🔳岩名道(山崎・岩名)の史跡巡りと自然散策(2024-03-01)
編/さくら道26
編/さくら道26
今回は、佐倉市の佐倉城城址のある田町から岩名にある岩名仁王尊までの通称岩名道を散策します。
仁王尊は、空海が作ったという伝説や、川を流れてきたという伝説があります。
岩名仁王尊は、真言宗豊山派の寺院で、市指定文化財の阿吽金剛力士像を所蔵しています。仁王堂は玉泉寺の一建物ですが、本堂がある場所から少し離れた場所にあります。
また、印西市松崎にある多聞院山門の仁王尊二体のうち一体が、大雨の時に佐倉市岩名に流れ着いたとも言われています。
それ以外には神社や仏閣など多く、また山崎ひょうたん塚古墳や岩名天神前遺跡などもあり歴史ある場所です。岩名道周辺をぜひ楽しみながら散策をしてほしい。
①岩名運動公園バス停
岩名運動公園よりスタート。
②長屋門(個人住宅)
個人住宅のため外観のみ見て通過する。
③玉泉寺
正式名は二峰山玉泉寺。宗派は真言宗豊山派。開山は文安元年(1444年)とされている。本尊は大日如来である。
④仁王尊
岩名仁王堂は岩名玉泉寺の一建物であるが、本堂がある場所から少し離れた場所にある。玉泉寺本堂の右手にある6基の石塔をさらに進むと階段があり、その階段の上に仁王堂がある。
④毘沙門堂
当毘沙門堂は二峯山寂号院玉泉寺(文安元年開山)の境外仏堂にして毘沙門天の尊像を厨子中に安置している(掲示板より)。
⑤庚申搭
左の庚申塔は享保17年(1732年)建立。右の年代不詳の地蔵尊の首から上は昭和49年の調査ではなかった(「ふるさとの石仏」佐倉市教育委員会 より)。
⑥山崎ひょうたん塚古墳
この古墳は、印旛沼を眼下に望む海抜29mの台地縁辺に位置する前方後円墳で、嘗ては、ひょうたん塚古墳の南側にあった円墳1基(消滅)とともに夫婦塚と呼ばれていた(「佐倉細見」佐倉市教育委員会より)
⑦岩名天神前遺跡
岩名天神前遺跡は佐倉市岩名396番地にあり、関東地方では最も古い弥生時代の墓の遺跡である。1963年も暮れようとする頃、偶然にも佐倉市の農家の人が芋掘りの最中に1個の土器を発見したという記事が毎日新聞千葉版に掲載された。この記事に注目した弥生文化研究の権威者・明治大学の杉原荘介博士が1963年と翌年の2回にわたって発掘を行った結果、東日本では最も古い特徴を持つ弥生土器、管玉(くだたま)といった遺物や人の骨などが発見され、しかもその墓は2度埋葬する珍しい墓であったことが分かった。
⑧麻賀多神社
旧岩名村の鎮守様(産土神)。道路を挟んだ所にある八幡神社は 旧山崎村の鎮守様(産土神)である。麻賀多神社は、旧岩名村の 南境に位置する。祭神は、稚産霊命(わかむすびのみこと)。創建は不詳である。同神社の棟札に天和三年(1683年)に造立されたという墨書があるが、創祀ははるか以前と思われている。
⑨山崎八幡神社
創建が何時かは不明であるが、往古より旧山崎村の鎮守様(産土神)としてムラの人々の信仰を集めていた。祭神は誉田別命(ほんだわけのみこと)。この場所は、旧山崎村の東の境にあたる。
⑩仙元神社
山崎仙元神社は、以前山崎八幡神社の境内にあった祠を平成3年頃現在地に移したとのことである。仙元は浅間と同義語であり、浅間は富士のことである。仙元社は、富士山を鎮める神の木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)を祭神とする神社である。
⑪道祖神
この道祖神社がいつからあるかは不明である。田町片町から山ノ崎に入り、岩名と飯田に向かう峠付近に立っており、賽ノ神として悪疫・災いなどが村の外から入らないように、また通行する人が恙無く旅を続けられるようにとの願いを込めて建てられた。
⑫道祖神そばの大きな榎の下に佇む石仏群
左より、地蔵尊、廻國塔、六地蔵、庚申塔、その右は不明
⑫ 廻國塔
廻國塔の正面真ん中に「大乗妙典日本囘國六十六部供養佛」、その右には「天下和順 山村」、左には「日月清明 願主浄心」と記銘され、右側面には「宝暦十庚辰年(1760)十一月七日」、左側面に「宝林院岸誉円阿○玄居士、珠林院光一房清寿信女」と記銘されている。
⑫ 六地蔵
石幢(せきどう)型の六地蔵である。「上報四恩下資三有」「享保十八癸丑年(1733)七月廿四日 願主 了圓」の字が彫られている。高さ約1m20cm 。
⑫ 庚申搭
庚申塔の正面に一面六臂の青面金剛が邪鬼を踏み付け、その下に見ざる聞かざる言わざるの三猿が彫られている。右側面に「干時享保元丙申歳(1716)初四月 奉造立庚申之尊像」と彫られている。左側面には「須以此功徳普及〇 我等輿衆生所供〇佛道」その下に竹内〇〇他6名の名が刻まれている。高さ約1m10cm。
⑬岩名道の道標
この石碑には「岩名道」と書かれておりその他は不明。
⑭馬頭観音
岩名道の傍らに木々に囲まれて馬頭観世音などの石碑が十数個建てられている。
⑮隆祥寺
隆祥寺は曹洞宗のお寺で「天桂山隆祥寺」と号する。大佐倉にある勝胤寺の末寺で釈迦牟尼如来を本尊とする。
【後記】
弥生月に入った雨上りの朝、鈴懸の実を収集、太古から続く谷津田に囲まれた島々を目前にスタートした。隣接に宮前団地が開発された岩名の神社仏閣は歴史の重さと風格が感じられた。岩名天神前遺跡で発掘された土器から死者を弔うため二度埋葬される再葬墓を取り入れたということに関心を深めた。(Mrs. M.I.)