ 新たにこのemail newsletter の配信をご希望の方は、ご登録ください.
どちらも、任意形式で PracTechLab@outlook.com までお知らせください.
弊社が定期開催してきました レーザー微細加工 や レーザー安全 に関する講座・講習,また 実用技術塾・改 での解説等を基に,受講頂く セミナー・ウェビナー の内容をご要望に沿ってアレンジします。
基本的にお申込みされた個人・会社のみに向けて開催しますので,情報漏洩などを気にされることなく,安心して質問・議論頂けます。
先ずはお気軽に,(タイトル,おおよその内容,人数,受講される方の技術ベース,日時,セミナー・ウェビナーの別,おおよそのご予算等のご要望を記載して) メールでお問い合わせ下さい。
弊社に十分な技術・情報等の蓄積のない分野・タイトルでのお引き合いの場合は,お受けできない場合があります。
レーザー安全講習 ・ レーザー機器管理者の実務
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2025年10月24日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
2025年11月28日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器管理者の実務」
2025年11月14日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥22,000 (受講料¥20,000 + 消費税¥2,000) /人・回
(Aug. 26, 2025)
「実用技術塾・改」 10 「波動を特徴づける諸変数 (3)」
伝播距離の変化に伴う波動の位相変化と,時間経過に伴う波動の位相変化の符号が逆になることの,グラフや式を用いた理解を解説した.一般的には,波動の発生源に着目すると A・cos(-k・x+ω・t+φ0) ,空間を伝播している波動をそのまま描写しようとすると A・cos(k・x-ω・t+φ0) と式で表されることが多い.この国で基礎的な教育を受けた者の多くは,異様なまでに式を偏重する傾向がある.彼らは,引数の符号が違うのであるから,これらの式で表される波動は異なるものであると,頑なに思い込む.市販されている多くのテキストには表式に更に多くのバリエーションがあり,僅かにでも表式に違いがあると,こちらのテキストの解説と,そちらのテキストの解説を,同列に並べて議論や考察に用いることをためらう.多くが,議論や考察になかなか入ることができず,「同じ波動の表式」を用いているテキストや文献を探すことに労力を費やす.
この数回の解説のタイトルは,「波動を特徴づける諸変数」である.波動を特徴づけるのは,波数 k,角振動数 ω,振幅 A である.この数回の解説の導入に 「波動方程式にある関数を代入してそれが式として成立するならば,その関数は波動を表す」と記した.波動を表すのに,どの関数を用いるかは任意である.次が最も重要である.先ず,一つの波動の時間変化及び空間変化を紙の上に描く (式が先ではなく,波動ありきから出発する).その波動を,いくつかの式で表す.空間の原点をどこに取るかで,初期位相は変化する.振幅の正の取り方 (例えば鉛直方向の振動である場合,上向きを正とするか,下向きを正とするか) には任意性がある.結果,自分が紙の上に描いた一つの波動を, A・cos(-k・x+ω・t+φ0) とも A・cos(k・x-ω・t+φ0) とも表せることに気付ける.…式偏重の呪縛は,少しでも軽くなっただろうか.
レーザー加工において,ビームの初期位相を厳密に定めるように求められることは殆どない.しばしばビームの偏光制御が重要な場合が生じるが,例えば直線偏光を鉛直面に取るか水平面に取るかの問題であり,光電場の振幅の正の方向の特定ではない.レーザー加工に従事していてそこでの諸問題について考える範囲であるならば,「波数 k,角振動数 ω,振幅 A が同じであれば,同じ波動である」として良い.次回,振幅 A の持つ意味を少し詳しく考える.
(Aug. 5, 2025)
「実用技術塾・改」 9 「波動を特徴づける諸変数 (2)」
次に,時間経過と光電場の(規格化された)振幅の関係を余弦関数を用いて示す.伝播距離 x = 0 で波動が生成されているとする.周期 T = 1 / freq は,一周期に要する時間である.周期の整数倍時間が経過する毎に整数値となるように,経過時間 t を変形する t / T = t・freq.これに 2π を掛けたものを余弦関数の引数とすることで,目的の波動の式を得る,cos(2π・t・freq) = cos(ω・t) . ω = 2π・freq を角周波数・角振動数と呼ぶ.(これに従って, k = 2π / lambda0 を角波数と呼べば初学者の困惑を防ぐことができると思うが,いまだにそのような表記を見たことがない.)
時間を固定した伝播距離と波動振幅,場所を固定した経過時間と波動振幅の関係が得られた.次に,これらを合わせて一つの波動の表式とする. cos(-k・x+ω・t+φ0). 新しく出てきた変数 φ0 を初期位相と呼ぶ.時刻 t = 0,伝播距離 x = 0 における振動の位相である.余弦関数に最大振幅 Aを掛け,任意の波動の表式が出来上がる. A・cos(-k・x+ω・t+φ0).
引数 -k・x+ω・t+φ0 で,伝播による位相変化 k・x と,時間経過による位相変化 ω・t で,符号が逆になっている.これは波動をイメージする際に重要となる.結果であるとして吟味せずに覚えるのではなく,自分で考え・理解しておくことを勧める.ここでもMicrosoft Excelを用いてみる.(1) 真空中の原点で,時刻 t = 0 から T までの間,初期位相 –π/2 で,波数 k,角周波数ωの波動を生成する (横軸時間-縦軸振幅のグラフを作成). (2) 時刻 t = (1/4)T, t = (1/2)T, t = (3/4)T, t =T における空間を伝播する光電場を,横軸伝播距離-縦軸振幅のグラフで表す.
グラフ作成にあたっては,先に次をスケッチしておくと,考えやすくなる.
(a) 原点において,時刻 0 で生成された波の位相 -π/2,時刻 (1/4)T では 位相 0,時刻 (1/2)T では 位相 π/2,時刻 (3/4)T では 位相 π,時刻 T では 位相 (3/2)π. (b) 時刻 (1/4)T では,時刻 0 で原点で生成された波の位相 -π/2 の部分は 距離 (1/4)lambda0 にある. (c) 時刻 (1/2)T では,時刻 0 に原点で生成された波の位相 -π/2 の部分は 距離 (1/2)lambda0 に,時刻 (1/4)T に原点で生成された波の位相 0 の部分は 距離 (1/4)lambda0 にある. (d) 時刻 (3/4)T では,時刻 0 に原点で生成された波の位相 -π/2 の部分は 距離 (3/4)lambda0 に,時刻 (1/4)T に原点で生成された波の位相 0 の部分は 距離 (1/2)lambda0 に,時刻 (1/2)T に原点で生成された波の位相 π/2 の部分は 距離 (1/4)lambda0 にある. (e) 時刻 T では,時刻 0 に原点で生成された波の位相 -π/2 の部分は 距離 lambda0 に,時刻 (1/4)T に原点で生成された波の位相 0 の部分は 距離 (3/4)lambda0 に,時刻 (1/2)T に原点で生成された波の位相 π/2 の部分は 距離 (1/2)lambda0 に,時刻 (3/4)T に原点で生成された波の位相 π の部分は 距離 (1/4)lambda0 にある.
これらを基にグラフを作成し比較することで,時間に対する位相変化と,伝播距離に対する位相変化が反対であることが明瞭となる.
グラフに描いた時間と伝播距離の関係が,我々が立てた波動の式で適切に表現されるかを,引数(位相)で確認する.
時刻 T,伝播距離 lambda0 にある波の位相は -k・x+ω・t+φ0 = -2π+2π-π/2 = -π/2,伝播距離 (3/4)lambda0 にある波の位相は -(3/2)π+2π-π/2 = 0,伝播距離 (1/2)lambda0 にある波の位相は -π+2π-π/2 = 1/2π,伝播距離 (1/4)lambda0 にある波の位相は -π/2+2π-π/2 = π. 時刻 (3/4)T,伝播距離 (3/4)lambda0 にある波の位相は -(3/2)π+(3/2)π-π/2 = -π/2,伝播距離 (1/2)lambda0 にある波の位相は -π+(3/2)π-π/2 = 0,伝播距離 (1/4)lambda0 にある波の位相は -π/2+(3/2)π-π/2 = π/2. ・ ・ ・ ・ ・ ・
ここでは,時間変化に伴い正の位相変化生じる波動の発生源があり,その発生源から波動が伝播していく場合を考えた.別の状況では,ある時刻に伝播距離の増加に対して正の位相変化を持つ波動の,時間及び距離の変化に対する表式を必要とする場合がある.この場合,余弦関数の引数は k・x-ω・t+φ0 になる.
余弦関数ではなく正弦関数を用いる場合もある.cos(θ) = sin(θ+π/2) であり,基本的には同じと考えて良い.オイラーの公式 exp(i x) = cos(x)+i sin(x) を見れば明らかなように,指数関数も波動方程式を満足する関数である.三角関数を用いる場合に比べて計算が容易であり,大半のテキストで採用されている.然しながら注意を要する約束事があるので,初学者は三角関数を用いることを勧める.
・ 「実用技術塾・改」へのご意見、ご要望をお聞かせください.
・ 新たにこのemail newsletter の配信をご希望の方は、ご登録ください.
どちらも、任意形式で PracTechLab@outlook.com までお知らせください.
弊社が定期開催してきました レーザー微細加工 や レーザー安全 に関する講座・講習,また 実用技術塾・改 での解説等を基に,受講頂く セミナー・ウェビナー の内容をご要望に沿ってアレンジします。
基本的にお申込みされた個人・会社のみに向けて開催しますので,情報漏洩などを気にされることなく,安心して質問・議論頂けます。
先ずはお気軽に,(タイトル,おおよその内容,人数,受講される方の技術ベース,日時,セミナー・ウェビナーの別,おおよそのご予算等のご要望を記載して) メールでお問い合わせ下さい。
弊社に十分な技術・情報等の蓄積のない分野・タイトルでのお引き合いの場合は,お受けできない場合があります。
レーザー安全講習 ・ レーザー機器管理者の実務
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2025年 9月19日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
2025年 10月24日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器管理者の実務」
2025年 9月12日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥22,000 (受講料¥20,000 + 消費税¥2,000) /人・回
(Jul. 22, 2025)
「実用技術塾・改」 8 「波動を特徴づける諸変数 (1)」
波動光学のテキストは,Maxwell’s equationsから波動方程式を導くことから,或いは波動方程式から始まるものが多い.光学のexpertを目指すならば,この手順を一度踏んでおくことを勧める.一方で,レーザー微細加工を専門とし,波動光学的知見を道具として活用したいならば,波動方程式はそこそこに,波動を特徴づける諸変数を深く理解するのが良い.
波動を正弦,余弦或いは指数関数で表すことが多い.「波動方程式を解くとこれらの関数で表される波動が出てくる」と思っているならば,それは誤りである.「波動方程式にある関数を代入してそれが式として成立するならば,その関数は波動を表す」が正しい.波動方程式を満足する関数であればどれを用いても良く,自分の扱いやすい関数を選択する.テキスト毎に,波動の表式が少しずつ異なり,独学・自習しようとする際の妨げとなる.「波動を表す式の理解」からではなく「波動を特徴づける諸変数の理解」から始めると,表式の違いはさほど気にならなくなる.
波動を特徴づける変数の代表の一つは「波長 λ0」(文字化けの対策として以降 lambda を用いる)である.光の「波長 lambda0」は,真空中或いは大気中で時刻を固定して伝播距離に対する光波の振幅変動を観察したときの,振幅の一周期変化に要する伝播距離である.屈折率が1 ではない媒質中での波長は,真空中での値よりも短くなる.媒質の屈折率が n であるとき,その媒質中での波長は lambda = lambda0 / n である.次に思い浮かぶ波動を特徴づける変数は「周波数,振動数 ν」(ν と v の識別が難しい場合を考慮して,以降 ν の代わりに freq を用いる)であろう.場所を固定して波動を観察したときの,単位時間(1秒)あたりの周期変化の数である.振動数は波長と異なり,媒質の屈折率に依存しない.波長と振動数では,振動数を重要視すべきである.波長は場所によって変化するのに加えて,波長の長短とその波長の光子の持つエネルギーは比例しない.(ドップラー効果を考慮しなければならない状況を除き)振動数は一定であり,またその大小は光子の持つエネルギーに比例する.
波長と振動数の積は,その媒質中での光の伝播速度になる.真空中或いは大気中では光速度と呼ばれ c = freq × lambda0 ,一定の値である.屈折率 n の媒質中の光の伝播速度は v = freq × lambda0 / n.真空中の光速度を,屈折率 n の媒質中の光の伝播速度で割って次式を得る,n = c / v.屈折率とは,真空中の光速度が,屈折率 n の媒質中の光の伝播速度の何倍であるかを示す.
波動を表す関数として余弦関数を選ぶ.角度(位相)の単位として rad を用いる.余弦関数は直角三角形の頂角を引数として斜辺に対する底辺の比の値を返し,引数が2π変化する毎に返される関数の値は周期変化する.伝播距離 x と光電場の(規格化された)振幅の関係を余弦関数を用いて表す.一周期に要する伝播距離は lambda0 / n.波長の整数倍進む毎に整数値となるようにこれを変形する x / (lambda0 / n).これに2πを掛けたものを余弦関数の引数とすることで,目的の波動の式を得る,cos(2π・ x / (lambda0 / n)).引数の表記が煩雑であるので,次のように纏める,2π・ x / (lambda0 / n) = k・x,k = 2π / (lambda0 / n).k を波数と呼ぶ.
赤外分光分析などでは,k = 1 / lambda0 を用いる.光学のテキストでは, k = 1 / lambda0 と k = 2π / lambda0 がどちらも波数と呼ばれて用いられている.更に,真空中の波数 k = 2π / lambda0 と屈折率の積 n・k で屈折率 n の媒質中の波数を表したり,一般化した表式 k = 2π / (lambda0 / n) を用いたりとテキスト毎にばらばらである.近い将来統一されることは,期待薄である.ここでの解説をしっかりと理解し,テキストの表記に係らず内容が理解できるようにするのが良い.
現在ではベクトル化された波数,波数ベクトルが用いられる.単位伝播距離あたりの位相変化量をスカラーとして,また伝播方向をベクトルとして持つ.
(Jul. 8, 2025)
「実用技術塾・改」 7 「光線・幾何光学」
レーザー微細加工の技術的裾野は広い.従事する研究者や技術者は,研究・開発内容の向上のために基礎技術の学習・習得に余念のないことと思う.まず手始めに,復習のために学生時代の光学のテキストを手に取ることが多いであろう.光学は,内容によって大きく「光線・幾何光学」と「波動光学」の二つに分けられる.さて,それぞれ,レーザー微細加工の諸検討にどれ程役に立つであろうか.
幾何光学は, 『(1) 「屈折率」が一様な媒質中で直進する』 『(2) 鏡面で反射し,入射角と反射角は等しい』 『(3) 屈折率界面でスネルの法則に従って屈折する』 『(4) 光路長最短の法則』等からなり,最初に「一本の光線がどのように伝播するか」について習う.次いで,無収差のレンズにおける焦点,結像を学ぶ.レーザー微細加工ではなく,マクロ加工であるならば,ほぼビームを一本の光線とみなした検討で殆ど支障は生じない.中学・高校の理科・物理が理解できていれば十分である.然しながら,微細加工では殆ど役に立たない.微細加工で重要となるのは,焦点や結像の「質」である.理想的な焦「点」は得られない.利用しようとしている焦点がどの程度の広がりを持ってしまうか,或いは結像にどの程度のボケや歪が出るかの理解が重要である.これらの問題は,幾何光学の中でも収差の問題として扱われる.然しながら,その学習は少々敷居が高い.中学生でも理解できるスネルの法則の範囲でこれらを十分に検討しておくことは,「光学的センス」に磨きをかけるのに役立つ.
焦点の形成も,結像も,レンズの問題である.レンズは曲面を有しているので,一本の光線だけではその機能を求められない.レンズ曲面で屈折する数多くの光線の総和として,焦点や結像の質を評価できる.レンズ入射面及び出射面の表式,レンズ屈折率,光線の始座標,レンズ入射面上の光線座標から,レンズ入射面での入射角・屈折角,レンズ出射面上の光線座標が得られ,次いでレンズ出射面での入射角・屈折角,レンズ出射面以降の光線の伝搬の様子が得られる.手計算であるならば,一本の光線について計算を行うだけで,以降の気力が続かない.然しながら,国内の殆どの研究者・技術者の手元には,Excelや同等の機能の表計算ソフトがある.シートを作る手間は,一本の光線についての手計算に要する手間程度である.数十本の光線についての計算及びそのグラフ化は,Excelがやってくれる.平凸レンズのどちらを入射面とするのが微細な焦点を得るのに適しているかのExcel計算による比較,ザイデルの五収差のExcel計算による再現等を行うことで,レンズをどのように使いこなしたらよいかが,具体的に理解できる.
初級の幾何光学の知識は,有していて当然であり,持たぬままにこの仕事に就くことは無謀である.その復習はするに越したことはないが,したからと云って技術レベルの劇的な向上につながる訳でもない.役に立つことが期待できるのは,収差論あたりであるが,無味乾燥でテキストで独学するのは一寸辛い.面倒なところはExcelに任せ,数値計算的に理解・体得されることをお勧めする.
「レーザービームはコリメートされており,近軸近似が成立する条件でレンズに入射させるので,ザイデルの五収差の影響を受けない」と理解されている方にとっては,ザイデルの五収差のExcel計算は無意味と思われるだろう.実は,レンズが無収差であったとしても,ビーム特性に起因する収差が微細加工に影響を及ぼす.この収差の影響の理解に,ザイデルの五収差のExcel計算による再現の経験は役に立つ.
Excelは,実に多様・多種の関数が備わっている.このExcelの利用の経験を契機に,これまであまり利用の機会のなかった技術者の方々が,活用の度合いを深め,より大きな技術的成果に繋げてくれるならば,それは望外の喜びである.
・ 「実用技術塾・改」へのご意見、ご要望をお聞かせください.
・ 新たにこのemail newsletter の配信をご希望の方は、ご登録ください.
どちらも、任意形式で PracTechLab@outlook.com までお知らせください.
弊社が定期開催してきました レーザー微細加工 や レーザー安全 に関する講座・講習,また 実用技術塾・改 での解説等を基に,受講頂く セミナー・ウェビナー の内容をご要望に沿ってアレンジします。
基本的にお申込みされた個人・会社のみに向けて開催しますので,情報漏洩などを気にされることなく,安心して質問・議論頂けます。
先ずはお気軽に,(タイトル,おおよその内容,人数,受講される方の技術ベース,日時,セミナー・ウェビナーの別,おおよそのご予算等のご要望を記載して) メールでお問い合わせ下さい。
弊社に十分な技術・情報等の蓄積のない分野・タイトルでのお引き合いの場合は,お受けできない場合があります。
レーザー安全講習 ・ レーザー機器管理者の実務
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2025年 8月22日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
2025年 9月19日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器管理者の実務」
2025年 9月12日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥22,000 (受講料¥20,000 + 消費税¥2,000) /人・回
(Jun. 17, 2025)
「実用技術塾・改」 6 「アブレーション加工機と真空紫外」
光電子放出や光イオン化によって材料表面から価電子を大量に脱離させることが,アブレーションに繋がることを理解した.可視~近赤外の超短パルスレーザーを用いる場合,光子エネルギーが足りないので,多光子吸収が必須となる.より波長の短い光源を用いれば,多光子吸収に依存せずにアブレーションが実現できるように思える.一般に深紫外は200~300 nm (約1.0~1.5 PHz),真空紫外は100~200 nm (約1.5~3.0 PHz) とされる.光子エネルギーは,深紫外 (約6.63~9.95E-19 J),真空紫外 (約9.94~19.9E-19 J) である.一方,光電子放出の仕事関数はおおよそ5.6~9.6E-19 J,絶縁材料の光イオン化エネルギーはおおよそ6.4~13.6E-19 Jの範囲にある.深紫外光源を用いれば金属材料の殆どでアブレーションのきっかけとなる光電子放出を,真空紫外光源を用いれば絶縁材料を含むほぼ全ての材料で,多光子吸収に依存せずに価電子を真空準位に遷移させることができる.
「実用アブレーション加工」は,除去したい体積内の (固体形成や分子形成の役割を担っている) 価電子を,極短時間にほぼ根こそぎに真空準位に遷移させることが前提となる.例えば波長約530 nm,持続時間が10 ps~180 fsの超短パルスレーザーの場合,加工部での照射光子面密度として ≧ 1E18 /cm2 が必要である.この光子密度を持つ平行ビームは光学素子等に損傷を生じさせる.ビーム断面における密度は光学素子の損傷閾値以下とし,集光照射部でのみ必要な密度を得るのが実際的である.実用加工機を前提とすると,ビームの集光照射に限定される.一般に,ガラス製凸レンズが集光に用いられる.深紫外の200 nmあたりまでは石英ガラス製レンズを安定に利用できるが,真空紫外になると,特殊な材料や一般的ではない構造の集光素子が必要となる.真空紫外の名前は,大気中の酸素や窒素などによって強く吸収されるため,安定に利用するには真空を必要とすることによる.従って真空紫外光源を用いようとすると,真空チャンバが必須となる.現時点では真空紫外光源を用いたアブレーション加工機は,汎用性に劣る.
石英ガラス製凸レンズが利用でき,かつ真空を必要としない波長であることは,実用の観点で重要である.境目の波長をおおよそ200 nmとする.発振波長1 µmの第五高調波が,この境目にあたる.第五高調波の工業利用は,「必要な高調波出力レベルを安定に想定コスト内で得られるか」の観点で問題がある.現状では,第二及び第三高調波出力が工業的に安定に利用可能と考えられる.レーザー波長が短いと,多光子吸収に依存しないアブレーションが期待でき,また依存するとしても多光子過程の次数が低くて済み,アブレーション加工の閾値パルスフルーエンスが低くなる.工業的アブレーション加工に適した光源は,発振波長1 µmの第四高調波出力と予想される.同一加工を,第二,第三,第四高調波出力で実施した結果の比較が,発振器メーカーや加工機メーカーから公開されることを期待する.
(Jun. 3, 2025)
「実用技術塾・改」 5 「照射光子間平均距離,照射光子面密度」
金属結合やイオン結合,共有結合等,物質や固体の成り立ちに重要な役割を果たしている「価電子」は,深紫外を含む高周波数 (高エネルギー) 電磁波によって,物質や固体から引き抜かれて真空準位に達することを理解した.然しながらこれまで,光電子放出や光イオン化の結果として,照射部の体積が大量に除去されたという報告を耳にしたことはない.我々が実験室や職場で目にしているレーザーアブレーションと,光電子放出や光イオン化とを結びつけるには,照射光子間平均距離や照射光子面密度を考える必要がある.
照射スポットにおけるパルス体積をパルスに含まれる光子数で割り,その三乗根を取ることで,照射光子間平均距離が得られる.ナノ秒パルスレーザーによる微細加工の典型条件 (波長532 nm,パルス幅10 ns,パルスフルエンス5 J/cm2) の照射光子間平均距離は28.2 nmである.フェムト秒パルスレーザーによるアブレーション加工の典型条件 (波長530 nm,パルス幅180 fs,パルスフルエンス0.5 J/cm2) の場合は1.59 nmである.典型加工条件からパルスフルエンスを下げてゆき<0.01 J/cm2では金属材料においてもアブレーションが殆ど期待できない.この場合の照射光子間平均距離は>5.87 nmである.ナノ秒パルスレーザーでは,特殊な材料で多光子過程による波長変換が利用されているが,通常の材料では多光子過程は殆ど観測されない.一方でピコ秒,フェムト秒レーザーでは,集光照射でアブレーションが観測されている.可視光の周波数領域での多光子吸収の出現確率は,照射光子間平均距離が数十nm程度では極めて低く,数nm程度よりも短くなると急激に増大し,ほぼ1になると推測される.また,この多光子吸収の出現確率の閾値は,多光子吸収の次数の増大に連れて僅かずつ大きくなるが,全体としては照射光子間平均距離が約5 nmよりも短くなると次々と立ち上がっていくように思われる.
固体の銅から銅原子を一つ取り出すのに必要なエネルギーは,昇華熱に等しい.アブレーションの場合は光電子放出が基になっており,固体表面から銅イオンと電子の対が取り出されるので,対あたりに必要なエネルギーは昇華熱と第一イオン化ポテンシャルの和,約17.4E-19 J / (Cu+ & e)である.波長530 nmの光子エネルギーは3.75E-19 Jであり,固体銅表面から銅イオンと電子の対を一つ取り出すのに,5つ分の光子エネルギーが必要になる.パルスエネルギーを光子エネルギーで割り,さらに照射点のスポット面積で割ると,1パルス照射時の照射スポット内の照射光子面密度が得られる.アボガドロ数をモル体積で割ると,物質の原子密度が得られる.被照射材が銅 (Cu) であるとき,8.47E22 /cm3である.照射光子5つで固体銅表面の銅イオンと電子の対一つが脱離するとしたとき,(照射光子面密度 / 5) を物質の原子密度で割ることで,1パルス照射時の除去深さが算出できる.フェムト秒パルスレーザーによるアブレーション加工の典型条件 (既出) では,照射光子面密度は1.33E18 / cm2である.多光子吸収が安定に成立する閾値近傍のパルスフルエンス~0.01 J/cm2では照射光子面密2.67E16 /cm2.それぞれの 1/5 を銅原子密度で割り,1パルス照射による除去深さは,典型加工条件で31.4 nm,多光子吸収の閾値パルスフルエンス近傍で0.630 nm.実用上,この50倍の差は大きい.例えば典型加工条件で1時間で済む加工が,加工閾値近傍では約2日を要する.アブレーションによる体積除去は,照射光子面密度が1E18 /cm2程度を超えないと実用的にならない.
実験を通して得られた経験知を駆使すると,上述の絵が描ける.照射光子間平均距離と多光子吸収の出現確率等の詳細については,研究機関等の取り組みに期待する.
・ 「実用技術塾・改」へのご意見、ご要望をお聞かせください.
・ 新たにこのemail newsletter の配信をご希望の方は、ご登録ください.
どちらも、任意形式で PracTechLab@outlook.com までお知らせください.
弊社が定期開催してきました レーザー微細加工 や レーザー安全 に関する講座・講習を基に,受講頂く セミナー・ウェビナー の内容をご要望に沿ってアレンジします。
基本的にお申込みされた個人・会社のみに向けて開催しますので,情報漏洩などを気にされることなく,安心して質問・議論頂けます。
先ずはお気軽に,(タイトル,おおよその内容,人数,受講される方の技術ベース,日時,セミナー・ウェビナーの別,おおよそのご予算等のご要望を記載して) メールでお問い合わせ下さい。
弊社に十分な技術・情報等の蓄積のない分野・タイトルでのお引き合いの場合は,お受けできない場合があります。
レーザー安全講習 ・ レーザー機器管理者の実務
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2025年 7月18日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
2025年 8月22日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器管理者の実務」
2025年 7月11日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥22,000 (受講料¥20,000 + 消費税¥2,000) /人・回
(May 20, 2025)
「実用技術塾・改」 4 「電磁波の作用の周波数依存」
静電場,静磁場は時間に依存せず一定である.電磁波の電場,磁場は周波数に応じて変化する.低周波数では時間変化はゆっくりであり,高周波数ではせわしなく変化し続ける.静電場中での「荷電粒子」や「電気双極子」の挙動 (力学的運動) から,低周波数の交流電場下の「荷電粒子」や「電気双極子」の力学的運動が推測される.一方で,高周波領域では高周波変化に追従した力学的運動は困難であろうと思われる.
通信や放送に,ラジオ波と呼ばれる電磁波が利用される.ダイポールアンテナは,ラジオ波の交流電場がアンテナ上の「荷電粒子」に作用して生じる電荷分布 (電圧) 変化を信号として用いる.ループコイルアンテナは,ラジオ波の交流磁場により生じる誘導電流の変化を信号として用いる.
もう少し周波数が高いマイクロ波 (300 MHz~300 GHz) は,スマホや衛星放送,電子レンジ等で利用される.アンテナの方式は変わるが,交流電場や交流磁場の「荷電粒子」への作用により信号を得るのは同じである.電子レンジでは,「永久(電気)双極子」である水分子が,電場の符号変化に応じてその向きを変化させる際に生じるエネルギー損失 (発熱) を利用する.いずれの場合も,「荷電粒子」としての「電子」或いは「電気双極子」が実際に動く.ここで現れてくるエネルギーは量子化されておらず,連続の値を取る.それゆえに,ここまでの領域の電磁波は ”波” としての性質を強く示す.
近赤外から浅い紫外領域 (100 THz~1000 THz) の電磁波 (光) の場合を考える.この領域では,原子や分子を構成する「軌道電子」や,分子を構成する官能基 (側鎖,置換基) に現れる正電荷分布中心と負電荷分布中心の空間的ずれ (電気双極子) に作用する.作用の結果「軌道電子」は軌道遷移するが,光子のエネルギーと軌道遷移に必要なエネルギーは等しくまた離散的な値を持つ.また官能基等に分子振動が励起される場合も,励起される振動モードのエネルギーと光子のエネルギーは等しくまた離散的な値を持つ.この周波数領域では,「荷電粒子」や「電気双極子」が属する原子や分子はほとんど動かず,作用の結果,「電子」や「電気双極子」のエネルギー状態が変化する.従って,低周波領域における「荷電粒子」や「電気双極子」のマクロ的な運動は認められない.さらに電磁波を量子に捉える方が理解しやすくなる.
より高い周波数領域に移る.浅い紫外と深紫外の間で区分する.周波数で約1000 THZ,光子エネルギーで約4.4 eVが境目となる.この領域でも,電磁波の作用する対象は荷電粒子である「軌道電子」であり,電磁波は量子的な性質を強く示す.低周波数の電磁波の作用と明らかに異なる特徴が現れる.(1) 低周波数領域では作用対象は母材 (原子,分子,固体,…) に留まるが,深紫外を含む高周波数領域では,作用の結果,母材の束縛を断ち切って真空準位に達するものが出てくる.(2) 近赤外から浅い紫外領域では,軌道遷移や,振動モード等の励起に要するエネルギーと,光子エネルギーは等しくなければならなかった.軌道電子が真空準位に至るためには仕事関数或いは光イオン化エネルギーを超えるエネルギーの光子であればよく,過剰のエネルギーは自由空間に飛び出した電子の運動エネルギーとなる.これらの作用・現象は,光電子放出や光イオン化,また分光分析の分野ではUPS (Ultraviolet Photoelectron Spectroscopy) やXPS (X-ray Photoelectron Spectroscopy) として理解され,また利用されている.
(May 6, 2025)
「実用技術塾・改」 3 「光の場」
電磁波としての光を考える入り口として,先ず静電場について復習する.高校の物理で静電場を習う.最も単純な系として,二枚の無限の広さの導体平板を平行に距離 r [m] 隔てて設置し,平板間に φ [V] の電位差を与える.平板間には E = φ / r [V/m] の一様な静電場が形成される.この静電場中に q [C] の電荷を(持つ質量 m [kg] の粒子を)置くと,電荷の符号に応じた向きに F = q E [N] の力を受ける.平板間が真空であるならば,運動方程式 F = α m に従い,平板に到達するまでの間等加速度運動をする.荷電粒子の運動は電流とみなされ,磁場が生成される.この磁場の形成はアンペールの法則に加え、ビオ・サバールの法則により記述される.一度学んだことであるから,静電場の復習は難しくない.であるのに,これが光電場に繋がっていくというのが「何となく腑に落ちない」という人が多い.何故か? 静電場の存在は「潜在的」である.そこに電荷や電気双極子を持ち込んで初めてそれに働く力として,或いはそれになされる仕事によってその存在を知ることができる.一方日常での光の存在は,「顕在的」である.探さずとも,あればそこが明るく見える.「潜在的」なものと「顕在的」なものは,別物と思える.
高校では,静電場よりも先に地球と地球上の質量を有する物体との間に働く重力場を習う.地面や机の上の物体,木にぶら下がった果実などは静止しており,重力の影響は隠れている.これらの物体も,支えの無い自由空間に置かれると重力が働き,等加速度運動が地面に達するまで続く.地上から h [m] の高さにあることで質量 m [kg] の物体が持つ位置エネルギー m g h (g: 重力加速度)が,地面に到達する時には運動エネルギー (1/2) m v^2 に姿を変える.物体が支えのある状態にあるとき重力場の存在は「潜在的」であり,支えを失った物体が自由空間にある時その働き・影響は「顕在化」する.「潜在的」であることを「ポテンシャル」の語で表す.
前回解いた「光についての誤解」を思い出してほしい.レーザービームが直接に眼に入らずとも,大気圏内でレーザービームが明瞭に見ることができるのは,大気中の塵・埃による散乱光が眼に届くからである.何もなければその空間を光は文字通り「素通り」する.「素通り」状態にある光を我々は知ることができない.光とモノとの間で力が作用したりエネルギーの移動があるとき,そのモノを通して我々は光の存在を知ることができる.光は場である.光の場は「潜在的」・「ポテンシャル」であり,モノと出会わなければ「素通り」し,モノと出会うと力を及ぼしたりエネルギーのやり取りをする.
光が塵・埃により散乱される場合の多くは,エネルギーの変化は無視できる.我々の興味は,光のエネルギーの加工への応用である.特別な場合を除いて,以降光の散乱は議論しない.
・ 「実用技術塾・改」へのご意見、ご要望をお聞かせください.
・ 新たにこのemail newsletter の配信をご希望の方は、ご登録ください.
どちらも、任意形式で PracTechLab@outlook.com までお知らせください.
弊社が定期開催してきました レーザー微細加工 や レーザー安全 に関する講座・講習を基に,受講頂く セミナー・ウェビナー の内容をご要望に沿ってアレンジします。
基本的にお申込みされた個人・会社のみに向けて開催しますので,情報漏洩などを気にされることなく,安心して質問・議論頂けます。
先ずはお気軽に,(タイトル,おおよその内容,人数,受講される方の技術ベース,日時,セミナー・ウェビナーの別,おおよそのご予算等のご要望を記載して) メールでお問い合わせ下さい。
弊社に十分な技術・情報等の蓄積のない分野・タイトルでのお引き合いの場合は,お受けできない場合があります。
レーザー安全講習 ・ レーザー機器管理者の実務
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2025年 6月20日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
2025年 7月18日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器管理者の実務」
2025年 7月11日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥22,000 (受講料¥20,000 + 消費税¥2,000) /人・回
(Apr. 22, 2025)
「実用技術塾・改」 2 「光,電磁波」
光とは何かを考える前に,日常における「光についての誤解」を解いておく.レーザーを取り上げたTVニュースなどで,ビーム状のレーザーが鮮やかに映っていることが多い.処によっては観測用のレーザービームが空に向けて出射されているのを眼にすることがある.円筒(ビーム)状の赤や緑のレーザーを見て,「光そのものが色を持ち」,「(可視)光があるならば必ずその存在を目視できる」と殆どの人が思い込んでいる.「色は網膜の錐体が付与する情報」であることを,既に「開講準備1」で示した.大気圏内でレーザービームの形をくっきりと眼にすることができるのは,大気中の塵・埃が光を散乱するからである.散乱光のうち眼に入ってくるものによって,ビームを直接眼にしていると勘違いする.例え顔の真横をビームが通っていたとしても,「眼に入ってくる成分がないならばその存在を眼では認識できない」.このことはクリーンルーム関連の技術者には自明である.
光は電磁波である.多くの場合,例えばある時刻における電磁波を,伝播方向をz,電場(界)の振動方向をx,磁場(界)の振動方向をyにとった図で示す.これは直線偏光である.(楕)円偏光であったとしても,伝播方向,電場及び磁場の振動方向の三つは各位置で互いに直交している.ある地点における電磁場の時間変化は,先の図の(-z)を時間 t と取ることで得られる.殆どの人は,直線偏光や楕円偏光の電磁波の図を示されてもピンとこない.何故か.生活において電磁波はスマホ・テレビ・ラジオ等のデータの送受信,電子レンジの加温等に利用されているが,多くの人は実際にどのように働いているかを十分には理解していない.一方で,生まれてから現在に至るまで,光は人々の生活に寄り添い,人々は光を良く分かった積りでいる.その光が,ラジオ波やマイクロ波と同じ仲間であるとはとても思えない.・ ・ ・日常生活ではそのままでも構わないが,少なくとも超短パルスレーザー加工技術を考える場合は,正しく理解する必要がある.
超短パルスレーザー加工の典型条件(波長約530 nm,パルス幅180 fs)では,ワーク表面での平均光子間距離は約 1.6 nmである.集光照射している超短パルスの持続時間の間,ワーク表面の縦横間隔が1.6 nmの網目格子の全てに常に光子が存在しているとみなせる.地上の太陽光(平均光子間距離約 50 μm)で同様の網目格子の全てに光子を入射させるには,約 163 μsを要する.このように穏やかに光子が降り注ぐ環境であったから生命,人類が地球上に誕生できた.一方で,一つの光子がワーク表面に何らかの変化を引き起こしたとしても,このように光子がまばらにしか飛来しなければ,同一点に次の光子が来るまでの間に変化は元に戻ってしまう.超短パルスレーザー加工では,一つの光子が引き起こした変化が継続している間に,隣接する或いは次に飛来する光子によって更なる変化が生じることが予想される.日常生活での経験では,太陽光は暖かさを恵んでくれるものであり,その理解で特段の支障はなかった.超短パルスレーザーの集光照射点では,光そのものによって直接に物質の集合状態に変化が生じる.これを理解するベースとして,光と物質の相互作用,広義の光電効果が重要である.
次回,光電場,光磁場が,何に,どのように作用するかを考える.
(Apr. 8, 2025)
「実用技術塾・改」1 「光線光学,屈折率」
レーザー光源からワークに至るレーザー光路の検討では,「光線光学」が用いられる.『(1) 「屈折率」が一様な媒質中で直進する』 『(2) 鏡面で反射し,入射角と反射角は等しい』 『(3) 屈折率界面でスネルの法則に従って屈折する』 『(4) 光路長最短の法則』 等からなる「光線光学」は,日常生活での経験を基に直感的に理解しやすい.(4) は馴染がないと多くの方は思われるだろうが,夏の灼熱の道路で現れる逃げ水や,魚津市でよくみられる蜃気楼等がそれである.「光線光学」を基に諸検討を行う際に重要となるのは「屈折率」である.
レーザー熱加工では,レーザーのエネルギーが照射点で熱に変換され,加工点温度が上昇する.どれ程のエネルギーが吸収されるかは,光透過性材料は光吸収係数から,非透過性材料は (1-エネルギー反射率) から推測できる.消衰係数と呼ばれる「複素屈折率」の虚数項と光吸収係数が直接関係すること,またエネルギー反射率が「屈折率」から算出されることは,この分野の技術者には自明である.ここでも「屈折率」は重要である.加工に先立って加工材のレーザー波長での屈折率を得ておくことは,レーザー加工屋の基本である.
一方で,材料表面での光の吸収・反射特性は,材料の表面状態に敏感である.多くの場合,加工対象の表面は汚れており,また表面に酸化層が形成されている.このような材料表面での光の吸収・反射は,清浄表面で期待されるものと異なる.加工材の表面状態を事前に把握しておくことは加工全般における基本であるが,非接触加工であるレーザー加工では特に重要である.
中学~高校で学ぶ「光線光学」,複素数へと拡張された「複素屈折率」は,割と広い分野で有効であり,役に立つ.レーザー熱加工では,これらを基に照射(加工)点で発生する熱量を推測する.以降は熱の問題であり,材料の熱特性,熱拡散等を用いて課題を検討する.
広い分野で有効なこれらの考え方は,超短パルスレーザー加工ではほとんど役に立たない.次回以降,光とは何かに立ち返って,光と物質の相互作用を考える.
・ 「実用技術塾・改」へのご意見、ご要望をお聞かせください.
・ 新たにこのemail newsletter の配信をご希望の方は、ご登録ください.
どちらも、任意形式で PracTechLab@outlook.com までお知らせください.
弊社が定期開催してきました レーザー微細加工 や レーザー安全 に関する講座・講習を基に,受講頂く セミナー・ウェビナー の内容をご要望に沿ってアレンジします。
基本的にお申込みされた個人・会社のみに向けて開催しますので,情報漏洩などを気にされることなく,安心して質問・議論頂けます。
先ずはお気軽に,(タイトル,おおよその内容,人数,受講される方の技術ベース,日時,セミナー・ウェビナーの別,おおよそのご予算等のご要望を記載して) メールでお問い合わせ下さい。
弊社に十分な技術・情報等の蓄積のない分野・タイトルでのお引き合いの場合は,お受けできない場合があります。
レーザー安全講習 ・ レーザー機器管理者の実務
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2025年 5月23日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
2025年 6月20日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器管理者の実務」
2025年 5月16日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥22,000 (受講料¥20,000 + 消費税¥2,000) /人・回
(Mar. 25, 2025)
「実用技術塾・改」開塾準備2 「数値的検討」
代表的なレーザー熱加工に金属板材への「貫通穴あけ」がある。所望の場所にレーザービームを集光照射する。多くの場合、持続時間がミリ~マイクロ秒程度のレーザーパルスの1ショットと、照射ビームと同軸に配置されたガスジェットを用いる。レーザー照射により所望の場所の金属材料を溶融させ、その金属融液をガスジェットで吹き飛ばすことで、所望の貫通穴を得る。非常に明快である。
中学~高校で、物質の三態や融解熱、気化熱を学ぶ。所望の場所が溶融した後もレーザーを照射し続ければ、やがて金属融液は金属蒸気に変化して飛散してゆく。わざわざガスジェットを用いなくとも、貫通穴形成は可能であり、系が単純になるので加工の再現性・安定性は増すと思われる。
厚さ1.0 mmtの鉄(Fe)板に、直径0.2 mmφの貫通穴を形成する場合を考える。除去すべきFeは、4.42E-6 molに相当する。Feは融解熱13.8 kJ/mol、気化熱340 kJ/molである。穴の体積に相当する固体Feを溶融させるのに0.061 J/pulse、Fe融液を気化させるのに1.5 J/pulseのエネルギーが必要になる。(温度上昇に要する比熱分のエネルギーは無視した。) 1ショットで固体を気化させて貫通穴を形成するのに必要なパルスエネルギー 1.56 J/pulseを出力できるレーザー光源は入手可能であるが、高価である。熱拡散やその他エネルギーロスを考慮すると、実際に必要なパルスエネルギーはさらに大きくなると予想される。一方で、沸点に至らなくとも、融点を大きく超えれば融液の粘性は下がってガスジェットにより容易に吹き飛ばせる。さらに穴周囲のドロスやドロップレットの付着の低減、穴形状のキレの向上の効果も加わり、同軸のガスジェットの併用が主流になったと思われる。
溶融熱、気化熱またガスジェットなど、この領域の技術者であれば誰でも耳にするが、ただ知っているだけの知識に過ぎない場合が多い。それらを、生きた技術知識とするのに、ここで紹介したような数値的検討が役に立つ。
「実用技術塾・改」の連載を新年度より始めます。具体的には、この email newsletter の前半で「実用技術塾・改」を連載します。(後半では、従来通り技術講座やレーザー安全関連のウェビナー・セミナーをご案内します。)
(1) 「実用技術塾・改」へのご意見、ご要望をお聞かせください。
(2) 新たにこのemail newsletter の配信をご希望の方は、ご登録ください。
どちらも、任意形式で PracTechLab@outlook.com までお知らせください。
(Mar. 11, 2025)
「実用技術塾・改」開塾準備1 「可視光、光の色」
街にあふれる電飾は、様々な「色」の光を放つ。多くの人にとって、「光」「光線」を特徴づけるものの一つは「色」であろう。例えば、照明光が赤いリンゴを照らしたならば、リンゴ表面では赤を除いた「光」が多く吸収され、赤を主成分とした「光」が反射され、これが眼に届く。リンゴから眼に至る光路において、光線は赤いのか? 多くの人は、赤い光線が走っていると思うだろう。もう少し掘り下げてみる。光を感じるのは何か? 人間では眼の網膜、もう少し詳しくは桿体(明暗)、錐体(色)が光を感じる。人工的な機器、例えば光パワーメーターによって、光の存在(明暗)をとらえることができる。一方で、人工物は光の色を直接に判断できない。光の波長を計測できる人工物はある。その場合でも波長と色との対応は、人為的に与えられる。話が冗長になってきたので、結論に移る。自由空間を走る「光」「光線」は、波長を有するが、「色」は持たない。「色」は「光」が網膜に届いた際に錐体が付加する情報である。「色」が、「光」を特徴づける性質でないことが理解できた。
日常生活における「光」を考える。多くの人にとって、「光」とは「可視光」である。眼に見える光、視野・視界を明るくしてくれるものを、日常生活で「光」と呼ぶ。紫外光、赤外光は眼に見えないから、日常生活では「光」としない。眼に見える=桿体が感知できる「光」が「可視光」である。「光」を特徴づける性質による分類ではなく、網膜の機能による分類である。光の現象や、光に関する技術を論じるにあたり、日常生活における「常識」、「光」=「可視光」は、邪魔なだけで、益はない。
人類の発生において、液体の水の存在が重要であったという。気相や固相の水を避けるには、熱源・光源である太陽から適当な距離にある必要がある。その距離では降り注ぐ光子の密度は高くなく、「光」が物質に強く作用することはない。「光」は空気と同様に、あって当たり前の、有難い存在である。日常生活において、時として空気の流れである風は人間にとって脅威となることがあるが、ほとんどの場合において「光」は人間に穏やかに寄り添う。太陽光を虫眼鏡で集め、黒色紙を焼く。低学年の小学生が授業で経験するほどであるからまあ安全であるが、集光を眼に入れた場合は失明の危険があることも教わる。地上で経験する穏やかな「光」についてのこの学習は、レーザーの熱応用で割と役に立つ。
超短パルスレーザーについての初学者は、適切なイメージを得るのに苦労する。超短パルスレーザーが他のレーザーと大きく異なる点は、光子の時間密度が桁違いに高いことにある。超短パルスレーザーの集光点の光子の時空間密度は、日常で教わる危険な「光」=太陽光の凸レンズ集光点の実に~100万倍である。これほどの差があると、日常生活での「光」についての常識は、 超短パルスレーザーによるアブレーションの理解に全く役に立たない。
新しく技術を習得する場合や技術的課題に直面した場合など、これまでに覚えた技術知識や習得した技術に加えて、日常生活を通して得た「常識」をもとにして理解や解析を試みる。日常生活における「光」に関する理解は、確かにレーザーの熱応用では役に立つが、超短パルスレーザー応用では全く役に立たない。超短パルスレーザー応用に興味のある方は、これを強く意識されたい。
「実用技術塾・改」の連載を新年度より始めます。具体的には、この email newsletter の前半で「実用技術塾・改」を連載します。(後半では、従来通り技術講座やレーザー安全関連のウェビナー・セミナーをご案内します。)
(1) 「実用技術塾・改」へのご意見、ご要望をお聞かせください。
(2) 新たにこのemail newsletter の配信をご希望の方は、ご登録ください。
どちらも、任意形式で PracTechLab@outlook.com までお知らせください。
弊社が定期開催してきました レーザー微細加工 や レーザー安全 に関する講座・講習を基に,受講頂く セミナー・ウェビナー の内容をご要望に沿ってアレンジします。
基本的にお申込みされた個人・会社のみに向けて開催しますので,情報漏洩などを気にされることなく,安心して質問・議論頂けます。
先ずはお気軽に,(タイトル,おおよその内容,人数,受講される方の技術ベース,日時,セミナー・ウェビナーの別,おおよそのご予算等のご要望を記載して) メールでお問い合わせ下さい。
弊社に十分な技術・情報等の蓄積のない分野・タイトルでのお引き合いの場合は,お受けできない場合があります。
レーザー安全講習 ・ レーザー機器管理者の実務
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2025年 4月25日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
2025年 5月23日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器管理者の実務」
2025年 5月16日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥22,000 (受講料¥20,000 + 消費税¥2,000) /人・回
(Feb. 25, 2025)
2025年度上期の技術セミナー&ウェビナー開催カレンダー
「レーザー安全講習」「レーザー機器管理者の実務」は、これまで通りウェビナーを定期開催します。「レーザー安全講習」は新たにレーザー業務に就かれる方への雇い入れ時等教育としてご利用頂けます。また「レーザー機器管理者の実務」は管理者に求められるレーザー安全に関する知識等に不足を自覚されている方向けのウェビナーです。
技術講座は、「オンデマンド技術セミナー・ウェビナー」として、ご要望(日時、内容等)に応じて開催します。公開ではなく、個人あるいは組織向けのセミナー・ウェビナーですので、情報の漏洩を気にすることなく、納得がいくまで議論頂けます。
実用技術塾・改
弊社webサイトで、アーカイブされている「旧・新 実用技術塾」は、内容が陳腐化してきました。一方で、現在でも日々多くの方が「旧・新 実用技術塾」を利用されています。利用者の便利のために、内容を新しくした「実用技術塾・改」の連載を新年度より始めたいと思います。
具体的には、このemail newsletter の前半で「実用技術塾・改」を連載します。(後半では、従来通り技術講座やレーザー安全関連のウェビナー・セミナーをご案内します。)
(1) 「実用技術塾・改」へのご意見、ご要望をお聞かせください。
(2) 新たにこの email newsletter の配信をご希望の方は、ご登録ください。
どちらも、任意形式で PracTechLab@outlook.com までお知らせください。
(Feb. 12, 2025)
Niftyのブログサービス「ココログ」において、2015年6月から2020年1月にかけて、「(新・旧)実用技術塾」のタイトルでレーザーおよび超短パルスレーザー加工技術などに関する技術事項を紹介してきました。これらのアーカイブは、ココログおよび弊社webサイトで現在もご覧いただけます。
2025年現在も、毎日多くの方が「(新・旧)実用技術塾」の閲覧のために、ネット検索に導かれて、ココログを訪問されています。必要とされる情報がネット上にあまり出回っていないことが、閲覧数が持続している理由と思っています。
5~10年以上も前のブログ記事ですので、内容は陳腐化しています。成熟した技術に関しては現在でも通用する記述ですが、アブレーションなど十分に理解されていなかった事柄に関しては、当時の我々の考え方の変遷がそのまま残っていますので、部分的に情報を拾う学生さんたちは一部分のみを読んで誤った結論に辿り着きかねません。
役目を終えたとして全削除を考えましたが、継続する閲覧数が情報を探し求める方々の足跡であると考えると、代わりとなるものを新たにネット上に置くのが彼らの役に立つかとも思っています。
皆さんのご意見をお聞かせいただけないでしょうか。「役に立たないから全削除」とはっきりお伝えいただければ、削除する我々の背中を押していただけます。また「一部の手直しで良い」と言っていただければ、手間は最小で済みます。「折角新しくするのであれば、こんなまとめ方はどうか」といった、章立てや項目案をお示しいただければ、結果としてこの領域で苦労されている方々のお役に立てるものをネット上に残すことにつながるかもしれません。
特に形式は定めません。お手すきの折に、思いつくままにメール (PracTechLab@outlook.com) でお知らせください。
弊社が定期開催してきました レーザー微細加工 や レーザー安全 に関する講座・講習を基に,受講頂く セミナー・ウェビナー の内容をご要望に沿ってアレンジします。
基本的にお申込みされた個人・会社のみに向けて開催しますので,情報漏洩などを気にされることなく,安心して質問・議論頂けます。
先ずはお気軽に,(タイトル,おおよその内容,人数,受講される方の技術ベース,日時,セミナー・ウェビナーの別,おおよそのご予算等のご要望を記載して) メールでお問い合わせ下さい。
弊社に十分な技術・情報等の蓄積のない分野・タイトルでのお引き合いの場合は,お受けできない場合があります。
レーザー安全講習 ・ レーザー機器管理者の実務
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2025年 3月14日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
2025年 4月25日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器管理者の実務」
2025年 3月28日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥22,000 (受講料¥20,000 + 消費税¥2,000) /人・回
(Jan. 28, 2025)
初めて「レーザー光線による障害防止対策要綱」が労働基準局長から都道府県労働局長に「レーザー光線による障害の防止対策について」として通達されたのは昭和61年です。当時,労働基準局は労働省に属していました。平成17年に「レーザー光線による障害の防止対策について」が改正されました。この頃,労働基準局は現在と同様に厚生労働省に属しています。改正の主な内容は,JIS C6802におけるレーザー機器のクラス分けの内容の変更に基づいたもので,基本的に要綱の別記「レーザー機器のクラス別措置基準」は昭和61年の内容を引き継いでいます。
昭和61年に策定された「レーザー機器のクラス別措置基準」は,基本的にレーザービームと作業者が同じ空間にいる場合を想定しています。一方で,現在のレーザー作業の安全対策は,「レーザービームが飛び交う空間」と「作業者がいる空間」を分けることが基本です。技術的に完全に区分することで,作業者がレーザーを浴びる可能性はなくなります。
昭和61年当時,危険なクラス4相当のビームを安全に封じ込める「こなれた」技術はあまりありませんでした。ビームの量の多寡にかかわらず,多くの場合、ビームと作業者は同じ空間にいました。要綱の別記「レーザー機器のクラス別措置基準」は,当時の現場の状況に沿った適切な内容だったと云えます。それから約40年が経ち,現在ではビームを安全に封じ込める「こなれた」技術を容易に利用できるようになりました。
初めて職場にクラス4のレーザー機器を導入する際には,レーザー機器メーカーから厚生労働省策定の要綱に沿った対策が必要である旨を通知されます。安全な作業環境の構築において,最優先で行うべき検討はビームと作業者の完全分離です。さまざまな制約の中で分離が不完全で作業者がビームを浴びる可能性が残る場合は,要綱の別記「レーザー機器のクラス別措置基準」に従って適切に作業環境を整えます。労働局の指導に適切に従おうとするあまり,「作業者とビームの完全分離の最優先の検討」を見落としがちです。この点に特にご注意ください。
(Jan. 14, 2025)
民間企業におけるレーザー作業では,厚生労働省労働基準局長から都道府県労働局長に宛てた基発(労働基準局長名で発する通達)「レーザー光線による障害の防止対策について」の別紙「レーザー光線による障害防止対策要綱」に従って,作業環境の安全を維持・向上させることが極めて重要です。「レーザー光線による障害の防止対策について」は,最初の基発第39号が昭和61年1月27日に,改正された基発第0325002号が平成17年3月25日に出されています。
要綱は,レーザー機器のクラス分けは日本工業規格C6802「レーザ製品の安全基準」によるとした上で,レーザー機器のクラス別の(安全)措置基準を示しています。安全な作業環境の構築の検討は,先ず厚生労働省策定の要綱と,JIS C6802を入手することから始まります。
安全措置は,「技術的な方法」と「運用・手順」の二つに大別されます。大前提として,他の作業と同様にレーザー作業においても安全に実施できる手順が文書化(作業手順書)されている必要があります。一方で,細心の注意を払ったとしてもヒューマンエラー(人的錯誤や失敗)を根絶することはできません。万一作業者がミスをしたとしても安全が保たれるように技術的な安全措置が講じられていることが望まれます。
弊社では,要綱が求めているレーザー作業従事者向けの雇入れ時等教育としてご利用頂ける「レーザー安全講習」や,要綱が(クラス3R,3B,4のレーザー機器の場合に)選任を求めているレーザー機器管理者向けの「レーザー機器管理者の実務」をwebinarとして定期開催しています。弊社webサイトでご確認頂き,ご都合の良い日程をご利用ください。また,一般的な安全講習ではなく,実際のレーザー作業に合わせてカスタマイズした安全講習も「オンデマンド技術セミナー・ウェビナー」としてご利用頂けます。その他,具体的な安全措置などについてご相談にも応じます。ご遠慮なくお問い合わせください。
弊社が定期開催してきました レーザー微細加工 や レーザー安全 に関する講座・講習を基に,受講頂く セミナー・ウェビナー の内容をご要望に沿ってアレンジします。
基本的にお申込みされた個人・会社のみに向けて開催しますので,情報漏洩などを気にされることなく,安心して質問・議論頂けます。
先ずはお気軽に,(タイトル,おおよその内容,人数,受講される方の技術ベース,日時,セミナー・ウェビナーの別,おおよそのご予算等のご要望を記載して) メールでお問い合わせ下さい。
弊社に十分な技術・情報等の蓄積のない分野・タイトルでのお引き合いの場合は,お受けできない場合があります。
レーザー安全講習 ・ レーザー機器管理者の実務
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2025年 2月14日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
2025年 3月14日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器管理者の実務」
2025年 3月28日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥22,000 (受講料¥20,000 + 消費税¥2,000) /人・回
(Dec. 24, 2024)
諸現象を理解するのに,日常の経験を基にします。光に関する場合,その代表は太陽光でしょう。太陽光は,地上での平均的なパワー密度が0.0958 W/cm2です。実際は広範囲の波長から成り立っていますが,簡単のために波長532 nmだけからなるとすると,光子密度はおおよそ9 E8 [1/cm3]です。1 ccあたり約10億個の光子は,多いのでしょうか,少ないのでしょうか。
ナノ秒パルスレーザーによる穏やかな加工点近傍の光子密度は約5 E18 [1/cm3],フェムト秒パルスレーザーの穏やかな加工点近傍の光子密度は約3 E20 [1/cm3]。ちなみに,1 E18は百京,1 E20は一垓と云うようです。レーザー加工の加工点近傍は,太陽光の光子密度の百億倍,一兆倍ですが,どのように想像してよいのか途方に暮れます。少なくとも,日常生活で経験している太陽光などとは,全くの別物と考える必要があります。
一寸視点を変えてみましょう。金属銅の原子数密度は,約9 E22 [1/cm3]です。多くの液体や固体の原子(分子)数密度は同程度です。フェムト秒パルスレーザーによる穏やかな加工点近傍の光子密度は,その数百分の一に迫ってきています。このように濃厚な光子流を浴びる固体表面をイメージしてみることは,レーザーアブレーション加工の理解に役立つかもしれません。
光子密度からレーザー加工を眺めることで,よりリアルなイメージを得ることが期待できます。ご自分に合ったセミナー/ウェビナーを,弊社の「オンデマンド技術セミナー・ウェビナー」でご利用ください。
(Dec. 10, 2024)
地球の大気圏外での太陽光パワー密度は,1368 W/m2 = 0.1368 W/cm2 程度です。地表でのパワー密度は,途中で約30%が反射され,0.0958 W/cm2です。太陽-地球間距離149 600 000 kmは,太陽半径696 340 kmの約215倍。太陽表面での光パワー密度は大気圏外の(215)^2 = 46 225倍で,6 324 W/cm2と見積られます。
持続時間180 fsのレーザーパルスを,パルスフルエンス1.0 J/cm2,繰返し周波数1 MHzでワーク表面に集光照射したとします。照射点の平均パワー密度は1 000 000 W/cm2,ピークパワー密度は5 600 000 000 000 W/cm2です。持続時間10 nsのレーザーパルスを,パルスフルエンス10 J/cm2,繰返し周波数100 kHzでワーク表面に集光照射した場合の平均パワー密度は180 fsと同じ1 000 000 W/cm2,ピークパワー密度は違う値となり1 000 000 000 W/cm2です。
単なる机上の計算ですが,色々なことを考えさせてくれます。私たちが日常生活で経験している地表での太陽光のパワー密度を基準として,レーザー加工を推測することは適切ではないでしょう。実際のところ太陽表面での様子を明瞭にイメージすることは困難ですが,太陽表面の光パワー密度を大変に過酷な状況の代表としたとき,フェムト秒やナノ秒パルスレーザーの加工点は,平均パワー密度がそれを桁で大きく超える,極めて過酷な状況と見做して良いようです。エネルギーの損失が無ければ,物質に大きな変化を生じさせ得ることが納得できます。一方で,レーザー加工で用いられるパルスフルエンスの典型値で計算される平均パワー密度が,フェムト秒とナノ秒で(ほぼ)同じになるのは意外です。隣り合う照射レーザーパルスの時間間隔(インターバル)が,加工現象に強く影響していることが予想されます。パルスレーザーのピークパワー密度の極めて高いことが,レーザーメーカーのセールストークとして頻繁に用いられますが,桁が違い過ぎているので,一寸慎重に考えたほうが良さそうです。……
このような見方を進めていくことでも,レーザー加工の理解が深められることが期待できます。これは,一例です。ご自分に合ったセミナー/ウェビナーを,弊社の「オンデマンド技術セミナー・ウェビナー」でご利用ください。
弊社が定期開催してきました レーザー微細加工 や レーザー安全 に関する講座・講習を基に,受講頂く セミナー・ウェビナー の内容をご要望に沿ってアレンジします。
基本的にお申込みされた個人・会社のみに向けて開催しますので,情報漏洩などを気にされることなく,安心して質問・議論頂けます。
先ずはお気軽に,(タイトル,おおよその内容,人数,受講される方の技術ベース,日時,セミナー・ウェビナーの別,おおよそのご予算等のご要望を記載して) メールでお問い合わせ下さい。
弊社に十分な技術・情報等の蓄積のない分野・タイトルでのお引き合いの場合は,お受けできない場合があります。
レーザー安全講習 ・ レーザー機器管理者の実務
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2025年 1月17日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
2025年 2月14日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器管理者の実務」
2025年 1月24日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥22,000 (受講料¥20,000 + 消費税¥2,000) /人・回
(Nov. 26, 2024)
英和辞典で “power” を引いてみます。…,力,権力,動力,出力,電力,仕事率,累乗,(レンズ)倍率,…。理化学辞典(第5版)では,…仕事率,電力,単位時間あたりになされる仕事,…。レーザー発振器のカタログや仕様書に記載されている出力(power)は,定格平均出力です。一般的には安全に利用できる最大平均出力の意と捉えますが,powerは仕事率ですから,(損失がない場合に)安全に達成できる最大の仕事率と解釈できます。
加工単価を安くするための方策の一つは,仕事率を高めることです。レーザー加工であるならば,エネルギー源であるレーザー発振器に,定格平均出力の高いものを求めます。従来型のレーザー熱加工では,この方策が効果的でした。レーザー微細加工においても,多くのユーザーがメーカーに高出力機を求めています。…しかしながら,高スループット化は容易ではないようです。レーザーアブレーションでは,いわゆる削りカスであるデブリスが加工部に堆積します。仕事率が高まったならば,加工部に大量のデブリスが堆積し,加工部を覆ってしまい,加工を阻害します。ビームが加工部に連続的に照射されるのであれば,加工部へのデブリスの堆積を抑制できそうですが,例えば1 MHzの繰返し周波数で10 psの持続時間のパルスを照射する場合では,10 psのパルス照射に続く1 µsのインターバルの間にデブリスは堆積します。また加工熱の発生も深刻になります。大量に発生するデブリスの加工部からの効果的な除去方法を持たない状況で,ただ単にレーザー出力を増大させても,問題を複雑にするだけです。
この問題に多くの方が直面しているであろうと思います。検討に必要な技術・知識は,人それぞれ異なっているでしょう。自分に合ったセミナー/ウェビナーを,弊社の「オンデマンド技術セミナー・ウェビナー」でご利用ください。
(Nov. 12, 2024)
レーザー加工の主要な特徴の一つでありながら,その影響を見落としがちなものの一つに「非接触加工」があります。
一般機械加工は殆どが接触加工です。ワーク表面に工具を接触させて加工が進みます。微細な加工に用いる工具は繊細で,ワークを削ると同時に工具自身も摩耗して形状が変化します。安定な加工のためには,頻繁な工具の交換や,工具の形状変化に伴う加工プログラムのリアルタイム修正などが必要になります。このような煩雑さの回避が,非接触加工であるレーザー微細加工に期待されています。集光スポットの位置や形状の安定性については幾つもの要注意事項がありますが,熟練者によるならば期待に応えることができるでしょう。めでたし,めでたし,……とは簡単にはいきません。
一般機械加工では,切削油を大量に用います。素人の方ですと,潤滑目的を直ぐにイメージされるでしょう。実際は,加工熱と削りカスの加工点からの除去が主目的です。効果のある成熟した技術ですが,レーザー微細加工には適用できません。レーザー加工では,加工点に異物が存在すると加工が阻害されます。アブレーション加工であっても,加工を総合的に観ると加工熱から逃れることができずにいます。高い仕事率を望むと,熱影響が著しくなり,また加工部に堆積する大量のデブリスが加工を阻害します。工業的に利用可能(高い仕事率,優れた再現性)なレーザー微細加工の実現には,実用的な除熱法やデブリスの排除法の確立が鍵となります。
「非接触加工」であることを明瞭に認識すると,今までとは違ったレーザー微細加工のアドバンテージや課題が見えてくるでしょう。気になる一連の事項をお知らせ下されば,ご希望に沿った内容のセミナー・ウェビナーを構成します。弊社の「オンデマンド技術セミナー・ウェビナー」をお気軽にご利用下さい。
オンデマンド技術セミナー・ウェビナー
弊社が定期開催してきました レーザー微細加工 や レーザー安全 に関する講座・講習を基に,受講頂く セミナー・ウェビナー の内容をご要望に沿ってアレンジします。
基本的にお申込みされた個人・会社のみに向けて開催しますので,情報漏洩などを気にされることなく,安心して質問・議論頂けます。
先ずはお気軽に,(タイトル,おおよその内容,人数,受講される方の技術ベース,日時,セミナー・ウェビナーの別,おおよそのご予算等のご要望を記載して) メールでお問い合わせ下さい。
弊社に十分な技術・情報等の蓄積のない分野・タイトルでのお引き合いの場合は,お受けできない場合があります。
レーザー安全講習 ・ レーザー機器管理者の実務
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2024年 12月13日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
2025年 1月17日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器管理者の実務」
2025年 1月24日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥22,000 (受講料¥20,000 + 消費税¥2,000) /人・回
(Oct. 22, 2024)
最近では義務教育においても「科学的方法」の教育・習得に力を入れているようですが,その効果は満足できるレベルに至っていないようです。大学等の教育機関では,実際に課題を与え,モデル構築・検証・考察・モデル修正・再検証…のサイクルを体験・経験させます。高等学校程度まででは,授業主体の教育において「科学的方法」に触れる程度でしょう。社会人として実際の問題に直面した時,適切に経験を積ませる大学等の卒業者は妥当なアプローチを取って克服を目指すのに対して,高卒や,大卒であったとしてもおざなりな教育しか受けられなかった者の多くは,自らの判断で取り組むことができず,指示を待って立ち尽くすようです。不定期にメールをくれる知人は,『「科学的手法」を身に付けた者とそうでない者を一緒にして新人教育を行うと,育つ者も育たない…』と云います。ベースが異なるならば,そのベースに合わせた個別教育が必要ですが,その余裕のあるのは一握りの企業でしょう。
レーザー微細加工に関するコンサルティングにおいて,時々「その式,その考え方は,どのテキストに載っていますか?」と云った質問を受けることがあります。国内で用いられている教科書は,誤った記載が殆どなく,稀に見つかると新聞記事になったりします。こういった経験が基になり,「本やジャーナルに載っているのであれば信用して良い」と云う誤解が広がり,そうでないものを疑うのでしょう。公知のknowledgeで解決できる問題は,多くの場合問題そのものが公知です。公知のknowledgeに依存したままでは,新しい問題に対処できません。課題の抽出を含む「科学的方法」を駆使し,自分の頭で判断することが重要です。
個人の技術者としては「科学的方法」を身に付けていることが望まれます。チーム・グループとしては,開発課題のベース技術群のなかの理解が手薄な領域を補い,領域全体及びメンバ全体の理解程度を揃えておくことが理想と云えます。組織として手薄な技術領域は,個々のメンバでも手薄であることが多く,外部のサービスを適宜利用して補うことが適切です。弊社では今年度下期から,「オンデマンド技術セミナー・ウェビナー」のサービスを始めました。お聴きになりたい内容をお知らせ頂き,それに沿ってセミナー・ウェビナーを構成します。ご要望があれば,内容の選定からお手伝いします。ご遠慮なくお問合せ下さい。
(Oct. 8, 2024)
ついこの間,とあるところで技術的なやり取りをした際,全く絵図を用いずに議論しようとする方に出くわしました。東野圭吾さんの「ガリレオ・シリーズ」と呼ばれる一連の小説を原作としたテレビドラマが放送されたことがあります。主人公の天才物理学者・湯川学を,福山雅治さんが演じました。ドラマの中で,主人公・湯川学は,ひらめきを得ると舗装された道路の上であれどこであれ,所かまわず数式を書き付け,展開していきます。日本人の少なからぬ方は,学者や技術者を「式をいじくりまわす人種」のように思っておられるようです。…天才と呼ばれる方の中にはそのような思考方法の方もおられるかも知れません。然しながら,私が出会ってきた優れた学者や技術者の多くは,実にマメに,丁寧に,絵図を描かれます。議論が深まるにつれて,絵図は精緻になっていきます。考えがまとまると,その絵図を基にして必要であれば式を立て,実際の検討で必要になる数値を得ていきます。…小学校の算数の文章題を解く際に,先生から図を描いて考えなさいと教わりませんでしたか? 中学・高校・大学と,同様のことをずっと云われてきたでしょう。優れた学者や技術者は,基本に忠実です。
基本を守りながら,基礎を身に付けていきます。ところが,レーザー及びレーザー加工の基礎は,広い分野に渡っており,ひとたび問題が生じると,多面的な検討が必要になります。どなたもご自分の専門を中心に知識を構築されますから,どうしても手薄な分野が出てきてしまいます。また職場の特性によっても知識・技術に偏りが生じます。手薄な技術領域をカバーするために,セミナー等の受講や,独学をされる際の問題は,事項・内容の選択とその優先順位です。得意領域であれば容易ですが,馴染みのない領域では勝手がわかりません。
弊社では今年度下期から,「オンデマンド技術セミナー・ウェビナー」のサービスを始めました。お聴きになりたい内容をお知らせ頂き,それに沿ってセミナー・ウェビナーを構成します。馴染みのない領域で内容の選定が難しい場合は,その旨お知らせ下さい。目的をお聞きし,内容の選定からお手伝いします。ご遠慮なくお問合せ下さい。
弊社が定期開催してきました レーザー微細加工 や レーザー安全 に関する講座・講習を基に,受講頂く セミナー・ウェビナー の内容をご要望に沿ってアレンジします。
基本的にお申込みされた個人・会社のみに向けて開催しますので,情報漏洩などを気にされることなく,安心して質問・議論頂けます。
先ずはお気軽に,(タイトル,おおよその内容,人数,受講される方の技術ベース,日時,セミナー・ウェビナーの別,おおよそのご予算等のご要望を記載して) メールでお問い合わせ下さい。
弊社に十分な技術・情報等の蓄積のない分野・タイトルでのお引き合いの場合は,お受けできない場合があります。
レーザー安全講習 ・ レーザー機器管理者の実務
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2024年 11月 8日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
2024年 12月13日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器管理者の実務」
2024年 11月15日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥22,000 (受講料¥20,000 + 消費税¥2,000) /人・回
(Sep. 17, 2024)
パルスレーザー加工では,照射点でのエネルギー密度が重要です。一つのレーザーパルスが持つエネルギーをep,ワーク表面での照射スポット面積をSとすると,照射パルスエネルギー密度 (パルスフルエンス) φは φ = ep / Sで与えられます。単位体積の材料をアブレートさせるのに必要なエネルギーが Eprocである時,1パルスの照射で除去される深さは φ / Eproc から算出できます。レイヤード・ラスタスキャン加工で高品質な加工を実現するには,照射パルスのパルスフルエンス値の変動のないことが前提となります。
走査線を構成する各照射スポットを考えてみましょう。一本の線を走査するのに要する時間は極短いですから,各パルスの持つエネルギー値の変動 (pulse to pulse エネルギー安定性) は仕様通りに小さいと考えがちです。同様に,ワーク上の照射スポット面積も短時間では殆ど変動しないと思えます。何も問題がないはずなのに,ある光源や,あるビーム出力管理手法を用いた場合,加工品質がなかなか向上しないと云う問題にしばしば直面します。
レーザー光源の仕様に示される pulse to pulse エネルギー安定性 は,殆どの場合連続運転時の値です。(参照: レーザー出力の主要特性項目&安定化) ワーク上の照射スポットの大きさに影響する広がり角やM2等の仕様に示されるビーム特性は,一つ一つの出力パルスについて評価することは困難です。少なくともワーク上ではパルス出力の on / off 制御が必要です。制御されないと,一筆書きが可能な形状しか加工できなくなります。問題は,on によりワーク上にパルス照射を開始してからしばらくの間の「各出力パルスのエネルギー値」や「各パルスの広がり角」の変動です。
レーザー光源メーカーに協力を願い,課題の克服を目指すアプローチもあります。或いは,用いようとするレーザー光源の特性を良く把握し,問題の生じないように機器設計,加工手法開発を独自に行うアプローチもあります。…これを目にされた多くの方が,「レーザー光源メーカーや加工機メーカーに丸投げで良い」と思われたでしょう。短期的には,それで良いでしょう。…少なくない方が,「超短パルスレーザー加工が抱える問題の本質かも知れない」と感じられたでしょうか。超短パルスレーザー加工の応用が広がり,それにつれて新たな問題が出てきたとき,ここで示した考え方は多分大変に役に立ちます。
メーカーの方々,ユーザーの方々で,お聴きになりたい内容(構成)は異なることでしょう。それぞれのご要望に合わせて「オンデマンド技術セミナー・ウェビナー」を構成します。ご遠慮なくお問合せ下さい。
(Sep. 3, 2024)
機械加工機では,多くの場合加工点に工具刃が接触しており,加工点での諸数値をリアルタイム計測することが可能で,これらが制御部に表示されます。これら表示される数値が同じになるように運転管理することで,加工の再現性が得られます。
レーザー加工は,「非接触加工」です。機械ステージ等の運転条件等から,加工点の走査速度などの数値を求めることができます。然しながら殆どのレーザー加工機では,例えば最も重要なパラメータである加工点の照射エネルギー密度(パルスフルエンス)は自動計測されず,制御部にリアルタイムで表示されることはありません。にもかかわらず,メーカーが用意した取扱説明書や,職場で使われている作業手順書(作業標準書)では,「毎日の運転において,重要な加工点での諸数値を,どのタイミングで,どのように計測評価するか」を指示・指定していません。多くのレーザー加工機では,制御部に表示される数値を管理するだけでは,加工点の状況の再現は保障されません。加工の再現性のためには,加工点での諸数値の計測評価を,それぞれの職場の加工の特性・内容に合わせて,作業手順書に盛り込むことが必要です。
レーザー機器管理者が中心となって,作業手順書の整備・更新を検討するにあたって,弊社が本年度上期まで開催してきたウェビナー「レーザー出力の主要特性項目&安定化」,「加工条件」を参照されることをお勧めします。それぞれの職場の加工管理状況に合わせて「オンデマンド技術セミナー・ウェビナー」を構成します。ご希望・ご要望など,遠慮なくお知らせ下さい。
オンデマンド技術セミナー・ウェビナー
弊社が定期開催してきました レーザー微細加工 や レーザー安全 に関する講座・講習を基に,受講頂く セミナー・ウェビナー の内容をご要望に沿ってアレンジします.
基本的にお申込みされた個人・会社のみに向けて開催しますので,情報漏洩などを気にされることなく,安心して質問・議論頂けます.
先ずはお気軽に,(タイトル,おおよその内容,人数,受講される方の技術ベース,日時,セミナー・ウェビナーの別,おおよそのご予算等のご要望を記載して) メールでお問い合わせ下さい.
弊社に十分な技術・情報等の蓄積のない分野・タイトルでのお引き合いの場合は,お受けできない場合があります.
レーザー安全講習 ・ レーザー機器管理者の実務
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2024年 10月11日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
2024年 11月 8日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器管理者の実務」
2024年 11月15日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥22,000 (受講料¥20,000 + 消費税¥2,000) /人・回
(Aug. 20, 2024)
「レーザー加工とは,ビームの集光照射。難しく考えることはない。」と,割と多くの方が思っているようです。高出力レーザー光源を用いた力づくの加工では,そうかもしれません。専用加工機でほぼ同じような加工を繰り返している場合もそうでしょう。一方で,微細・繊細な加工や,所謂多品種小ロットの加工では,「ビームを集光して照射する」だけでは,所望の加工に辿り着けないことを身に染みて感じておられるでしょう。
レーザー熱加工は,小学校で行った「黒紙への太陽光の凸レンズ集光照射」の延長線上にあると云えます。実際,レーザー熱加工では日常生活での経験が割合と役に立ちます。一方で,レーザー・アブレーション加工では日常生活に類似を求めることができません。昇華が似ていますが,昇華に光照射は必要ではありません。超短パルスレーザー加工,レーザー・アブレーション加工等の微細・繊細な加工の理解を深め,実加工に活かすには,どのような知識ベースが必要でしょうか。
現在利用されているDPSSレーザーでは,多くが「電子」の軌道間遷移を発振に利用しています。金属・セラミックス・有機高分子等の分子形成・固体形成では,「電子」が重要な役割を担っています。光は電磁波であり,電場・磁場を持っています。光路上の「電子」(電気双極子,荷電粒子)は,光電場,光磁場の影響を受けます。レーザー・アブレーションを,光照射による固体材料の気相への直接変化と捉えるとき,「電子」は関係事項全般で重要キーワードであることが分かります。
先に挙げたような「電子」に関する事項は,諸分野に渡っているため,まとめて議論・説明されている成書・テキストは殆どありません。また,弊社の技術講座でも幾つかのウェビナーで,それぞれに必要な内容しか解説していません。
2024年度下期から「オンデマンド技術セミナー・ウェビナー」を開始しました。レーザー・アブレーション加工に係る「電子」についてまとめたセミナー・ウェビナーは,現象・技術の理解を深めるのに大変効果的であると思われます。ご要望がありましたら,遠慮なくお知らせ下さい。
'24年 10月開催ウェビナー
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2024年 10月11日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
'24年 9月 開催ウェビナー
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2024年 9月13日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器管理者の実務」
2024年 9月20日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥22,000 (受講料¥20,000 + 消費税¥2,000) /人・回
”μ-3D” (アブレーション) 加工技術 「レイヤード・ラスタスキャン加工」
2024年 9月27日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
(Aug. 8, 2024)
レーザー安全関連のウェビナー
「レーザー安全講習」は毎月,「レーザー機器管理者の実務」は隔月で,これまで通りウェビナーを開催します。
内容・お申込みなどについては,リンク先のページでご確認ください。
オンデマンド技術セミナー・ウェビナー
レーザー微細加工に関する「一般基礎」「"μ-3D"(アブレーション)加工技術」の各講座は,新型コロナの対策としての不要不急の外出の自粛の要請を受け,ウェビナーとして開催してきました。新型コロナが五類感染症に移行して一年以上が過ぎ,状況は現在安定しています。本年度下期からレーザー微細加工に関する各講座を「オンデマンド技術セミナー・ウェビナー」としてサービスをご提供します。
本年度上期までのレーザー微細加工に関する各ウェビナーは,エキスパート向けで,内容は弊社の構成によるものでした。本年度下期からは,タイトル,構成内容,難易度等,受講を希望される方のご要望に応じてアレンジします。また,ウェビナーだけでなく,ご希望の場所でのセミナーもお受けします。基本的にお申込みをされた個人・会社のみに向けて開催しますので,情報漏洩などを気にされることなく,安心して質問・議論頂けます。
「レーザー安全講習」「レーザー機器管理者の実務」も「オンデマンド技術セミナー・ウェビナー」のサービスに含まれます。レーザー業務の実際の環境を事前にお知らせ下されば,一般的な解説に留まらず,職場環境に沿った具体的で効果の高い安全についての考え方をお示しします。
先ずはお気軽に,(タイトル,おおよその内容,人数,受講される方の技術ベース,日時,セミナー・ウェビナーの別,おおよそのご予算等のご要望を記載して) メール (yma20ka@nifty.com) でお問い合わせ下さい。
(Jul. 16, 2024)
地表における太陽光の平均パワー密度は約342 W/m2です。レーザー加工に用いる単位に変えてやると 34.2 mW/cm2。直径50 mmの虫眼鏡で,直径100 µmの集光スポットを作ることができたとして,集光スポット内の平均パワー密度は 8.5 kW/cm2。大きな値のように思えますが,実際のところは黒塗りの紙に焦げ跡を作ることができる程度です。
ナノ秒パルスレーザーを用いた穏やかな加工条件における照射スポットのピークパワー密度の典型値は,0.5 GW/cm2。同様にピコ秒やフェムト秒パルスレーザーの場合のピークパワー密度の典型値は,それぞれ0.1 TW/cm2,3 TW/cm2です。私たちが行っているレーザー加工の加工点のピークパワー密度は,小学校で経験した虫眼鏡を用いた太陽光の集光点のパワー密度の,実に100万~10億倍であることをもっと意識したほうが良いように思います。
長い歴史を持つ光学の分野の研究成果の殆どは,地表における太陽光レベルの平均パワー密度の光に対するものであると云えます。ピコ秒やフェムト秒パルスレーザーの加工点のピークパワー密度は,地表における太陽光の平均パワー密度の数百兆倍にも達します。超短パルスレーザー加工やその問題の検討に太陽光程度の光についての知見をベースに置くことが適切ではないことは自明でしょう。弊社の“µ-3D”加工技術の諸webinarは,高ピークパワー密度=高光子密度,であることを重要ポイントの一つとして構成されています。通常の光学の知見に基づく検討に限界を感じておられる方に,弊社の“µ-3D”加工技術の諸webinarをお勧めします。
(Ju1. 2, 2024)
従来型のレーザー加工は熱的であり,mm~sub-mmまでの寸法領域の直接加工を得意としています。拡散による熱影響領域の広がりが,それよりも小さな寸法領域ではばらついてしまうので,従来型レーザー加工でこの領域に対処しようとすると苦労します。より微細 (< sub-mm) な寸法領域を得意とするのが超短パルスレーザー加工です。加工原理が熱に基づいていないので,照射スポットのエネルギー密度分布を転写するかのように,材料表面に窪みを生成することができます。
超短パルスレーザーのこの特徴が,レイヤード・ラスタスキャン加工でとても活きてきます。レイヤード・ラスタスキャン加工は,3次元形状を高さ方向に幾層にも分割し,ビットマップデータとして各層の除去する座標を用意します。一つ一つの照射スポットが全て同じ形状の除去を行いますので,寸法精度の高い “µ-3D” 加工結果を得ることができます。弊社のwebinar「レイヤード・ラスタスキャン加工」では,この加工技術の概要を解説します。
超短パルスレーザー加工は,加工原理が熱に基づいていないのですが,スループットが高くなるように力づく気味の条件へと変えていくと,加工部に熱影響が現れるようになります。穏やかなアブレーション加工は一般的にはスループットがあまり高くないため,実用化のためにはこの熱影響対策が大変に重要になります。弊社のwebinar「加工熱・酸化」では,アブレーション加工で現れる熱の問題について,概略を解説します。
'24年 9月 開催ウェビナー
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2024年 9月13日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器管理者の実務」
2024年 9月20日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥22,000 (受講料¥20,000 + 消費税¥2,000) /人・回
”μ-3D” (アブレーション) 加工技術 「レイヤード・ラスタスキャン加工」
2024年 9月27日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
'24年 8月開催ウェビナー
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2024年 8月 2日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
一般基礎 「レーザー出力の主要特性項目&安定化」
2024年 8月23日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
”μ-3D” (アブレーション) 加工技術 「加工熱・酸化」
2024年 8月30日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
(Jun. 18, 2024)
弊社の技術webinarの資料は,不定期に改訂を行っています。受講されたのが数年前ですと,その際利用された資料と現行のものとでは内容・構成が大きく変わってしまっているものが少なくありません。時間に余裕のある時に,弊社のwebサイトで公開している現行の資料をご確認下さると,新しい気付きに出会えるかも知れません。
一般基礎技術講座としてwebinar「光学の基礎」,「レーザーの基礎」,「レーザー出力の主要特性項目&安定化」を開いています。レーザー加工,特にレーザー微細加工のための一般基礎とご理解下さればと思います。初めてレーザー加工に携わる方や経験の浅い方は,「レーザー出力の主要特性項目&安定化」を最初に受講されることをお勧めします。レーザー加工の基本は「ビームの集光照射」です。「エネルギー密度が高い焦点を用いた加工結果」程度から,「形成された焦点の諸特性に基づく加工結果の考察」への理解レベルの飛躍が期待できます。そのうえで更に考察・検討のレベルを向上させるために「光学の基礎」,「レーザーの基礎」を受講されるのが効果的です。
改訂を重ねた結果,「光学の基礎」及び「レーザーの基礎」の各webinarの資料は,それぞれpptシートで64枚,50枚と大部なものになり,資料の内容を十分に説明・解説するには,用意している3時間では不足するようになってしまいました。これまで通り,弊社webサイト等を通じて案内しているレギュラーのwebinarは定期的に開催します。これとは別に,内容・範囲,時間,日時等のご要望に沿った個別のseminar,webinarをお受けします。一般基礎技術講座だけでなく,”μ-3D” (アブレーション)加工技術講座その他の個別開催のご希望を,ご遠慮なくお知らせ下さい。
(Jun. 4, 2024)
厚生労働省は「レーザー光線による障害防止対策要綱」を策定し,安全にレーザー業務が行われるように,関係事業者を指導してきています。事業者は要綱に沿って,「労働安全衛生法の規定による労働衛生管理体制を整備」し,レーザー機器がクラス3B及びクラス4,加えて(可視領域ではないレーザー波長の)クラス3Rの場合は,「レーザー機器管理者を選任」します。レーザー機器管理者の活動によって,レーザー業務の安全は構築・維持・向上されます。
レーザー機器の外にビームが漏れないように安全対策(措置)が実施された場合は,作業者がビームを浴びる恐れがなくなりますから,安全と判断できます。一方で,可能な限り覆ったけれども,レーザー機器外にビームが漏れ出ている場合には,作業者が浴びると推定される量 ≦ 安全な量 (MPE,最大許容露光量),であるかどうかの確認が必要です。安全とみなすことができれば,追加の安全対策は不要です。安全でなければ,例えば作業中は保護眼鏡の着用を必須とします。保護眼鏡が有すべき光学密度は,推定される量と安全な量の比較から算出されます。作業者が浴びるレーザーの量の評価については,JIS C6802に記載されています。然しながらJISの内容は大変に難しいので容易には判定に辿り着けず,多くの事業者でお困りのことと思います。
レーザー機器管理者向けの弊社のwebinar「レーザー機器管理者の実務」では,要綱がレーザー機器管理者に求める事項や,安全なレーザー業務環境の構築の基本を解説します。多くの受講者が,JISに沿ったレーザー業務の安全性評価に関しても,本webinarで取扱うことを期待されています。然しながら,使用されるレーザー光源,作業や安全対策内容等が,事業者毎に異なり多岐に渡っており,予定する時間でこれらをこなすことは無理があり,本webinarに盛り込めていません。
弊社は「web無料相談室」をご用意しております。シンプルな内容のレーザー業務や作業環境の安全性評価は,費用のご負担なく概略の評価結果を得るところまでサポートさせて頂けると思います。込み入った場合であっても,無料の範囲で,もつれた状況を解きほぐし,ゴールまでのマップをお示しすることができると思います。レーザー業務の作業環境の安全性評価でお困りの方は,ご遠慮なく弊社の「web無料相談室」をご利用ください。
'24年 8月開催ウェビナー
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2024年 8月 2日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
一般基礎 「レーザー出力の主要特性項目&安定化」
2024年 8月23日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
”μ-3D” (アブレーション) 加工技術 「加工熱・酸化」
2024年 8月30日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
'24年 7月 開催ウェビナー
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2024年 7月12日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器管理者の実務」
2024年 7月19日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥22,000 (受講料¥20,000 + 消費税¥2,000) /人・回
”μ-3D” (アブレーション) 加工技術 「加工条件」
2024年 7月26日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
(May 21, 2024)
ナノ秒よりも持続時間が長いレーザーパルス加工は熱的であり,加工点が溶融します。照射されたエネルギーは先ず照射部の温度を上昇させ,一部が溶融に至り,流動が生じ,さらにその融液の一部が加工点から脱離します。照射スポットと加工痕の直径が同程度であることは期待できますが,照射スポットのエネルギー密度分布と加工痕形状は全く別物です。
レーザー・アブレーション加工の特筆すべき特徴は,非熱的であり,照射エネルギーが高効率で材料除去に利用されることです。照射スポットのエネルギー密度分布とワーク表面の加工痕形状の間には良好な相関があります。材料の単位体積除去に必要なエネルギー量から,一つのパルス照射による加工痕形状が分かります。これを,ラスタースキャン条件(照射パルスフルエンス,照射スポット間隔,走査線間隔,走査形状,…)に従って配置してその総和を取ることによって,ラスタースキャン加工の最終形状を推定できます。超短パルスレーザーによるアブレーション加工が,微細形状加工について高い適性を有する理由を理解頂けたと思います。
弊社のwebinar「凝集エネルギー,加工エネルギー」では,単位体積の材料をアブレーションさせるのに必要なエネルギーについて解説します。Webinar「レーザー・アブレーション」と合わせて受講されることでレーザー・アブレーションについての理解が一層深まります。また,アブレーション加工における熱影響の基となるエネルギーの源についても解説します。Webinar「加工熱.酸化」の受講を予定されている方は,できればwebinar「凝集エネルギー,加工エネルギー」を先に受講下さい。
(May 7, 2024)
現在,三角関数は高校で学ぶようです。光学の基本法則の一つであるスネルの法則は,三角関数を用いますから,これも高校で学ぶのでしょう。光線・幾何光学における重要な法則ですが,試験で数回用いて以降,全く利用する機会のない方が殆どでしょう。日常生活レベルでの光線・ビームを考えるのにわざわざスネルの法則を持ち出す必要はありません。「凸レンズは焦点に光を集める」程度の理解で十分です。
レーザー微細加工では,直径が100ミクロンに満たない小さな集光スポットを使います。所望の形状・エネルギー密度分布の集光スポットを形成・利用できることが,大変に重要です。さて,何にどのように配慮すれば良いのでしょうか? 集光スポットを形成するのに一般的には球面凸レンズを用います。レンズの焦点距離fを知るだけでは不十分です。凸レンズの機能の詳細理解が,所望の集光スポット形成に役に立ちます。ザイデルの五収差は,結像応用において重要ですが,レンズの中央部分だけしか使わないレーザービームの集光ではあまり役に立ちません。ガウス光学や近軸近似は,rad単位で sinθ~θ とみなせる領域を対象としています。微細加工において,どのθの範囲であれば適切な近似であるかは明らかにされていません。レンズの集光機能を,近軸近似に頼らず,スネルの法則から直接に解析・評価することが,微細集光スポット形成の第一歩です。その上で,波動光学的に集光スポットのエネルギー密度分布を求めます。
弊社のwebinar「光学の基礎」では,微小集光スポット領域のレンズ機能の解析・評価の結果について解説します。スネルの法則に基づく解析・評価の実際についてお知りになりたい方は,ご遠慮なくお問い合わせください。ご案内を差し上げている定期開催外での対応を予定します。
'24年 7月 開催ウェビナー
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2024年 7月12日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器管理者の実務」
2024年 7月19日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥22,000 (受講料¥20,000 + 消費税¥2,000) /人・回
”μ-3D” (アブレーション) 加工技術 「加工条件」
2024年 7月26日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
'24年 6月開催ウェビナー
一般基礎 「レーザーの基礎」
2024年 6月14日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2024年 6月21日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
”μ-3D” (アブレーション) 加工技術 「凝集エネルギー,加工エネルギー」
2024年 6月28日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
(Apr. 16, 2024)
氷・水と水蒸気,どれもH2Oです。氷と水はほぼ密度・体積は同じで,アボガドロ数を1 mol体積18 cm3で割って求められる分子数密度は,3.35 E22 / cm3です。水蒸気の分子数密度は,アボガドロ数を1 molの理想気体の体積 (22.4 litre = 22 400 cm3) で割って, 2.69 E19 / cm3です。たった3桁しか違いませんが,色々な場面で氷・水と水蒸気は,働きや作用が異なることをこれまで目にしてきています。
太陽光の光子密度は,荒く見積もって,8.91 E6 / cm3。穏やかな加工が行われているワーク表面の集光照射点での光子密度は,ナノ秒パルスレーザーで4.46 E16 / cm3,フェムト秒パルスレーザーで2.48 E20 / cm3です。氷・水と水蒸気の場合よりも,密度は大きく桁で異なっています。
日常生活で経験する光を,太陽光で代表させましょう。14桁も小さな光子密度の状態に対して得られた光学的理解は,超短パルスレーザー加工の理解にどこまで有効でしょうか? ナノ秒パルスレーザー加工で蓄積された知見で,4桁も光子密度が高いフェムト秒パルスレーザー加工の全てを説明することは可能でしょうか? 多くの方々にとって,超短パルスレーザー加工やレーザー・アブレーションの理解は難しいようです。その原因の一つは,光子密度の大きな桁違いを無視して,通常光やナノ秒パルスレーザー等で得られた光学的理解や知見を基にして,超短パルスレーザー加工を理解しようとしていることにあるように思われます。
光子密度の違いを意識してもう一度超短パルスレーザー加工を考えると,案外容易に本質が見えてくるでしょう。
(Apr. 2, 2024)
国内の経済環境に動きが見られるようになってきました。数十年に渡り,国内の経済と企業活動は停滞気味でした。今春は,従業員組合の要求を上回る会社の賃上げ提示・妥結までもが報じられており,企業活動は活況を呈すことが期待されます。このような環境において,レーザー機器の新規導入を計画・準備されている会社は,多いのではないでしょうか。
既にレーザー機器を導入されている職場は,安全な作業環境の構築・維持・向上について経験済みでしょう。一方で新規導入の場合は,まだ職場内にknow-howがなく,何からどのように手を付ければよいか戸惑われているでしょう。
レーザー機器の全てが危険である訳ではありません。クラス1レーザー機器は,本質的に安全です。クラス2レーザー機器は,瞬きが正常に働く方に対しては安全です。一方で,クラス1M,2Mレーザー機器は,取扱いを間違うと危険です。更にクラス3R,3B,4のレーザー機器は,直接に浴びた場合,目に障害が生じる恐れがあります。
厚生労働省は「レーザー光線による障害防止対策要綱」をまとめ,各都道府県の労働局に関係民間事業者を指導させてきています。中心となる内容は二つです。一つは,労働安全衛生法に規定された管理体制の整備です。もう一つは,レーザー安全に関する十分な知識と技術を有する者の中からのレーザー機器管理者の選任と,そのレーザー機器管理者による安全な作業環境の構築・維持・向上です。レーザー機器メーカが,当該機器は作業従事者に対する「レーザー安全講習」が必要である旨通知する場合がありますが,これは「レーザー光線による障害防止対策要綱」でレーザー機器管理者に実施を求めているもののひとつです。
実際に「レーザー光線による障害防止対策要綱」を読んでも,具体的に何をどうすればよいのかピンとこない方が多いと思います。独力で対処しようとすると,藪に入り込み,なかなか出口に辿り着けません。弊社では「web無料相談室」を開いております。ご遠慮なく,お問い合わせください。迷いを晴らし,適切にアプローチできるように,お手伝いをさせて頂きます。
弊社は,ご自身のレーザー安全に関する知識・技術に不安を覚えておられるレーザー機器管理者(及び予定されている方)向けに,webinar「レーザー機器管理者の実務」を定期的に開催しております。ご活用ください。また,自社実施が難しい会社・組織向けにwebinar「レーザー安全講習」を毎月開催し,受講された方に修了証をお出ししております。安全衛生教育の実施の記録としてご利用ください。
'24年 6月開催ウェビナー
一般基礎 「レーザーの基礎」
2024年 6月14日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2024年 6月21日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
”μ-3D” (アブレーション) 加工技術 「凝集エネルギー,加工エネルギー」
2024年 6月28日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
'24年 5月 開催ウェビナー
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2024年 5月17日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器管理者の実務」
2024年 5月24日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥22,000 (受講料¥20,000 + 消費税¥2,000) /人・回
”μ-3D” (アブレーション) 加工技術 「レーザー・アブレーション」
2024年 5月31日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
(Mar. 19, 2024)
今週も超短パルスレーザー加工で重要とされている多光子過程,特に多光子吸収について考えてみましょう。複数の光子が時空間上の同一点にあるとは,どのような状態でしょうか?
光子の波長を532 nmであるとします。太陽光レベルですと,光子間平均距離は48 μmです。穏やかなナノ秒パルスレーザー照射による加工点近傍では,光子間平均距離は28 nm。穏やかなピコ秒パルスレーザー,穏やかなフェムト秒レーザー照射による加工点近傍での光子間平均距離はそれぞれ5.0 nm,1.6 nmです。一方,固体銅の平均原子間距離が0.23 nmです。これに比べると,ピコ秒やフェムト秒レーザーによる加工点でさえ光子密度はまばらで,隣り合う光子は同一点になく,重なりすらないように思えます。
光子は点ではなく空間的広がりを持ちます。光子の波長を lambda として,光子の空間的広がりは Δx ~ lambda / 2π で表されます。lambda = 532 nmのとき,Δx ~ 85 nmです。
太陽光レベルでは,隣り合う光子の広がりは重なりを持ちません。ナノ秒パルスレーザーの加工点では,隣り合う光子の広がりは重なりを持つようになり,光子の中心はおおよそ広がりの半分程離れています。ナノ秒パルスレーザーによる穏やかな加工では,多光子吸収は観測されません。この事実からすると,隣り合う光子が広がりに重なりを持つ程度では多光子吸収には十分でないようです。ピコ秒やフェムト秒パルスレーザーによる加工点での光子間平均距離は,光子の空間的広がりよりも,一桁或いは二桁近く小さな値です。隣り合う光子の中心は,広がりの1/10に満たない距離しか離れていません。日常生活でも私たちがこのような状態を二つのモノが同じ場所にあると認識するように,物質の吸収サイトも二つの光子をヒトカタマリとみなすのでしょう。超短パルスレーザーによる加工点では,至る所で多光子吸収が生じ得る状態にあると云えます。
超短パルスレーザーの加工点で,多光子吸収が当たり前のように生じていることを納得できたでしょうか。弊社のwebinar「レーザー・アブレーション」では,この理解をベースとして,多光子吸収がどのようにレーザー・アブレーションに繋がっていくかを解説します。
(Mar. 12, 2024)
レーザー・アブレーションでは,多光子過程の一つである多光子吸収が重要な役割を担っているとされます。多光子吸収に関する研究をされている方々は,「多光子吸収は,滅多に起こるものではない」と云います。極稀にしか生じない現象を基にして,レーザー・アブレーション加工が行われているのでしょうか?
二光子吸収は,eのエネルギーの光子を吸収するサイトに,e/2のエネルギーを持つ二つの光子があたかもeのエネルギーを持つ一つの光子のように振舞って吸収されることです。中間に適当なエネルギー準位がなければ,二つの光子が時空間上の同一点に居ることが必要になります。太陽光程度の光では,固体表面にある一つの原子(分子)に,平均約7 ms間隔で光子が飛来します。この程度では,二つの光子が同時に一つの原子に飛来することを期待できません。穏やかなナノ秒パルスレーザー加工で,おおよそ加工面上の一つの原子(分子)に約1.4 ps間隔で飛来します。適当な中間準位があれば,これを仲立ちとした逐次吸収が可能になるかも知れません。穏やかなピコ秒パルスレーザー加工で,約7.2 fs間隔,同じく穏やかなフェムト秒パルスレーザー加工で,約0.26 fs間隔で光子が加工面上の同一原子(分子)に飛来します。厳密な同時性の議論は専門家にお任せするとして,普通の光では期待できなかった多光子吸収が,超短パルスレーザー加工では当たり前のように生じていることを,容易にイメージして頂けたことと思います。
弊社のwebinar「”μ-3D” (アブレーション) 加工の概要」,「レーザー・アブレーション」では,上述の内容を含み,もう少し幅広くレーザー・アブレーションを紹介します。
(Mar. 5, 2024)
レーザーや加工を専門とされている方でも,レーザー・アブレーションを具体的なイメージを伴って理解するのは難しいようです。もう随分前ですが (20年以上前です),某国立大学のレーザー,レーザー加工を専門とされているお二人の教授が,某会合の場で,「超短パルスレーザー照射で “なぜ” アブレーションが生じるんだろうね?」と内緒話をされていました。その時代のレーザーやレーザー(熱)加工を深く理解している方にとっても,レーザー・アブレーションは理解し難かったようです。一般的にですが,光学やレーザーでは変化が元に戻る現象を取り扱います。レーザー発振器内部では種々の変化が生じますが,少なくとも停止すれば元に戻ります。元に戻らない場合は,故障です。短パルスレーザーの集光照射でガラスなどの材料にマイクロクラックが生じる場合がありますが,これは材料のレーザー耐性を超えたからであり,材料の利用は損傷閾値以下で行われ,損傷閾値以上の領域で何が生じているかは詳しく議論されません。…さて,レーザー・アブレーションは元に戻る現象でしょうか? 元に戻らない現象を,元に戻る現象を基に構築された知識で十分に説明することは可能でしょうか?
光は電磁波であり,電場を持っています。光が物質に照射されたとき,光の電場が物質を構成する原子・分子の電子,電気双極子に作用し,諸現象が生じます。低周波数から可視光程度までの周波数の電磁波が物質に作用した場合は,照射を止めれば電子,電気双極子は元に戻ります。それよりも高い周波数では,電子が元に戻れなくなる場合が出て来ます。…ここで重要なキーワード “元に戻れない” が出て来ました。レーザー・アブレーションの理解のキッカケになるものが見えてきました。
弊社のwebinar「レーザー・アブレーション」では,光電場の周波数による物質の電子や電気双極子の光エネルギーの受け取り方の変化や,固体材料の成り立ちを先ず解説します。これらを基にして,何故超短パルスレーザーの集光照射により生じる現象であるのか,具体的にどのような仕組みでレーザー・アブレーションが生じているのかを説明します。先ず本webinarでレーザー・アブレーションを現象的に理解下さい。6月に開催予定のwebinar「凝集エネルギー,加工エネルギー」では,レーザー・アブレーションをエネルギーの観点で考えます。レーザー・アブレーション加工において生じる種々の問題の検討のためには,「レーザー・アブレーション」に加えて「凝集エネルギー,加工エネルギー」を受講されることをお勧めします。
'24年 5月 開催ウェビナー
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2024年 5月17日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器管理者の実務」
2024年 5月24日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥22,000 (受講料¥20,000 + 消費税¥2,000) /人・回
”μ-3D” (アブレーション) 加工技術 「レーザー・アブレーション」
2024年 5月31日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
'24年 4月開催ウェビナー
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2024年 4月12日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
一般基礎 「光学の基礎」
2024年 4月19日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
”μ-3D” (アブレーション) 加工技術 「”μ-3D” (アブレーション) 加工の概要」
2024年 4月26日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
(Feb. 27, 2024)
高度経済成長期の国内の義務教育は,今の教育と比較すると,随分と詰め込みが幅を利かせていました。試験は,詰め込んだ事柄を覚えているかどうかを確認するためのもので,クイズのようでした。小学校では副教材に漢字ドリル,計算ドリルがありました。技術畑の方々は,「ドリル」と聞くと穴あけをイメージされるでしょう。そのドリルと同じ語で,穴を穿つの他に,鍛える,反復訓練などの意味を持っています。詰め込みと同様に反復練習もうんざりでしたが,今振り返ってみると,反復練習による基礎固めは重要でした。四則演算があやふやな技術者というものを想像することができません。
義務教育で整えた共通の基礎の上に,それぞれの専門の知識や技術を身に付けていきます。経験は,知識や技術に厚みを加えてくれます。同様に,学びにおける「図を描く(イメージを得る)」,「変数・パラメータに適切な数字を入れて,イメージに量的な情報を付け加える」,「疑問をすぐに調べる」と云った態度・姿勢は,得た知識や技術の定着や応用に効果があります。とはいえ,馴染みのない分野の学びにおいて,適切なイメージを自分のものとすることは容易なことではなく,また疑問を調べようにも取っ掛かりが分からないでしょう。
弊社のレーザー加工の一般基礎や ”μ-3D” (アブレーション) 加工技術のwebinarで用いる資料をhomepageに公開しています。受講される方の理解のために,図表や数字を豊富に用いていますが,レギュラー開催の3時間では十分な理解は難しいかもしれません。ご案内しておりますレギュラー開催の公開webinarの他に,皆さんそれぞれのご要望に合わせた非公開の講座・講習をお受けしております。「複数回に分けてじっくりと」,「特定の範囲を詳しく」…,また対面で十分な議論をお望みの場合はご指定の場所に出向きます。殆どのご要望にお応えできると思います。ご遠慮なく,お問い合わせください。
(Feb. 20, 2024)
多くのレーザー機器が職場で利用されるようになってきています。日常生活で利用される家電製品でも,例えばBlue ray recorderには半導体レーザーが利用されていますが,ビームが製品内に閉じ込められているので,使用に際して特にレーザーを意識することはありません。職場で利用されるレーザー機器の多くも,メーカーが安全対策をしっかりと施してビームを製品内に閉じ込めており,作業者がビームを浴びることはありません。注意が必要なのは,製品外にビームが出射される場合です。
管理が必要であるのに気付かずに見過ごす恐れのある製品が,計測器類です。特にハンディータイプの計測器は,ビームが製品内に閉じ込められていないものが多く,一方で計測精度を確保するために出力の高いレーザー光源を搭載する傾向にあります。製品のカタログ類に「クラス3Rレーザー製品」と記載されているものの,厚生労働省策定の「レーザー光線による障害防止対策要綱」で管理が必要とされる製品である旨まで記載されていない場合があり,導入した職場で管理されないまま使われているケースが少なくありません。レーザー出力が然程大きくありませんので,使用時の手順や制約を守れば安全です。どのような手順や制約が必要であるかは,レーザー機器毎に異なります。確認をされたい方は,弊社の「web無料相談室」をご利用ください。
クラス3B,クラス4は,特に安全に関する注意・配慮が必要なレーザー製品です。厚生労働省策定の要綱では,先程のクラス3Rレーザー製品を含めて,職場で用いる場合にはレーザー機器管理者を選任して安全な作業環境を構築・維持・向上させることが求められています。職場の安全衛生上とても重要な役割を担っていますが,レーザー安全に関する十分な知識・技能を有する適任を得ることはどの職場でも難しいようです。厚生労働省策定の要綱が,レーザー機器管理者に具体的に何を求めており,どのような考え方に基づいてレーザー作業の安全な環境を構築するかなどを,弊社のwebinar「レーザー機器管理者の実務」で解説しています。レーザー機器管理者に選任されたが,ご自身の理解・技能に不安を覚えておられる方にお勧めします。
(Feb. 13, 2024)
微細な立体形状加工(“μ-3D” 加工)や,広い面積を微細な立体形状で埋め尽くすような加工(レイヤード・ラスタスキャン加工)では,超短パルスレーザーの非熱的な加工特性が余すことなく活かされます。超短パルスレーザー加工機の導入により,誰でも超短パルスレーザー加工を行えます。…一寸考えてみてください。同じ加工機を導入したならば, 少なくともメーカーが揃えてくれたレシピに従った加工は,競合相手も同じように実施可能です。競合相手に対する優位性を得ようとするならば,メーカーの想定を超えて加工機を使いこなす技術力を持つことが求められます。
弊社の「“μ-3D” (アブレーション) 加工技術」に関する一連のwebinarでは,必要となる知識・技術を網羅して紹介・解説します。「”μ-3D” (アブレーション) 加工の概要」で,広く全体を俯瞰します。「レーザー・アブレーション」では,一連の光と物質の相互作用の中でのレーザー・アブレーションの位置付けを明らかにします。「凝集エネルギー,加工エネルギー」では,レーザー・アブレーションで必要とされるエネルギーの観点で考察します。この二つのwebinarで,レーザー・アブレーションを明確にイメージできるようになります。再現性のある加工を目指す方のために「加工条件」,諸問題を抱えておられる方に「加工熱・酸化」のwebinarを用意しています。レーザー・アブレーション加工の実務に就かれる方は,早い時期にこの二つを受講されることをお勧めします。試験段階にある多くのところでは,従来的なベクトルスキャン方式のガルバノスキャナを利用されています。大面積・高速加工の実生産では,従来的なベクトルスキャン方式が殆ど役に立たないことを,「レイヤード・ラスタスキャン加工」で示します。実生産への展開を検討されている方に,このwebinarの早期受講をお勧めします。
3月15日(金)開催のwebinarを 「レーザー機器の導入・運用・技術開発等の留意点」 から 「レーザー機器管理者の実務」 に変更します。
Webinar 「パルス出力の制御・走査と照射の同期」 のタイトルを「レイヤード・ラスタスキャン加工」に改題します。
'24年 4月開催ウェビナー
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2024年 4月12日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
一般基礎 「光学の基礎」
2024年 4月19日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
”μ-3D” (アブレーション) 加工技術 「”μ-3D” (アブレーション) 加工の概要」
2024年 4月26日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
'24年 3月 開催ウェビナー
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2024年 3月 8日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器管理者の実務」
2024年 3月15日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥22,000 (受講料¥20,000 + 消費税¥2,000) /人・回
”μ-3D” (アブレーション) 加工技術 「レイヤード・ラスタスキャン加工」
2024年 3月22日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
各講座・講習の内容やお申込みなどについては,弊社webサイトでご確認ください。
(Jan. 30, 2024)
超短パルスレーザーの加工応用を仕事とするならば,光学の知識やレーザーの知識はあったほうが良いと誰もが思うところです。それでは,知識の不足を実感されている方が,実際にこの仕事に就いてから知識を深める努力をされているかというと,日々の仕事の忙しさに流されて,殆ど手つかずのままであろうと思われます。仕方のないことです。どちらも間口も広く奥も深いですから,どこから手を付けてよいのかわからないというのが実感でしょう。弊社では一般基礎として,「光学の基礎」「レーザーの基礎」「レーザー出力の主要特性項目&安定化」の三つのwebinarをご用意しています。すぐに役立つという観点では「レーザー出力の主要特性項目&安定化」をお勧めします。このwebinarを受講されて,レーザーの諸特性の加工への影響を理解された後,さらに深く検討するために必要な光学やレーザーの基礎を学ばれるのが効果的です。
レイヤード・ラスタスキャンによる “µ-3D” 加工は,高繰返し超短パルスレーザーの特徴が良く活かされるアプリケーションです。これまで加工用レーザーは,十分な出力を確保することを優先し,繰返し周波数が低く,時間あたりのパルス数が少ないので,ベクトルスキャンがずっと利用されてきました。微細な形状が全面に敷き詰められたような加工は,ブラウン管TV等で利用されてきたラスタースキャンが適しており,MHz級の繰返し周波数の超短パルスレーザーの登場により可能になってきました。一般的な技術ですが,一寸したノウハウを知っておくとレーザー加工が安定します。“µ-3D” 加工の実用化に取り組まれている方に,弊社のwebinar「レイヤード・ラスタスキャン加工」をお勧めします。
(Jan. 16, 2024)
超短パルスレーザーの産業応用が検討され始めた頃は,繰返し周波数 数kHz,パルスエネルギー 数mJ,平均出力 数Wあたりが代表的な仕様でした。現在は,繰返し周波数 数MHz,パルスエネルギー 数μJ,平均出力 数W程度でしょうか。大きな違いは繰返し周波数にあります。
初期の頃は,ナノ秒短パルスレーザーで行われていた加工の高品位化が検討対象でした。撃ち方は同じで,パルス幅の効果に期待するので,繰返し周波数は高くありません。穴あけや薄膜の線状剥離などではそれでも十分でした。超短パルスレーザーの非熱的加工の特徴は,ナノ秒短パルスレーザーでは実現できない微細形状付与に活かすことができます。微細形状加工では微細な照射スポットを用います。複雑な微細形状を作り出すには大変に多くのパルス照射が必要であり,低い繰返し周波数では実用的なスループットが得られません。MHz級の繰返し周波数の超短パルスレーザーを用いることが,実用的微細形状加工では必須です。
微細形状加工では,ナノ秒短パルスレーザー加工で利用されているよりもさらに高度な,一パルスずつの照射位置制御が必要になります。広く利用されているXY2-100のプロトコルに準拠したガルバノスキャナは,そのままでは微細形状加工に利用できません。然しながら,ホンのちょっとした修正を施せば,廉価なガルバノスキャナを用いて実用的微細形状加工が可能になります。
我々は,超短パルスレーザーを用いた微細形状加工を ”μ-3D加工” と,またその加工方法を “レイヤード・ラスタスキャン加工” と呼び,弊社webinarを通して技術を紹介してきています。市販のレーザー微細加工機を導入して活用される方や,超短パルスレーザー光源を用いて加工機を自作される方などに,弊社のwebinar「レイヤード・ラスタスキャン加工」をお勧めします。
(Jan. 9, 2024)
能登半島地震でお亡くなりになられた方々に深く哀悼の意を表します。また,被災された方々にお見舞い申し上げます。
元旦の地震に続き,翌日には羽田で航空機事故がありました。私たちは2024年の活動を始めるにあたり,今までよりも慎重に,また心づもりをもって臨むのが良いようです。
昨年暮れに知人と,「人類の課題・問題は,科学技術で克服できる」と考える科学者・技術者についてメールで話をしました。M7級の暴力的な自然のエネルギーを目の当たりにして,まだその考えを持ち続けられる科学者・技術者は居るのでしょうか? 地球温暖化の主因は,産業革命を発端とした人類による化石燃料の大量消費です。科学技術が作り出してしまった危機であると云えます。克服できると声高に主張する科学者・技術者は,課題・問題の多くの原因が我々科学者・技術者の活動の結果にあることから目を背けています。人類は,科学者・技術者は,謙虚であることが求められます。新しい技術は可能性を広げてくれます。然しながらそれに使われるのではなく,使いこなすには,新しい技術の本質を見極めるための時間と,その波及効果を含めた道徳的解釈・判断が必要です。
超短パルスレーザーを用いたアブレーション加工は,登場してからまだ20年程しか経っていない,従来にない新しい特徴を持った技術です。微細加工の大敵である熱影響を大幅に低減できるという特徴に目を奪われ,つまみ食い的な技術開発が行われてきています。本当にそれで良いのでしょうか? 本質への到達はまだですが,ここ数年で,超短パルスレーザーによるアブレーション加工の本質に肉薄してきました。それを,弊社のwebinar「レーザー・アブレーション」,「凝集エネルギー,加工エネルギー」で紹介しています。志を同じくする技術者の方々,一緒に超短パルスレーザーを用いたアブレーション加工の本質を極めましょう。
(Jan. 2, 2024)
Webinar 「加工熱・酸化」 の開催日を,2月23日(金)から2月22日(木)に変更します。
3月15日(金)開催のwebinarを 「レーザー機器の導入・運用・技術開発等の留意点」 から 「レーザー機器管理者の実務」 に変更します。
Webinar 「仕様書・出荷検査書,安定出力の利用」 のタイトルを「レーザー出力の主要特性項目&安定化」に改題します。
Webinar 「パルス出力の制御・走査と照射の同期」 のタイトルを「レイヤード・ラスタスキャン加工」に改題します。
'24年 3月 開催ウェビナー
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2024年 3月 8日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器管理者の実務」
2024年 3月15日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥22,000 (受講料¥20,000 + 消費税¥2,000) /人・回
”μ-3D” (アブレーション) 加工技術 「レイヤード・ラスタスキャン加工」
2024年 3月22日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
'24年 2月開催ウェビナー
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2024年2月9日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
一般基礎 「レーザー出力の主要特性項目&安定化」
2024年2月16日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
”μ-3D” (アブレーション) 加工技術 「加工熱・酸化」
2024年2月22日 (木曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
(Dec. 26, 2023)
2023年(令和5年)も,残り少なくなりました。今年の漢字には「税」が選ばれましたが,皆さんにとって今年はどのような年だったでしょうか。
2022年に始まったロシアのウクライナ侵攻は,今年は収束せず,来年も続く様相です。今年はハマスによるイスラエルへの攻撃があり,イスラエルのパレスチナ・ガザ地区への大掛かりな侵攻となって跳ね返り,ガザ地区一般市民の生存が危うい状況が続いています。これが火種になって中東に争いが拡大すると,スエズ運河-紅海の海運航路が閉ざされ,影響が世界各国に広がりかねません。
UAEで開催されたCOP28は,化石燃料からの脱却を合意文書に盛り込みました。一方で国連事務総長グテーレスは,地球は温暖化の段階を突き抜け沸騰の段階に入ったと述べ,加えて今年の夏の暑さは異常であったことが数字に明らかに示されました。また関係は不明ですが,M7クラスの地震が世界各地で頻発し,火山の噴火も報告されています。争っている場合ではなく,各国の協調が必要です。…冷静に状況を眺めると悲観的にならざるを得ません。必要なのは,一人一人の正常性バイアスの克服でしょうか。
2024年(令和6年)が,人類の未来に明るい兆しが得られる年になることを,切に願います。
(Dec. 19, 2023)
鉄板,銅板,アルミホイル,シリコンウエハ,…元素単体から成る材料を容易に利用できるので,それらは安定な状態だと錯覚している方が多いでしょう。
金は自然金として得られ,金属状態で安定です。鉄は,鉄鉱石(酸化鉄)から精錬されます。アルミは,ボーキサイト(水酸化アルミ)から精錬されます。工業的に利用される物の多くは,天然には化合物として存在し,これを精錬して金属材料,半導体材料とします。大気中に精錬後の材料を保管する場合,大気中の酸素が,材料表面を酸化させます。金は,酸化物の生成を殆ど無視できます。それ以外の材料は,酸化の時間的な進み方や形成される酸化層の厚みが材料毎に異なりますが,酸素と接触した表面に酸化層が形成されます。金属板が光沢を保っていたとしても,表面は酸化層です。
一般的な機械加工では,殆どの場合,表面に形成された酸化層よりも厚く材料を剥ぎ取ります。このような場合は,表面酸化層の加工への影響を殆ど無視できます。さて,アブレーション加工における一つのパルスによる材料除去深さはどの程度でしょうか。それぞれの金属材料,半導体材料の表面酸化層の厚みはどの程度でしょうか。表面酸化層が厚い場合,加工の初期のアブレーションの対象は金属ではなく,金属酸化物になります。一つのパルス照射によるアブレーション除去深さは典型値で数十nm程度と極めて薄く,金属等の加工では表面酸化層の影響を強く受ける場合があります。一方,酸化物ガラスやアルミナセラミックスなどは,大気中で安定です。加工を通して,アブレーションの対象は酸化物です。
種々の材料に対して超短パルスレーザーによる微細加工を検討されている方々,特に金属や半導体材料への繊細な加工で問題を抱えておられる方に,弊社のwebinar「加工熱・酸化」で酸化の加工への影響の理解を深められることをお勧めします。
(Dec. 12, 2023)
超短パルスレーザーによるアブレーション加工は,非熱的加工と呼ばれます。一般機械加工やナノ秒パルスレーザー加工と,何が違うのでしょうか。弊社のwebinar「レーザー・アブレーション」や「凝集エネルギー,加工エネルギー」で詳細を解説しますが,簡単に云えば,目的とする材料の部位を「溶融を経ずに,その温度のまま固相から気相に変化させる」からです。理想的アブレーションでは,加工部で温度変化は生じません。ところが,超短パルスレーザーを用いた加工では,しばしば深刻な熱影響が現れます。…非熱的加工ってのは眉唾だな…と思われている方は多いでしょう。
思い出してください。穏やかな加工条件では,実に奇麗な加工結果が得られたでしょう。非熱的加工と呼んで良いほどに熱影響が大きく抑制された,アブレーション加工は確かにあるのです。アブレーション条件から懸け離れた条件での加工は,アブレーションが破綻し,熱的な加工に変化してしまいます。超短パルスレーザーに問題があるのではなく,使い方に問題があるのです。加工条件をアブレーション条件内に留めること,一般的には最適加工条件を守ることが,アブレーションで現れる熱影響の抑制に直接効果があります。
さて,実用化においてはさらに検討が必要な事項があります。照射したパルスのエネルギーの殆どを持っているのは,照射表面からアブレートされた(ワークを構成していた)原子・分子等です。理想的なアブレーション自体は加工点の温度を変化させませんが,アブレートされたものが加工点近傍に舞い戻ってくると,それらは堆積する際にエネルギーをワーク表面に渡し,付着点近傍の温度を上昇させます。これに適切に対処できないと,実用上の大きな障害になります。アブレーション加工の実用化を検討されている方々に,弊社のwebinar「加工熱・酸化」で理解を深められることをお勧めします。
(Dec. 5, 2023)
最近頻繁にテレビやラジオから「メチャクチャ***」と云う言葉が聞こえてきます。「メチャクチャ旨い」「メチャクチャ賢い」…。「とても」「大変に」「すごく」の意味合いで使われているのだろうと思っています。半世紀程前は,メチャクチャには滅茶苦茶や目茶苦茶の文字が当てられ,「君のレポートは,提起した課題がいつの間にか違うものにすり替わり,何の結論であるか不明なだけでなく,誤字脱字も多く,滅茶苦茶だ」のように使われていました。否定的に用いる言葉を肯定的に用いるのは,耳にする度に気持ち悪さを感じますが,言葉は時代とともに変化するものと諦め,慣れるように努めています。日常会話では,属する集団でその言葉がどのように用いられているかを,適切に判断・理解することが求められます。こちらの集団とあちらの集団で同じ言葉がちょっと違った意味合いで使われていることは珍しくありません。
技術分野ではどうでしょうか。レーザー発振器の選定のために,各社の仕様書を比較しているとしましょう。出力ビームの断面形状は多くの場合円形であることが求められ,その程度は「真円度」で表されます。メーカーとユーザーが接点を持たない間は,それぞれが「真円度」をどのような意味で用いていたとしても特段の支障はありません。一方で機種選定に際しては,メーカー各社もユーザーも「真円度」を同じ意味で用いる必要があります。それぞれが勝手な使い方をしていると,機種選定は不能になります。技術分野では特に大切な言葉・技術用語は定義されており,その定義を関係者は理解しているものとして議論されます。自分勝手な意味でその語を用いると,多くの場合議論は収束せず,平行線を辿ります。
仕様書に話を戻しましょう。波長,出力,繰返し周波数,パルス幅,パルスエネルギー…この辺りまでは厳密な定義を知らなくても,多くの場合齟齬は生じません。出力安定性,pulse to pulseエネルギー安定性…語の指すところはイメージできますが,%rmsが意味するところに思い当たるのに少々時間を要します。真円度,ポインチングスタビリティー,M2…多くの方は何を指しているのかイメージが湧かないでしょう。
超短パルスレーザーを高度に使いこなそうとする場合,仕様書に示される「レーザー出力の主要特性項目」の定義を適切に理解していることは大変に重要です。レーザー発振器の選定を予定されている方,加工機などレーザー発振器を用いた応用開発に携わる方などに,弊社のwebinar 「レーザー出力の主要特性項目&安定化」でこれらの定義の理解を整理されることをお勧めします。
1月19日(金)開催のwebinarを 「レーザー機器の導入・運用・技術開発等の留意点」 から 「レーザー機器管理者の実務」 に変更します。
Webinar 「加工熱・酸化」 の開催日を,2月23日(金)から2月22日(木)に変更します。
'24年 2月開催ウェビナー
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2024年2月9日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
一般基礎 「レーザー出力の主要特性項目&安定化」
2024年2月16日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
”μ-3D” (アブレーション) 加工技術 「加工熱・酸化」
2024年2月22日 (木曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
'24年 1月 開催ウェビナー
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2024年 1月12日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器管理者の実務」
2024年 1月19日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥22,000 (受講料¥20,000 + 消費税¥2,000) /人・回
”μ-3D” (アブレーション) 加工技術 「加工条件」
2024年 1月26日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
(Nov. 21, 2023)
レーザー業務に従事する職場の安全について,レーザー機器管理者は重い責務を担っています。それゆえに「レーザー光線による障害防止対策要綱」で厚生労働省は,「レーザー機器の取扱い及びレーザー光線による障害の防止について十分な知識と経験を有する者のうちからレーザー機器管理者を選任」するように求めています。特定の資格の所有を指定していませんので,どの程度の「知識と経験」であるか判断に迷います。
一般財団法人光産業技術振興協会は,毎年「レーザ機器取扱技術者試験」を実施してきています。第1種は「レーザ機器の取扱いに関する安全管理および安全設計に必要な専門知識」を,第2種は「レーザ機器および取扱安全に必要な基礎知識」を試験審査します。従って,レーザー機器管理者の有すべき十分な知識と経験として,レーザ機器取扱技術者試験(第1種)の合格者相当を一つの目安とすることができます。ところが,第1種試験は合格率が低い狭き門であり,合格者が居る職場は稀です。次善の策として,少しは知識と経験のある方を選任し,数年内の試験合格を目指してもらうことになります。然しながら,試験合格に関わらず,レーザー業務に従事する職場の安全についての日々の責務は全うせねばなりません。
弊社のwebinar「レーザー機器管理者の実務」は,要綱の全文を読むことから始めます。理解の鍵となる多くの箇所では,内容を平易に解説します。経験が浅く知識が乏しかった方でも,無理なくレーザー機器管理者としてなすべき事項を理解頂けます。
レーザー機器管理者に予定されている方,既に選任されているが要綱の理解に不安のある方に特に弊社のwebinar「レーザー機器管理者の実務」の受講をお勧めします。
(Nov. 14, 2023)
「レーザー機器を取り扱う業務又はレーザー光線にさらされるおそれのある業務(レーザー業務)に常時従事する労働者の障害を防止することを目的」として,厚生労働省は「レーザー光線による障害防止対策要綱」を策定し,これに基づいて各都道府県労働局は関係事業者等を指導してきています。要綱の内容は次の3点にまとめることができます。
(1) 関係事業者等は労働安全衛生法の規定による労働衛生管理体制を整備せよ。
(2) 可視光以外の波長を出力するクラス3R,クラス3B,クラス4のレーザー機器については,レーザー機器の取扱い及びレーザー光線による障害の防止について十分な知識と経験を有する者のうちからレーザー機器管理者を選任せよ。
(3) レーザー機器管理者は,要綱に掲げられたレーザー機器のクラス別措置を基準として,当該レーザー機器を用いたレーザー業務に関する安全を,構築・維持・向上せよ。
要綱の殆どは,レーザー機器管理者が行うべき事項の記述であると云えます。レーザー機器管理者は,職場のレーザー業務の安全に関する最重要人物です。
レーザー機器管理者は,重い責任を負っていますので,要綱が示す通り,十分な知識と経験を有していることが望まれます。一方で,職場で適任を見つけるのはなかなか難しいのが実情です。多くの職場では,経験が浅く知識の乏しい方が名目上・飾りとして実働のないまま,レーザー機器管理者を務められているようです。これまでは運が良かっただけで,それではいつ事故が起こっても不思議ではありません。
難解な表現の多い要綱ですが,要となる箇所が理解できると,全体が見通せるようになります。適切に安全措置を講じるには経験が必要ですが,原則を理解すると,経験の浅い方でも十分に適切に対処可能です。弊社のwebinar「レーザー機器管理者の実務」は,要綱の全文を読むことから始めます。理解の鍵となる多くの箇所では,内容を平易に解説します。経験が浅く知識が乏しかった方でも,無理なくレーザー機器管理者としてなすべき事項を理解頂けます。
レーザー機器管理者に予定されている方,既に選任されているが要綱の理解に不安のある方に特に弊社のwebinar「レーザー機器管理者の実務」の受講をお勧めします。
1月19日(金)開催のwebinarを 「レーザー機器の導入・運用・技術開発等の留意点」 から 「レーザー機器管理者の実務」 に変更します。
Webinar 「加工熱・酸化」 の開催日を,2月23日(金)から2月22日(木)に変更します。
(Nov. 7, 2023)
フェムト秒レーザー等の超短パルスレーザーを用いた微細加工は,二つに大別できます。一つは微細ストレート穴あけに代表される高アスペクト比加工であり,もう一つは比較的広い面積に低アスペクト比な微細形状を敷き詰めるように形成する加工です。後者を我々は"µ-3D"加工と呼んでいます。目に見える大きさの加工で考えると,高アスペクト比加工はボール盤による厚板への穴あけ加工に,"µ-3D"加工はシボ加工に例えることができます。
アブレーションの特徴および光源の高い繰返し周波数は,"µ-3D"加工に実に良く適しています。素直に条件を設定すれば,所望の"µ-3D"加工結果を得ることができます。多くの問題は,高スループット化を狙って無茶な条件で加工を行ったり,高い技術を必要とされる高アスペクト比化を盛り込もうとした場合に生じます。高スループット化を含めて,"µ-3D"加工条件に関する知見を深めたい方は,弊社のwebinar「加工条件」をご利用ください。
代表的高アスペクト比加工である,板材への高アスペクト比微細ストレート穴あけに関しては,多軸ガルバノスキャナを用いた加工機が市販されています。大変に高価ですが,これらで対処可能な加工については,市販加工機を導入されることをお勧めします。市販加工機でも対処できない加工の場合,市販加工機の改造や或いは新規な加工機の構築を行うことになります。然しながらそのためには,基礎的な"µ-3D"加工技術の理解の上で,高アスペクト比加工に必要な幅広い技術を理解する必要があります。トライされる方は,先ず弊社のwebinar「加工条件」をマスターください。
'24年 1月 開催ウェビナー
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2024年 1月12日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器管理者の実務」
2024年 1月19日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥22,000 (受講料¥20,000 + 消費税¥2,000) /人・回
”μ-3D” (アブレーション) 加工技術 「加工条件」
2024年 1月26日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
'23年 12月開催ウェビナー
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2023年12月1日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
一般基礎 「レーザーの基礎」
2023年12月8日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
”μ-3D” (アブレーション) 加工技術 「凝集エネルギー,加工エネルギー」
2023年12月15日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
(Oct. 24, 2023)
『「レーザー安全講習」を受講すれば,仕事を安全に行える』と理解されている方が多いようです。誤りではありませんが,講習の受講だけでは十分ではありません。レーザー機器を用いた作業の安全で最も重要なのは「レーザー機器管理者」の働きです。
厚生労働省策定「レーザー光線による障害防止対策要綱」で,「労働安全衛生法第59条第1項又は第2項に基づく教育を行うこと」とされているのが「レーザー安全講習」です。これは「雇入れ時等の教育」と呼ばれており,労働者を雇い入れたとき又は労働者の作業内容を変更した時に,事業者が行わなければならない安全衛生教育です。
同じく要綱では,レーザー機器を用いる事業所では労働安全衛生法の規定による労働衛生管理体制を整備し,特にクラス3R(可視以外の波長を出力する機器に限る)・3B・4のレーザー機器を用いる場合はレーザー機器管理者を選任し,レーザー機器を用いる職場及び作業の安全に関わるほぼ全ての業務を行なわせるものとしています。レーザー機器とそれを用いる作業の特性を考慮した上で適切な措置を施し,安全な環境を構築するのはレーザー機器管理者の仕事です。安全が確保された環境で,措置を無効にするなどの過ちを冒さず,適切に作業を行えるようにするために必要な安全衛生教育が「レーザー安全講習」です。レーザー機器を用いた作業の安全は,レーザー機器管理者が担っていると云えます。単なる名前だけの存在であってはならず,課せられた業務をしっかりと理解し,適切に遂行することが望まれます。
弊社のwebinar「レーザー機器の導入・運用・技術開発等の留意点」は,レーザー機器管理者を含む会社組織のレーザー機器の導入・運用に関する留意点を簡潔にまとめて解説します。導入を予定されている会社やレーザー機器管理者に予定されている方に受講をお勧めします。
(Oct. 17, 2023)
エネルギーの定義は,「仕事をすることができる能力」です。高校の物理の最初に学びますが,覚えている方は少ないようです。では,仕事の定義は何でしょうか? もしご存じなければ,お手すきの折に生成AIに聞いてみてください。丁度良い生成AIの実力試しになると思います。…生成AIを含めて,多くのテキストなどで次のような表現が見つかるでしょう。仕事とは,「物体に力を加えて移動させたときの,力と力の方向に移動した距離の積」。これ以外の表現は,まず出て来ません。この世界では,エネルギーを用いてできることは,物体を移動させることだけのようです。…皮肉はこの程度で止めましょう。
仕事とは,「エネルギーの投入により生じた変化」と考えるのが適切でしょう。レーザー加工では,溶接,切断,改質など,ワークに様々な変化を生じさせます。超短パルスレーザーを用いたアブレーション加工では,ワーク表面の所望の体積を取り除きます。アブレーション加工の仕事とは,体積除去であると云えます。加工のために照射したエネルギー量は容易に求めることができます。体積除去の仕事量をエネルギーの単位で求めることができれば,アブレーション加工を数値を基に,詳細に検討することが可能になります。
弊社のwebinar「レーザー・アブレーション」では,前半で光と物質の相互作用としてのアブレーション現象の位置付けを明確にし,後半でアブレーション現象を生じさせるのに必要な光子エネルギーについて解説します。またwebinar「凝集エネルギー,加工エネルギー」では,アブレーションにより除去される体積と投入エネルギーの関係を明らかにします。
成書や種々のテキストのレーザー・アブレーションに関する記述が,曖昧模糊としていて,気持ち悪さばかりを感じている方々に,弊社のwebinar「レーザー・アブレーション」と「凝集エネルギー,加工エネルギー」をお勧めします。
(Oct. 10, 2023)
レーザー機器(クラス1M,2M,3R,3B,4)を用いた仕事に従事するには,事前にレーザー安全講習(雇入れ時等安全衛生教育)の受講が必要です。作業従事者に受ける義務があるのではなく,会社に受けさせる義務があることにご注意下さい。また会社が選任したレーザー機器管理者は,受講(教育実施)を記録・保管するように指定されています。弊社のwebinar「レーザー安全講習」を受講された方に「修了証書」をお出ししております。エビデンスとしてご利用下さい。
レーザー機器の取扱いや安全に関して十分な知識と技術を有する者が,会社からレーザー機器管理者に選任されます。レーザー機器管理者が行う当該レーザー機器の運用・管理は,教育実施の記録・保管をはじめとして多岐に渡る内容が指定されています。レーザー機器管理者の仕事を十全に行うには,これらの内容を適切に理解・把握することが望まれます。弊社のwebinar「レーザー機器の導入・運用・技術開発等の留意点」は,レーザー機器管理者を含む会社組織のレーザー機器の導入・運用に関する留意点を簡潔にまとめて解説します。導入を予定されている会社やレーザー機器管理者に予定されている方に受講をお勧めします。
しばしば,レーザー機器の導入や取扱業務の安全環境構築等に関する概要を求めて,弊社の「レーザー安全講習」を受講されます。「レーザー安全講習」は作業従事者向けの内容であり,会社側が行うべき内容については殆ど触れておりません。会社側のなすべき事柄に関する情報収集の場合は,「レーザー機器の導入・運用・技術開発等の留意点」をご利用下さい。
(Oct. 3, 2023)
レーザー・アブレーションを加工に用いて,従来の熱的レーザー加工では困難であった微細な形状付与が可能になりました。微細直接加工の強力なツールとなるためには,理屈に基づいた加工現象の理解の充実が必須です。
光の物質への作用の基は,電子(電気双極子)の状態変化です。弊社のwebinar「レーザー・アブレーション」では,直流及び交流電場下で電子の状態がどのように変化するかを概観します。高エネルギー電磁波により引き起こされる外部光電効果がアブレーションの基本であること,絶縁体・伝導体で外部光電効果がどのようにアブレーションに繋がるかを示します。 これらにより,材料の種類により生じるアブレーションの違いまでイメージできることを目指します。
弊社のwebinar「凝集エネルギー,加工エネルギー」では,アブレーションを数値的に取り扱います。材料表面の固体体積の除去に必要なエネルギーは,その材料の凝集エネルギー(昇華熱)です。然しながら,昇華熱相当のエネルギーをレーザー照射しても予想した体積のアブレーションは生じません。凝集エネルギー < 加工エネルギー です(アブレーションに必要なエネルギーを加工エネルギーと呼ぶとする)。材料の種類ごとに加工エネルギーを試算し,それらが実験値とよく一致していることを示します。凝集エネルギーと加工エネルギー(理論)の差,加工エネルギーの理論値と実験値の差は,熱影響の数値的検討を可能にしてくれるでしょう。
アブレーションをハッキリとイメージでき,具体的な数字を伴って議論できるようになっても,まだ残るのは,「稀にしか生じないとされている多光子吸収を基にした材料除去加工が成立するのか」と云う疑問です。多分,良く勉強された方ほどこの疑問を持たれるでしょう。「レーザー・アブレーション」の最終章「加工の実際」,「凝集エネルギー,加工エネルギー」の最終章「高密度光子」で,この疑問にお答えします。
旧講座「エネルギー」を新講座「凝集エネルギー,加工エネルギー」に改題しました。内容は大幅に改訂されており,特に加工エネルギーの取扱いが大きく変わっています。旧講座を受講された方は,宜しければ,新講座を(無料で)受講頂ければと思います。ご希望の方は,(可能であれば,前回受講日を記して)お申込みください。(人数が多い場合,別日程をお願いする場合があります。)
'23年 12月開催ウェビナー
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2023年12月1日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
一般基礎 「レーザーの基礎」
2023年12月8日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
”μ-3D” (アブレーション) 加工技術 「凝集エネルギー,加工エネルギー」
2023年12月15日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
'23年 11月 開催ウェビナー
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2023年11月10日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器の導入・運用・技術開発等の留意点」
2023年11月17日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥33,000 (受講料¥30,000 + 消費税¥3,000) /人・回
”μ-3D” (アブレーション) 加工技術 「レーザー・アブレーション」
2023年11月24日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
(Sep. 26, 2023)
小学校の理科の授業で,鉛筆で黒く塗りつぶした紙に太陽光を虫眼鏡で集光照射して,焦げを作ると云う体験をされた方が多いと思います。レーザー加工でもビームを(球面)凸レンズで集光照射します。Sub-mm程度の集光スポットで用が足りるマクロ加工では,小学生の虫眼鏡の集光と同程度の常識的な光学系の調整で実用上支障の無い集光スポットが得られます。一方で,微細加工ではほぼ真円の集光スポットが求められ,集光スポットサイズは数十~数µmと小さくなります。短焦点レンズを用いることでサイズを小さくできますが,ほぼ真円の形状は光学知識とそれを具現化できる腕の両方を備えている必要があります。
集光や結像で必要となる光学知識の代表は,色収差やザイデルの五収差などの「収差」です。色収差は,レンズの屈折率の波長依存(屈折率分散)によるものです。レーザーは単色ですから,集光や結像への色収差の影響は無視できます。ザイデルの五収差は,カメラレンズのように球面レンズの広い面積を利用する場合に現れる影響です。多くの場合,レーザービームの集光ではレンズの中心領域しか使いませんので,ザイデルの五収差は顕著になりません。 (但し,F-θレンズの広い面積をビームでスキャンして利用する場合は,歪曲収差が強く現れます。) このように考えると,レーザービームの微細集光は容易なように思えます。
球面レンズの形状・屈折の機能の分布は回転対称です。回転対称な広がりの分布のレーザービームが球面レンズの回転対称軸と同軸に入射するならば,見事な真円の集光スポットが得られるでしょう。ところが実際のレーザービームは,少なくとも縦方向と横方向で広がり角が僅かに異なります。回転対称の屈折機能の分布を持つレンズに,縦横で広がり角が異なるビームが入射すると,その集光点ではザイデルの五収差のうちの非点収差が現れます。ザイデルの収差論からこれを解釈しようとすると大変に手こずります。原因はビーム側にあるのです。
弊社のwebinar「光学の基礎」では,微細集光スポット形成や加工現象解釈に役立つ光学知識を紹介します。光学系を自分で組まれる方,お使いの加工機の集光光学系を自分で調整される方に,特に本webinarを受講されることをお勧めします。
(Sep. 12, 2023)
歴史の長い学問分野である光学は,膨大な研究成果を有しています。ニュートンは既に1704年に出版された「光学」で,光の屈折・反射・回折等に関する膨大な実験結果を公開しています。300年以上も前の研究成果が,現在私達が利用している光学機器で立派に役に立っています。…大気中で波長λの光の,屈折率nの媒体中での波長はλ/nと学び,大気中で700nmの赤は,n=1.5のガラス中で467nmの青に見えるのかと,毎年少なからぬ学生が頭を抱えて悩みます。 これについてもニュートンは「光学」の中で「光に色はついていない」と,明快に記しています。色は,ヒトの眼の網膜の視細胞が発する信号・情報です。伝播中の光は色と云う情報を持っていません。ヒトの眼に入って初めて網膜により情報が付加されます。
古い学問であるためか,熱学の多くが熱平衡状態を前提としているように,光学の研究成果の多くは「静的な現象」を取扱っています。超短パルスレーザー微細加工でも,実用上はそれで殆ど支障はありません。然しながら動的な変化に考えが及ぶようになると,技術をさらに深く理解できるようになります。
マクロ加工で広く利用されるガルバノスキャナの微細加工での課題は,描画始点及び終点近傍での加速・減速の影響です。レーザー発振の原理は,熱平衡状態でのボルツマン分布ではなく,励起状態の動的変化,特に特定条件下の過渡状態のイメージが,理解を深めてくれます。超短パルスレーザーのキー・デバイスであるモードロッカーは,動的な吸収の変化である可飽和吸収の理解が重要です。
弊社のwebinar「光学の基礎」「レーザーの基礎」では,レイヤード・ラスタスキャン加工,μ-3D加工をはじめとして,広くレーザー加工で役立つ内容で構成しています。技術の基礎の整備・整理のために,受講されることをお勧めします。
(Sep. 5, 2023)
積上げ型の加工である3Dプリンタでは,ストレートな穴を容易に作成できます。彫り込み(削り出し)型の加工であるレーザー・アブレーション加工は,ストレートな穴加工が苦手です。
ボール盤で用いるドリルビットは,概略円柱形状です。ドリルビットを挿入することで,ストレートに穴が深く伸びていきます。レーザー・アブレーションでは,集光ビームの焦点を加工に用います。焦点近傍のビーム直径は双曲線的に変化します。平行ビームではないものを用いてストレート穴をあける……高度な技術課題であることを理解頂けたでしょうか。加工部が溶融しても良いのであれば,従来型レーザー加工技術が利用できます。アブレーションを保ったままでも,(穴径 >> 焦点直径,穴深さ ~ 穴径) であるならば,ほぼストレートとみなせる穴をあけることができます。(穴径 ~ 焦点直径,穴深さ >> 穴径) は,あなたが腕の良い技術者であったとしても,直ぐには方策を見出せないでしょう。
超短パルスレーザー加工機を導入した多くの現場で,導入して直ぐに微細ストレート穴加工や,垂直壁を含む形状の加工にトライされ,担当が大変に苦労されています。それは無茶と云うものです。F1マシンを購入して,直ぐにレースに出るようなものです。先ずは基礎・基本をしっかりと身に着けて,それから高度な課題に取り組むのが適切なアプローチです。
弊社のwebinarでご紹介しています「レイヤード・ラスタスキャン加工」,「μ-3D加工」は,ストレート穴や垂直壁の加工はできませんが,比較的広い面積に微細な3次元形状を敷き詰めるように加工でき,広く実際の加工に展開できます。無理なく素直に技術が構成されていますので,レーザー・アブレーション加工における諸加工パラメータの特徴や効果を明瞭に理解できます。またあわせて関連する光学やレーザーの基礎知識を充実させることで,高度な技術課題に取り組むことができるようになります。超短パルスレーザー加工の導入・展開のための,基礎・基本の修得の位置付けで,弊社の諸webinarを受講されることをお勧めします。
'23年 11月 開催ウェビナー
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2023年11月10日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器の導入・運用・技術開発等の留意点」
2023年11月17日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥33,000 (受講料¥30,000 + 消費税¥3,000) /人・回
”μ-3D” (アブレーション) 加工技術 「レーザー・アブレーション」
2023年11月24日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
'23年 10月開催ウェビナー
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2023年10月13日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
一般基礎 「光学の基礎」
2023年10月20日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
”μ-3D” (アブレーション) 加工技術 「”μ-3D” (アブレーション) 加工の概要」
2023年10月27日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
(Aug. 22, 2023)
光路設定や光学系のアライメントは,おおよそ同じような考え方に基づいて行われますが,会社等組織に特有のローカルな手法が幅を利かせています。多くの現場で行われているアライメント手法の一つに,次のようなものがあります。『レンズ等光学素子を挿入する前のビーム位置をスクリーンやターゲットに「シルシ」しておき,ビームが「シルシ」にくるように挿入した光学素子の位置・アオリ等を調節する。』 妥当な考え方のように思われます。開口数が然程大きくない集光などでは,大きな問題は生じないでしょう。一方で,良好なスポット形状や微細なスポットを利用したい場合は,役に立ちません。光学素子などを透過したビームのズレは僅かであるので,精密なアライメントには適していません。光学素子等で反射するビームは,ミスアライメントを反映して入射ビームから大きくズレます。反射ビームを用いる手法が精密なアライメントには適しています。
日本人技術者は極めて真面目です。反射ビームを用いた精密アライメントでは,反射ビームが入射ビームと完全に重なるまで,合わせ込んでしまいます。実はこれはやってはいけないことの一つです。レーザー光源の出射窓に戻らないように,各光学素子等での反射ビームを,入射ビームに完全には重ならないように僅かにずらしておくのがルールです。弊社のwebinar「光学の基礎」では,精密アライメントで役立つ光学素子等での反射・透過・屈折も解説します。
尚,webinar「光学の基礎」では,50枚を超えるpptシートを用意しています。ご興味のある技術項目の解説に可能な限り重点配分しますので,お申し込みの際にお知らせください。
また,過年度では「アライメント」に関するwebinarも開催しておりましたが,webカメラ越しでは伝え難く,今期は開催しておりません。ご興味がおありの方は,遠慮なくお問い合わせください。
(Aug. 15, 2023)
日向に洗濯物を干すと,気持ちよく乾きます。洗濯物に含まれる水が飛んでいくのですが,沸騰によるのではないことを私たちは知っています。日向では洗濯物を取り巻く大気の湿度がより低くなるので,その温度のまま水から水蒸気へと変化します(熱平衡的気化)。同じ水から水蒸気への変化も,薬缶でお湯を沸かす場合は違ってきます。薬缶の周囲の大気の湿度はお湯が沸き始めると直ぐにほぼ100%になります。飽和に達しているので,大気はこれ以上水蒸気を取り込めないのですが,コンロから供給される大量のエネルギーによって水は沸騰し次から次へと水蒸気となって出ていきます(強制的気化)。飽和水蒸気圧を大きく超えていますから,水蒸気は直ぐに凝集して水滴になります。
同じように考えると,レーザーアブレーションをイメージしやすくなります。多くの固体材料の室温での(飽和)蒸気圧は,極僅かです。従ってこれを材料加工に利用できません。超短パルスレーザーの集光照射により,材料表面は高密度高エネルギー光子に晒され,周囲の大気の(飽和材料)蒸気圧を超えて,室温のままで強制的に固相から気相に変化させられます。条件を整えることで,これを材料加工に利用できます。然しながら,(飽和)蒸気圧を大きく超えている加工点近傍の大気中の材料蒸気は,直ぐに凝集して微粉末を形成します。アブレーションとは強制的な昇華であり,デブリスとは(飽和)蒸気圧を超えた材料蒸気の凝集物であると云うイメージは,レーザーアブレーションの直感的理解に役立つでしょう。
弊社のwebinar「"μ-3D"(アブレーション)加工の概要」では,上述のイメージを利用しながら,超短パルスレーザー微細加工のうちのレイヤード・ラスタスキャンによる"μ-3D加工"の概要を解説します。レーザーアブレーションのメカニズムについてはwebinar「レーザー・アブレーション」をご利用ください。
(Aug. 1, 2023)
'23年 10月開催ウェビナー
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2023年10月13日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
一般基礎 「光学の基礎」
2023年10月20日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
”μ-3D” (アブレーション) 加工技術 「”μ-3D” (アブレーション) 加工の概要」
2023年10月27日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥16,500 (受講料¥15,000 + 消費税¥1,500) /人・回
'23年 9月 開催ウェビナー
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2023年 9月 8日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器の導入・運用・技術開発等の留意点」
2023年 9月15日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥33,000 (受講料¥30,000 + 消費税¥3,000) /人・回
”μ-3D” (アブレーション) 加工技術 「パルス出力の制御・走査と照射の同期」
2023年 9月22日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
(Jul. 25, 2023)
超短パルスレーザーによるアブレーション加工では,加工後にワーク表面に観察される堆積物をデブリスと呼ぶことが多いようです。加工条件によってデブリスの堆積の様子は大きく変化します。穏やかで理想的な加工後は,ワーク表面は光沢を持ち,僅かにみられる微粉末状のデブリスはエアブロウで容易に取り去ることができます。奥行きのある形状加工後は,多くの場合大量の綿ボコリ状のデブリスが堆積しています。「こんなにデブリスが堆積していて加工は大丈夫か?」と心配しますが,殆どの場合は目的の形状は得られています。エアガンなどでデブリスの大部分を取り去ることができますが,角や隅やエッジに固着したようなデブリスは簡単にはクリーニングできません。更に激しい条件での加工では,ワークはデブリスで埋もれていて,目的の形状は得られません。
デブリスが堆積していても目的とする加工形状が得られた経験から,「デブリスは加工に影響しない」と思い込んでしまっている方が多いようです。加工条件を激しくしていくにつれて,除去体積が大きくなり,それがデブリスの堆積量に反映されます。一つの照射パルスの先頭部分で堆積デブリスを除去し,照射パルスの残りの部分で露出した材料表面の除去が行われることがイメージできれば,堆積デブリスは加工に大きく影響していることが理解できます。
デブリスは一般的には,「瓦礫や破砕物」を意味します。然しながら,アブレーションによって生じるデブリスは,単なる加工屑ではなく,材料気化物が凝集(凝縮・凝固)した微粉末です。デブリスの成り立ちや加工への諸影響を理解すると,加工環境や加工条件をどのように整えるのが良いかが見えてきます。弊社のwebinar「”μ-3D” 加工の概要」,「加工条件」,「熱現象 (加工熱・酸化に改題予定)」でデブリスに関する理解を深められることをお勧めします。
(Jul. 18, 2023)
従来型の多くのレーザー加工は,熱を用います。加工点での熱状態は比較的ゆっくりと変化します。従って加工の再現性や安定性のために,熱源であるレーザー発振器に「平均出力安定性」が求められます。「平均出力安定性」は,簡単に云えば,パワーメータに示される計測値が見ている間にセワシナク変動せずに,ほぼ一定値を示し続けることです。
レーザー熱加工でも,例えば,一パルスの照射で(貫通)穴を一つ形成するような加工の場合は,平均出力安定性ではなく,「pulse to pulse エネルギー安定性」がレーザー光源に求められます。パルスの照射と穴形成が一対一で対応しますから,加工の再現性や安定性のためには出力されるパルスの一つ一つが少なくとも同じエネルギーを有している必要があります。多くの超短パルスレーザー加工では,一つ一つの照射パルスによる材料除去の積み重ねとして,所望の微細形状を形成していきます。従って,超短パルスレーザー加工で求められる特性は平均出力安定性ではなく,「pulse to pulse エネルギー安定性」です。
多くのレーザーメーカーの努力により,良好な「pulse to pulse エネルギー安定性」の超短パルスレーザーが利用できるようになってきています。弊社のwebinar「仕様書・出荷検査書,安定出力の利用」では,出荷検査書に記された通りの高い安定性を,加工の現場で再現するためのknow howを紹介します。
(Jul. 11, 2023)
超短パルスレーザーを用いた加工は,アブレーションと呼ばれる特殊な加工メカニズムを利用して,加工熱の影響を大幅に抑制できるので,微細加工に適していると云われています。一方で,超短パルスレーザー微細加工で生じる問題の多くは,熱影響です。 …一寸変です。 理想的なアブレーションと云うものは存在せず,実際には利用できないのでしょうか。それとも,アブレーションについての理解が足りずに,やってはいけない使い方をしているのでしょうか。
アブレーションでは,固相材料を直接気化するために投入したエネルギーを,気化された材料の原子・分子・イオンが持って,固相材料外に出ていきます。投入したエネルギーが全てアブレーションに消費されるのであれば,エネルギーは固相材料には残りません。従って熱影響は現れません。ところが,投入したエネルギーがありふれた光吸収に消費されると,照射点で熱に変わります。照射点に到達したビームエネルギーのアブレーションに消費される比率を高めることが,発熱の抑制に直接つながります。
高エネルギー密度ビームを材料に照射すると,照射点の直上にプラズマが誘起されます。照射点と入射ビームの間にレーザー誘起プラズマが存在すると,入射ビームのエネルギーがプラズマに吸収されたり,反射されたりして,照射点にビームエネルギーが届かなくなります。また,高温化したプラズマからの輻射熱によって照射点近傍の温度が上昇します。一般的には,超短レーザーパルス照射では誘起プラズマの影響は深刻にはなりません。特殊な照射の場合は無視できない影響が現れるので,注意が必要です。
最も厄介な問題は,デブリスです。気化された材料の原子・分子・イオンなどがエネルギーを持って行ってしまうので,熱影響を避けることができるのですが,これらが凝集して微粉末化したデブリスはこのエネルギーを持っており,加工点近傍に大量のデブリスが堆積しているならば,デブリスが持ち帰ったエネルギーにより加工点近傍の温度が上昇しています。
このように超短パルスレーザー微細加工における加工熱の中身を吟味できると,目の前の加工の問題の原因を把握しやすくなり,適切な対策を打てるようになります。弊社のwebinar「熱現象」 (「加工熱・酸化」に改題予定) では,超短パルスレーザー微細加工における加工熱について解説します。
(Jul. 4, 2023)
'23年 9月 開催ウェビナー
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2023年 9月 8日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器の導入・運用・技術開発等の留意点」
2023年 9月 15日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥33,000 (受講料¥30,000 + 消費税¥3,000) /人・回
”μ-3D” 加工(アブレーション)技術 「パルス出力の制御・走査と照射の同期」
2023年 9月 22日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
'23年 8月開催ウェビナー
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2023年 8月 4日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
一般基礎 「仕様書・出荷検査書,安定出力の利用」
2023年 8月 10日 (木曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
”μ-3D” 加工(アブレーション)技術 「熱現象」
2023年 8月 25日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
(Jun. 27, 2023)
木工では木くずやカンナくず,金属加工では切りくずなどが,加工の進展に伴い出て来ます。材料上にこれら加工くずがあると,加工点(面)に工具刃を接触させられないので,加工の始めに材料表面の加工くずなどは丁寧に取り除かれます。加工中は,加工面に刃は接触し続け,加工くずは加工面から速やかに脱離していくことか多いので,加工面上に加工くずの堆積は生ぜず,問題となることはありません。
レーザーアブレーション加工では,加工点の材料は一旦気化し,次いで衝突を繰返して微粉末化し,加工点近傍にデブリスとして堆積します。加工の始めに材料表面をキレイにしておく必要性は,一般常識として多くの方が理解しており,レーザーアブレーション加工でもほぼ漏れなく実施されます。一方で,加工中に加工面上にデブリスが堆積していることを観察しているのに,それが加工に直接に影響することに注意を向ける方は殆どおられません。最も深刻な影響は,加工面上のデブリスの厚みがパルス照射では取り除けないほどに達した場合であり,加工は実質的に停止します。
本年度は,旧基礎講座シリーズの各内容構成の見直しを進めています。見直しの一つがデブリスに関する事項の充実であり,改訂が済んだ順に,弊社webサイトに資料を公開しています。ご興味のある方は,時々,弊社webサイトでご確認ください。
(Jun. 20, 2023)
クラス1M,2M,3R,3B及び4のレーザー機器を導入・運用するにあたって,事前に作業者に安全衛生教育としての「レーザー安全講習」を受けさせる必要のあることは,広く理解されています。この安全衛生教育は,厚生労働省策定の「レーザー光線による障害防止対策要綱」に記されています。同じ要綱において,クラス3R,3B及び4のレーザー機器の導入・運用では,レーザー機器管理者の選任も求められています。こちらは,名前のみの選任で良いと誤解されている方が多いようです。要綱では,レーザー機器管理者に行わせる事項として,
イ レーザー光線による障害防止対策に関する計画の作成及び実施,ロ レーザー管理区域の設定及び管理,ハ レーザー機器を作動させるためのキー等の管理,ニ レーザー機器の点検,整備及びそれらの記録の保存,ホ 保護具の点検,整備及びその使用状況の監視,ヘ 労働衛生教育の実施及びその記録の保存,ト その他レーザー光線による障害を防止するために必要な事項
が指定されており,加えて別記「レーザー機器のクラス別措置基準」には更に細かな事項が記されています。厚生労働省策定の要綱の遵守のためには,レーザー機器の導入の計画段階からレーザー機器管理者候補を交えて諸検討を行うのが実際的であると云えます。
弊社のwebinar「レーザー機器の導入・運用・技術開発等の留意点」では,導入における留意点に加え,導入後の運用や技術開発における留意点を解説します。特にレーザー機器管理者候補の方々に,求められている実務内容を把握するために,本webinarの受講をお勧めします。
(Jun. 6, 2023)
多くの作業では,再現性のあることを前提としています。レーザー機器を用いた作業も例外ではありません。時間単位や日単位での安定がビーム出力に求められることが多く,例えば定期的に出力を計測して,過不足があれば調整を行います。
短パルスや超短パルスが工業的に利用できるようになり,微細な加工や繊細な加工が行われるようになってきています。繰返し周波数が数百kHzの出力パルスの一つ一つでバラツキのない加工を行うには,時間単位や日単位での安定性では十分ではなく,連続したパルスの一つ一つを計測しそのバラツキを評価する必要があります(pulse to pulse エネルギー安定性)。メーカーの努力により,高いpulse to pulse エネルギー安定性のレーザーも出てきています。
レーザー単独での評価では高いpulse to pulse エネルギー安定性が示されるのに,加工機に搭載した実際の加工ではパルス毎のばらつきによる影響が現れることが,割と頻繁に生じます。何が原因であるかを突き止めるのが容易ではない,多くの開発者を悩ませる代表的な課題の一つと云えます。
弊社のwebinar「仕様書・出荷検査書,安定出力の利用」では,メーカーが仕様書や出荷検査書に記載した安定な出力を加工の現場で再現させるための基本及び実際を解説します。
'23年 8月開催ウェビナー
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2023年 8月 4日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
一般基礎 「仕様書・出荷検査書,安定出力の利用」
2023年 8月 10日 (木曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
”μ-3D” 加工(アブレーション)技術 「熱現象」
2023年 8月 25日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
‘23年 7月 開催ウェビナー
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2023年 7月 7日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器の導入・運用・技術開発等の留意点」
2023年 7月 14日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥33,000 (受講料¥30,000 + 消費税¥3,000) /人・回
”μ-3D” 加工(アブレーション)技術 「加工条件」
2023年 7月 21日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
(May 2 & 16, 2023)
レーザー機器を用いて行う業務の従事者に,安全衛生教育(レーザー安全講習)を行うことが求められていることは,広く周知されているようです。厚生労働省労働基準局長が都道府県労働局長に宛てた通達「レーザー光線による障害の防止対策について」において,厚生労働省策定の「レーザー光線による障害防止対策要綱」に基づいた関係事業者の指導が指示されており,安全衛生教育(レーザー安全講習)の実施はこの要綱に記されています。
要綱は,クラス 1M,2M,3R,3B,4 のレーザー機器を用いて行う業務を対象としており,第一に,
「労働安全衛生法の規定による労働衛生管理体制の整備」
を求めています。第二に,クラス3R,3B,4 のレーザー機器を用いて行う業務について,
「レーザー機器管理者を選任」
し,安全な職場環境の構築,維持・向上,管理・監視の実務を行わせることを求めています。安全衛生教育(レーザー安全講習)は,要綱が会社等組織に実施を求めている事柄のごく一部に過ぎません。
要綱がレーザー機器管理者による実施を指定している事項は広い範囲に及んでいます。また,それを適切に実施するには,レーザー機器管理者は関連する深い知識と技能を有している必要があります。レーザー機器の導入・運用を円滑に行うには,レーザー機器管理者の適任者を確保することが重要であると云えます。
レーザー機器の導入を予定されている会社等組織の方々は,弊社のwebinar 「レーザー機器の導入・運用・技術開発等の留意点」で,厚生労働省策定の要綱の内容を確認し,レーザー機器管理者の選任の重要性を理解されることをお勧めします。
‘23年 7月 開催ウェビナー
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2023年 7月 7日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器の導入・運用・技術開発等の留意点」
2023年 7月 14日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥33,000 (受講料¥30,000 + 消費税¥3,000) /人・回
”μ-3D” 加工(アブレーション)技術 「加工条件」
2023年 7月 21日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2023年 6月 9日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
一般基礎 「レーザーの基礎」
2023年 6月 16日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
”μ-3D” 加工(アブレーション)技術 「エネルギー」
2023年 6月 23日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
(Apr. 25, 2023)
レーザー(LASER)は ”Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation” の頭文字をとって作られた名称です。「誘導放射による光増幅」が示しているように,基本機能は光増幅です。光共振器内で発生した光を種光とする場合をレーザーと呼び,外から入力される光を種光とする場合を光増幅器と呼びます。
誘導放射が生じただけでは,光増幅は成立しません。放射の逆過程は光の吸収です。発生割合が (吸収 < 放射) である状態の系に種光が入力されると,光増幅が生じます。この状態を反転分布又は負の温度状態と呼びます。多くの方は,多分この辺りで,良く分からなくなるのではないでしょうか。熱平衡に至った安定な状態ではなく,ごく短い時間の過渡状態を利用していることを加えて考えると,理解しやすくなるでしょう。
光の粒子性をもとにした誘導放射による光増幅の説明は,スロットマシンのジャックポットを連想させます。しかしながら場合によっては,波動性をもとにした方が,強力な光であるレーザーを直感的にイメージできます。誘導放出は種光のクローニングと云えます。自他の区別ができないものを大量に複製します。粒子性で考えた場合,沢山の光子のイメージで止まってしまいます。これが波動であると,得られるイメージが変わります。異なる波動の場合はその加算は時間的に安定な波動にならない場合が殆どですが,同一の波動の場合は,例えばn個足し合わせると,振幅がn倍の時間的に安定な一つの波動になります。波動の持つエネルギーは振幅の二乗に比例することを加えて考えると,誘導放出により増幅された光が極めて強力であることが容易に理解できます。レーザーの特徴の一つであるコヒーレント(可干渉性)については,色々な説明がされていますが,上述のようなケースがイメージしやすいのではないでしょうか。
弊社のwebinar「レーザーの基礎」では,このような内容から解説を始めます。教科書などではモヤモヤが解消できなかった方々にお勧めします。
(Apr. 18, 2023)
「エネルギー準位」の語は,理工系学生の理解の妨げになっているように思っています。英語表現の「energy level」を使うと,ほぼ全員が直ぐにイメージできるでしょう。「量子力学的世界では,モノは連続的ではなく,離散的なエネルギー状態を取る。その,トビトビの一つ一つの状態で持つことができるエネルギーの値である」という説明と,日常生活で使ってきた「レベル」の語の持つイメージは馴染みが良いように感じます。用語として決められた「準位」ですが,理解しやすい英語表現をメインにしても他への影響は少ないでしょう。また,「エネルギー準位 (energy level)」は,学生用のテキストにあったような原子の軌道電子だけでなく,原子やイオンの電子配置や,分子内原子の振動などのエネルギー状態を表すのにも用いられます。「エネルギー準位」の示すところがはっきりすると,例えばレーザー発振の原理は極めて理解しやすくなります。同じように,「エネルギー」と「仕事」の定義を明確にすると,これまでとは違った観点で加工を考えることができるようになります。
弊社のwebinar「レーザーの基礎」,「エネルギー」で,一度ご自分の知識・理解を整理されることをお勧めします。
(Apr. 11, 2023)
一般的な自動車用のガソリンエンジンのエネルギー効率(燃焼で生じた熱エネルギーに対する動力として利用できるエネルギーの割合)は,約40%。照明にエポックをもたらしたLEDのエネルギー効率(電気→光)は,30~50%。この程度の高効率になってくると,それぞれの技術をエネルギーで議論することが意味のあるものになります。ちなみに,18~19世紀の産業革命を支えた蒸気機関のエネルギー効率は約5%。つい最近まで使われていた白熱電球が,10%程度。当時は凄い発明でしたが,現代では実用に供することが躊躇われるレベルです。
さて,レーザー加工はどうでしょうか。一度net検索をしてみてください。レーザー発振器の電気→光のエネルギー効率に関しては,割と多くの記事を見つけることができます。一方で,レーザー加工のエネルギー効率を明確に数字として記載している記事を見つけるのはなかなか困難です。
私的なデータですが,レーザーアブレーション除去加工のエネルギー効率(投入光エネルギーに対する実際の物質除去の仕事量)は25~40%と高い値です。これは,他の実用技術と同水準です。レーザーアブレーション加工は実用化技術の有力候補と云えます。レーザーアブレーション加工の工業利用を目指す方々に,弊社のwebinar 「エネルギー」 をお勧めします。
(Apr. 4, 2023)
「レーザー機器を利用するのに,レーザーの原理の理解は必須か?」 端的に云えば,レーザービームがどのようにして生成されるかを知らなくても,ビームを利用することに支障はありません。スイッチを入れれば,ビームは出て来ます。一方で,レーザー機器の利用による事故を防ぐには,利用に先立ってレーザーが利用者にまた周囲の人々にどのような危険を及ぼす可能性があるかを理解することが大切です。安全に仕事をするために,弊社のwebinar「レーザー安全講習」を受講されることをお勧めします。
レーザー機器を利用して仕事を進めていくうちに,しばしば課題に直面します。原因を究明し,対策を検討するには,理屈が必要です。運が良ければ直感的な対処で課題を克服できますが,いつも運が良いとは限りません。アスリートがトレーニングをかかさないように,技術者は常に技術理解を深めておきたいものです。多くの分野でレーザー機器は利用されており,その使い方も様々ですが,ビームを自在に使いこなす観点では「光学の基礎」が役に立ちます。レーザーと一括りにしていますが,連続波,パルス,短パルス,超短パルス等パルス幅(持続時間)によってパルスの作り方,出力の制御方法が異なります。この辺りについては「レーザーの基礎」で概略を解説します。所望のレーザー性能をもとに,市販の製品から選択しますが,仕様通りの性能が得られない場合があります。特に出力の安定性でそれが顕著です。仕様通りの性能を現場で再現させるためのknow-howを「仕様書・出荷検査書・安定出力の利用」で紹介します。直面する課題に合わせて,弊社の一般基礎webinarをご利用ください。
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2023年 6月 9日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
一般基礎 「レーザーの基礎」
2023年 6月 16日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
”μ-3D” 加工(アブレーション)技術 「エネルギー」
2023年 6月 23日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2023年 5月 12日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器の導入・運用・技術開発等の留意点」
2023年 5月 19日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥33,000 (受講料¥30,000 + 消費税¥3,000) /人・回
”μ-3D” 加工(アブレーション)技術 「光と物質の相互作用」
2023年 5月 26日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
(Mar. 28, 2023)
レーザー機器は,8つ (1, 1M, 1C, 2, 2M, 3R, 3B, 4) にクラス分けされます。その中のクラス1のレーザー機器は,人体に障害が発生するレベルのレーザーを機器外に放射せず,誰でも安全に利用できるものとされています。民生品として販売されるレーザー機器の多くは,クラス1です。
「安全に利用できる」=「どのような使い方をしても安全」 と思いがちですが,注意が必要です。クラス1レーザー機器には,二つの種類があります。一つは,用いられているレーザー光源がクラス1相当のものです。もう一つは,用いられているレーザー光源は危険なレベルですが,製品外部に漏れることがないように技術的な措置が講じられているものです。どのような使い方をしても安全なのは,用いられている光源がクラス1相当のレーザー機器です。用いられている光源が危険なレベルのものである場合,取扱説明書で禁止されていること (分解,改造,…) を敢えて行うと使用者に危険が及ぶのは,一般の製品と同様です。
厚生労働省策定の「レーザー光線による障害防止対策要綱」は,クラス1, 1C, 2のレーザー機器を対象としておらず,これらのレーザー機器を用いた作業に従事する方々への安全教育は求められていません。しかしながら,危険なレベルの光源が内蔵されているレーザー機器を用いる方々に,レーザーの危険性,生じうる障害を解説し,そのうえで取扱説明書や作業手順書の順守が作業者の身を守るうえで重要であることを理解してもらうことは,事故を未然に防ぐ高い効果が期待できます。ご利用のレーザー機器の内蔵するレーザー光源の相当クラスをご確認頂き,クラス1M, 2M, 3R, 3B, 4相当が用いられている場合は,弊社のwebinar 「レーザー安全講習」を受講されることをお勧めします。
(Mar. 22, 2023)
従来型機械加工では,一般に材料表面に工具刃が接触します。日常生活での経験をもとにした加工のメカニズムの推定が容易であり,問題が生じても,高い確率で適切な対処に辿り着きます。従来型レーザー加工は,殆どが熱加工です。非接触加工であり,日常生活での経験をもとにした推定は少々難しいですが,レーザービームをバーナーに置き換えてイメージすると,適切な検討が行えるようになります。レーザーアブレーション加工はどうでしょうか。「非接触でエネルギーを与えて,ダメージなしに物質を除去する」。日常生活に類似があるとは思えないでしょう。アブレーションに取り組むならば,これまでの経験を頼りにせず,理屈を学ぶ必要があることを少しは理解頂けたでしょうか。
弊社のwebinar「光と物質の相互作用」は,二つのアプローチを取ります。一つは電磁波の物質への作用です。電場の荷電粒子への作用の周波数依存を見ていきます。もう一つは物質を固相に保つ力です。固体を保つのに必要な力に,電磁波の物質への作用が打ち勝つと,物質は固相を保つことができなくなります。
使い古された言葉ですが,「急がば回れ」です。理屈が分からないと,アブレーション加工に関する問題を解決することは大変に難しいと云えます。理解に時間を要するかもしれませんが,アブレーションに関わる仕事をされるのであれば,弊社のwebinar「光と物質の相互作用」を受講されることをお勧めします。
(Mar. 14, 2023)
どのような仕事でも同じですが,安全な環境を用意することが第一です。安全な環境には,作業手順書の整備も含まれます。安全な環境を崩すことがないように,作業手順を明示し,それからの逸脱が危険を招くことを作業者に事前に理解させることが大切です。
安全な職場環境を構築・維持する役割を,レーザー取扱作業ではレーザー機器管理者が担います。安全な環境を構築するための措置基準が,厚生労働省策定「レーザー光線による障害防止対策要綱」に,レーザー機器から放射されるレーザーの危険の程度(レーザーのクラス)ごとに示されています。基準であることに注意が必要です。作業内容によっては,示されていない別の措置の方が安全の効果が高い場合があります。実際に合った安全措置の選択と実施が,レーザー機器管理者に課されています。
「レーザー光線による障害防止対策要綱」は作業者の安全の観点から厚生労働省が策定したこと,レーザー機器管理者が要綱に沿って職場の安全な環境の構築・維持にあたることをご理解頂けたと思います。要綱は,一部でJIS C 6802の参照を必要としており,詳細把握が少々難しくなっています。レーザー機器の導入・運用を計画されている方は,迅速に安全な職場環境を構築・維持するために,弊社のwebinar「レーザー機器の導入・運用・技術開発等の留意点」を受講されることをお勧めします。
(Mar. 7, 2023)
レーザー機器を安全に利用する基本は,メーカーで十全に安全措置が施されたレーザー機器を導入し,取扱説明書の内容を守って利用することです。日常生活での各種製品利用と同じだと思われるでしょう。その通りです。民生品でも,取扱説明書に “やってはいけないこと” が列挙されています。但し近年の民生品は,常識的に操作すれば安全に所望の機能が利用できるように作り込まれていて,取扱説明書を熟読する習慣は薄れています。一方で産業用の製品は “やってはいけないこと” をやってしまった場合に生じる危険が民生品に比べて桁違いに大きく,取扱説明書を事前にしっかりと読んで理解することが必要になります。
レーザー発振器(光源)を購入し,ユーザー自身が計測器や加工機等を自作して利用することがしばしば行われます。メーカーの技術者と同レベルの安全措置に関する知識と技術を有するユーザーであることが前提となります。ここで一つ注意が必要です。作業や環境の安全に関して,大学や公的研究機関でのレーザーの利用経験を過信しないことです。厚生労働省策定の「レーザー光線による障害防止対策要綱」は教育・研究機関を対象外としており,レーザー安全に関する指導が十分になされていない教育・研究機関が少なくないようです。
レーザー機器の導入やレーザー取扱作業の従事者への安全教育に,弊社のwebinar「レーザー安全講習」「レーザー機器の導入・運用・技術開発等の留意点」をご活用ください。
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2023年 5月 12日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器の導入・運用・技術開発等の留意点」
2023年 5月 19日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥33,000 (受講料¥30,000 + 消費税¥3,000) /人・回
”μ-3D” 加工(アブレーション)技術 「光と物質の相互作用」
2023年 5月 26日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2023年 4月 14日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
一般基礎 「光学の基礎」
2023年 4月 21日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
”μ-3D” 加工(アブレーション)技術 「”μ-3D” 加工の概要」
2023年 4月 28日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
(Feb. 28, 2023)
アブレーションと云う言葉は,色々な分野で用いられるようになってきています。医療の分野では,心房細動不整脈等の治療として心臓カテーテルアブレーション法が用いられます。この場合アブレーションは焼灼(しょうしゃく)と訳されます。レーザー加工の分野では,レーザー照射による材料の固相から気相への直接変化にアブレーションの語を与えています。(日本語訳は殆ど用いられません。) 液相を経ないので,加工部に熱が生じないことが期待できます。
これまでのレーザー加工の多くは,材料表面にレーザーを照射し,光エネルギーから変換された熱による材料溶融などを利用して加工を行ってきました。微小領域のみに発熱を限定することは困難であり,レーザー熱加工による微細形状形成は実用的ではありません。一方,アブレーションを上手く使えば,工業利用可能な微細加工が実現します。
従来のレーザー熱加工とレーザーアブレーション加工は,メカニズム,加工条件の考え方,加工阻害因子の対策など,大きく異なっています。従来のレーザー熱加工のセンスは,レーザーアブレーション加工の検討において役に立たないばかりでなく,多くの場合邪魔になります。レーザーアブレーション加工,特に ”μ-3D” 加工に取り組まれる方は 「”μ-3D” 加工の概要」 を受講され,必要なセンスを身に着けられることをお勧めします。
(Feb. 21, 2023)
光学は古くから研究されている分野で,その成果は膨大です。大学学部教育向けのテキストは,入り口のほんの僅かに触れているにすぎません。光学を専門としていても,その全体を見通すことができている研究者・技術者は稀であろうと思われます。一方で,光線の性質は大変に素直です。遮るものがなければ真っ直ぐに進み,凸レンズを通る平行光線はレンズの焦点に集光スポットを形成します。常識的に取り扱えば,所望の機能を発揮させられるので,わざわざ光学を詳しく知る必要はないと思っている技術者は多いと思われます。
日常生活の経験に基づいた常識的な取り扱いが有効なのは,”目に見える” (巨視的な) レーザー加工です。集光スポットサイズが少々ずれていようが,その形状が崩れていようが,加工結果に深刻な影響はありません。”目に見えない” (微細な) レーザー加工では話は変わります。例えば,微細な幅の溝堀や微細な穴形成では,集光スポットのサイズをミクロン精度で調整します。集光スポット形状が真円からズレると,溝幅などが方向によって異なってしまいます。
レーザー微細加工で必要となる事項は一般的な光学のテキストでは触れられていないことが多く,探し方が分からずに途方に暮れている方が多いでしょう。弊社のwebinar 「光学の基礎」は,レーザー微細加工に長年従事して,必要であった多くの事項から厳選して構成しています。どのような光学の事項が,どのようなレーザー微細加工の場面で必要になるかを理解するために,受講されることをお勧めします。
(Feb. 14, 2023)
業務に用いるレーザー機器の該当するクラスを知ることは,安全な環境を整えるための基本です。目は大変に繊細で,レーザーを浴びた場合に他の生体組織よりも障害が発生しやすいので,どのようなビームを目に浴びたかをレーザークラスの区分に用いています。「裸眼に直接」,「拡散反射光」,「望遠光学系を用いた直接観察」等の表現が用いられますが,光学やレーザーに慣れていないと具体的なイメージを持ち難いように思われます。
文章で表現されたレーザーのクラス分けを表にまとめ,弊社のwebinar「レーザー安全講習」で用いています。何が危険であるかが理解しやすく,特に複数のクラスの異なるレーザー機器を使用する職場で有効と思われます。
(Feb. 7, 2023)
厚生労働省策定「レーザー光線による障害防止対策要綱」に沿った「レーザー安全講習」,「レーザー機器の導入・運用・技術開発の留意点」は,’23年度に向けて改訂した資料を弊社webサイトに公開しております。
一般基礎及び ”μ-3D” 加工技術の各講座の資料は,順次改訂を行う予定です。弊社webサイトに各回に相当する第五期「レーザー微細加工のための基礎講座」の資料を公開しておりますので,概略の内容の確認にご利用ください。
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー安全講習」
2023年 4月 14日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
一般基礎 「光学の基礎」
2023年 4月 21日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
”μ-3D” 加工(アブレーション)技術 「”μ-3D” 加工の概要」
2023年 4月 28日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
第五期「レーザー微細加工のための基礎講座」 第8回「パルス出力の制御・走査と照射の同期」
2023年 3月 10日 (金曜),13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
レーザー取扱業務に就く方のための基礎講習 「光路設定・光学素子・アライメント」
2023年 3月 17日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
厚生労働省策定対策要綱に沿った 「レーザー機器の導入・運用・技術開発の留意点」
2023年 3月 24日 (金曜), 13:30~16:30 (Teams)
費用: ¥33,000 (受講料¥30,000 + 消費税¥3,000) /人・回
(Jan. 10, 2023)
様々な職場にレーザー機器が導入されています。出力が低く人体への影響のない機器や,ビームが閉じ込められていて外に漏れ出てこない機器は,安全であり,民生品としても販売されていて,誰でも自由に購入・利用できます。一方で,出力が高く,浴びた場合には目や皮膚に障害が生じる恐れのあるものは,民生品としては販売されていません。
出力の高いレーザー機器は,業務で導入・使用する場合にも特に安全に関して注意が必要であるため,厚生労働省は「レーザー光線による障害防止対策要綱」を策定し,これに基づいて関係事業者を指導しています。従って,民間事業者は「レーザー光線による障害防止対策要綱」に沿ってレーザー機器を導入・運用することが求められるのですが,この要綱は関連する法令や工業規格が入り組んでいて,理解するのに少々骨が折れます。
本講習では,厚生労働省策定の「レーザー光線による障害防止対策要綱」を中心に,関連する法令,工業規格を,分かり易く解説します。また,安全上の管理が必要なレーザー機器を「クラス1M 及びクラス2M」,「クラス3R」,「クラス3B 及びクラス4」の3つの場合に分けて,要綱に沿った導入・運用における留意点を詳しく示します。更に,民間事業者におけるレーザー機器を用いた技術開発も,場合によっては要綱によって制約を受けます。導入後に技術開発において支障が生じないように,事前に本講習を受講されることをお勧めします。
ウェビナー(Teams), 2023年 2月 24日 (金曜), 13:30~16:30
ウェビナー(Teams), 2023年 3月 24日 (金曜), 13:30~16:30
費用: ¥33,000 (受講料¥30,000 + 消費税¥3,000) /人・回
お申し込みなどに関しては,弊社homepage「お申し込みなどについて」をご覧ください。
(Jan. 17, 2023)
厚生労働省策定「レーザー光線による障害防止対策要綱」では,雇入れ時等の教育としての安全衛生教育の内容として,
① レーザー光線の性質,危険性及び有害性,② レーザー機器の原理及び構造,③ レーザー機器の取り扱い方法,④ 安全装置及び保護具の性能並びにこれらの取り扱い方法,⑤ 緊急時の措置及び退避
の内容を含むように留意することを求めています。弊社では,レーザー取扱業務に就く方の安全衛生教育にご利用頂ける「レーザー安全講習」をオンラインで開催してきております。従来の講習の内容は,厚生労働省の要綱との整合性が少々分かり難くありました。この整合性が明確になるように,内容・構成を大幅に改訂しました。弊社webサイトに公開しております。ご確認ください。
(Jan. 10, 2023)
「レーザー安全講習」は,労働安全衛生法第59条第1項又は第2項に基づく,新採や配転者への安全衛生教育にご利用頂けます。
「光学の基礎・レーザーの基礎」は,技術的理解が必要とされる作業への従事が予定されている方々のための講習です。
「光路設定・光学素子・アライメント」は,レーザー光源を用いて光路・光学系を自作するために必要な入門的事項を解説します。
「レーザー安全講習」,ウェビナー(Teams)
2023年 2月 10日 (金曜), 13:30~16:30
「光路設定・光学素子・アライメント」,ウェビナー(Teams)
2023年 3月 17日 (金曜), 13:30~16:30
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
お申し込みなどに関しては,弊社homepage「お申し込みなどについて」をご覧ください。
(Jan. 24, 2023)
弊社homepage等で紹介している レーザー“μ-3D”加工 を実施できる市販加工機が増えてきています。各社工夫を凝らしており,生産に適用できるレベルに仕上がっているものもでてきているようです。一般的な “μ-3D” 形状であれば,導入した加工機を用いて直ぐに生産に入ることが期待できます。
一方で現状では,全ての “μ-3D” 形状の加工に対応できるわけではありません。メーカーが用意したレシピにない加工は,ユーザーが自分で加工検討する必要があります。また,同じように加工機を導入した他社との差別化は,自社の加工検討能力から生まれます。
自社の加工検討能力の向上を目指す方々に,「加工条件」,「熱現象」,「パルス出力の制御・走査と照射の同期」の各ウェビナーの受講をお勧めします。
(Jan. 10, 2023)
第五期・第6回「加工条件」,ウェビナー(Teams)
2023年 2月 3日 (金曜),13:30~16:30
第五期・第7回「熱現象」,ウェビナー(Teams)
2023年 2月 17日 (金曜),13:30~16:30
第五期・第8回「パルス出力の制御・走査と照射の同期」,ウェビナー(Teams)
2023年 3月 10日 (金曜),13:30~16:30
費用: ¥11,000 (受講料¥10,000 + 消費税¥1,000) /人・回
お申し込みなどに関しては,弊社homepage「お申し込みなどについて」をご覧ください。