内田 勲
みんなから、コマッちゃんと親しまれた、小松喬生先生が、令和4年6月24日に95歳の天寿を全うされました。
私たち3回生にとって10歳年上の兄のような先生でした。同期会には欠かさずご参加いただき、先生を囲んだ楽しい会話の場はいつまでも賑やかでした。
優しい目で、一人ひとりに語りかけるように、分かりやすい教えていただいたおかげで、数学が好きになった仲間が増えました。方程式の解き方というより、「もの」、「こと」を深く掘り下げて論理的に考える大切さと楽しさを教えていただきました。私が社会人になってから今に至るまで、日本の「ものづくり」の在るべき姿を追い求めているのもその原点は小松喬生先生の数学の時間です。
附中時代
富山(小松)美知子さん提供
2001年
谷孝子さん提供
2023年10月20日
第2回童喜会
”無限大”についての授業でのワクワク感は74年も過ぎた今でも鮮明に覚えております。
”無限大”って何? あの時からずっと考えております。宇宙の広がりのこと。人間の持つ業の深さのこと。今度先生にお会いしたら、また議論したいと思っていた矢先のご訃報に悲しみでいっぱいです。
奥様のご看病をなさり、手帳にビッシリ、小さい字で、脈拍、体温、血圧、血糖値などのデータを書き込まれ、日々の体調を把握されておられました。奥様も先生の後を追われるようにお亡くなりになられたとのこと。お二人で仲良く、支え合いながら彼岸にお渡りになられたことでしょう。
ご遺族にお悔やみを申し上げ、小松喬生先生と奥様のご冥福を心よりお祈りいたします。安らかにお眠りください。
ありがとうございました 合掌
(「緑友」2023年3月号「前会長と恩師への追悼文」から許可を得て転載しました)
Essay これぞエッセイ に収録
附中数学班 1951年