國田研究会

担当者名

國田 圭作 (クニタ ケイサク)

自己紹介

私は前職の広告会社(博報堂)で、行動変容を通じた社会課題の解決、という研究プロジェクトに携わっていました。既存の知識で答えがみつかる問題はAIに任せて、人間にしか考えられない難しい(正解のない)問題に取り組んでみませんか? それは社会の変革を人の行動変容を通じて作り出す、という難問です。多くの人は頭では理解していてもいざ行動に移すとなるとためらい、現状維持に走ります。人の行動が変わらなければ、社会の変革は進みません。國田が前職時代から取り組んできた「行動デザイン」はそうした停滞状況で突破口を作り出すアプローチです。ゼミ授業では個人課題、グループ課題、そして卒業制作と、課題のレベルをどんどん高めて、「行動デザイン」発想で、自分なりの問題解決を模索してもらいます。毎年、卒業生が驚くほど成長して巣立っていくのを見るのが楽しみになっています。

研究会のテーマ

3年間で問題解決力を身につける(行動デザインゼミ)

研究会の概要

毎回、特定の業界や市場について生活者とのギャップを深掘りし、そこから「行動デザイン」視点で問題解決策をワークショップスタイルで考えます。グループワークと個人発表を組み合わせ、適宜フィールドワークも交えて進行します。4年次には卒業制作として実効性のある「行動デザイン」プロトタイピングに取り組んでもらいます。今年度の4年生も、バーベキュー食材から始まるフードロス対策など、様々な社会課題を取り上げてユニークなプロトタイプの開発を進めています。

<最近のゼミ活動の紹介>

ゼミ活動として、この4年間取り組んできたのが、早慶、立教など関東地区の大学のマーケティング系ゼミの学生が主催する歴史あるゼミ対抗コンテスト、「関東学生マーケティング大会」(通称「カンマケ」)です。2022年度は「自虐マーケティング」の研究に取り組んだ國田ゼミ(3年生)が最終発表で堂々の3位に輝きました。2023年度は「物語的移入(ナラティブトランスポーテーション)」の実証研究に取り組みました。本学内のファミリーマート店舗を活用させていただき、POPを取り付けての実証実験を行えるのが國田ゼミの強みです。

また、コロナ禍が落ち着いた2023年夏には、秋川渓谷でゼミバーベキュー会を実施。いちから火を起こすのが大変でしたが、炎天下、学生はときどき川に入って体を冷やしながら夏の1日を満喫していました。まるでただのレクリエーションのように聞こえるかもしれませんが、これは実は「バーベキューでのフードロス」を削減する、一つの社会課題解決に向けた、4年生の卒業制作フィールドワークの一環でした。このように國田ゼミではすべての活動が「課題解決」思考とひもづいています。

さらに新たな取り組みとして、2023年度からは、福祉と農業の連携(「農福連携」)で日本の農業問題と障害者雇用の同時問題解決に取り組むNPO法人「AlonAlon」様の農園(千葉県君津市)を訪問し、理事長から現場でレクチャーを受けながら、そのビジネスモデルの新たな展開について自主提案を行う、という取り組みをスタートしました。農業(食料自給)は大きな社会課題です。興味のある学生は、ぜひ國田ゼミの説明会に参加してみてください(説明会は、リクエストがあれば個別に随時、開催しています。連絡先:kk1959@kaetsu.ac.jp)。

履修の際の注意点

出席と、毎回の授業内のワークでの積極的な発言を重視します。自分で考えるだけでなく、他の人の意見を聞き出し、そこからさらに新しい解を見つけていくことに学びの本質があります。ゼミ授業は与えられるものではなく、みんなで一緒に創りあげるものです。気になるテーマを掘り下げて調べたり、考察することに興味がある学生にはぴったりのゼミだと思います。