J.教材生物を使った実験
(1)100mL培養瓶に底を覆うぐらいの水田の土とマグァンプ1粒を入れる。NBミネラルウオーターを30mLくらい入れて、オートクレーブをかける。
(2)植え継ぐときにNBミネラルウオーターを足す。
(3)滅菌したパスツールピペットでミカヅキモを植え継ぐ。
(4)低温インキュベーターで光を当てて維持する。
(5)培養瓶によっては半年以上安定して増殖するが、他の緑藻類がコンタミして培養液が緑色になることや、コンタミはしなくてもなかなか増えないことも多い。
※赤玉土は原因はよく分からないが相性が良くない。
※風乾した水田の土は、
・予め500mLのビーカーに一定量入れ水洗してゴミをとる(水道水で可)。
・ミネラルウオーターを浸るくらい加え、アルミホイルで蓋をしてオートクレーブをかける。
・二相培地をつくる際の土はこのビーカーの土を移すようにすると作業が楽。
・時々、滅菌土をときどきオートクレーブをかける。
※ミカヅキモもボルボックスと同様に、NBミネラルウオーターで維持する方が良い。
※ミカヅキモは肉眼あるいは双眼実体顕微鏡で確認して植え継ぐ。
※安定した培養瓶がいつでもある状態にしておく必要があることから、ある程度の数の培養瓶を用意しておくと良い。
※ミカヅキモは植え継ぎをきっかけとして他の緑藻類が急に増殖して、一週間するとミドリムシを培養している液のようになることがよくある。
※パスツールピペットでミカヅキモを吸うと、管壁に付着してしまうことがあるので注意が必要。
動画
※コンタミした培養瓶。
植え継いで数日で写真の様な状態になることも多い。
《ボルボックスを参照》
(1)他の緑藻がコンタミした場合は、以下の「細胞群体の単離⇒洗浄⇒シャーレで培養⇒新培養瓶で培養」の作業を行う。
(2)【準備】
・滅菌パスツールピペット
・時計皿
・90mm滅菌シャーレ(高さ20mm)
・40mm滅菌シャーレ蓋
・脱脂綿
・ミネラルウオーター
・二相培地培養瓶
【ミカヅキモの単離・洗浄】
1)時計皿を4枚ほど並べる。
2)時計皿にミネラルウオーターを1mL位入れる。
3)双眼実体顕微鏡を使って、駒込ピペットで培養瓶からミカヅキモを1枚目の時計皿に入れる。
4)別の駒込ピペットで細胞群体を吸・出を何回か繰り返して、洗浄する。
5) 3)4)を繰り返す。
※5回繰り返せば、ほぼ洗浄できた状態となる。
6)別の時計皿1枚に、二相培地の液を1mLくらい入れる。
※底の方から土の微粉も混じるようにして吸い取る。
7) 6)の時計皿に別の駒込ピペットでミカヅキモを入れる。
※1培養瓶に1細胞群体あれば良い。
【シャーレ培養】
8)高さ20mmの90mm滅菌シャーレの蓋をとり、中央に40mm滅菌シャーレの蓋を逆さにして置き、キムワイプまたはペーパータオルを敷く。
9) 7)の時計皿を、8)の40mm滅菌シャーレの蓋がスタンドになるように置く。
10)90mm滅菌シャーレに乾燥防止のためにミネラルウオーターを加えて蓋をする。
11)低温インキュベーターで光を当てて培養する。
12)少なくとも2~3日に1回は双眼実体顕微鏡で増殖の状況を確認する。
13)ある程度増殖したら、二相培地の100mLの培養瓶に移して増殖させる。
※場合によっては、90mm滅菌シャーレに二相培地の液を入れ、さらに培養させてから100mLの培養瓶に移しても良い。