ALSA EQ Pluginの導入


私はイコライザーによる音のコントロールはあまり好みではありませんでした。プリメインアンプを使ってトーンコントロールで音質を調整して結果、よかったと感じたことはあまりありません。トーンコントロールを使うことによって音のバランスを自分にとって安定感のある好みの音にすることはできます。しかし、トーンコントロールのスイッチを入れた瞬間、音のツヤや伸びなど音本来の持つ素晴らしい部分が半減してしまうのでトーンコントロールはオフにしておくことが多かったのです。


色々と書かれているようにデジタルで音を調節したときには音質劣化はあまり感じません。その例がBerhingerのDEQ2496というデジタルイコライザーです。これはデジタル出力を受け音場に合わせて音をコントロールするための機器で、私もこれを導入して現在、お世話になっています。ところが音の調節が結構難しくて、それなりの効果は得ていると思っておりますが、とてもとてもプロ並みの細かい調節はできていません。宝を半分持ち腐れている状態です。しかしこれは実際、音質を落とすことがまずまずほとんど感じられない素晴らしい音質調節機器です。


こんなものがLinuxソフトにないものかとネットでいろいろ探しておりました。そしてようやくそれらしいものを見つけました。それが


ALSA Mixerと呼ばれるものです。いろいろなページに紹介されていますが、ここが一番スッキリとわかりやすかったので参考にしてインストールを行いました。当初、ものは試し。良くなかったらアンインストールすればいいという気持ちでした。ページの記載に従って、ターミナルに


sudo apt install libasound2-plugin-equal


と入力してこれのソフトをインストールします。続いて同じくターミナルに


sudo nano /var/lib/mpd/.asoundrc


と入れ、空の.asoundrcというファイルを作り、そこに


pcm.!default {

type plug

slave.pcm plugequal;

}

ctl.!default {

type hw card 0

}

ctl.equal {

type equal;

}

pcm.plugequal {

type equal;

slave.pcm "plughw:1,0"; # NOTE this line MUST be your hardware device.

}

pcm.equal {

type plug;

slave.pcm plugequal;

}


をコピーアンドペーストし、ctrl+xでファイルを保存したのち閉じます。


ここでPC本体を再起動します。Linuxが立ち上がったらターミナルに


sudo -H -u mpd alsamixer -D equal


と入力します。すると次の画面が出てきます。

バーの高さがゲインで、横軸が音の高さです。向かって左側が低音、右側が高音です。ターミナル画面が小さくて全ての音域が見えていないかもしれません。その場合はターミナル画面を広げてやってください。このように音域が10分割されています。PCの左右矢印でカーソルを目的音域に持っていったのち上下の矢印を使ってゲインの調節をします。


これによる音質の劣化はほとんど感じられませんでした。さすがデジタル処理です。ご自身のお好みに応じて調節してください。通常は、まず高音域を全般に上げてやり、加えて低音域を好みに応じて上げるのが初心者向きとされます。


加えてなんと!このEQはそれぞれの音域について、左右の音のゲイン調節が可能なのです!これはすごいです。目的とする音域にカーソルを合わせたのち、PCのキーボードでq/e/z/cのキーで左右分離してゲイン調節ができます。こんなふうです。

このアプリ使えば鬼に金棒。各linux亜型のsoundをより細かく調節することができます。


ただし、これを使えばいろんなLinuxの音質の垣根がなくなるか、といえばそんなことは決してありません。あくまで基本はそれぞれLinux OS亜型の音の特性であり、次にkernelの音です。それに加えて少しだけ音の調節を加えるものという風にお考えください。


それから使用しているDAC/DDCによってはこのアプリが対応していないものもあります。その場合はイコライザーが効きません。ただし、元の音はそのままちゃんと出ますのでご安心ください。