PB-100の計算能力?
PB-100の
CPU+ディスプレイコントローラ
+キーボードコントローラ
HD61913 (200kHz, 2相)
こいつのピン数の制約で、液晶画面の文字数(12文字)が決まったのでは?
PB-100の計算速度はどの程度なんでしょう。PB-100はBASICだけであり機械語は使えないので、CPUの真の実力は分かりませんが、細かいことは置いといて、BASICでの計算速度を計測してみます。
出来るだけシンプルなプログラムとして、
5 A=1
10 A=A+1/A*A:GOTO 10
というプログラムを10秒間に何回実行できるかを計測します。機種はPB-100(後期型) 拡張メモリなし です。
一回目 207回
二回目 203回
三回目 209回
平均して206回
一回につき、加減乗除計算としては3回やっていますので、
206*3/10=61.8FLOPS
※FLOPS=FLoating point Operations Per Second
となります。こ、これは遅い…。
ちなみに、Pokecom GOからのロード で接続したNUAOのスマホは、既に更新時期を過ぎた古い機種ですが、CPUはSnapdragon 845で、公称727GFLOPSだそうです。理論値である公称スペックとBASIC実測値を比較するのは乱暴に過ぎますが、単純計算では
727G/61.8=117億倍
の差があります。。
これを例えると、スマホで1秒で終える計算が、PB-100のBASICでは370年掛かることになります。江戸時代の承応元年から始めないと終わりません。でも、そんな制約の中で人を楽しませるゲームをPB-100で作るというのは、実はものすごいことなのでは?(自画自賛)
2022/10/30追記
NUAOの要更新スマホ SONY SO-3Kにおいて、Pokecom GOの最高速no waitモードで上記テストプログラムを走らせてみました。その結果、17758*3/10=5,327FLOPSとなりました。PB-100との性能比は86倍です。これが、Android OSやBASICインタープリタのオーバーヘッドを考慮した、正味の性能差に近い評価と思われます。そりゃそうですよね。
SO-03Kには最高2.7GHzのコアが4個も入っています。仮にその1つだけが働いていたとしても、クロック比は6,750倍(=2.7G/(200K*2相))。なのに86倍の性能差に迫っているというのは、PB-100、なかなか優秀ではないですか!
2023/8/1追記
計算時間がかかるOstlePBを用いて、各シミュレータの各モード、実機の計算時間を比較したデータを示します。
PB-100実機はPB-SIMの通常(normal)モードと大体同じくらい。高速(fast)モードだと約5倍の速度です。PokecomGOのno waitモードは断トツに早く、約83倍です。
Ostle PB一手の所要時間比較