小菅 成一 (コスガ セイイチ)
東京都の出身です。2005年から嘉悦大学に勤めています。担当する科目は、会社法Ⅰ・Ⅱ、商法Ⅰ・Ⅱ、経済法、金融商品取引法等です。
私の研究分野は、商法や会社法です。学生時代は法学部に所属していたのですが、もともと企業や経済のことに関心があったため、そうした活動を規制する法律分野である商法や会社法を専攻することになりました。法律は、憲法や民法、刑法をはじめ数多くあります。そのなかでも企業のビジネスについて規制する商法や会社法はダイナミックでとてもおもしろい法律だと思います。
企業活動に関わる法律についての研究
企業活動に関わる法律知識(条文や判例等)を勉強・研究していくことで、文章を読む能力や書く能力、物事に対する分析力、論理的な考え方等を習得することができると思います。
皆さんの多くは大学卒業後企業に就職することでしょう(なかには将来起業して経営者としてビジネスを始めたいという人、資格試験を受けて専門職に就き企業実務に携わりたいという人もいることでしょう)。
企業には、トヨタやソフトバンク、イオン、NTTのような大企業もあれば、中小企業で実質は個人企業といったものもあり、そこで生ずる問題(トラブル)は様々です。ここ最近の企業をめぐる「悪い」ニュースを挙げると、会社の不実の情報開示とガバナンスの不全(利益の水増しに係る情報の公開を経営者が率先して行った大手電機メーカーが経営危機に陥った問題)、経営者による違法行為の横行(経営トップによる性加害を長年隠蔽していた大手芸能事務所のケース等)、株式の不公正取引(世間に公表されていない会社の情報を利用して株の取り引きを行うインサイダー取引の問題)などがあります。皆さんはなぜこうした問題が起きるのか、考えたことはありませんか?
この研究会では、上記のような企業に生ずる様々な問題をどう解決するのか、それを法律的な視点から検討していきます。具体的には一般の社会生活・企業活動の基本法である民法をはじめ、企業取引(商事売買や消費者取引等)に関わる商法、会社の組織運営(会社の設立、株主総会や取締役会の運営、株式発行による資金調達等)に関わる会社法等の法律を取り扱います。そうした法律がどのような規制を設けているのかを勉強していきます。
上記で挙げた法律は、企業の経営や経済活動とも密接です。こうした法律を勉強することで、現在の企業の活動状況等に関わる知識を得ることができると思います。また、司法試験や公認会計士、中小企業診断士、行政書士等の試験では商法や会社法等が必須ですので、資格試験志望者にとっても本研究会で勉強することは有益であるといえます。本研究会の受講者は、卒業するまでに高度な法律知識が備わり、企業等への就職後(あるいは起業後や専門家〔行政書士や会計士等〕として独立後)もそうした知識が仕事に生かせるようになるものと考えます。
各学年時の研究会の内容は下記のとおりです。
2年生時(研究会A1・2)には、民法や商法等について勉強していきます(小菅が指定した文献を受講生と共に通読します)。また、最近注目されている企業について学生に報告してもらいます。
3年生時(研究会A3・4)には、受講生が会社法I・IIの単位を取得していることを前提に、そうした法律に関する判例や企業実務で注目されている法律問題について研究していきます(受講生自身に関心のある法律に関わるテーマについて報告してもらうことも予定)。
4年生時(研究会A5・6)には、3年生時の研究会で報告したテーマを中心に、受講生に報告書(就職活動時に要求される研究テーマの対策にもなる)を作成してもらう予定です。
※受講生からの希望によっては、裁判所や東京証券取引所等への見学も行いたいと考えています。
本研究会は、法律や企業のことに関心のある学生のほか、資格試験志望等の学生の履修も歓迎します。ただし、以下の注意事項をよく読んでから履修されることをおすすめします。
①本研究会では法律の文献や判例を読むため、受講者には、長文を根気強く読解する能力や文章作成能力等が求められます(法律を理解するためには高度な日本語能力が求められます。日本語能力に自信のない外国人留学生については、よく考えた上で本研究会を選んでください) 。
②本研究会では、授業で使用するテキスト・専門書等の購入を受講生に求めることがあります。
③本研究会の履修志望者には、2年生時に会社法Ⅰ・Ⅱを(可能な限り民法Ⅰ・Ⅱも)履修することが求められます。
④研究会の成績評価は基本的に平常点をもとにします。欠席が多い(欠席する場合は事前に連絡のこと )、報告の準備をしてこない等の受講生については、他の学生にも迷惑をかけますので、研究会の単位を付与しないことがあります。