2024年6月30日 井上典之(編著)『EUの現在地:揺らぐ法秩序の動態』(信山社)を出版。
EUの現在の揺らぎを経済学の視点を含めて公法学的視点からの検討を行う研究書。4部構成で全8章に及ぶ日欧比較の視点を取り入れたもの。ポーランドの研究者による論稿も所収しており、公的政治共同体としての公共圏構築の在り方をEUの現状を題材にして考察する。なお、本書の構成・内容は以下のとおりである。
序文(井上典之)
第Ⅰ部 総論的検討
第1章 EUにおける多層的憲法アイデンティティ ―EUの揺らぎをもたらした法的背景(井上典之)
第Ⅱ部 構成国の裁判所からの反抗
第2章 EUに対峙するドイツ連邦憲法裁判所の論理 ―特にその民主的正統性について(門田孝)
第3章 次は「ポレグジット(Polexit)」なのか? ―EU法の地位をめぐるポーランド憲法法廷の姿勢
(マジェック・セロバニエック(竹内大樹 訳))
第Ⅲ部 基本権からの検討
第4章 欧州連合司法裁判所と人種・民族差別 (植木淳)
第5章 捜査機関によるDNA型情報の利用に関する日欧の比較法的考察 (高橋和広)
第6章 個人・家族・多様性社会 ―日欧憲法学の比較において (春名麻季)
第Ⅳ部 経済学的視点からの検討
第7章 EU銀行同盟 ―EUの経済統合における位置づけ (花田エバ)
第8章 ウクライナ・モルドヴァのEU加盟 ―西バルカン諸国との比較 (吉井正彦)
以上