PB-100のキーボード

PB-100のキーボードの構造と不具合について

古いPB-100の不具合として、電源のON/OFFがうまく行かないというものがあります。この原因について、分解して考察しました。PB-100に限らず、携帯電子機器のキーボード(ボタン式)は、メンブレン方式が採用されることが多いようです。メンブレンとは、シリコンなどで凸型の形状をつくったシートで、キーを押すと凸が凹んで接点をONにします。恐らく、多くのキーをメンブレン1枚でカバーできるので大幅なコストダウンになるし、キーの隙間から入り込むゴミの影響を減らせるというメリットがあるのでしょう。

図に、PB-100のキーボードの構造概念図を示します。

PB-100のキーボードの構造概念図

PB-100では、何個かのキーをグループにし、一つの共通接点をを介して各キー接点に通電しています。従って、共通接点と各キーの接点が、両方ともONにならないと、キーが効きません。また、スライド式の電源スイッチも、内部ではスプリングでフィルムを押し、CPUに信号を送ることでCPUが電源をON/OFFするようになっています。(最初からボタン式にすればいいのに…)そのため、暴走すると電源スイッチが効かなくなるのです。

電源スイッチの構造概念図

電源スイッチのON/OFFが旨く行かなくなる原因は、

 ①スプリングで押している方の接点がくたびれた場合

 ②電源スイッチが属するキーのグループの共通接点が接触不良の場合

が考えられます。

①の場合は…健全なフィルムを中古品から部品取りして交換するしかないでしょう。スプリングで強く押される接点は、見た目にもダメージありそうですので、できるだけPB-100を延命したいNUAOは、なるべく電源スイッチを使わずオートパワーオフを使っています。(電池は簡単に交換できますので)

②の場合、電源スイッチの右横を指で押すと、共通接点がONになり、電源スイッチが効くことがあります。共通接点が接触不良の場合は、そのグループのキーが纏めて反応悪くなりますので、大体見当がつきます。

キーボードの組み立てについて

一旦キーボードをばらすと、キチンと組み立て直すのは結構難しいです。何故か微妙にずれ、キーの反応が悪くなることがありますので、注意して下さい。コツは、穴の開いたスペーサのシートを、あらかじめ基盤側にセロハンテープでくっつけておくことをお勧めします。スペーサが正確な位置に来るように微調整し、端の方3か所くらいに小さく切ったセロハンテープで仮固定しておくとよいです。テープは他に悪さをしないよう、ごく小さく(5mm角位に)切ってピンセットで慎重に張りましょう。それと、基盤を押さえる中間フレームを多数のビスで組み付ける際、ジャンパ線を嚙みこむとキーが反応しなくなります。結構微妙です。

(2023/7/8更新) PB-100の分解・組み立ての解説を追加しましたので、こちらを参照してください。