拡張メモリ OR-1

PB-100は544ステップという極めて小さいメモリに如何に多くの要素を詰め込むか、というところに面白さがあるのですが、NUAOを含めまだその領域に達しない人には、やはり拡張メモリが欲しいというのが実情です。取り付ければ1,568ステップという広大な(?)メモリ空間が約束され、あれもこれもできるぜ!と嬉しくなります。

しかし、拡張メモリは入手が難しい。ヤフオクやメルカリでもごく稀に出品されますが、競り合いが起きるほどです。

OR-1

OR-1E

ところで、拡張メモリには赤色の「OR-1」と緑色の「OR-1E」があるのですが、この違いは何でしょう? 40年も前の製品なので、なかなか情報がありませんでしたが、いろいろ調べた結果、NUAOの結論は次の通りです。

「初期のPB-100本体には、電源ON/OFF時に拡張メモリの内容が書き換わってしまう問題があり、それを応急的に防ぐサブ基盤が(おそらく手作業で)付けられていた。後期のPB-100および後継機種には、拡張メモリ側に対策が取られ、本体のサブ基盤が不要になった。」

というものです。対策前が赤のOR-1、対策後が緑のOR-1Eというわけです。

NUAOは最初「赤も緑も一緒やろ」と思い込み、ヤフオクでゲットした後期PB-100(裏面にPB-100マルEと刻印あり)に、別途入手の赤色OR-1を入れたところ、どうも様子がおかしく、電源OFFにするとプログラムがガタガタに崩れました。

いろいろWebを調べたり、現CASIOお客様窓口に問い合わせ(ここでは不明との返事orz)たりしていたところ、海外?で以下の分析記事を見つけ、全ての謎が解けた(とNUAOは思っている)次第です。

http://www.pisi.com.pl/piotr433/hardware.htm

この記事の中に、上述のサブ基盤の役割と、その回路図が載っています。


従って、対応は次の通り。

初期型PB-100

OR-1(赤色):〇

OR-1E(緑色):不明(おそらく〇)

後期型PB-100及び後継機種(PB-100Fなど)

OR-1(赤色):×

OR-1E(緑色):〇


やっと入手した「超高価な」メモリが使えないことのないよう、よく確認して入手しましょう。

なお、本記事の内容はNUAOの独自分析によるものですので、もしかすると正しくない可能性もあります。あらかじめご容赦ください。

初期型PB-100に取り付けられているサブ基盤

1KBメモリ HD61914
(8192-bit static RAM)
ダイ写真

本体に一つ、拡張メモリにもおそらく1つ入っている。1kBしかないOR-1/1Eが5,000円ぐらいで取引されているので、ビット単価は世界一かも。