第9回 ドット・コム狂騒曲 2000年5月24日
第9回 ドット・コム狂騒曲 2000年5月24日
先週号に作家.comが紹介されていたが、自分のホームページを持ちたいと思う人は、即、「作家」なのかもしれない。
インターネットでは、サーチエンジンやリンク集を介して、著者と読者がダイレクトに結びつくわけだが、プロバイダーと契約し毎月1000円くらいのお金を払えば、5MB程度のディスク領域がもらえるので、すぐにHTMLを書いて、「著者」になることができる。
プロバイダーの長いURLの下につく名前では物足りない人、自分の作品や主張にドメイン名をつけておきたい人のために、ドメイン名の取得と運営方法をご紹介する。 WebGendai
ドット・コムの混乱
前回、Network Solutions社(NSI)を使ったドット・コムの取得方法をご紹介した。読者の方から激励のメールをいただいたが、5月中旬「おかしなページが表示される」という連絡をいただいた。今は回復しているが、その際、画面に現れたのは、異なるドメイン名登録業者のページであった。
NSIも、以前、ドメイン名の総管理元であるInterNICにアクセスすると、NSIのホームページが表示されるという暴挙に出たことがあり、今回、逆襲されたわけだ。ドメイン名の管理業者ならこんな悪ふざけが簡単に行える。ドメイン名の管理業者がNSI1社独占で良いわけはないが、ゲリラ的な業者が入り込むのも困りものである。
最近NSIと同列のドメイン名販売業者が多数登場した。例えば、http://www.webgen.comに行くと、http://www.register.comのページが表示される。これはRegister.com社が販売し、ホームページの設定も担当しているページの、近日公開の予告である。
VERIOもプロバイダー兼ドメイン名販売会社であるが、この会社、5月上旬にNTTコミュニケーションズが6000億円で買収して一躍有名になった。1999年度の売り上げは2億5800万ドル(300億円弱)である。新聞に「NTTコムが米社を売り上げの20倍で購入」と大きく報道されたが、そんなに価値のある会社とはとても思えない。VeriSignによるNSIの買収金額が2兆円なので、それに比べると3分の1の買収金額なのだが、NSIは.comの95%を管理している超優良企業である。
1万2000ものドメイン名を所有する企業も登場している。M@ilBank.comは好みのドメイン名を使ったメールアドレスを年会費9.95ドルで販売している。taro@yamada.net、mokichi@saito.comなど日本の姓も多数保有している。この会社、発想が面白いし、1万2000のドメイン名という優良な資産を持っているので、成長が期待できる。
その他のドメイン名取得と運用
前回、南太平洋ツバルの.tvをご紹介したが、最近、.toを見かける。.toはトンガのトップレベル・ドメインで、ToNICから簡単に取得できる。整髪料ではなく、TongaのNetwork Information Centerの略である。
トップレベル・ドメイン名の一覧はL.OSHIMAさんの「各国NICのURL」に詳しく紹介されている。また、バリューコマース社は各国のドメイン名取得を代行してくれる。この会社、ドメイン名の取得も込みで15MBのサーバのレンタル料が毎月4900円である。
株式を公開し急成長しているInterQは、日本の.co.jpや.comの取得を行ってくれる。彼らのお名前.comサービスを使えば、20MBのレンタルサーバが毎月3000円である。取得済みのドメイン名を使って、レンタルサーバを運営するコースも用意されている。
独自ドメイン名でのサーバ運用も米国では格安で、NSIは前回ご紹介したドメイン名取得のみの35ドルコース以外に60ドル、85ドルの3コースが用意されている。65ドルは1頁の制作またはリンクができ、85ドルだとメールアドレスも持てる。リンクというのは、今、自分が持っているhttp://www.cplaza.ne.jp/members/~shimokawaなどというホームページのアドレスを、http://www.shimokawa.comでも見られるようにするURL転送サービスである。20%offのバーゲンセール中で、各々48ドル、68ドルとなっている。
2回にわたって、個人名.com、作品名.netなどの取得方法をご紹介したが、姓での.comが取れなくても、KazuoShimokawa.comなど姓名なら空いていると思う。レンタルサーバで.comが動き出したら、次はホームページを作って、ftp(File Transfer Protocol)ソフトでサーバにHTMLを登録すれば、世界中の読者があなたの著作を読めるわけである。
競争を続けるドメイン名会社が狂騒し、それにユーザも振り回されている感はあるが、独自ドメイン名を持つことは、単なるファッションではなく、強い意志を世界に示すことなので、慎重かつ大胆にチャレンジして欲しい。
成長株のM@ilBank.com
.comを取ってくれるInterQ(現在のお名前.com)