工事中
オキュパイド・ジャパン(Occupied Japan)とは、第2次大戦後の「占領下日本」のこと。民間貿易が再開された1947年から、サンフランシスコ講和条約が発効した52年まで、日本からの輸出品には「MADE IN OCCUPIED JAPAN」の刻印を付けるようGHQ(連合国最高司令官総司令部)から命じられていました。
北米を中心に輸出された品々は、陶器やおもちゃ、布製品、カメラなどさまざま。「OCCUPIED JAPAN」の文字が付いた5年間だけの期間限定アイテム(「OJ」と呼ばれる)は希少価値を持ち、現在ではコレクターたちによる収集の対象になっています。
フィギュリンやノベルティと呼ばれる陶製人形は、戦前より瀬戸などで生産、輸出され、ドイツ製の磁器人形の代わりとして、アメリカで人気がありました。戦後、輸出が再開されると、17、18世紀のヨーロッパの衣装をまとったマイセン風の男女やハンメル風の子どもたち、天使や妖精など、精巧なビスク人形から、安価で素朴な人形まで、膨大な数の人形が海を渡り、戦後の貿易再建を支えました。
また大正以来、アメリカ人の好むスタイル、最新の流行を取り入れノリタケのような世界的なブランドも生み、外貨獲得の主力商品だった和製洋食器も戦後いち早く再開され、こちらも貿易再建を支えました。